ウクライナ大統領の衆院第1議員会館演説/考


更新日/2022(平成31.5.1栄和改元/栄和4).3.25日

 (れんだいこのイントロショートメッセージ)
 ここで、「ウクライナ大統領の衆院第1議員会館演説/考」をものしておく。

 2017(平成29).11.12日 れんだいこ拝


【ウクライナ大統領の衆院第1議員会館オンライン演説/考】
 2022.3.24日付け新聞赤旗記事「ウクライナ大統領 国会演説/核に強い警戒感」。
 ロシアからの侵略を受けているウクライナのゼレンスキー大統領は23日、日本の国会に向けオンラインで演説を行いました。同国元首の国会演説は初めてです。

 大統領はロシアへの経済制裁を継続するよう要請。さらに、「侵略の津波を止めるためにロシアとの貿易を禁止しなければならない」と訴えました。ロシアにある日本企業への投資は、ロシアへの投資につながるとして撤退を促すなど、さらなる圧力強化を求めました。多くの難民が帰還した際の復興支援なども求めました。 また、ロシア軍によるチェルノブイリ原発の占拠に触れ、「ロシアは核物質の処理場を戦場に変えた」と強調。ロシアの装甲車によって原発周辺の放射性物質を含む土が巻き上がっており、「戦争が終わってから環境被害がどれだけあるか調査するのに何年もかかるだろう」と懸念を示しました。 さらに大統領は、「ロシアがサリンなどの化学兵器を使った攻撃も準備していると報告を受けている。核兵器が使用された場合の世界の反応が話題になっている」と述べ、核をはじめ大量破壊兵器の使用に強い警戒感を示しました。
(私論.私見)
 単にこれだけの記事であるが、これを客観報道とみなすべきではなかろう。政党の場合、事実報道とそれに対する論評をセットするのが義務である。論評なしの事実報道はその事実を「手放し是認」していることを意味する。こたびの「ウクライナのゼレンスキー大統領の日本国会の衆院第1議員会館オンライン演説」をそのように見なしてよいのだろうか。これにつき、演説内容の吟味、日本国会の衆院第1議員会館オンライン演説の吟味の二方向からの検討を要するように思われる。以下略。

【ウクライナのゼレンスキー大統領の米議会に対するオンラインリモート演説演説/考】
 2022.3.16日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領が、米議会に対しオンラインリモート演説形式で演説した。この中で大統領は、ロシアによる侵攻の恐怖を、2001年の米同時多発攻撃や1941年の旧日本軍による真珠湾(Pearl Harbor)攻撃になぞらえ、ウクライナ上空での飛行禁止区域の設定を改めて訴えた。ゼレンスキー氏は、ロシア軍に包囲されているウクライナの首都キエフから演説に臨んだ。ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長がウクライナ語で「ウクライナに栄光を」と述べてゼレンスキー氏を迎えると、議員らは立ち上がり、熱烈な拍手を送った。
 概要「真珠湾を思い出してほしい。1941年12月7日、あのおぞましい朝のことを。あなた方の国の空が、攻撃してくる戦闘機で黒く染まった時のことを。9月11日を思い出してほしい。2001年のあのおぞましい日のことを。悪があなた方の都市を、独立国の領土を、戦場にしようとした時のことを。私達はこの3週間、毎日、毎晩、同じことを経験している」。

【れいわ新選組の衆議院議員/大石あきこ証言/考】
 2022.3.23日、れいわ新選組の衆議院議員/大石あきこが、「ウクライナのゼレンスキー大統領の日本国会の衆院第1議員会館オンライン演説に関するスタンディングオベーション」について、次のように証言している。
 「れいわ新選組の出席者以外は、見渡す限り全員、共産も含めスタンディングオベーションしていました。それが当たり前の熱気の下で、椅子に着席しながら、この空気を変えるために何をするべきか、真にウクライナの生活者、ロシアの生活者と共にある為にはどうすればいいか、自問していました」。
(私論.私見)
 3.16日の米議会に向けて「真珠湾を思い出してほしい。1941年12月7日、あのおぞましい朝のことを。あなた方の国の空が、攻撃してくる戦闘機で黒く染まった時のことを」と述べ反日憎悪を煽ったゼレンスキー大統領の舌の根の乾かぬうちの3.23日対日演説に無条件の賛美で追従する神経が政治的に痴呆化しているわな。

【中核派論文「日本共産党の階級的裏切り 挙国一致非難決議に賛成し 帝国主義の侵略戦争に加担」/考】
 2022.3.14日、週刊『前進』(3235号03面04主張/理論「日本共産党の階級的裏切り 挙国一致非難決議に賛成し 帝国主義の侵略戦争に加担」。
 プーチン・ロシア軍のウクライナ侵略戦争を止め、その世界戦争・核戦争への転化を阻止できるのは、今1万人を超える逮捕者を出しながら非合法の反戦デモに決起しているロシアをはじめ、全世界の労働者階級の国際反戦闘争だけだ。ウクライナ反戦闘争を、戦争の最大の元凶である帝国主義を打倒する闘い、反帝・反スターリン主義世界革命の闘いへと発展させなければならない。

 何よりも自国政府・日帝がウクライナ情勢に乗じて中国侵略戦争参戦に向けた改憲と核武装(「核共有」、INF配備)の攻撃をエスカレートさせていることを断じて許してはならない。北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大でプーチン・ロシアを追いつめ、ウクライナをめぐる侵略と戦争の最大の当事者でもある米欧日帝国主義と一緒になって日本共産党が「ロシアのウクライナ侵略」を「非難」し、「制裁」を叫ぶことは、階級性を解体し、祖国防衛主義、防衛力強化、核武装の正当化、帝国主義世界戦争にさおさすものである。ウクライナ侵略戦争―世界戦争・核戦争を準備してきた最大の当事者こそアメリカ帝国主義であること、米欧日帝国主義の「ウクライナ侵略弾劾」の反階級性、反人民性、反革命性を徹底的に暴露し弾劾しなければならない。

 日帝の戦争政策への批判は皆無

 日帝は、ウクライナ情勢をテコにして中国侵略戦争に一気に進もうとしている。3月1日衆議院、2日参議院の本会議で採択された「ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議」はそのためのものだ。日本共産党は、2月1日の衆議院における中国非難決議に賛成したのに続き、この決議に賛成した。これは第1次世界大戦の際、1914年8月4日、ドイツ国会で戦時公債に賛成して戦争突入を支持したドイツ社会民主党の裏切りに比すべき階級的裏切りである。

 決議は「国際社会とも連携し、制裁を含め、事態に迅速かつ厳格な対応を」と、米帝やNATOと共に戦争行為を宣言するものだ。日共は杉並区など全国の自治体の議会で同様の決議への全会一致を進めている。まさに帝国主義戦争翼賛運動だ。「敵基地攻撃能力の保有」を掲げて軍備増強を図り、沖縄基地を強化し、南西諸島へのミサイル配備を推進する政府と一緒に「ウクライナ及びウクライナ国民と共にある」などと言うのは、絶対に許せない犯罪的行為だ。「経済制裁」という形で現にウクライナでの戦争に参戦しようとしている岸田政権に対する支持と翼賛を表明した日共は、階級性を解体し、祖国防衛主義、防衛力強化、帝国主義世界戦争に加担する道を突進しているのである。

 帝国主義と共に排外主義あおる

 世界情勢の基軸には米帝の危機、米中対立の非和解性がある。帝国主義の根底的危機があって、そこから世界戦争に向かっているのである。その中でウクライナ情勢もある。米帝は、中国侵略戦争に踏み込むためにこそロシアをおびき出し、ウクライナを戦場としてプーチンをたたこうとしているのだ。これまでウクライナに武器を大量に運び込んでウクライナ軍を訓練し、戦争に備えていたのは米帝でありNATOだ。米大統領バイデンが一般教書演説で「プーチン氏は間違っていた。われわれは準備を整えていた」と言っている通り、まさに米帝の世界戦争計画の発動としてウクライナ情勢がある。何よりも米帝は、中国侵略戦争のために何が必要なのかという観点から戦略的に態勢を整えてきたのである。プーチンを断罪する「正義」の顔をして登場する帝国主義がやってきたことは何か。米帝の20年に及ぶアフガニスタン、イラク侵略戦争を見れば明らかだ。

 われわれは、中国侵略戦争—世界戦争・核戦争に突き進む帝国主義を打倒しなければならない。世界戦争情勢とは、まさに世界革命によって帝国主義を打倒する情勢である。この中で日本共産党は、革命を圧殺するために「国際社会との団結」や「国連憲章」を持ち出し、帝国主義の国際秩序を守ろうとしている。

 日本共産党は、2020年第28回党大会での綱領改定で、それまでの「アメリカの世界支配を許さず」という表現を削除し、「どんな国であれ覇権主義的な干渉、戦争、抑圧、支配を許さず、平和の国際秩序を築く」という表現に変えた。これは、まさにロシアや中国との対立を想定して、帝国主義の側に立つという日共のスタンスの変更を示すものだった。とりわけ中国に対しては、それまでの「社会主義をめざす国」という位置づけを完全に放棄し、「人権抑圧国」として非難し、帝国主義と一緒になって排外主義宣伝を行うに至っている。米日帝の中国侵略戦争攻撃の強まりについて日共が何一つ言及しないのは、それを容認し支持しているからだ。

 3月3日、杉並区議会で「ロシア連邦によるウクライナ侵略抗議決議」に洞口朋子議員がただ一人階級的立場を貫き、反対した(記事4面)。まさに日共反革命の対極にある存在と闘いだ。洞口区議に続こう。

【中核派論文「戦争とめるのは労働者の団結 対ロ制裁の大合唱と対決し自国帝国主義の参戦阻止を 動労千葉ストライキに続こう」/考】
 2022.3.21日、週刊『前進』(3236号巻頭論文「戦争とめるのは労働者の団結 対ロ制裁の大合唱と対決し自国帝国主義の参戦阻止を 動労千葉ストライキに続こう」。
 戦争とめるのは労働者の団結
 対ロ制裁の大合唱と対決し自国帝国主義の参戦阻止を
 動労千葉ストライキに続こう

 ロシア・プーチンによるウクライナ侵略戦争と、これに対する米欧日帝国主義の対ロ経済制裁とウクライナ軍事支援の応酬は、世界戦争・核戦争の危機をますますエスカレートさせている。他方で、ロシア労働者人民のウクライナ人民との連帯をかけた反戦決起が拡大し、万を超える逮捕者を出しながら、非合法の反戦集会・デモに実力で立ち上がっている。この闘争に連帯しよう。3・11反原発福島行動は国際的な反原発・反戦反核闘争としてかちとられた。さらに3月11〜13日、動労千葉の春闘ストライキが「戦争の開始に対する断固とした闘争」(関道利委員長)としてうち抜かれた。動労千葉に続く労働者・労働組合の反戦決起をつくり出そう。国境を越えて団結した労働者の力で、世界戦争・核戦争を絶対に阻止しよう。

 ロシアで実力の反戦決起

 3月14日、勇気ある女性の決起がロシアから全世界をかけめぐった。「当局は全員を拘束することなどできない。何も恐れることはない」。ロシア国営放送の女性労働者がSNSでこうメッセージを発信したあと、生放送中のスタジオに突入。ニュースを読み上げるキャスターの背後に「戦争反対! プロパガンダにだまされるな!」「この人たちはあなたにうそをついている」「ロシア人は戦争に反対だ!」と書かれた紙を持って登場した。その通りだ! プーチンも岸田も、戦争に反対する人すべてを牢獄に閉じ込めることなどできない。われわれには戦争を強行する政府を止め、倒す力がある!

 ウクライナではすでに、300万人を超える人々が国外への避難を余儀なくされている。子どもを含む多くの民間人が犠牲になり、病院を含む施設、街が破壊されている。1986年に爆発事故を起こしたチェルノブイリ原発は、戦闘によって原子炉冷却のための電源を一時的に喪失する事態に陥った。原発は「地上に置かれた原爆」であることが、現実の戦争の中で明らかになっているのだ。それでもなお「核攻撃」すら公言するプーチンは絶対に許せない。全世界の人民が怒りを爆発させ、プーチンを追いつめている。

 同時にはっきりさせるべきなのは、アメリカ帝国主義・バイデンや日本帝国主義・岸田が叫ぶ「プーチン非難」や経済制裁の強化は、現在の戦争を止めるどころかさらに巨大な戦争(世界戦争・核戦争)を引き起こしていくものでしかないということだ。そもそも今回のウクライナ侵攻は、米帝主導の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大とウクライナ加盟をめぐって引き起こされた。米帝は、バイデン自身がオバマ政権で副大統領だった時からウクライナの政権を「親欧米派」に代える動きを裏で策動するなど、NATOへの加盟を執拗(しつよう)に促してきた。何よりも米帝の狙いは、この戦争を通じてロシアを国際的に孤立させ、中国とロシアの結託を阻止することにある。戦後世界の基軸国の地位から著しく没落する米帝が、その延命をかけて中国侵略戦争を決断したことが、今起きている戦争の背景にあるのだ。戦争を止めるために必要なことは、街頭・職場での実力行動と国際連帯の闘いであり、国際連帯のために必要なことは、戦争政策を進める自国政府を打倒する闘いだ。プーチン打倒へ立ち上がるロシアとウクライナの労働者人民と固く連帯し、日帝・岸田打倒へ総決起しよう。

 労働組合が反戦の先頭に

 動労千葉の春闘ストライキは、戦争に反対して闘う全世界の労働者人民との連帯をかけて闘われた。関委員長は12日の総決起集会で、この闘いが戦時下の春闘ストライキであることを強調し、戦争絶対反対を貫くことが労働組合の最大の任務であることを訴えた。JRはコロナ禍をも口実にして「運転士」「車掌」などの職名を廃止し、「融合化」と称して鉄道運行に関わる仕事を「専門性の必要がない仕事」として鉄道労働者の誇りを奪い、列車の運転も清掃もコンビニの品出しも同じ労働者が同じ日に行う「何でも屋」にさせようとしている。鉄道に携わる労働をどこまでも軽視しており、重大事故を必然化するものだ。鉄道の歴史を画するこの大攻撃はJRだけの問題ではない。岸田が掲げる「新しい資本主義」とは、労資が共同でこのような社会をめざそうというものだ。改憲・大軍拡といった「外への侵略戦争」と、労働者の誇りと団結そして生活を奪う「内への階級戦争」とは完全に一体だ。

 「3・11」から11年を迎えた福島市での「反原発福島行動」は、この日福島市を訪れた岸田を直撃する決定的な闘いとなった。県主催の「大震災追悼復興祈念式」に出席した岸田は、汚染水の海洋放出を強行することで、新たな核戦争に向かって福島の怒りを圧殺しようとしている。この国家の全体重をかけた攻撃と対決し、絶対に阻止しよう。すべての原発いますぐなくそう!全国会議(NAZEN)が呼びかける「汚染水流すな! 全国署名」を全力で集めよう。

 岸田の改憲策動に反撃を

 岸田は16日の記者会見で、「ロシアに対して外交的・経済的圧力を一層強める」として5項目の対ロ制裁強化を打ち出した。さらに、ロシア側の対抗措置により原油価格の高騰などの経済的打撃が広がる可能性に言及した上で、「今こそ省エネや避難民の受け入れをはじめ国民の協力が不可欠だ」と述べた。経済制裁という事実上の戦争行為に踏み出しながら、「欲しがりません勝つまでは」の精神でこの国策に「協力」するよう人民に要求しているのだ。国会では連日、自民党から日本共産党までが口をそろえて対ロ制裁や中国への敵意をあおる国家主義・排外主義の「大合唱」が繰り広げられている。

 13日に開催された自民党大会では、岸田は夏の参議院選挙に向けた課題として、①ウクライナ情勢への対応、②新型コロナ対策、③「新しい資本主義」の構築、④改憲を挙げた。さらに運動方針では「連合ならびに友好的な労働組合との政策懇談を積極的に進める」と明記した。「新しい資本主義」と称した絶望的な新自由主義攻撃と改憲・戦争攻撃を、連合を取り込みながら推し進めようとしているのだ。重要なことは、こうした岸田・自民党の策動は、連合の崩壊と日本労働運動の分岐・流動をますます促進するということだ。反戦闘争を基軸に据えた階級的労働運動を今こそ全力で推進しよう。

 戦争は軍需産業などほんの一部の資本家をボロもうけさせる一方で、労働者の生活を圧迫し破壊する。ガソリン、食品、電気・ガスなどの公共料金などすべてが値上がりし、これからさらに上がるといわれている。労働者の怒りと闘いを求める声はますます高まろうとしている。今こそ労働運動を刷新し、団結した労働者の力で新自由主義を終わらせよう。日本における新自由主義の突破口となった1987年の国鉄分割・民営化攻撃を打ち破り、非妥協的に闘いぬいてきた動労千葉、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同の3労組を先頭に、階級的労働運動派の春闘を闘おう。

 革共同は2月に開催した第8回全国大会で、「戦争と革命の時代」が現実に到来したことを最大限の緊張をもって確認した。そしてこの情勢を1917年ロシア革命を引き継ぐ反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命に転化するために全力で闘うことを決定した。革共同は3・8国際婦人デー闘争、3・11福島行動、動労千葉ストをもって切り開かれた3月闘争を、さらに前進させるために全力で闘う。三里塚3・27芝山現地闘争から5・15沖縄闘争を闘い、戦争を絶対に止めよう。そして25年目を迎える11月労働者集会へ、巨大な労働者の隊列を登場させよう。







(私論.私見)