共産党の不破哲三前議長が24日、都内の日本記者クラブで記者会見を行った。安倍晋三首相を「ウルトラ右翼の潮流」などと批判した不破氏は現在85歳。約1時間40分間にわたって話し続け、田中角栄元首相と国会で対決した昔話などにも言及。同クラブでの記者会見は10年ぶり、他の記者会見を含めても5年ぶりという久々の舞台で怪気炎を上げた。会見の詳報は以下の通り。
◇
「10年ぶりで大変懐かしい。自民党政治の懐かしい話をしたい。自民党政治全体だが、自民党は60年前に誕生した。長い変遷を経ているが、全体として世界の資本主義国の中でも異常な特質を持ったまま生まれた極めて例外的な政党だ。その例外は3つある。1つは、財界との関係だ。財界直結が極めて異常だ。どこの資本主義国でも保守政党といえども、やはり自分の国の経済を守る責務があるので、長期的な目標がある。その目標が財界のその時々の利益にかなわなくてもやるだけの覚悟をもって政治にあたるのが普通だ。ところが日本の場合は、目先の財界の利益に政治が直接奉仕するのが当たり前だ。極めて異常なことだ。昔マルクスという人物がイギリスで10時間労働法ができたときに、資本の搾取力を制限できる力は国家の強制だけだと。これなしには資本主義そのものが壊れてしまうと言ったことがあるが、その国家の強制が発表されたのが1851年だった。しかし、それ以来、そういう社会的ルールを世界の資本主義国ではどんどん発展させてきたが、日本では肝心の労働時間の問題を含めても徹底的に遅れている」。