(30.6.3)明治三十年六月三日 安堵村飯田岩次郎事情願(事情は神様が下がると言うにつき、将来治め方につき願い)
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さあさぁ尋ねる事情/\、何処にどういう事情、彼処にどういう事情、これまで事情というは皆な話し、それぞれ詰合/\、皆な聞いて居る。ほのかの事情にて、人足社と言うて来て居る。何程、どうしてやりたいこうしてやりたい、埋め置いて、皆な銘々やる事情、取り扱い出けん。十分先々諭さにゃならん。これ一つ聞き分け。ならん処尋ねば、指図を皆なしてある。指図事情、これだけの事なら、それだけの事なら、と日々送り、指図事情皆な埋れてある。よう聞き分け。まあ内々に一つ事情、時々の話、時々の事情、刻限事情、段々これまで幾重話ある。ほんの十のものなら九つまで埋れて、後一つはっちゃ守る事できん。聞き入れる事出けん。よう聞き分け。長い話、長い話し掛けたら、一時間や二時間で説き尽す事できん。あちら神が下がり、こちら神が下がりて、何処から皆なほんにと分かり難ない。どんな事言うたやら、一時堪えられんような事言うたるそうな。何処から言う、聞き分け/\。人足という、あちらこちら古い事情にて、あちらへちょい/\して置いた。前々の道と、道と/\の理を聞き分け。聞き分けにゃ、分からん。話、あちらこちらちょい/\聞いて居る。聞いて居る中に、一寸何才なる者が、この者いつ/\まで貰い受けたる中に、そのまゝ捨て置いたる。これ分かるか分からんか。所々で一寸/\言葉下ろしてある。すっかり貰い受けたる事情聞き分け。事情皆な埋もれたる。年限経つ、見て居るようなもの。今日の事情一時尋ねる。どういう事尋ねるやら分からん。尋ねたらどんな事でも、言葉受けて皆なたんのうして帰る。分かる分からん、分からんは道と言う事出けん。道というは、相当道である。取りよう聞きよう難しい。難しい事でも、そこ捌いて行くは取次という。皆な遠慮気兼。世上に遠慮は要らん。指図理である。事情というは、違う事一つも諭せん。どうもならん。これ諭したら、道十分という。どちらから話し掛け。あちら一寸改めて諭す事情ある。これよう聞き分けにゃならん。これまで危ない処、どうなりこうなり連れて通りゃこそ、通れる。時節で通れるのやない。時節で通れると思うは、心が間違うてあるのやで。よう聞き分けにゃならんで/\。まあこれが仮名な事、軽い事で聞かす。まあ道理から、元々は銘々が物有りた事人に手渡したようなもの。時々によってこれは結構/\。さあ、これはどう成る。これだけ話したら速やか分かるやろう。
暫くして
渡したようなものや。渡したようなものやと、それはどういうもの。この道三十年二十年後、道理聞き分け。その時我がものというは、生涯我がもの。よう聞き分けて、一時間違う道理よう聞き分け。何処にどういう事授けた、こういう事授けた。それは修理して、作り上げてこそ、我がものである。(2771)
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「要約」
以上は飯田岩次郎について最初の伺いさしづであり、相当に長いお言葉でありますが「飯田岩次郎に神様が下がる」という事情そのものを否定されているわけではなく、そうした事情の原因について諭されている要点を次に整理しますと、
一、 |
前々から人足社(にんそくやしろ)というた神意が皆埋もれている。十のさしづの内、九つまで埋もれて、さしづ通りに成っていない。 |
二、 |
即ち、本席の後継者として貰い受けた筈の上田ナライト様に対して理を立てず、放置されたままになっている。時節に合せて人間心の知恵で通ってゆけると思うのは大きな間違いである。おぢばへ引き寄せて大切に育てるべき上田ナライト様について数々のさしづがあるに拘らず放置している事情に対する神の知らせである。 |
三、 |
従って、ぢばに引き寄せられた人足社の理を他へ渡してしまったようなものである。また、飯田岩次郎にも水のさづけを渡してあるが、方々に授けた理のあるようぼくの修理肥を十分にして間違わぬようぢばにつなぎ育てるのが取次の役目ではないか。 |
このように、お指図においては親である鏡やしき・ぢばの人々に対して神一条さしづの理に添うべきことを諭され、飯田岩次郎の事情はぢばの誤りを示す鏡の理としてきびしく諭されています。
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(30.7.3)明治三十年七月三日 安堵村飯田岩治郎の事に付き、桝井伊三郎、増野正兵衞の両名運びしも聞き入れ無之につき、如何致して宜しきや願い(飯田岩治郎に神様降れりと申し立て、月読命様のお話なりと言い、上田、春木両名が一の取次と申し、信徒へ申し伝え云々につき取り締まり方御願い) |
さあさぁ尋ねる処/\、どうもこれよう思やんしてみよ/\。二十年と言えば二十年、二十年三十年、遠いこの事情思やんしてみよ。どんな者頼り/\、一も取らず二も取らず。よう聞き分け。先々まで一つ迷わせ、今一時大事、一も取らず二も取らず、何をしたんぞいなあ、何をしたぞいなあというようなもの。中途から見えて大いに取り返やしならんで。今が一大事やで。続く/\、先々眺めて、先々見て、年限の理を治めるより効なきものと、一つ指図しておこう。
押して、治め方心得のため願い
さあさぁ尋ねる事情というものは、もう一つには話伝えてある。一も取らず二も取らず、所々あちらにどうや、こちらにどうや、一つも治まりてあるか。よく見てみよ。内々談示付けて、万事事情にしっかり取り締まらにゃいかんで。(2878)
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[要約]
一、 |
二十年三十年以前の助造事件その他の事情に際して教祖ひながたに示された態度を想い起こしてみよ。教祖が断食をつづけ、また、直々に出掛けて、真実を尽くして解決されたではないか。 |
二、 |
「一も取らず、二も取らず」というお言葉をどう悟るかに鍵があるが、ここでは折角これまで道を通った理が無駄になってしまう。効能の理をすべて失ってしまうという意味として受け取ることができる。
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三、 |
前に伝えた上田ナライト様の事情をさしづ通りに運んだかどうか。その神一条の理をそのまま放置して談示もしないで治めようとしても、他の事情を取り締まることはできない。 |
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(30.7.14)明治三十年七月十四日
安堵村飯田岩治郎神様下られる様申されるは道具主でも出られるや如何と心得まで願い(前日御願通りだん/\信徒へ及ぼす故心得まで願) |
さあ/\尋ねる事情/\、尋ねる事情には、どうもならん。何度も事情に一つよう聞き分けてみよ。どういう事もこういう事も聞く。理という理を聞き分け。一時の理と、最初の始まりの理と、直ちにどうと言わん。この元という理、元というはほんのちょいと出て話して、年限初め万分の一から、成らん理から始め掛けたる。何処にどういう事がある、彼処にこういう事がある。存命中に言うたる。世界道理の理に一つ成るか成らんか。これから考えば分かる。害になると言えば害になる、邪魔になると言えば邪魔になる。これ聞き分け。ぢば証拠人間始めた一つの事情、かんろうだい一つの証拠雛形を拵え。今一時影だけのもの言うて居るだけでならんから、万分の一を以て、世界ほんの一寸細道を付け掛けた。どちらやらこちらやらという理は言うまでのものや。どうこうというは、大体の理に分かるもの。ほんの何にも知らぬ者寄って言うのや。尽した理は何時失わんならんやら知れん。一も取らず二も取らずという事は、前々に知らしたる。天理教会と言うて、国々所々印を下ろしたる。年限経つばかりでは楽しみないから、一時道を始め付けたる。神一条の道からは、万分の一の道を付けたのやで。それから聞き分けば、邪魔になるものは邪魔になる、害になるものは害になる。言わいでも分かった話や。(2790)
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[要約]
異端の問題はすべてぢばの理、元始まりの理にもとづいて、親神様の大きな思召の上から思案すべきことを諭されている。天理教会自体が「神一条から万分の一の道」であることを自覚して神一条の道に近づくよう、しっかり順序の理を立てて治めなければならない。 |
「押して、信徒取り締まり上につき願い |
さあさぁ名称/\の処、事情話す処、変わりたるやなあ。話す処どうも一時すっきりとして了えば、言うまでの事情や。案じて居れば切りがない。よう皆々思やんしてみよ。一所崩れたら、何処まで崩れるとも分からん。一とこ崩れたら何処まで崩すやら分からん。しっかり治め/\。言うて治まらにゃどうもならんやろう、と言うても、要らんと言うやどうもならん。ほのかの理から治まりたる処、どちらやらこちらやら、今一時の道という。思うか思わんか、よう思やんしてみよ。 |
押して、部下出張所布教所へ出張して整理すべきや、又は担任を本部へ招きて取り締まり致すべきや |
さあさぁ段々尋ねる処、前々から事情に諭したる処は、一つも違わんなれど、又一つ他に事情所々理のある処は、まあほのかのようなもの、実際治まりない。治まりないから、ふわ/\したようなもの。道理諭す中に、何かあるやら分からん。一寸蓋を取れば分かる。中に何やらというようなもの。この区域その一つの事情、それぞれの理を集め、一時に運んで又事情、もう些か濁りた処、世界出そうと言うたて世界へ出せるものやない。世界事情怖わいようなもの。年限の理から見ればうたていようなもの、早く取り締まらにゃならん。取り締まり遅れたらどうもならん。所々理を諭し、順序治まれば、理も治まる。どうであろうこうであろう、口と心との理を以てすれば、どうも仕様がない。先々の話聞いてみて諭して治めば、又治まる/\。
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(30.8.2)明治三十年八月二日 平安支教会長飯田岩治郎事情につき願い(神様御下りありと申し立て曰く『この屋敷は二つ無き水屋敷、元なる者は何んと思うぞ、この度は平安より往還の道つける皆心勇み出よ』と、その他種々申し立て尚飯田に月読の神御下り其御指図故本席より誠の神と言って分かり来るとの事につき、平安より役員春木、松尾、田中、森中、西本、重役五名罷出で、本部長へ上申の上本部員立ち会いの上願い) |
さあさぁ尋ねるやろう。尋ねにゃ分かろうまい/\。尋ねたら事情分けてやろ/\。これまでこれめん/\道のため、教祖からと言うて諭したる。毎々諭したる。教祖に心映して年限の道。いつ通りたか分かるやろう。よう聞き分け。一軒一戸親兄弟一つの理から諭そう。よう聞き分け。一列は神の子である。憎い可愛の隔て無い。日々に可愛皆諭すやろう。話した処が数々覚えて居られん。どれだけの放蕩したとて、どうもなろうまい。どちらの理もあろう。何処の理を諭してやるのやあろまい。始め掛けたる理を伝うたる。取り損いありてはならん。無理にどうせいとは言わん。人間というめん/\の理で思い違いすればどうもならん。前々尋ねた理に諭したる。一も取らず二も取らず。めん/\心出したら、皆な根を忘れて了うも同じ事。珍しい事と思えば、一時は通れるやろう。なれど、教祖の理を聞き分け。年限長らく日でありて、可愛/\で一寸道を付け掛けたばかりや。まだまだ日が遅れる。踏み被りしてはならん。これ聞き分けば分かる。どんな事でも言うて行けば行かる。思い違い無いよう。これが間違うてあると思えば、一つ答せい。 |
[要約]
飯田岩次郎に人間心の迷いが出て、元を忘れている。これではどうもならない。珍しい事を言い出せば一時は通れるだろうが、教祖ひながたの理、年限の理に反している。思い違いをしてはならない。誰も一列は神の子であり、憎い可愛いの隔てはないが、その親心を取り損ないしてはならない。
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押して七月三十日(陰暦七月一日)に飯田へ神下り、筆先と申し、二つない水屋敷その外いろ/\御指図ありましたは実ですや、心の迷いですや願い
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さあさぁ尋ねる。それが、答であろう/\。水屋敷と言うた事はない。人に授けたる。又、変わらん理を伝えて、代々変わらねば、屋敷の理ともならんでもない。三代四代経っても、代々変わらねば又水屋敷も同じ事。よう聞き分けば分かる。
暫くして
さあさぁ一時今始めた処で、どうという理はあろまい。よう聞き分け。これまであちらにもこちらにも、どういう事もありた。なれど、皆な長らく遂げる事出けん。日日皆言う人にかりもの心でどうと思えばどうとも思わる。成程尋ねたる。成る程という理を聞き分け。あちらにも信徒、こちらにも信徒と言う。教会や出張所と言う。名称下りたる理、何処から出たるか。これ、聞き分けたら分かる。数々こうしたらどうという処、早く通り直せ/\。
又、暫くして
さあさぁもう一つ話する。此処までこうと思た。神という、世界心と思うから出たであろう。よう聞き分けば、そうやない。聞き分けば真実分かる。こうしたら真実の所へ立ち帰る事出けんなら、又理を変えてという、一つの思わくも出るであろう。よう聞き分け。これ聞き分けば、成る程真に理が治まるで。
又、暫くして
もう一段話する。平安という理が一つある。これまで互いという理が一時忘れられようまい。この場で成程と思えども、あちらへ戻ればどうと思やんは要らん。教祖一つの話、存命同様の理である程に。
又、暫くして
又一つ話、明日から心治まれば同し事、互い/\心はどうしたぞいなあというようなもの。これも又皆な精神にあろう、と指図しておこう。(2796~2799)
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[要約]
水のさづけは飯田岩次郎という人にさづけたものであるが、その理を取り違いすることなくようぼくとして道を通るならば水屋敷として末代の理と受け取る。名前の呼び方でなく、本人の心に迷いがあるか否かによって判断しなければならない。教会や出張所という名称はすべてぢばの理をうけて下ろしたものである。この順序の理を聞き分けよ。明日からでも心を治めて心の迷いを払ってくれるならば、平安の理は元通り受け取ることを約束する。
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(30.11.13)明治三十年十一月十三日 飯田岩治郎だん/\相つのりしにつき、処分方につき願い
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さあさぁ尋ねる事情/\、ものというは、放っておいて大事ないものと、害になるものとある。放っておいて為になるものなら、放っておいてもよい。皆んな、よう聞き分け。前々指図、一も取らず、二も取らず、こ
の理より段々運び来たる心という理、深きの無きうちに直せば直る。日々段々日が経つ程、皆んな寄り合う心に理が寄りて来る。寄る程、真の理を失うて了う。こうしたならいけんやないかと、何にもならん事して、今まで積んだもの掘り起して了うようなもの。二所も三所もできるものなら、元の屋敷は要らんもの。元分からんから、そういう事するのや。数々世上に理を下ろしたるは、同じ一つの理。外にいろ/\あちらで一寸やってみ、こちらで一寸やってみても、
成り立ったものはあろうまい。尽して十分運んで十分、年限経ってこそいつ/\までの事情、何やら彼やらほんの一つの答もなく、放っておくから一寸には行かん。行かんからこれまで放ってある。最初は一寸した容物に入れてあるようなもの。なれど、段々日が経つ、理が殖えて来れば仕舞には容物には入らんように成る。成ってからどんならん、出けてからどんならん。いかんものは誰聞いてもいかん、善きものは、誰が聞いても善きもの。あちら分かれ、こちら分かれ、
とんとどうもならん。この事情聞き分けて、これから先何か万事心得てくれ。それで今日の日は、僅かの日を待って、これでと言えば、それよりすっきりするがよい。うか/\したら、どんな事になるやら分からん。悪というものは、立ち掛けたら一時は立つものや。放っておいてはどうもならん。世界にはまだまだ分かりた者は僅かしかない。早くに取りて了えば、今日の日はなきもの。それからそれと心に欲が付くから、一人出け二人出け、それが頼りになりて段々事情と言う。あちらこちら何も分からん者、いつまでやっても行かせん。今日の日は一寸片付けて、すっきりして了うがよいで/\。(2835) |
[要約]
ここにおいて飯田岩次郎の心得違い。元を知らぬ取り違い、欲と高慢に対して断固とした処置を示されている。要は飯田岩次郎の言葉の内容が、元の理・ぢばの理に反しているか否かによって判断するべきことを示されている。
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(30.11,27)明治三十年十一月二十七日 飯田岩治郎の件につき、北分教会所の事情、会長初め役員五六名立会の上先々心得のため願い |
さあさぁ尋ねる事 情/\、いかな事情も尋ねにゃ分かろまい/\。分からんから事情尋ねる。尋ねるならば一つ事情諭し置こう。これまで事情年限数えてみよ/\。年限いろ/\
の道ありて、もうどうなろうか知らん/\。その道連れて通りた道よう聞き分け。難儀不自由苦労艱難の道連れて通りて、種と言う。種なくして実はのろうまい。この理から万事聞き分け。これまで苦労艱難の種、種から積んで来て、それよりどういうものも生えるなれど、中に心の理によって生えん種もあろ。道とい
う、道に我という理どうもならん。我は要らん。たゞ仮名な道に諭し置こう。分かりよい道に諭し置こう。子供でも直ぐに分かる。皆道に元がある。この道分か
るなら皆一つ/\この事情聞き分け。一時尋ねる事情、人に事情結んだ。事情元々どういう理になる。元や。二つも三つも結んだ道やない。元かいしんからこの
道籠りある。なれど、どうもならん。仮名な理に諭したる。来ん者に無理に来いとは言わん。来る者に無理に来なと言う道やない。又無理にどうせいこうせいと
は言わん。来る者にどうせいとは言わん。無理に言わいでも仕舞には成りて来る。これまで皆諭したる。又、日々諭したる中にある。又諭して居るやろ。この理
聞き分け。どちらやろう、こちらやろう、年限理数えてみよ。どちらやろうこちらやろう、こちらやあちらやと心の理が変じるから、心繋ぎが第一。すっきり繋
いでくれるなら、万事これより道という。よく聞き取ってくれるよう。(2844)
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(30.12.11)明治三十年十二月十一日 平安支教会事情。飯田、春木、上田等上京せしにつき、本部より運び方如何して宜しきや願い |
さあさぁ尋ねる事情/\、事情には変わった事やなあ、変な事やなあ、と思う処、よう思うてみよ/\。毎夜々々の事情は、幾度の事情に、どういう事もさしづに及んだる。刻限に
も諭してある。だん/\今日の日尋ねる。どういう事やろ。出来る事出来たが、末はどうやろうと思う。思やんせにゃならん。数々の思やんするから、どうもな
らん。分からんようになる。第一の思やん。あちらが曇り、こちらが曇り、水が浸く、そら大風と言う。一時以て尋ねる処、事情には末々の処、掛かり/\の事
情、どうなろうと思う。先を以て尋ねる。垣をせにゃならんと思う。よう思やんしてみよ。一寸の事でもどうやろうと思う。何にも思やんは要らん。思やん要ら
んと言えば、放って置いてよいと思う。放って置いてよいと思う理を、たった一つの道から出来て来たる。判然ならん事情、後々どうなろうと思うやろう。上も
下も中も聞き分けてみよ。何にも案じる事は要らん。世界からはどういう事情あるとは分かろうまい。この道一つこれまでの事情、今一時の事情世界の事情、道
理は大きなものであろ。大きい理というものは、大きい治まりてない。治まってないから、こういう事になる。心配して何も心に掛ける事要らん。夜々働いた処
が、損するようなもの。道理を外すから出けん。出けん道理に理を付けて運ぶからどうもならん。人間一つの心で運んだ処がいかん。いかんから治まらん。人間心取って了わにゃならん。心配の上の心配、一つの道にあちらこちらから、曇りが出来て心配する。我が子で我が子の示し出けんのは、親の力の無いのや。これ
は道理から取ってみよ。違うか違わんか。(2852)
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(33.11.22)明治三十三年十一月二十二日 安堵の飯田岩治郎の事情につき、九州地方へ桝井政治郎派出する事願い |
さあさぁ尋ねる事情/\、どうも一時変わりた事情である。この道というは成程という道の理、道の心たとえ変わりたといえど、道の理変わらにゃ順序、どういうならん処でも通れんではない。これ皆々に何度も諭したる。毎々刻限にも諭してある諭してある。よう聞き分け。どれだけの者これだけの者寄った処が、一つ心というは、第一道であるという。道は仮名な一つ理が道、理が神である。これまで毎夜毎夜諭して、刻限同様として数知れん程諭したる。なれど、道はこれまで/\成ったら大丈夫という。これ思て居るからどうもならん。そこで、あちら濁りこちら濁り差すと言うてはならん。真に思わにゃならん。よう聞き分け。順序道諭す。世界いろ/\心変わりて/\も、もうこれ神の理一つ。たゞ一言話し、又刻限一つ角目角目、角目取り繕うてすれば真の道と言わにゃならん。よう聞き分け。たゞ真の道ほっとしてはならん。そこで、夢に知らす/\。これ皆々心得にゃならん。あちらにも反対、こちらにも反対。反対の中に理あったらどうするか。反対の理立ったらどうするか。これまで刻限諭したる。うっかりして居てはならん/\。よう聞き分け。一時抑える/\。どういう理用いるな/\。心には早くと思う処、これ年限歳遅れる程ほどき難くい。ほどき難くいようなってはならん/\。先にほどかにゃならん。よう聞き分け。先の方であら山子や/\。仕舞になればよいと言うて居ても、教祖の理これ頼りと言うて行けば、道やないとは言えまい。これ聞き分け。こういう目論見々々々、角目々々が道である。この言葉は容易ならん諭、これ、皆んな聞き分けて諭さにゃならん。うっかりして居ては、心苦しまにゃならん。中に角目聞き分け。めん/\さえよければよいと言うてはならん。道はどうでも通さにゃならん。立てにゃならん。よう聞き分けて、余の/\事外々の事は、ほんに飾り/\という。真の心無けにゃならん。世界の道理は飾りと立てにゃならん。よう聞き分け。難しい/\。楽の中に難しい理あるという。ほどき難くい/\。心合わせてくれにゃならんと。行く所へ出る、どういう所へ出るが道か、道やないか。聞き分けにゃならん。成程教祖説いたる。説くは立てにゃならん。この理は潰さらせん。そこで、今の者皆々心合わせてくれにゃならん。先々注意々々と言うたる処が、筆に誌したる。筆に付けたる。そこで、どんな火の中でも飛び込み、どんな刃の中でもと言うたる。たゞ道分かり有って分かり無い。そこで、皆んな惣々中に沢山なもの戴いた処が、心に掛かるような事出け、楽しみではあろうまい。気に掛かる。こんな事では行くものか。早く/\一時防ぐ/\、早く踏み止める/\。踏み止める理諭し難くいなれど、一っち最初掛かり、これ正せば、相手して、あかいでも掛かり、だん/\先先諭す。諭しから世界成ったもの。この理忘れて了うような事ではならん。理は理や。元救けて貰う。救けて貰たは、何処からどうした理か、何処からこうした理か。この理分かりたら元々立てゝ来にゃならん。心すっきりと言うて了うた者は、こらどうもならん。どうでもこうでも、道やなけにゃならん。いかんと定めたら、堅いものやで。強いものやで。又どういう事出けまいとも知れん。よう聞き分け。これ皆々諭す。今の尋ねる処あちらへという、これは早く行って来るがよい。心だんだん改めて、どんな事も聞いた事言うのや。よう聞き分け。用いってはならん。心迫る。皆んな聞きて惣々出たるもの。よう聞き分け。救けて貰た者捨て置いて、横合いというは、道とは言えん。これだけ諭したら、道の角目、これに止まって居る。(3916)
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[要約]
これは明治三十年の水屋敷事情ののち三年目のおさしづでありますが、ここでも再び応法の道の濁りについて諭され「反対の中に理あったらどうするのか」とまで言われている。明治教典に見られるように国家神道の教義を「飾り」以上に取り入れて元の理・一つの理と混淆した当時の体制に対する神の残念が重なり、さまざまな事情となって見せられたものと神意を悟ることができる。
以上の飯田岩次郎に関するおさしづは異端的な事情に対する神意をくわしく示されている点で、決して過去の問題ではなく、現在及び将来の問題に対しての神一条の基準となるものであります。
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