(2月) |
明治30年2月1日 |
松村吉太郎、風邪引き咳出て困り居る後へ小人義孝口中舌たゞれ口中悪しくにつき願い。
さあさぁ尋ねる処/\、まあまぁいついつの尋ねにも皆な事情から、それぞれ遠い所から知らしてある。そんならどういう事知らして貰ろたというようなもの。よう聞き分け。身上/\(の障りを見た)余儀なく(の)事情から尋ねる。皆んな事情(については)、十のものなら七つまで道の理に掛かる。なれど、(そのうち)三つだけは取って、後七つは遠い影のように思うて居る。まあまぁ長い間、(この七つを)どうどして/\(治めたい)と思えど(も)、どうもならん。これがいよいよという理に迫まり切ればどうなるぞ。どうもならんから、前以て知らしたる(のである)。一言の理は万言の理に当る。理ばかりや。どうも難しいてならん。
さあさぁ一時身上に差し掛かれば尋ねる。尋ねば指図。指図の中にどういう事も皆な映してある。この指図というは、十人の心に指図したようなもの。よう聞き分け。この道は心次第の道。一条の道を万筋に通るは皆な心という一つの理から出る。互い/\話し合うた、結び合うた事もある。それはようよぅの日、ようよぅの心、日を取り違えしたようなもの。日と心とこの理を聞き分け。成ってから言うた処が取り返やしはならん。ようよぅ匂いある間に結んでくれ。匂い褪めてからはどうもならん。皆な千切れ千切れである。千切れ/\になりてからは、容易な事では繋がれん。春風のようなそよそよ風の間は何も言う事はない。神も勇んで守護する。
なれど今の事情はどうであるか。黒埃り、泥埃り立ち切ってある。この黒埃り、泥埃りの中で、どうして守護できるか。又守護した処が、世界へどう見えるか。よう聞き取れ。大変口説き話しである程に/\。一人の身上から引き出して諭する理。しっかり聞き取れ。一人二人でついた道ではあろうまい。国々それぞれ名称/\の理を下ろし、言えば道の辻々ともいう。十分の理ともいう。さあ付け掛けた道は、付ける程に/\。なれど、鏡屋敷や、ぢばやという理、龍頭の事情、今の事情、これが世界の鏡となるか。龍頭が濁れば、辻々は一時にどないになるやら知れんで。本部員や役員と言うなら、世上へ映る鏡屋敷。曇り事情踏み止めてくれにゃなろまい。一日の日よりしっかり定め掛け。皆々よう聞かして下されたという理が分かれば、一つは精神の定める理もできるやろう。ぢばも鏡なら、世上も鏡、世上の理も映れば、ぢばの曇りも皆な映る。あの者には義理や、この者は放っておけん、という人間心の理から世界の曇りとなる。数々の曇りは皆なこの理一つにある程に/\。尋ねた小人の事情は、一寸には大層なれど、心の事情によれば案じる事は要らん。これだけ知らしおこう。 |
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明治30年2月1日 |
増田亀次郎、身上願い。
さあさぁ尋ねる処/\、身上に心得んから尋ねる。尋ねるから一つ諭しおく。陰から聞いて何の事やろ、ふしを見て何の事やろと思う。よう聞き分け。人間というは心だけ(肝心である)。尋ねる理も心だけの指図(という)。心の理に悟り(が)つけば、何も案じる事はない。この指図は短い指図や。なれど崩してみよ。長い/\指図である程に。 |
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明治30年2月1日 |
平野楢蔵、身上願い。
さあさぁ尋ねる処/\、身上に心得んから尋ねる。どんな事もこんな事も見て知って居る、聞いて知って居る、風を見て分かりてある。今一時の処身に不自由あればこそ、尋ねる。指図は、何度の指図、皆な同じ事を知らしたる。身上は案じる事は要らん。なれど、よう聞き分け。二度三度は抱えもせにゃならん、見遁しもせにゃならん。なれど、三度四度は越せんという理を、しっかり心に決まってくれるよう。 |
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明治30年2月19日 |
郡山分教会、山陰支教会長外役員一同身上の願い。
さあさぁ尋ねる事情/\、身上の事情によりて尋ねる。余儀なく事情思えば余儀なく事情、遠い所の事情にては、思わず/\成らん事情尋ねる処、まあ一時以てどうもなあ/\と思う処、皆なこれは通ってあろう。こんな事どういうもの、思えば思う程思うやろ。一人の事情曇れば曇る、晴れば晴れる、撫でば撫でる、擦すれば擦する。これ一つ諭しが難しい。あちらこちら多くの中にも皆な一つの事情、同じ中に事情思えど、中に一つの事情とも言う。よう聞き分け。諭するには諭するようの心の理がなければ諭されん。何程諭したとて、曇りありては晴れん。どうもならん。皆んな総やつしのようなもの。改め替え立て替え。これ一つ諭しが、難しいてならん/\。これまで何度の指図にも、皆んな言葉の理を添えて諭してある。何ぼ中といえど、道理として、一人互い/\運び合うて、それ/\治まりある処、これ聞き分けにゃならん。一時治まるかと思えど治まらん。さあ早くや、今やというような事では道とは言わん、日々眺め合い、迫りた理はどうもならん。大抵/\の日を思い繰り出してみよ。道がなけりゃならん。皆んな心という理がありて一つの道、道がありて心、一人でもこうと言えば、十分心に乗って守護する。これまで諭しだけの言葉やない。実際事情の理に知らしたる。諭するには、諭するようの心がなくてはならん。日々心が変わるようでは諭されん。諭すとは言えん。道が大事、これまで艱難苦労の道が大事。一人でも聞き分けてくれ。あちらもこちらも、ふわ/\のようでは、どうして働けるか。あちら持っても頼りない、こちら持っても頼りない。これでは十分の道通れるか通れんか、聞き合わせてくれ。 |
押して、一人の事情につき願い。
さあさぁ尋ね返やす処/\、皆な取次/\と言うて、これまで日々の取次、多分の中大勢の中、第一どうしようと思ても、どうもならん/\で日を送る。重立った一つの理より掛かりて尋ねたら、こういう諭があった。よう聞き分けねば、緩めば枝が枯れる、枝が枯れたら葉が落ちる、芽が枯れる。この道理を聞き分けたら、一日も一日も早く/\。重なりて来てからはどうもならん。俺さえせにゃよいではならんで。兄弟という理は切っても切れん道がある。兄弟に掛かれば、心を澄ます道がない。心に悟りなくばならん。悪い者ばかりでは、この道というはなきものである。 |
又押して願い。
さあさぁ皆々ほのかの言葉が聞く。一度聞く、二度聞く、三度聞けば世界あゝと言う。これより一つ心を改め替え。ほんに変わったなあという理を、第一に待ち兼ねる。これ一つ、しっかり聞き取りてくれにゃならん。 |
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2.19日、お指図。
諭するには諭するようの心の理がなければ諭されん。なにほど諭したとて曇りありては晴れん。 |
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明治30年2月25日 |
増野正兵衞、身上願い。
さあさぁ尋ねる身の内、どうも心得ん事情尋ねる。どういう事こういう事、理を言う。尋ねる処よう聞いておかにゃならん。身上事情障り/\どういう事尋ねる。尋ねば指図。道の流れという、段々諭したる。これまでの処には何度諭したる処、この古き指図出してこういう事あるなあ、これ調べ出し、何処から見ても、彼処から見てもほんにこれならなあ、どういう事間違った事なけれど、間違う処も歎かわしい。どんな事でも弱いようで、心精神という、精神多く寄れば強いもの。堅いものでも理がなければ砕ける。追々旬を定めてくれ、と指図しておこう。珍しい指図やで。 |
又、続いて
さあさぁ成っても成らいでも、精神だけ守護する/\。名々それからでけん。指図というは、これまであれこれ指図してある。なれど反故同様。一つ緩む、二つ緩む。段々世界聞き分け。相当なる指図選り分けてくれ。選り分けてくれ。段々それこれ選り集めるなら、一つ理から自由(じゅうよう)と指図しておこう。身は案じる事は要らん。 |
押して願い。
さあさぁ尋ねる処/\、まあこれ名々からこう、身の内からこうなれば指図から違わん/\。身に尋ねたら指図ある。指図を以て通れば、危ない事はない。危ない事あれば、親から危ないと指図する。悪風/\に誘われてはならん。悪風に誘われば、どんな処へ流れるやら分からん。難儀さそう、不自由さそうという親はあろうまい。これまでちょい/\理混ぜてある。これよくよく理繋ぐだけ繋いでくれ/\。寄るだけ寄せてくれ。もうもぅ悪い理あらせん。世界に鏡屋敷/\と言うて合わせに来る理を、合わせてくれ。よく聞き分けてくれ。 |
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