(11月) |
明治20年11月2日(陰暦9月17日) |
午前9時、深谷源次郎、伺い(細道の時、お筆先写さして貰おうと思いて人を頼みて御伺いせしも、指図により深谷本人が参りて伺い)。
さあさぁ第一の処言伝け業ではいかん。実を聞けば実を聞かしておこ。長々の道を通れと。多くの道を通れば実を知らそ。まずまずの処、まあ暫く。その上の処筆先に知らしてある。さあ一本の木/\栄え、真実尋ねば、同んなし一本の根である。見た者もあれば聞いた者もある。余るところ筆先がある。又々。 |
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11月2日(陰暦9月17日) |
深谷ハナ、伺い。
さあさぁ暫く/\。大抵の処運び切り/\、今までの処分からなんだ。分からんなりに運び来た。天然自然誠という事、天然自然の道失わさん。心一つ映して、成る程の処へ諭して分かる。大層/\の処、こうして運べ。さらさら癒さにゃならんならん。あちらからもと言うて、組み立てる。固めねば治まりつく。案じる処ない。身上一つ尋ね出る。日々送る処、年々に送る処、日々の日一日の日でも、うっとし日もある。それでもやはり送らにゃならん。 |
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11月4日(陰暦9月19日) |
春野ゆう、身上伺い(増野正兵衞妻の母)。
さあさぁ諭する処も十分伝えある。聞くところ大抵聞いて居る。身の内堪えられん時には、ほんに成る程と思う。身上速やかとなる。堪えられん時、授けの証拠にて一時治まる。結構真の中に一つ処よう諭さなならん。伝えところはタンノウの道、これ一つである。十分タンノウ伝えねばならん。身の堪えられん時と、変わる時とをよう聞き分けねば、速やかならんではない。タンノウ一つである。 |
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11月5日(陰暦9月20日) |
麻川与市、この三十日程前より足しびれ運びつかぬ身の障り伺い。
さあさぁよう聞き分けて、いついつまでも、何かの処順序一時一つ聞き分け。諭する処、これは天然自然の道、一寸見え掛けてある。どうか一つタンノウ、前一つ心でいうは第一の処、世界中善も悪もない。どうもならん。どんと一つ処長々道、家内名々それぞれ、名々一つ心得んと思う処、これだけと思えばこれだけのコウノウ。これだけの事ならタンノウ。聞くと直ぐや。すきやかなれば直ぐと一つ尋ねに出よ。 |
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11月8日(陰暦9月23日) |
午前10時、松田源蔵、七日間腹痛につき願い。
さあさぁ身の内の処よう聞き分けねばならん。さあさぁ神の方には不足の身体は貸してない。不足というは、名々の心より。成る程結構という事は分かるである。一寸道歩く。あゝ綺麗な花やなあと言うて通ったまで。さあ誠一つ願う時の心定めねばならん。内々名々身に知らす。 |
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11月13日(陰暦9月28日) |
増井りん、お授け指図。
さあさぁさぁ前々よりの話しがある。存命中の話しがある。針の芯と言うてある。まだ順々の道が分かり難ない。存命中の話しが、まだ順々の道が分からん。今一時のところ、内々それぞれの一つ芯が運ぶという処、まだまだ分かるまい。その日来れば確かな事が分かる。男女隔てない。それまでの処、一寸、悪しき祓へ助けたまへ天理王命、三遍づつ三遍唱え、暫くのところ許しておこう。 |
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11月13日(陰暦9月28日) |
梅谷秀太郎、身上願い。
さあさぁ数々の尋ねる処、数々の指図は要らん。どう思うてもこう思うても、名々の思うように成らせんで。善き事というものゝ、理が回り来るのやで。通り難くい道や、通り難くかろう。そこで、皆な無理に願う。許しはする。どう思うても、心に思うようには成らせんで。何ぼ心に思うても、働いても、引き戻しがなるで。通り難くい道や、止め切りたる処、どういうものや、と、思うやろう。あちらこちらに踏み止めてある。これをよう聞き分けねばならんで。一日/\と光が見えて来るのやで。そこで一日は千度と言うて、今までにも、何度も聞かしてあるのやで。その日刻限が来たなら、確かに見えて来るのやで。そこで一つの理を聞かしておこう。二十年以来に大工伏せ込みと言うておいた。二十年以来には、どう思うてもという事やと思うて、二三年も忘れたか、と、思うような日もありた。なれど真実/\というものは、忘れようと思うたて忘られ切るものではない程に。その道、日が通り経ちたなら何でも神の思うように成るのや。この屋敷に一つの証拠がある。 |
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11月13日(陰暦9月28日) |
萩原治兵衞、身上願い。
さあさぁさぁ身の処に/\、さあさぁ分からずして胸の内しいかりして、所々に一つ、今の処大き事は大きと思わず、心々。他の錦は要らん。心の錦、真実の錦を心に置き、傍の錦は何にも欲しいはない。心の錦を欲し。真実の道を弘めば、他の錦はすぅきり要らん。心にほうと思てはいかん。日々の処一つの思案を定め。又々の道をしたら、二度三度ではいかん。又心に錦を置くよう。又々一つの話しとしておく。 |
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11月14日(陰暦9月29日) |
萩原治兵衞、身上願い(前日に続いて)。
幾重尋ねも同し事、身の内発散でけん/\いうは、何処にもない。それ身の内一つ、身の内にもあれば世界にもあれば、身の一つの速やか/\、一つの思案、誠一つがじゆうんや。天然自然の道を以ちて、これよう聞き分け。 |
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11月16日(陰暦10月2日) |
礒田源右衞門四十才、願い(斯道会)。
さあさぁよう聞き分けねば、分からんで。結構/\で道を通る。たゞ結構では分からせんで。心々、神一条の道は誠一条の道を分かりてくれねばならんで。心一つ定めてくれねば分からんで。世上にどんな事があろが、心一つの心で通れば、よう通れるで。誠さい定めて居よなら、独り助かるで。 |
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11月16日(陰暦10月2日) |
礒田源右衞門、願い(前の伺いについて指図)。
さあさぁ何かの処も一ちと言うで分からん。一人/\の心に留まる。天然自然道や。往還道でも心に掛けずしては、踏み被ぶる。細道でも、心に掛けば、よう通れるものや。暫く心澄まして、一寸根の方へ力を尽せ。成るだけの踏ん張りをせねばならん。段々奮発する故よりの事。 |
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11月17日(陰暦10月3日) |
増野正兵衞、咳障り伺い。
さあさぁ身の処、咳く処何でも/\日々急く。どうで一つこうで一つ、道定め/\、内々ちゃと一つ治め。これだけ治め。又々どんと一つ定めて定まらん。名々だけ付けても、内々それぞれ先々国々所、どうや知らん。一時結構、どうか又々思う。それには心、何片付け、思案定かなで。日々一つ/\事、一寸どうか急く。一日分からん。月々年々これはと、自由自在、名々どんと心一つ定めてくれるよう。 |
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11月17日(陰暦10月3日)午前9時 |
西井徳重54才、身上願い(京都元斯道会周旋係)。
さあさぁ身の処何ぼうでも判然ならん/\という処、一寸の印しあればタンノウという印し拵え。踏み留めるはタンノウが踏み留めやで。タンノウが前々の処のさらえやで。タンノウが前々のサンゲである。 |
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11月18日(陰暦10月4日) |
増野正兵衞、咳伺い。
さあさぁ幾重尋ね、身の処、どうでもすっきり事情尋ね、聞き分け。大抵聞く理を、これをしっかり聞き分け、見分け。これを長らえ。吉き日これよいう日、判然道を実を、又々の処分かり、どういう胸も世界の異状。こうして真の道分かって、又内々国々何かの処、名々一人一つ治め切り、心を治め身も治まる。定かなる実を、誠させにゃ、実の処、日々処、通る処、あちらもこちらも、どんと一つ落し着け。名々どんと一つ道、天然自然もうやろか。段々道はつけてあろう。幾重の道、通り送るところ、分かる分からん分けて掛かる。これを一寸話しをしておく。 |
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11月18日(陰暦10月4日) |
宇野善助52才、願い。
さあさぁいかなる処、精神上、今までの処何でも/\という精神受け取りたるで。何でも/\と思えば根が差す。根が差せば、根から芽が出る。成るだけ/\ひそやか/\として、心を何も彼も助け合いの心定め/\。ようよぅ道がある/\。心一つ治まりがある。誠が心の錦である。内々の処へも伝え、いついつまでも忘れぬよう。 |
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11月19日(陰暦10月5日) |
増野正兵衞、伺い。
さあさぁ尽す。日々何かの処、受け取りある。名々一人/\どうする。国々所こう名々国二つ所、どう成るこう成る。又聞いて聞かん。何かのところ、一時道を通れん。見ず見ん、ほんに成る程、日限定めて通れる。世界一寸掛かり、だけふ(***)日見ず、見ずの理を聞き分け。一寸一服、長い夜明けたら天然自然。 |
我が身の障りにつき新田米谷の内の事掛かりますか伺い。
さあさぁ尋ねる事情、助け一条、道いついつ助け一条、一時事情はあるまい。いついつ成る成らん、助けやい道なれば二つある。もうそれより日々困る。助けたい、大きな事助ける、段々助けにゃならん、いう事指図しておく。 |
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1月19日(陰暦10月5日) |
深谷悦次郎35才、願い。
さあさぁいかなる処も理を聞き分け。大抵/\年限も分かりてある。最初一つの道を分かり難くいものである。年限それぞれだけ分かり来る。世間の処どうやこうやと段々に悪風も聞いて越して来てある。けれども段々の道聞いたる処分かり来てあると思て、楽しみは内々皆々々のところもこれへ結構となるの指図しておこう。 |
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11月20日(陰暦10月6日) |
山田伊八郎、身上願い(右の足のつけ根障りにつき伺い)。
さあさぁ身の内のとこ、この理はどういう処、大抵成る成らんの道も通り、一つは名々の多くの中、その中まあどんと気掛かり、あちらからもこちらからもどう、兄弟の中からもどう、さあすうきり何も彼も苦がすうきり遁れたるで。さあ道は一条であるで。さあ尋ねに来る。一寸一つの道の処、一寸伝える処、心に合わん気に合わん。これだけの道があれば、これだけのコウノウ。さあいかなる処も道にじゅんじてのコウノウ。こゝをよう思案して伝えるよう。さあ兄弟のところも気ならんと思う。一人の処、先に話した通り、段々と心片づくについて、さあこれも心が休まるよって、何かの処よう思案してくれるよう。 |
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11月21日(陰暦10月7日) |
平野楢蔵、身上願い。
さあさぁさぁ是非の是非、是非の道なら通らにゃならん。蓋を取る/\。思案思案の道運べばどうもあろうまい。早く思案、事情の道早く心洗え。多き水なら一寸の濁りは分からん。一寸の処の水なら一寸の濁りでも、一時は早く/\散らして居るも、日々に暇が要る。成り来た道ならば、早く掃除して了うがよい。 |
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11月21日(陰暦10月7日) |
平野楢蔵、身上願い。
さあさぁさぁいかなる処/\、道を通り来たる処、一つ経ちたらやれ/\。前々に伝え来たる道筋、どう成るこう成る、早く忘れるように。忘れられん。どう為すにもこう為すにも、一つ我が回心、どう成るかこう成るか、楽しみな道の中に、その中に、何処/\と治め。運べる不足あろうまい。どんな道も長くの中、綱をば離さぬよう。 |
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11月21日(陰暦10月7日) |
平野トラ、願い。
さあさぁさぁ一寸心得ん処、さあさぁこれまでどういう事もこういう事も見て通る、聞いて通る。まあ、やれやれ話しを聞いて居る処、やれやれ一寸のタンノウの処、自由自在と。一つを済みた。やれやれ通りた処先々の処、分からん/\。ありた処で思案せ。何かの処助けや/\と、何かの処万事/\とを。 |
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11月21日(陰暦10月7日) |
午後2時、増田甚七。
さあさぁさぁさぁいかなる処々事情一つ、さあさぁ事情道すがらを通して道に一つの事分からん。段々通り来たる処順々の道を知らそ。さあどういう道どんな道通りて定めた処、どういう処も尽す/\。よう聞き分け。どうなろうか/\と思う。その中に、誠一つ運ぶ。一つ兄弟/\の処なら、どういう道すがらもある。これも兄弟ならと尽す。これもどういうものなら、又、どういう事も内々の処へ中なる処も尽し、理を分からんでない。内々の処それぞれの処映し、善の処は随分弱いもの。善というものは弱いよで強いもの。弱いよなもの、年々続く天の理である。これさい分かれば速やか直ぐ、明らかのもの。我がものと思いながら、我がまゝならんのが天のもの。我がまゝならんのが天の与ゑや。直ぐと分かる理がある。真実聞き分けば分からんでない。さあさぁどんな道もこんな道も、ほうとした道も、通りた実を定めば、実々の楽しみ。実を定めた証拠、先々の楽しみ、これを真と思うなら、実々を分かる。世界を眺めて助ける処、十分の授け渡そ。悪しき祓い助けたまへ天理王命、三遍唱えて三遍撫ぜ、返やして三遍、さゞん九遍撫ぜてやれ。 |
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11月22日(陰暦10月8日) |
午前8時、宇野善助。
さあさぁ/\/\/\よう聞き分け。いかなるも聞き分け。さあさぁ今日より一つのところ一日の日を忘れぬよう、しいかり受け取れ。授け渡すで。悪しき祓い助けたまへ天理王命、と、三遍ずつ三遍、三三三九遍の理を渡す。 |
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1月22日(陰暦10月8日) |
午前8時、山田伊八郎、伺い(これまでの事伺い)。
さあさぁ身のところいかるや/\、内なるところさあさぁよう聞き分けん事にゃならん。さあどういう事や知らん。難し、どういう事や知らん。さあさぁいかなるや/\ぢばにてもいろいろと千筋や。さあいかなるや、あちらからどうやこちらからどうや、今のは一番正当である。さあ人が何事言おうとも自分一人の心さい定めるなら、今までは長々の道でありたが、今までにどんな話しいかなる話しも聞いて居る通り、さあこの話しいつの事やらと思い、さあ心定まり次第何時見えてやら、さあ心定まり次第、さあ今はいよいよ心定めとの事、身に知らし。さあこれを家内中それぞれへ諭すよう。心で思う通りの守護という事も諭したるは今の事。さあ心次第に直ぐと現われる。どうせこうせは言うのやないで。そこは名々の胸次第。 |
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11月24日(陰暦10月10日) |
朝9時、粟田卯之助34才、二十日前より左の眼悪しく痛みなし伺い(第9号周旋方)。
さあさぁよう聞き分けねば分かり難ない。一人/\の指図、仮名な/\柔こい事で、理が締まる。仮名ばかり人間一条の事情、借りもの一条の事情、八つの道一条の事情、どうとは言わん。心次第。世界幾何名の者がある中、同んなし兄弟。名々隔てる心から隔てられるようになる。長の/\道であるから、長くの楽しみ。先々長く、長くの楽しみ。 |
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11月27日(陰暦10月13日) |
増野正兵衞、足の先霜焼につき伺い。
さあさぁ尋ね身上、何処に一つ心掛かり、どういうところ身上行く処、あちらもこちらも名々思う心、どんと一つ治まり、理上どんと日々勤め日々通り、やれ今日は、今日は心一日、何事もやれ/\いう心、心掛かりないよう治めて居れ。日々治めて居れ。おうよう事見て聞いて、身の処あちらこちらこう変わる。又々事情運び難ない。案じる処、身の処ではあるまい。日々暮らし、日々順序諭してみるよう。待って/\間違わん。段々道である。成る程遅れても堅く、あちらへ踏み台。身上通る。段々道を慕う。多く心多く、一つ取り決まり、大き処、一つ事ある。どうなる、日々道、名々通る道案じる。道というは道がある。天然自然これだけ分かりた。どういう心配り、ほんに一年だけの道、二年だけの道がついたかと、段々月々年々に開く開かん。順序遠き所この所同時や。判然善き事分かる。何も彼も掃除に掛かりて、それを知らずに取り取り払われた。あちらこちらも掃除するのや。善き事悪しき事分かりた。身どころ皆な順序聞き、大き心を治めるよう。一寸話し指図しておく。 |
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11月29日(陰暦10月15日) |
御諭し。
さあさぁどういう事の話し、よう聞き分け。この中段々の話し、半分善き事、半分不思議、二つなれば、理が理で分からん。いかなる順序一つの道、順序幾重どういう事情も分かり難ない。なれど、こうも成る、成らん、一寸初め分かり難ない。一つ実を知らす。あちらにもある、この根から始める。古き新しすうきり言わん。一人一人の心を先分け渡してある。西も分からん、南北も分からん、すうきり分からん。生え揃うたらあちらも抜く、こちらも抜く。辺の所にある。まあ放っておけ。これが大木やな。大木と成る。段々蒔いた種一度は皆な生えるで。大雨大風方角分からん。一つ理残る。 |
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11月30日(陰暦10月16日) |
深谷源次郎、事情願い。
速やか諭す事情尋ねる。一人/\の諭す処、名々も聞いても居るやろ。心次第心次第と言うてある処、事情尋ねる。成るに成らん/\一つの処、又些かの身の不足なりたる処、話して分かるようと。この理を一寸聞かしておこ。 |
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明治20年11月 |
大阪近藤政慶、身上病みにつき伺い。
さあさぁ身の処一つの障り、どういう事と、名々では分かり難ない。思い掛けない順序、どういう道も順序、どういう道も通らんならんとの処、長く/\の処、順序の道筋、前々の話しにも聞かしてある。どうせえともこうせえとも言わん。名々一つ治めにゃならん。世界中の人間皆な同じ兄弟、皆な世界鏡と、神は四方正面として働く。皆な世界の処へ、心通りを身の内へ映してある。これ思えば名々も速やかと成れるやろ。名々も人に見せられんというような身、とても仕様ないものと思えば、名々心澄ませるやろ。先の処も長くと思うて見よ。身の処速やかと成る。 |
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