毛沢東の組織論:

 (最新見直し2007.5.8日)

 (れんだいこのショートメッセージ) 
 宮顕組織論、指導論とは様相がうって変わる論理がここにある。対比的に聞き分けすれば滋養になるだろう。


 「百人ぐらいの学校だと、教員・職員・学生の中から実状に基づいて数人ないし数十人で形成された(無理矢理集めたのではない)、最も積極的な、最も正しい、最も機敏な指導の骨幹(こっかん)が無いと、その学校はきっとうまくいかない」(毛沢東、1943.6)


 「我々の軍事訓練のスローガンは、『上官が兵士に教え、兵士が上官に教え、兵士が兵士に教える』である。兵士達は、戦争の実際経験を非常に多く持っている。上官たる者は、兵士から学ぶべきであって、他人の経験を自分のものとしてこそ自分の能力が伸びる」(毛沢東、1948.4)


 「『情報を報(し)らせ合う』。党委員会の各委員は、知りえた状況を互いに通知し、交流する。これは共通の言葉を持つ上で重要なことである。一部の人はそうしないで、老子の云った『鶏犬の声あい聞こゆれども、老いて死にいたるまで相往来せず』だ。その結果、お互いの間に共通の言葉を欠いている」(毛沢東、1949.3)


 「理解できないことや知らないことは、してはならない。軽々しく賛成とか反対とか表示せず、下級の者に質問すること。−−−絶対に、知らないのに知った振りをしてはならず、『下問を恥じず』を旨とし、下級幹部の意見に耳を傾けることに長じなければならない。まず生徒になって、それから先生になる。まず下級幹部に教えを請い、それから命令を下す。−−−下級幹部の意見には、正しいものも誤まったものもあるから、聞いた上で分析を加える必要がある。正しい意見に必ず耳を傾け、その通り実行しなければならない。−−−下部から上がってくる誤まった意見やも聞くべきであって、頭から聞こうとしないのは、間違いである。但し、話は聞いても、鵜呑みしてはならないし、且つ批判を加えるべきである」(毛沢東、1949.3)


 「『安民告示』。会議を開くに当たっては、前もって通知する。民心安定の告示を出すように、どんな問題を討論し解決しようとするのかを人々に知らせ、早めに用意させる。幹部の会議を開くのに、地方によっては前もって報告や決議草案を準備せず、出席者が集まってからデッチアゲている。まるで、『兵馬既に到りて、糧まついまだ備わらず』であって、感心できない。準備が間に合わなければ、会議を開くな」(毛沢東、1949.3)


 「『ピアノを弾く』ことに習熟せよ。ピアノを弾くには、十本の指全部を動かすので、ある指を動かすが、他は動かさないという訳にはいかない。十本の指で一度にピアノを叩いても、メロディーは生まれない。良い音楽を奏するには、十本の指がリズミカルに、調和して動かなければならない。党委員会は、中心活動をしっかり掴むが、同時に中心活動を廻って他の領域の活動を展開する必要がある。現在我々が取り組んでいる領域は非常に多く、各地・各軍・各部門の活動の全てを配慮すべきで、一部の問題は取り上げるが他は放置しておくというのではいけない。問題のある部分は全て指で叩くこと、我々は必ずこ方法に習熟しなければならない。ピアノを弾くにも上手な人と下手な人がいて、両者が弾いたメロディーは格段の差がある。党委員会の同志は必ず『ピアノを弾く』ことに習熟しなければならない」(毛沢東、1949.3)


 「我々地方の指導機関の一部には、党の政策は指導者だけが知っていれば良い、大衆に知らせる必要は無い、と考えている者がいる。これが我々の活動がうまく行かない基本的な原因の一つである」(毛沢東、1948・4)。


 「どんな政党でも個人でも、誤りは免れ難い。我々が要求するのは、誤りを少なくすることである。誤りを犯したならば、改めるのは、早ければ早いほどよく、徹底的であれば良い」(毛沢東、1949・6)。


 「いかなる地区であろうと、同時に多くの中心活動があってはならない。中心活動は、一定の時期には一つしかなく、それを他の第二位、第三位の活動で補助するのである。従って、ある地区の総責任者は、その地区の闘争の歴史と闘争の環境とを考慮し、それぞれの活動を適当な地位に置かなければならない。自分では何ら計画を持たず、上部からの指示を受け取るままに次々と手を出して、たくさんの『中心活動』を拵え、乱雑無秩序の状態を生んではならない。上部機関の側も、軽重、緩急のけじめなく、中心も定めずに、同時に多くの活動を下部機関に指示して、下部の活動の段取りを乱雑にし、確実な成果を得られないようにすべきではない。指導担当者が具体的地区ごとの歴史的条件と環境条件に基づいて、全局面を統一的に考慮し、時期ごとの活動の重点と活動の秩序を正しく決定し、且つ、この決定を堅持貫徹して、必ず一定の成果を得ること、これは指導の芸術である」(毛沢東、1943.6)。


 「人われを犯さずば、われ人を犯さずもし人われを犯せば、われ必ず人を犯す」という断固自衛の原則。「虎豹を駆逐する英雄があり、また熊羆を恐れない豪傑もいる」。





(私論.私見)