れんだいこ撰日本神話譚その1、天地創造譚 |
更新日/2025(平成31.5.1栄和改元/栄和7)年5.23日
(れんだいこのショートメッセージ) |
ここで、れんだいこ撰の大人向け日本神話を書き著すことにする。日本神話の面白さ、他の国々の神話と比較して見た場合の特質を確認しておくことにする。但し、これを記紀神話のみに依拠して綴るのは片手落ちの気がしてならない。そこで、いわゆる古史古伝の各書の記述をも踏まえながら、れんだいこ眼力による日本神話譚を書きあげることにする。ここに本書のユニークさがある。爾来、誰も為さなかった日本神話考であろう。れんだいこが思うに、日本神話には現代世界の精神の逼塞、地球環境汚染の危機から脱する叡智が秘められているのではなかろうか。そういう辺りを探っていただければ本望である。 戦後65年になる2010年現在の政治、経済、文化の徴候として「日本人のアイデンティティの喪失」が激しい。それも時代の単なる変化によってもたらされたのではなく、先の戦争の敗戦後遺症とも云うべき事象ではなかろうか。れんだいこはそう思うようになった。気にかかることを調べるうちに、ますますそう確信した。そこで、「日本人のアイデンティティ」を求める旅に出、見聞したことを広めることにした。その手始めとして、れんだいこ撰による日本神話譚を披歴することにする。知られているようで知られていない。仮に知られていても、戦前の皇国史観に添う奇形にされた神話譚でしかない。そこで、本来の日本神話譚を探し求めることにした。やがてこれが書籍化され、日本全国の茶の間か書籍棚に納められることを願う。 2013年現在、れんだいこは、「原日本新日本論」を獲得している。これによると、原日本が先行する出雲王朝御世、新日本が神武東征譚を経て建国される大和王朝御世となり、ここに歴史を画する政権交代があったとみなしている。記紀には、この過程を隠蔽する歴史詐術が凝らされており、これを見抜いて真相を記しなおさねばならないと云う課題が突きつけられている。この観点から日本神話譚を焼き直してみたいと思う。 以下、れんだいこ式日本神話をサイトアップしていくことにする。古事記をベースに据え、日本書紀、風土記その他各文献の記述と齟齬する場合にはれんだいこが任意に判断し、より史実性の高いと思われる記述の方を採用しひと綴りにした。古事記に記述なく日本書紀、風土記その他各文献に記されているもので必要と思われたものは取り入れた。れんだいこ日本神話はこのようにして出来上がっている。 日本神話構図1は「天地開闢、造化譚」である。留意すべきは、ユダヤ-キリスト教的な天地創造譚ではないことであろう。それはともかく、「天地開闢、造化譚」は、1・造化三神譚、2・アメノミヲヤの神、3・五柱譚、4・神世七代譚からなる。次に、日本神話構図2は「イザナギ・イザナミ譚による国土形成、諸神誕生譚」(以下「イザナギ・イザナミ譚」と略す)である。「イザナギ・イザナミ譚」は、1・両神の馴れ初め、2・交ぐわいによる国土形成、3・自然諸神の誕生、4・イザナミの死譚、5・黄泉の国譚から構成されている。以下、これを検証する。 2010.08.12日、2013.12.09書き直し れんだいこ拝 |
【日本神話その1の天地創造譚譚(元始まり譚)のその2、アメノミヲヤの神】 | |
これを証するかのように、古史古伝の一書である秀真伝(ホツマツタエ)が、古事記の記述とは一味違う創世神話を記している。これを転載しておく。秀真伝(ホツマツタエ)では、アメノミヲヤの神が登場し、次のように記されている。
秀真伝(ホツマツタエ)によれば、アメノミヲヤの神が宇宙的始原神であり、人体としてのアメノミナカ主の神を生むと云う説話になっている。ちなみに、アメノミヲヤの神につき、先代旧事本紀の巻第一の神代本紀では、天地開闢の「天祖」(アマツミオヤ)として「天譲日天狭霧国禅日国狭霧尊」(アメユズルヒアマノサギリ国ユズルヒ国ノサギリの尊)を登場させている。先代旧事本紀大成経では、「生無始天神」(マシマスコトナキハジメノアマツカミ)の「天祖」として「天譲日、天先霧、地譲月、地先霧皇尊」、竹内文書では「モトフミクライヌシノ大神」としている。してみれば、記紀の「造化三神譚」の分別が逆に詮索されねばならないことになろう。 思うに、記紀神話初頭の造化三神譚は、後の神武天皇東征譚から始まる大和王朝建国譚とは系譜的に接続していない。これを逆に言えば、既に出雲王朝御代に形成されていた元始まり神話譚を、神武天皇東征譚から始まる大和王朝建国譚に抵触しないよう改竄しているのではなかろうか。それが、天のミナカヌシの神、高ミムスヒの神、神ムスヒの神の「三神(柱)譚」であり、この内の高ミムスヒの神が遠祖となるように細工されていると思われる。これによれば、神ムスヒの神が出雲王朝系の遠祖となり、天のミナカヌシの神を挟んで二者鼎立の体裁となっている。元始まりより後の神武天皇に繋がる神ムスヒの神が居たと云う細工をしていると窺う。ちなみに「この神は独神にしてやがて身を隠した」とは、大和王朝側からすると、この神話が出雲王朝御代の神話であり大和王朝に接続していないことを筆法していると窺う。 |
【日本神話その1の天地創造譚譚(元始まり譚)のその3、五柱譚】 | ||||
続いて「五柱譚」に向かっている。これを「日本神話天地創造譚その2、五柱譚」とする。次のように記されている。
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【日本神話その1の天地創造譚譚(元始まり譚)のその4、神世七代神譚】 | |
「日本神話の天地創造譚その3」として「神代七代神譚」が次のように記されている。
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国のトコタチの神=國之常立神。トヨクモの神=豊雲野神。ウヒヂコの神=宇比地邇神。イモスヒヂコの神=妹須比智邇神。ツノグの神=角杙神。イモイクグヒ神=妹活杙神。オホトノヂの神=意富斗能地神。イモオホトノベの神=妹大斗乃辨神。オモダルの神=於母陀流神。イモアヤカシコネの神=妹阿夜訶志古泥神。イザナキの神=伊邪那岐神。イモイザナミの神=妹伊邪那美神。 | |
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次に、国のトコタチの神からイザナミの神までが挙げられ、神世七代としている。国のトコタチの神、トヨクモの神以降の神は男女のそれぞれの理合いを持つ性別神である。この記述を、各種古史古伝の記述と比較すれば更に興味深いと思われる。なお、「造化三神、五柱神と神世七代神による天地創造譚」は、中国の聖数「三、五、七」で整理していることになる。ここも又独身神の御世とされている。これは、造化三神譚、五柱譚と同じく出雲王朝御代の神話であり、大和王朝に列なっていないという裏意味ではなかろうか。 「日本神話その1の天地創造譚譚(元始まり譚)」は、かく4編より成る。 |
(私論.私見)