壱岐の島の八本の折れ柱伝説
壱岐の島は古事記の国生み神話の中で5番目に生まれた島と書かれている。「伊伎島」と書かれ別名(神名)で「天一柱」または「天比登都柱」ともいう。「天一柱」は、「天上に達する一本の柱」という意味とされる。 「天一柱」は天上と地上を結ぶ道を意味しており、この道を通り天上から神が降りてきたとの言い伝えがある。壱岐には柱にまつわる話が他にもある。壱岐の島の名前の由来につながるが、島は「生き島(いきしま)」と言われ、勝手に移動していたと考えられていた。そこで、創造神は、壱岐が動かぬよう、八本の柱を使い鋼で繋ぎとめた。それが「八本柱の伝説」。但し諸説ある。八本の柱は折れてしまったもの、現存するものもある。そのうちの6ヵ所は次の通り。
①八幡の鼻の折れ柱/左京鼻にある柱。猿岩のほぼ対極にあるので島の最東部に位置している。海上から突き出た奇岩。折れ柱は「夫婦岩」や「観音柱」とも呼ばれている。
②黒崎唐人神の「鼻の折れ柱」/現在の猿岩。黒崎半島にある猿岩の付近に 唐人神が祀ってあったことからこの名が付いた。
③手長(たなが)島/湯ノ本湾の沖、猿岩から北へ 2㎞に位置している。
④半城湾/犬島の横の柱。半城湾の中にある。
⑤筒城/塩津浜。白山権現の近くにある折れ柱。筒城浜から北方へ…
⑥辰ノ島/日の出柱。勝本湾を出た所、辰ノ島横にある。勝本~辰ノ島の折れ柱~勝本沖、辰ノ島の西側柱状の岩…「日の出柱」とも いいます。
「天一柱」と「八本の折れ柱」の関係性はいまだ解って いない。「八本柱」と「八本の折れ柱」は別であるとの説もある。変わらないのは、~島が生きて動いていたという言う伝説。島が生きて移動する話は珍しく、今なお神話化して残っているのが不思議。