| ゼロの研究 |

| 人類がゼロの概念を獲得したのは比較的新しい。暦においてはゼロの概念は無い。つまり、暦以降に生み出されたものということになる。 数としてのゼロ。数学では、数をゼロで割ることは出来ないとされているが、限りなくゼロに近い無限小で割り算すると、無限少の逆数を取ると無限大になってしまい手におえなくなる、と云う。つまり、ゼロと無限大は「双子の兄弟」であって、ここから数学や物理学上の様々な問題が生まれてくる。現代宇宙論の最先端まで進むことになる。微積分に始まりカントールの集合論に至る数学の発展は、ゼロと無限大をうまく飼いならした歴史と見ることもできる。しかし物理学では未だに神秘に包まれている。例えば、星が一点(体積ゼロ)に縮むために密度が無限大になってしまうブラックホール。何も無いから逆に無限のエネルギーを生み出す真空。自然界はゼロと無限という「双子の兄弟」のパラドクスに充ちている。宇宙そのものが「ゼロに始まり、ゼロに終わる」 「異端の数ゼロ」(チャールズ・サイフェ、林大訳、早川書房) |
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(私論.私見)