「新国会法によりまして、本会議において、議員相互に自由討議の機会を与えられましたことは、形式主義に流されやすい本会議に、清新なる活を入れたものでありまして、新国会運営上、重大視せねばならないと思うのであります」。 |
「自由討議の存在理由は、(中略)尽くされぬ論議、隠されたる意見、少数意見を、遺憾なく発揚するにあるのであります。本会議場において活発なる討議の展開ができますことは、明朗なる政治、すなわちガラス箱の中での民主政治の発達助長に資すること大なりと思うものであります」。 |
「質問時間を10分間と規定致しましたるに拘りまして、1分前にベルを鳴らしながら、時間です、時間ですと言いまして、あと2、30秒で尽きる議論を、あたら中途半端に終わらせるようなことをせず(中略)」。 |
「明治大帝陛下も、『よきをとり悪しきを捨てよ』と仰せられましたごとく、他議員の発表はこれを聴き、しかして、その賛否は自由なのです。おのれのみ正しいとして、他を入れざるは民主政治家にあらず。それをもし一歩譲れば、戦時下における、あの抑圧議会の再現を見るのであります。米国議会においては、他党所属議員の登壇発言に際しましては、挙党拍手をもって送り、拍手をもって迎えるのであります。名論なりと思いながらも、他党なるのゆえをもちまして、拍手もせず、(先般和田長官に対して)、落第坊主と叫び、保守反動、右翼黙れ、何を、というがごとき応酬は聞きにくく、民主議会の発展の上に遺憾に思うものであります。すべからく、わが民主党の議席のごとく、低級なる野次も飛ばさず、名論出でたるときは全員拍手するの、この状況になっていただきたいと思うのであります」。 |
「議員は一人というものの、この背後には15万5千人の国民大衆があって、議員一人の発言は、まさに国民大衆の血の叫びなのであります。平野(力三)農相(社会党)のごとく、三人、四人一まとめのご答弁は、一山いくら、十把ひとからげのようで、立法府議員に対する行政府責任者といたしまして、少し懇切丁寧を欠くの感なきを得ないのであります。こんな不親切な政府には協力せぬぞ、ともし言われたならば、どういたしましょう。その意味において、お暑い中ご苦労様ではございますが、一段のご考慮を煩わしたいのであります」。 |