ユダヤ問題(近・現代編)その4

 更新日/2023(平成31.5.1栄和/令和5).3.15日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「ユダヤ問題(近・現代編)その2」を学ぶ。

 2004.2.12日再編集 れんだいこ拝


【】
 「」。

ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特別編(アラビアのロレンス)1 ― アラブの蜂起 ―

 直接的にはユダヤ問題のポイントとしてはヒットしているとはいえないにしても、イスラエル建国にはそのための前提となった中東における数々のポイントとなる出来事があります。それらの事実を外してはなぜ中東が「世界の火薬庫」と呼ばれるような紛争と大混乱の現実に至ったか理解できないと思えます。
 特に第1次世界大戦の非常に入り込んだ出来事が中東の構造を生みだし、それが現在に通じています。
 そこで第1次世界大戦時オスマン帝国相手にアラブ反乱部隊を率いて大活躍した通称「アラビアのロレンス」を追いながらポイントを押さえていきたいと思います。
 出来事自体は非常に複雑な上、面白いことではないので、ぴょんぴょん先生に倣い、肩の力を抜いて弥次喜多道中の会話方式で記述を進めていきます。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特別編(アラビアのロレンス)1 ― アラブの蜂起 ―

pixabay [CC0] 1 & 2


アラビアのロレンスの葛藤から見る中東問題


やあ、久しぶり。元気だったかい? 今回もお前さんと同伴の旅路になったね。よろしく頼むよ。

へい、「旅は道連れ、世は情け」っていいますからね。こちらこそよろしく頼みます。ところでご隠居、騒々しい世の中は相変わらずですが、近頃は例のトランプの野郎のエルサレム首都発言で中東が蜂の巣をつついたみたいになってやすが、これのもとの原因はどのあたりにあるんですかい?


お前さん、「アラビアのロレンス」って知っているかい?

へい、随分と古い映画で、砂漠を横断しての戦闘シーンが印象に残ってやすが、中身は忘れていやす。何か関係があるんですかい? 映画なんか作り話では?

ふむ、確かに創作部分はあるが、この映画、基本的には史実に基づいて作られている。主人公のロレンスの葛藤を理解できれば、中東のいりくんだ複雑で深刻な問題も見えてくるよ。

へー、主人公のモデルはトーマス・E・ロレンス(1888年~1935年)、英国の情報局の将校でしたね。確かに複雑な物語で単なるハッピーエンドなんて映画ではなかったような・・・。

そう、状況も入り組んで複雑。主人公のモデルのE・ロレンスも複雑なものを抱えた男だった。そもそもサライエヴォ事件を契機に1914年から始まった戦争が、なぜあんな世界戦争にまで発展したか? どうも分からないような戦争で、気がつけば世界中の国々が巻き込まれていたという感じだった。

同盟国と協商国に分かれての戦争でやしたね。確か同盟国側がドイツ帝国、オーストリア=ハンガリー帝国、オスマン帝国協商国側大英帝国、フランス、帝政ロシアでやしたね。


英国はスエズ運河の利権を握っており、[それを脅かすオスマン帝国に対峙するにあたり、外務省カイロ情報局の下にアラブ局を新設し計略と指揮に当たることにした。そこに集まっていた中東の専門家の中に考古学者だったE・ロレンスがいた。他にはハリー・シンジョン・フィルビー、マーク・サイクスなど。彼らの計略はアラブ人を蜂起させ、オスマン帝国をその内部から揺るがせようというものだった。

その中東の専門家の中で、アラブ人の反乱軍を指揮したのがE・ロレンスというわけでやすね。

その通り、彼がその難しい役を担当した。アラブ人の蜂起、その実情は厳しいものだった。アラブ人と一口に言っても多くの部族に分かれる。反乱の軍と称してもバラバラでまとまりがなかった。これでは戦闘には勝てない。それをロレンスがまとめ大成功に導いた。

1917年末に英国アレンビー将軍によってエルサレムが占領された。しかし、それに先立つロレンスとアラブ反乱軍の活躍無しにはそれは達成できなかった。お前さんが映画で印象に残っている「砂漠を横断しての戦闘シーン」それはオスマン軍の要衝アカバ港攻略だよ。

7月にこれが落とされたので英軍は北方に進撃できた。また戦争の要である兵站の最重要ラインのヒジャス鉄道に大損害を与えている。アカバ攻略と兵站ヒジャス鉄道の戦闘、これはロレンスとアラブ反乱軍のみで行った。そして彼らは最終的にシリアの首都ダマスカスに入城する。

祖国英国を勝利へと導いたロレンスは大ヒーローでやすね。鼻高々でしょう?

いや、逆だよ。ロレンスは大ヒーローに祭り上げられるの拒んだ。そして自身に対し深く恥じ入っていた・・・。事実としてロレンスは英王室からのナイト爵の叙勲を拒み、名も栄誉も捨て2等兵として英空軍に入隊している。彼は自責の念から生涯逃れる事ができなかったようだ。良心があったんだね。

なぜ、ロレンスは生涯にわたりそんな重い葛藤を抱え込んでたんですかい?

それは、彼自身の心境の変化によるものもあるな、当初ロレンスは、諜報局員として冷徹に祖国英国の利益を追求しており、アラブ人の蜂起はそのための利用の対象だった。しかし、アラブ人たちと寝食を共にし命がけの戦闘を続ける中、本当にアラブ人たちの独立を目差す心境に変化していたようだ。しかし、結果として「独立国家樹立」を目差し行動してきた自身とアラブ人たちを裏切ってしまった。

アラブの独立と裏切り・・・?

そう。英国は非常に卑劣なやり方でアラブ人を裏切った。それがロレンスの苦悩となった。

(続きはこちらから)

フサイン=マクマホン協定 〜イギリスの三枚舌外交 その1〜



ご隠居、あっしら日本人にとって中東は遠く、アラブ人の独立と言っても、ぴんとは来やしません。

そうだろうね。先ずはオスマン帝国からだね。オスマン帝国とは、欧州ギリシアから北アフリカや中東を領地に含むイスラム教の大帝国だった。皇帝は代々スルタンと呼ばれる。トルコ人が中心となる国家だが広大なオスマンだ、その中に多民族が住んでいる。アラブ人、エジプト人、ギリシア人、スラヴ人、ユダヤ人などなど。

そしてオスマンはそれらの民族に対してキリスト教やユダヤ教などそれぞれの宗教の信仰、そして各民族の一定の自治を認めていた。

あっしらは顔を見てもトルコ人だ、アラブ人だとの中東に人の区別がつかないんですが?

そうか・・・、基本的に言語で分かれると見ればいいよ。トルコ人はトルコ語、アラブ人はアラビア語、またイランはオスマン領外で彼らはペルシャ語を使う。イランはペルシャ人といってもいいんだろうね。

なるほど。それにしてもオスマンは随分と多民族に対して政治的宗教的にも寛容だったわけですね。

そうだね。これはイスラムの特徴ともいえる。イスラムは連携を求めるからね。オスマンも広大な領土と多民族を統治するため、中央集権的な統治制度を作り上げたが「柔らかい専制」と呼ばれた。しかし、ある時期からオスマン帝国は大きく変質した。その中、第1次世界大戦に参戦することになる。

何があったんですかい?

革命さ。1908年スルタンはその革命で皇帝の座を追われた。それから先はオスマン帝国を牛耳ったのは革命を起こした勢力さ。特に軍部。イスラム教国としての国家が大きく変質することになった。

てぇことは、オスマン帝国はスルタンもいないし、イスラム教国家でもなくなったんですかい?

そうだ。スルタンはすげ替えられたがお飾りだ。連携を求めるイスラム法ではなく、トルコ民族主義が台頭する。排他主義だね。民族政策は変化し、トルコ人以外の国民に対する待遇を悪化し弾圧していった。これで知識層中心に他民族の人心はオスマンから離れアラブ人の中にも民族主義が高まっていった。

てぇことは。結局、その革命勢力が第1次世界大戦にオスマンを参戦させた。そしておまけにアラブ人の反感を買い、蜂起され、オスマン帝国を滅亡させてしまったわけですね。

その通りだ。外敵より身内の裏切りが怖いのはいつの世でもそうだ。

臭い。何か匂うぞ。その革命起こした連中、どんな奴等で? バックに変な者ついていませんでしたか?

ほう、お前さん。いつからそんなに鋭くなった? 確かにこの革命も臭い。しかし、ここでお前さんとその話を推理するのは荷が重い。これは本編にまかすこととして話しを進めよう。

へい、あっしは鼻はきくんでさ。ただし思いつきだけですがね。で、アラブ人が愛想つかしたと。


そうだ。英国情報局はそこに目を付けた。利用してやろうとね。そこで白羽の矢を立てたのがメッカの太守フサイン・イブン・アリーだ。預言者ムハンマドを輩出した名門ハーシム家の当主だ。

そのメッカの太守フサイン何とかに、英国の連中どうやったんで?

エジプトおよびスーダンの英国高等弁務官のヘンリー・マクマホンは、フサイン・イブン・アリーと1915年7月14日から16年3月30日の期間、10通の書簡を交わした。内容は戦争協力を条件にオスマン帝国領内のアラブ人の独立国家建設支持を約束したものフサイン=マクマホン協定という。

そうか、この協定の約束でアラブ人たちが蜂起して、その中にロレンスが身を投じたわけですね。


サイクス・ピコ協定 〜イギリスの三枚舌外交 その2〜


その通り。協定に基づき、メッカの太守フサインは1916年6月8日英国、フランスと同盟を結び、アラブ反乱軍の蜂起が開始された。ロレンスはフサインの3男ファイサルに魅了され、彼の軍事顧問となる。

アラブ反乱軍とロレンスたちが決死の戦いの連続で血を流した。そして確かアカバを攻略したのが1917年7月でやしたね。そのロレンスがなぜ深い葛藤を抱えることになったんで?

フサインによってアラブ人が蜂起した時点で既に英国は彼らを裏切っていた。ロレンスも知っていた。

えっ!?どういうことで??

1916年5月時点で既に英国、フランス、ロシアで広大なオスマン帝国領土を分割する秘密協定サイクス・ピコ協定が結ばれていた。基本的にこの分割案が現在の中東国境地図そのままとなっている。

サイクス・ピコ協定
濃い赤はイギリス直接統治、濃い青はフランス直接統治、
薄い赤はイギリスの、薄い青はフランスの勢力圏。
紫(パレスチナ)は共同統治領


えっ!?サ、サイク、ピ、ピコ太郎?? アラブの独立は? 約束したばかりじゃねえですかい?

英国外務省・中東担当官マーク・サイクス例のロレンスと共に外務省カイロ情報局の下アラブ局に集まっていた男だ。それとフランス前駐ベイルート領事ジョルジュ=ピコのとの協定がサイクス・ピコ協定。最終的にはロシア外相サゾノフが加わっている。英国は約束を翻しアラブを騙した。

英国の連中ひでえ奴等だ! このサイクス・ピコ協定、血を流した住民であるアラブ人の意向がまるっきり無視だ! それにしてもオスマンの敗北と領土分割は、はなから既定路線だったわけで?

連中にはそうだろうね。オスマン領土には石油が眠っている。そのお宝を奪うためだ。第1次世界大戦は石油争奪戦の面が濃い。本来の所有者アラブ人は完全無視、自分たちだけの勝手な利益を追求し、国境を勝手に線引きしている。そしてこれには猛毒も仕込まれていた。勝手な国境線分割によるクルド人問題だ。クルド人は国境線でいくつにも分断された。これが深刻な紛争の火種になっている。

それって、もしかするとわざと?ですかい? アラブ人同士も常に揉めるように?

間違いなくそうだ。ちなみに広瀬隆氏『赤い盾』によると、サイクスもピコもロスチャイルド家の工作員だ。この戦争欧州の強国と米国の利権、それにロスチャイルドたち『偽ユダヤ』の思惑がからむ。

ロスチャイルド? 全く入り組んで複雑だ。それにしてもアラブ人と接するロレンスが葛藤するわけだ。

ロレンスはアラブに肩入れするようになっていたからね。サイクス・ピコ協定のことを知っていたロレンスは、早い段階でファイサルたちに打ち明け、その上でダマスカスへの進軍を進言したようだ。

アラブ人たちは激怒だろうけど、ロレンスは信頼を得ていたわけだ。でもなぜダマスカスへの進軍を?

戦場での不文律。戦地では血路を開き、戦闘地を占領した者が権利を有する。ファイサルたちがアラブの独立を勝ち得るためには、反乱をシリアにも拡大し、大きな発言権を手にすることが必要と見たわけだ。

そしてロレンスとアラブ反乱軍は英国正規軍より先にダマスカス入城を果たしたわけですね。

そうだ。しかし現実は更にロレンスたちを驚愕させ、苦悩させる事態が待ち構えていた。

そりゃー、いったい・・・??

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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特別編(アラビアのロレンス)2 ― バルフォア宣言 ―

 アラブ代表メッカの太守フサインに、アラブ人参戦と引き替えに、アラブ人の独立国家支援を約束するとの英国政府の約定フサイン=マクマホン協定。そしてその約定と全く矛盾するオスマン領土分割の約定サイクス・ピコ協定。この相容れない約定が今日までの中東の災厄を呼び込む大元になったのですが、更なる猛毒の秘密協定もありました。今回取り上げる「バルフォア宣言」です。パレスチナでのシオニスト国家建設の誓約です。
 パレスチナのイスラエル建設、これはたとえるならば一人の人間、その肉体の重要箇所に無理矢理他者のがん細胞を移植するようなものです。異物であり常に毒を出し続ける危険物、身体破壊の元凶となります。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特別編(アラビアのロレンス)2 ― バルフォア宣言 ―

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仕組まれていた米国の第1次世界大戦への参戦


ロレンスたちの苦悩話の前に確認だ。お前さん、第1次世界大戦の敗戦国は知っていなさるね?

へい、同盟国側のドイツ、オーストリア、オスマンでさ。

確かにその3国は敗戦により帝国として崩壊した。しかし、それだと、どこか抜けてねえかい?

あっ、帝政ロシアか。1917年2月革命で皇帝は退位、10月革命で帝政ロシアは滅亡してやすね。

そうだ、帝政ロシアは間違いなく敗戦国で大戦から退却離脱した。だからあのオスマン領土分割の猛毒仕込みのサイクス・ピコ協定からロシアは外れている。付け加えるとレーニンは革命直後このサイクス・ピコ協定の存在をバラしている。ともあれ戦争としてはロシアはドイツに負けたんだ。

てぇことは、敗戦国のドイツが途中までは世界大戦で勝っていたと言うことで?

そうさ、この大戦の主戦場はヨーロッパ戦線、ここでドイツは勝利していた。協商国側は大苦戦だ。

そうか、思い出したぞ。確かその風向きが変わったのは米国の参戦からでやしたね?

そうだ、米国の参戦が戦局逆転の決定打になるが、それは1917年4月からだ。

あれっ!? それだとまるでロシアと入れ替わりじゃねぇですかい?

おや、気づいたね。3月にロシア皇帝が退位し4月に参戦。この米国の参戦とは実は大変なことだった。

どうしてですかい?

まず米国内の世論、米国世論はドイツを応援していたんだぜ。そして何よりも憲法違反だ。米国憲法は州兵の外国派兵を禁じている。しかしその憲法違反を時の大統領ウッドロー・ウイルソンは強行した。

ええー!! 米国の参戦が憲法違反?? でもず~っと、米国は世界中に軍隊出してやすぜ・・・?

元来は違憲だ。一度見逃すと連中は図に乗る。憲法違反を当然としやがる。ウイルソンは1913年3月に大統領就任、1916年3月再任。なんと再任のスローガンは「米国の若者を戦地に行かさない」だ。

嘘つき野郎だ。あれ?何だ? 安倍ぴょんにそっくりだ! でも、どうやって違憲の強行ができたんで?

ふむ、その前に、ウイルソンが大統領就任の1913年に米国で何が起きていたか知っているかい?

確か・・・、春にADL設立、そしてクリスマスにFRB設立、誰かが「米国の乗っ取り」だと・・・。


その通り、ウイルソンはそのためにFRBの所有者たちによって米国大統領に据えられた。無論ウイルソンは操られていた。ジョン・コールマン博士によると、終始ウイルソンを操っていた一人が、顧問で側近のマンデル・ハウス大佐だ。また米国参戦には最高裁判事ルイス・ブライダンスが道を付けた。憲法破壊のね。そしてマスコミだ。プロパガンダをまき散らし、米国民を参戦へと煽りに煽った。

政権に最高裁とマスコミがグルになって憲法違反の海外派兵? ますます安倍政権そっくりだ! 危ねえ!それと、もしかして、ハウス大佐、ルイス・ブライダンスも例の誰かの子分なんてことは?

無論そうだ。ハウス大佐、ルイス・ブライダンスもロスチャイルドの工作員、代理人だ。

やっぱり! サイクスにピコ太郎、ハウスにブライダンス、重要人物みんな子分じゃねぇですかい!?

弥次:その手の重要人物はもう一人いる。時の英国外相バルフォアだ。以下の「バルフォア宣言」を読んでみておくれ。これがロレンスたちを驚愕させ更に苦悩に追い込むことになるものだ。

へい、わかりやした。1917年11月の英国外相バルフォアの宣言か。早速読ませてもらいやす。

外務省
1917年11月2日

親愛なるロスチャイルド卿

私は、英国政府に代わり、以下のユダヤ人のシオニスト運動に共感する宣言が内閣に提案され、そして承認されたことを、喜びをもって貴殿に伝えます。

英国政府は、ユダヤ人がパレスチナの地に国民的郷土を樹立することにつき好意をもって見ることとし、その目的の達成のために最大限の努力を払うものとする。ただし、これは、パレスチナに在住する非ユダヤ人の市民権、宗教的権利、及び他の諸国に住むユダヤ人が享受している諸権利と政治的地位を、害するものではないことが明白に了解されるものとする。」

貴殿によって、この宣言をシオニスト連盟にお伝えいただければ、有り難く思います。

敬具
アーサー・ジェームズ・バルフォア

Wikipediaより

(続きはこちらから)

バルフォア宣言 〜イギリスの三枚舌外交 その3〜



バルフォア宣言読んでみてどうだった?どう思った?

どう思うも何も、これは単なる手紙、バルフォアのロスチャイルドに当てた私信でやしょう? 中身は何か回りくどいが、要するに「パレスチナにユダヤ国家を建設するのに英国政府は賛成支持」ということだ。ユダヤの国民的郷土、これは国という意味にとれらぁ。しかし、これ、いくら外相の言葉でもロスチャイルドという私人に向けた書簡だ。なんでこれが「宣言」になるのか?わからねぇ。

もっともだ。総理大臣宛ての文書などなら分かるが、私人宛の書簡など公的な「宣言」に全く当てはまらない。しかしこの書簡を盾にとってイスラエルを建国させたんだが・・・、他に何か感じたかい?

ロスチャイルドがやけに偉そうだ。バルフォアは私的にはロスチャイルドの子分でも英国代表の立場ってぇもんがある。まるで当時世界一の大国の大英帝国より、ロスチャイルドのほうが上の立場みてぇだ。

ほんと、そうよ。文書は正統ユダヤ教徒や世界からの非難を避けるため妙な言葉の言い回しをしているが、身も蓋もない実態を言えば「英国政府はパレスチナをロスチャイルド様に献上します」との誓約文だ。その後の経緯展開を見れば明らかだろう? そしてこいつは全くのでたらめインチキ文書だ。

・・・なんだか、あっしは無性に腹が立ってきやしたぜ! いってぇどんなインチキを?

色々あるんだ。まず日付だ。英国がパレスチナ云々って言っているが、この11月時点でアレンビー将軍はエルサレムに入城もしていない、パレスチナはれっきとしたオスマンの領土さ。他人の領土を何を勝手に、だ。そしてこの文書は、以前からされてきた話し合いの1916年末時点での合意の口答確認を文書にしたものだ。合意したのはライオネル・ロスチャイルド、初代イスラエル大統領ハイム・ワイツマンそしてバルフォアだ。また話し合いの中身は、逐次米大統領ウイルソンに届けられ合意に至っている。

えっ!? ウイルソン大統領が「バルフォア宣言」の中身に合意? どういうことで??

「バルフォア宣言」と米国の違憲の参戦はセットだってぇことさ。平たく言うとロスチャイルドは英国に「米国を参戦させてやるから引き替えにパレスチナを俺に献上するよう誓約せよ」としたのさ。付け加えると宣言文を書いたのはバルフォアじゃねぇ。草案は当のロスチャイルド自身とワイツマンが作っているみてぇだ。そのタイプ文書にバルフォアはサインしているだけさ。

な、なんだか、もうデタラメで無茶苦茶だ。そ、そうだ、ロレンスはこのことを?

無論知るよしもない。その頃彼は戦場でアラブ人たちと共に血みどろの戦闘中だ。ロレンスはアラブ部隊が圧倒的な戦功を立てることで、サイクス・ピコ協定を覆そうとしていた。こんな宣言文を知ったときには死ぬほどぶったまげただろう。彼らは戦場の掟で戦っていた。ロレンスはアラブの地で血を流し戦果を挙げたわけでも全くないシオニストが、パレスチナをかっさらえるなど思いもしなかっただろう。

しかし、バルフォアはロレンスの遙か彼方の上司、頑張れば独立を勝ち取れるとアラブ人を鼓舞してきたロレンスは苦悩するわけでぇ。それにしてもバルフォアは、部下が死ぬかもしれねぇ戦場に身を投じて奮闘しているのを知りながら、よくこんな文案を出せた・・・。あっしはなんか情けなくなってきた・・・。

そう、バルフォアは全て知っていた。最初からの計略さ。ロレンスもサイクスもそしてフサイン=マクマホン協定のマクマホンも全て部下だからね。あっ言い忘れたが、マクマホンもロスチャイルドの工作員、ロレンス以外バルフォア含め全てロスチャイルドの手の者だ。最初から仕組まれていた。

えっ!? ロレンスもアラブ人たちも皆が、はなから嵌められていた・・・? ・・・情けないを通り越して涙が出てきた。明日を信じて仲間が死にながらも必死で戦っているロレンスやアラブ人たちがバカみたいじゃねぇですかい!? 踊らされて!かわいそうすぎらぁ!! いや!憐れなのはオスマン兵もドイツ兵もフランス兵も!その家族たちも!!みんな、みんなだ!! なんなんだ?!この戦争ってやつは!!


最初から決まっている戦争の勝者と敗者


pixabay [CC0]


喜多さんや、お前さんの気持ちはよっく解るよ。でもね、いいかい?そろそろ気を静めなせぇ。昂ぶって本気で怒ったりして感情に流されるのは、奴等の思うつぼでもあるんだよ。

?? ご隠居どういうことで??

戦争には勝ち負けがある。戦勝国と敗戦国がある。当然負けた国は惨めだ。しかし戦勝国はどうだい?

そりゃ「勝った、勝った」と国民は大喜びで盛り上がりますぜ。日本でも日露戦争の後、日本各地で提灯行列がされた写真を見たことがありやす。

ふむ、しかしその盛り上がりはいつまでも続かないだろう? 一時の熱狂と興奮だ。その後に残るものは? 戦勝国と言っても兵隊は怪我や死亡もしている。その家族は大変だ。それにね、国には借金が残る。

ああ、そうか・・・。 第1次世界大戦の敗戦国、ドイツは無茶苦茶な負債をおわされぼろぼろに、またオスマン帝国の扱いなどは悲惨で跡形もなしにされた・・・、かといって戦勝国の英国も没落していった、フランスもそうだ。あれっ? いやいや戦勝国の米国はその後繁栄して超大国になっている・・・、ん?ん?あれ? でも・・・?おかしいぞ? 国がでかくなっても米国は天文学的な負債国家になっている。

ほう、さすが鼻利きだ。気づいたかい?問題は国民さ。英国民もフランス国民もだが、戦争の後、米国民も不満タラタラだったんだぜ。戦争負債の尻ぬぐいで。国家といわれているものと国民は別もんだ。

そうか、国家を家に例えれば、家という建物と住人どちらが大事か?ってことでやすね。あっしの近所でも立派な空き家がごろごろだ。住人がいない家なんて、建物がいくら立派でも無意味だ。国家と国民も同じ、国民あっての国家だ。しかし戦争して勝っても、国民は幸福にも豊かにもなっちゃいない。

そうだよ。日本も同じだ。日露戦争に勝った後の日本国民も貧しくなっていたんだぜ。国家が莫大な負債を抱え、その負債が惨めな太平洋戦争突入の要因になっている。国家の負債は国民に背負わされる。

ご隠居、あっしは何だか戦勝国なんてくくり、世間を欺くための「まやかし」に思えてきやした。無論負けた国は惨めだ。沢山人間が死に、財産も仕事も生活の糧も奪われる。しかし戦勝国の国民も兵隊が怪我をして死に、負債をおわされている。要は一度にガバッと毟られるか、少しずつ毟られるか、の違いだ。国民が毟られることにはどっちにしても変わりがねぇや。

あたしも同意見だ。戦争が始まった瞬間に勝者と敗者は決まっている。どの国が勝とうと、敗者はいつでも一般国民だ。勝者は国家に貸し付ける銀行の所有者、そしてそれにぶらさがる企業と政治家たちだ。構図は初めから決まっている。莫大な利益が出るので戦争をさせたいんだ。連中は。

そうか、戦争にもっていくために、犯人の銀行家は自分の身は隠して、政治家やマスコミなどを使い「外国のせいで窮乏生活させられている」と国民の怒りや不満を誘導し、感情を煽って利用するわけだ。

そうだよ。戦争のカラクリだ。怒り悦び悲しみ感情は大事さ。でもそれの囚人になってはいけねぇんだ。

銀行家ってぇのはロスチャイルド家でやすね? でもなぜ奴等が大英帝国を凌ぐほどの力を?

pixabay [CC0]


ロスチャイルド家が「通貨発行権、信用創造権」つまり「無からお金を創造できる」「打ち出の小槌」の所有者だからさ。彼らがどれほどの力を有しているかは彼ら自身が自分で語っているよ。

なるほど、そういうカラクリですかい。しかしここまで聞いてしまったら、もう後戻りできねぇや。入り組んだ第1次世界大戦のカラクリがはっきりとしねぇと落ち着かねぇ。ご隠居、どうで?

おやおや、こいつは困った。荷が重いや。でも抜き差しならぬところまで話しがきちゃったようだ。うーん、しかたないねぇ、当初の旅路の予定を変更してもう少し足を伸ばすとするかい?

へい、ご隠居、よろしく頼みやす。

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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特別編(アラビアのロレンス)3 ― 舞台裏の世界 ―

 時折参考にさせて頂いているブログ「マスコミに載らない海外記事」では、マスコミを必ず「売女マスコミ」とよび、「売女マスコミには、ほんのわずかの品位も無く、真実に対する敬意も皆無なのを我々は知っている。売女マスコミはウソ製造工場だ」と言った具合に評しています。
 その通りでしょう。マスコミは支配層、有り体に言えばここでは「偽ユダヤ」と表現している存在の大衆を洗脳支配のための大切なツールだからです。
 しかし、分かっていてもどのような報道をしているかのチェックも必要かと思い、テレビのスイッチを押す度に、やはり辟易とさせられます。何しろ数ヶ月も朝から晩まで相撲の話題ばかりです。またNHKは政権に不都合な国会中継を取りやめるありさまで呆れかえるばかりです。
 昔、テレビが普及した日本をある評論家が「一億総白痴化」と評していたの思い出します。山本太郎氏があるとき「テレビで役に立つのは天気予報だけ、あとは有害」と評していましたが頷けます。
 マスコミは下らなく有害な芝居を毎日大衆に見せつけています。今回はあくまでも推論に過ぎませんが、その芝居小屋の舞台裏の世界を弥次と喜多の掛け合いで探っていきます。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特別編(アラビアのロレンス)3 ― 舞台裏の世界 ―

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見えざる手


どうしたい? さっきから首をひねってばかりだね?

いやね、新聞やテレビなんかではその名が一切出てこないのに、ご隠居の話を聞くとロスチャイルドがどこにも出てくるので、こりゃーいってぇどういうことか?と・・・。

そうだね。あたしも最初の頃はいやになったよ。歴史的な事実、これらは表面だけの情報では合点のいかない事ばかりだ。それで少し詳しく裏事情を調べるとロスチャイルドの影がいつでもつきまとってくるからね。でもね奴等が「打ち出の小槌の所有者」だと知ってそれも当然だと思えてきたよ。

どういうことで?

舞台というものがあるね。そこで様々なお話や物語が役者のお芝居で演じられている。あたしたちはその舞台を見て一喜一憂する。しかし普通はその舞台裏は見ないね。でもね舞台裏には役者を動かす振り付け師や、そのもとになる脚本や台本を作る担当者、そして全体を見て指示する監督などなどがいる。この舞台裏がなけりゃ舞台は成立しない。裏が表の舞台を作り動かしている。

pixabay [CC0]


・・・うーん、てぇことは・・・、あっしたちが普段新聞やテレビで見聞きしていること、どっかの大統領がああいった、どこぞの首相がこんな発表をした、てぇいうようなことは表の舞台の出来事で、予めどう見せるのか、を計算した上のいわば役者の台詞ということで・・・?

まぁ、ほぼ全て、といっていいぐらいそうだろうね。ごく稀には自分の考えを自分の言葉で語る政治家などもいるにはいるが、しかしマスコミがそれを大きく取り上げることはまずないね。

てぇいうことは裏で操られている表舞台のお芝居を毎日あっしらは見せられていると?

そうだね。舞台裏の監督、台本担当者、振り付け師などにはロスチャイルドの意向が伝えられており、表の舞台は作られる。それはまるで隅々まで蜘蛛の巣が張り巡らされているようなものさ。なにしろこの現実世界は隅々の細かいことまでお金で動いているから、お金を司る者の意向がどこでも反映される。

うーん。まるで「神の見えざる手」いや悪魔か? ロスチャイルドの見えざる手でやすね。

まぁ、ロスチャイルドだけってぇ訳じゃないが、例えば米国大統領などはロスチャイルドやロックフェラー、モルガンなどの財閥、つまり銀行の持ち主によって少なくとも1913年、時のウイルソン大統領から前大統領オバマまでずっと網に絡め取られ操られてきたのは確かだね。

そうすると、やはり、第1次世界大戦なども連中の計画と意志で起こされたわけで?

うーん、第1次世界大戦を語るのは非常に難しい。何せ無数の人々が関わり影響を受けている。国の指導者から一兵卒まで。そしてその家族等々、皆それぞれの思いや意志がある。究極的にはその一人一人にとっての第1次世界大戦があるわけさ。一括りにはとてもできない。しかし、そういったことを前提にあえていうなら、彼らの計画と意志によって第1次世界大戦は引き起こされたのは間違いないね。

やはり。財閥たちの意志が反映されていると・・・。

うん、しかし複雑で難しいんだ。何せ人間のやることだからね。計算通りにはいかない。味方の陣営にいた者が敵方に鞍替えの裏切りや下克上、能力不足の失敗、突発事故、何でもあるからね。ロレンスのように当初の心境がまるっきり変化し、行動が予想外の方向に進むこともある・・・。

なるほど、そりゃーそうだ。でも連中には金儲けもあるだろうけど、それ以上の何か大きな目当てみたいなもんがあって、世界戦争を引き起こしたんじゃねぇんですかい?

(続きはこちらから)

第1次世界大戦の首謀者


おや、また鼻をきかせてきたね。そうだろうね。大きな目論見があっただろう。しかし確たる証拠があるわけではないので、これからの話しはあたしの推論として聞いておくれ。それにあたしにもどうしても限界があり判らなこともあるしね。

へい、わかりやした。それで、そのロスチャイルドたちの目当てとは?

そうだね・・・、お前さん、アルバート・パイクがジュゼッペ・マッチーニに送ったとされる書簡「未来戦争計画書」って呼ばれているものは知っているかい?

へい、このあいだ読みやしたがピンとこなくて。たしかイルミナティが支配する統一世界政府を立てるため3回の世界戦争が必要・・・ありゃ??これがもしかして連中の目当て?? しかし、あっしらの感覚からは想像もできねぇや。それにこの計画はロスチャイルドでなくBイルミナティの計画では?

ふむ、連中をあたしたちの常識のものさしで測ってはいけないよ。それを遙かに超えているからね。そしてあの内容の計画をもっている秘密結社は幾つかあったんだろうさ。各組織による違いは最後に出てくるルシファーだ、これがそれぞれの秘密結社で何を指すか異なる、ということだろう。そして第1次世界大戦勃発の計画の中心はやはりロスチャイルド家となるだろう。

へい、しかし、なんでそれが分かるんで?

そうだね、幾つかあるが、決定的なのが、米国が布告した14箇条の原則だ。知っているかい?

いやー、そいつについてはあっしは知識がなくて・・・。


米国が布告した14箇条の原則、これをドイツ帝国が受け入れることで第1次世界大戦は終結、そしてこの14箇条の原則に基づき戦後処理のパリ講和会議が開かれベルサイユ条約が決定した。

へー、となると、この14箇条の原則が戦争を終結させその後の世界の方向付けをしたわけでやすね?

そういうことになるね。ところがこの14箇条原則、体裁は米国が出したことになっているが、ジョン・コールマン博士によると(『石油の戦争とパレスチナの闇』p128)これはロスチャイルドとブライダンス判事が書き、ウイルソン大統領に手渡したもの。事実パリ講和会議を仕切ったのはロスチャイルドさ。

うわっ!こりゃー、てぇへんだ。となるとロスチャイルドが米国を参戦させて世界大戦をコントロール、その上に世界大戦を終結させ、戦後処理までも仕切った、ということになるわけでやすね。

そういうことだ。戦争をコントロールし終結させ、戦後処理まで仕切った者、そいつが戦争を計画し起こさせた、こう見るのが自然だろ?


謎解き世界大戦




確かにその通りで。で、ロスチャイルドが第1次世界大戦を起こさせた目当ては?

それが複雑なんだよ。無論最終目的は統一世界政府の樹立さ。そのための3回の世界戦争さ。しかしその途中経過の達成すべき目標がウルトラCというか相矛盾した複雑なものとなっている。

どのように矛盾し複雑なんで?

「未来戦争計画書」では第1次世界大戦についてどう記していた?

たしか・・・、ロシアをぶっ倒しイルミナティの領地にして利用すると・・・。

ふむ、では第2次世界大戦は?

ドイツ国家主義者とシオニストの争いで勃発。結果ロシアの影響が大きくなる、それとイスラエル建国。

そうだ、では最後の第3次世界大戦は?

イスラエルを建国したシオニストとアラブの争いで起こされる・・・。

その通りだ。ではまず第1次世界大戦だ。これの主目的、最優先事項は帝政ロシアを打倒し宿敵ロマノフ王朝断絶だ。しかし、これだけでは面白くない。連中は戦争を通して次の戦争の仕込みをする。

戦争で次の戦争の仕込み? どういうことで?

そうだね、第2次世界大戦の主役はドイツ国家主義者だ。では、これを台頭させるには?

あっそうか、ドイツを敗戦国にする。そしてぼろぼろに追い込み、ドイツ国民に散々屈辱感や怒り不満を高まらせた。そこにドイツ国民アーリア人種の優秀さを提唱し、鼓舞するヒトラーが登場・・・と。

その通りだ。ヒトラーの登場は敗戦とベルサイユ条約でぼろぼろにされていたドイツ国民にとって、優越感を刺激しながら力強く導く“救世主”の登場だ。これは最後の第3次世界大戦後のルシファーの顕現の実験だったような気もするね。最終戦争で生き残ったもののぼろぼろの世界人民が、どうしようもなく天を仰いだとき、そこから光に包まれた存在が降臨し“救世主の宣言”を行う、といった具合のね。

うわー!よく考えてやがる。それにしてもこれは簡単なことじゃねぇぞ。何しろドイツとロシアは戦争中だ。普通は片一方が勝てばもう片方は負ける。でも両方を負けさせなきゃいけない。…あっ!そうか! それでロシア皇帝が退位した直後に入れ替わりで米国が参戦! ドイツ帝国が敗北に!

そう見えるね。『ユダヤ・ロスチャイルド世界冷酷支配年表』では、戦争中ドイツはロスチャイルド家から英国、フランスよりはるかに多額の資金提供を受けていたとある。戦費調達は戦争の鍵だ。豊富な戦費を有するドイツは、ジェイコブ・シフにより戦費調達不能にされたロシアを戦闘で打ち負かした。

こ、これは! やはり金の力はすごいや! しかしそのドイツも計画で敗戦国にされてしまった。

うん、そうだ。ただし、ドイツを敗戦させる以上に仕込みとして重大な優先事項もあった。

うーん、石油のことかな? もしかしてロレンスたちが関係してくる中東情勢のことで?

その通りだよ。ロスチャイルドがずっと狙っていたのはパレスチナのイスラエル建国だろ?

確かにそうだ。第3次大戦はイスラエルとアラブの争いで引き起こされるとありやした。しかしロスチャイルドはどうしてそこまで中東そしてパレスチナにこだわったんで?

最終目的は最終戦争を引き起こすためだね? ではそれに必要なものは? 一般人民を巻き込むためには?

うーん、体裁的にはもっともらしい正義の錦の御旗が必要だ。だけど実質戦争に突入させるのは人々の欲望、嫉妬や怒り不満、優越感と、その裏返しの屈辱感。…連中はこれを煽り増幅させるんでやしたね?

その通りだよ。中東には石油というお宝がある。当然それをめぐる激しい争奪戦が繰り広げられる。そこには欲望、羨望、嫉妬、怒り、不満、驕慢いわば人々のネガティブエネルギーが集中だ。それに・・・

あっそうだ!エルサレムだ! パレスチナ近辺にはユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地とされるエルサレムがある。あっしが最初にご隠居に尋ねたことだ! そこにイスラエルを無理やり建国させた!

pixabay [CC0]


良く分かったね。いわば中東にガスが充満するようにネガティブエネルギーが充満される。それに引火させるのがイスラエル、そしてエルサレムの問題だ。そうなると充満したガスが大爆発するように戦火がエルサレム中心に世界中に拡大する。このように最終戦争勃発の仕込み準備をした。

そうか、そのためにフサイン=マクマホン協定でアラブ人を騙し、サイクス・ピコ協定でアラブ人を失望と怒りそして争わせ、バルフォア宣言のイスラエル建国で更なる激怒を呼び込んだわけだ。

その通りだ。しかし、そのロスチャイルドをしてもさすがに第1次世界大戦でロマノフ王朝廃絶、オスマン領土の分捕り、違憲の米国参戦、ドイツ帝国敗退、これだけの目標達成には無理を重ねている。そのせいかどうもさすがに計算違いを犯してもいたようだ。

えっ!?あのロスチャイルドが計算間違いを? それはどういうこって?


【 】
 日、「」。

ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特別編(アラビアのロレンス)4 ― ロスチャイルドの誤算? ―

 「バカに付ける薬はない」。これはこの男のためにある言葉ではないか?と思ってしまいます。この男、もし韓国大統領が日本にやってきて「北朝鮮に対する態度を改めよ。これまでの嘘と非礼を詫びるべきだ。」などと言われようものなら激怒するに相違ない。しかし自分がされたら激怒することを他人には平然と行う。「対話のための対話は無意味、圧力を極限まで高めよ・・・」バカの一つ覚えをわざわざ外国のオリンピック会場まで赴いて吐いてくる。内政干渉であり無論大顰蹙だけを買っている。しかし気づかずどや顔して帰国。・・・日本の首相を名乗る男の幼児性、バカぶりにはほとほとうんざり。
 しかしそんな日本でも変化の兆しがでてきているようです。先日の国会では原口一博議員が「国と国が戦うのでは無く、世界は、日本は、ディープステートという戦争屋の自作自演で戦争をしているのではないか」と発言。「当たり前」のことですが、その「当たり前」がようやく日本の国会でも発言され議事録に残ったのはやはり大きな一歩でしょう。そして何よりも世界における変化です。とりあげられたディープステートの主、お金を司り、世界中に蜘蛛の巣をかけるが如くに網をかけ、舞台裏から世界の歴史を操作してきたロスチャイルド家が、現在は崩壊中にある事実が先日シャンティー・フーラのブログ記事に上がっています。まさに地上世界が大きく変化、変貌しつつあるのを実感しつつあります。
 今回は世界支配を目差し、網を張り巡らせ世界を操作してきたこのロスチャイルド家でさえも、想定外の事態が発生し計画が狂ったであろうこと。またロシアと中東情勢から世界支配を巡り舞台裏での暗闘があった様子が窺えるので、その実態は一体どうであったのか?を探ります。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特別編(アラビアのロレンス)4 ― ロスチャイルドの誤算? ―


想定外のジューコフ元帥の乱


世界支配計画、統一世界政府樹立に向けた本格的始動が第1次世界大戦勃発で幕開けしたわけだが、先ず少し整理しておこう。首謀者ロスチャイルド家の第1次世界大戦での達成目標、その優先順位は?

へい、先ず第1が帝政ロシアの打倒。次がイスラエル建国を含め、大混乱と怒りを中東に集中させるためのオスマン帝国の分割とパレスチナの奪取。最後に次の大戦誘導のためのドイツの敗戦でさ。

そうだね。そうすると地域での作戦はそれぞれロシア方面、中東方面、欧州方面、それに米国方面での工作とに分かれる。それぞれの工作でウルトラCを演じた。ただし反面無理もあり誤算もあったようだ。

気になっていやした。あのロスチャイルド家がどのような計算違いを?

第1次世界大戦と第2次世界大戦は連結しており、そこから言えば最大の誤算は元来の最優先事項だったロシアだ。いや、これはロスチャイルドの誤算と言うより誰にとっても想定外の突発事態だった。

ロシアで想定外の突発事態? ふーむ、何がありやしたっけ?

1953年に起きたジューコフ元帥の乱さ。あれで世界支配計画は大きく後退している。ジューコフ元帥の乱でカガノビッチが逮捕され、超大国ソ連のコントロールが効かなくなったからね。

ああ、本編の第8話でやすね。・・・うーむ、改めて読み直すと確かにジューコフ元帥の乱は当の本人以外は誰にでも「驚き・桃の木・山椒の木」だ。誰にも相談無しってんだから。しかしこれがなかったら・・・。


当時のソ連にベリヤを配下に従えた皇帝カガノビッチはハザール帝国を再現させていた。『赤い盾』によると、カガノビッチの弟がロスチャイルド家とどうも血縁関係を結んでいた模様だ。カガノビッチ自身もロスチャイルド系の穀物大企業ドレフェス社と取引し、その関係でホロドモールを起こしている。

ホロドモール、本編第7話でやすね。ホロドモールの真犯人、冷血の怪物カガノビッチが皇帝としてフランキストが支配する米国とがっちりと手を結んだら・・・、想像するだけで背筋がぞっとすらぁ・・・。

それだけじゃないよ。この当時既に米国とソ連が承認してパレスチナ人を虐殺し続けているイスラエルが建国している。水面下でこの米国、ソ連、イスラエルが三国同盟を結んでいたら・・・?

うわっ!想像もしたくねぇや。でも奴等のことだ、プロレスみたく敵味方の役割分担で、アラブやイスラム教徒を翻弄する。そうなると・・・第3次世界大戦に持ち込むのは全く難しくない・・・。

そうさ、ジューコフ元帥の乱がいかに大きかったかは、現在の状況でも分かるだろ? お前さんが言ったように、トランプのエルサレム首都発言で中東は蜂の巣をつついたようになっている。しかしプーチンのロシアは静観している。それで逆にガス抜きみたいになってイスラエルが却って存亡の危機だ。

確かにそうでやすね。プーチンが過剰反応して、エルサレムに軍隊など派遣する事態になれば・・・。いやそれ以前に米国や欧州の卑劣な挑発に乗っていたら・・・下手すりゃ既に第3次世界大戦の勃発だ。あっしは不満もありやすが日頃気ままに生活してやす。しかしこれは奇跡的な日々だと思えてきやした。

同感だよ。舞台裏の事情を知ればね。ハザール人というかサバタイ-フランキストの支配に対してのロシア人たちの抵抗戦闘がなければ、とっくの昔に第3次世界大戦は勃発されていただろう。ただしロシアまた中東においてもだが、ロスチャイルド家はジューコフの乱の前から計算違いはあったようだ。

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ロシアと中東におけるロスチャイルド家の誤算


ふーむ、ロスチャイルドの張った網の目にも結構ほどけがあったわけでやすね。で、それは?

スターリンが真の独裁者になろうと取り巻きのハザール人たちを排斥しかけた。これでカガノビッチとベリヤがスターリンを暗殺した模様だが、スターリンのこの行動は誤算だっただろう、またそれ以前にサイクス・ピコ協定をバラしたレーニンの行動も計算外だっただろう。ジェイコブ・シフを通じてロスチャイルドはレーニンに資金提供し10月革命を起こさせ帝政ロシアを滅亡させたのだが、そのレーニンがロスチャイルドの不利になる行為をとった。これはレーニンをコントロール仕切れていなかったことになるね。その後レーニンに暗殺部隊が送られたのもこれに関連するかも?だね。

なるほど、てぇことは他の誰かによってもレーニンは操縦されていたということで?

その可能性はあるね。「未来戦争計画書」を見ればレーニンもスターリンも表のイルミナティに属していただろうと推測できる。しかしそれ以外にもレーニンを動かしていた犯人はいそうだ。

そのレーニンを別から動かしていた犯人とは?

事件や戦争などでの犯人を捜すには、その事件や戦争で誰が「得をしたか」を見ればいいよ。鍵は中東だ。


ふーむ、この戦争は石油の争奪戦でもありやしたね。誰かが「石油を制する者が世界を制する」と・・・。石油を制するには中東で利権を獲得する必要がある。そして石油メジャーとなったのはロックフェラー

ふむ、ではロックフェラーが中東での石油利権を奪取するには?

英国そしてロスチャイルドを出し抜く必要がありやすね。計画通りに行かないように。それには・・・石油のお宝が眠る中東の領土分割の秘密が世界に知られたら、英国そしてその裏のロスチャイルドは困る・・・ん?ということは、それでレーニンをそそのかし、秘密協定サイクス・ピコ協定をバラさせた?

うん、その可能性はある。世界に秘密協定がバラされて非難が英国に集中する。これで世界における英国の発言力は低下だ。元はロックフェラーもジェイコブ・シフによって養成された財閥だ。しかし力を付けてきたロックフェラーが、どさくさに紛れてロスチャイルドを出し抜きキングの座を狙った、これは十分あり得る。ロスチャイルド家にとって痛手だったのが、米国方面総支配人かつロシア方面の作戦総指揮者のジェイコブ・シフが1920年9月に死去したことだと感じるね。人間の替わりは中々ないからね。

ロシア方面の工作に睨みをきかせ、またロックフェラーなどの米財閥の手綱を握っていた優秀な支配人が不在になる。その隙をロックフェラーがつき、両家の力関係も変化したと?

そうだね、第1次世界大戦後に英国は没落し、入れ替わるように米国が繁栄する。その影には、中東での石油利権を握り石油メジャーとなったロックフェラーがある。これはロスチャイルド家にとってはやはり大きな計算違いだっただろう。しかしこの計算違いを生むには中東のある存在が不可欠だった・・・。

うーむ、誰かがロックフェラーと組んで世界の勢力地図を塗り替えた?ということですかい?

そうだよ。ロックフェラーの他に二度の大戦を通じ、中東でおおいに「得をした」のは誰だい? そしてこのことにはロレンスやファイサル逹も大きく関係してきている。

・・・中東の大国、世界トップの産油国となったサウジアラビアの王族、サウード家、ですかい?


中東の支配権の変遷


イブン・サウード [Public Domain]


その通りだ。サウード家は有り体に言うと元来は砂漠の追いはぎ強盗団一族だ。そこにイスラム原理主義ワッハーブ主義を説くワハビ家を守護し、一体となりアラブ半島中央部に勢力を強め王国を築く・・・。

追いはぎ強盗団? それとイスラム原理主義? これは、えれぇ物騒な連中だ。

そうだ、サウード家は危険視され、オスマン帝国の命で掃討されクエートに亡命していた。しかし大戦前当時の若き当主イブン・サウードが1902年に手勢を率いてリヤドを奪還し、そこの太守となっていた。

また、すげぇ荒くれ者のようだが・・・、こいつがロレンスたちと絡んでくるんでやすね?

そう。1916年メッカとメジナの太守フサインはオスマンに叛旗、治めていたアラブ半島紅海に面するヒジャース地方の独立、ヒジャース王国設立を宣言、無論これを英国は承認している。アラブ反乱軍はロレンスが軍事顧問を勤めるフサインの三男ファイサルが率いた。そしてアラブ反乱軍は1917年にアカバを陥落しヒジャース王国に併合、1918年にオスマン帝国最大の軍事基地シリアのダマスカスに入城、そこでダマスカスを首都とする大アラブ王国(ヒジャース王国)設立の宣言を行う・・・。


しかし、大アラブ王国(ヒジャース王国)を英国とフランスそして何よりロスチャイルド家が認めなかった。でやすね?

その通りだ。時系列に沿っていうと、1919年パリ講和会議にアラブ代表として出席したのがファイサルだ。ここにロレンスも顧問として同席しアラブの独立を訴えた。

しかし、ロスチャイルドが仕切るパリ講和会議で認められず、サイクス・ピコ協定に沿って英国とフランスで分割統治されることになったんでやすね?

その通り。1920年3月ファイサルはシリア独立を宣言し王位につくが、同年にフランス軍によって追放される。ちなみにフランス軍は、それまでにオスマン軍と交戦し、戦果を挙げた形跡がない。

なんともひでぇ話しだ。でもこうなるとファイサルだけでなく、親父のフサインの立場も危うくなりそうだ。フサインに対してもアラブ人逹の不信の目が向けられたのでは?

確かに。アラブ人たちも血を流した以上その見返りは求めるからね。大アラブ王国の王を名乗ったフサインは、アラブ全体から不興を買っていた。そしてそこをリヤドの太守イブン・サウードがついた。

あのどう猛な荒くれがヒジャース地方に攻め入ったわけでやすね。

そう。恐れをなしたヒジャースの軍隊はあっけなく敗走。フサインは亡命。1925年ヒジャース王国は壊滅。アラブ半島を統一したイブン・サウードはやがてサウード家のアラビアという意味のサウジアラビア設立を宣言そこに大油田が発見され現在のサウジアラビアの原型が形成されている。

騙していたとはいえ、英国とそのバックのロスチャイルドはフサインのハーシム家を支持していたはずだ。英国はハーシム家へのイブン・サウードの攻撃に何も動かなかったのですかい?

英国はフサインを見捨てた。しかし結果としてハーシム家を支持していた英国は没落していく。代わりに台頭してくるのがサウード家のサウジアラビアと組んだ米国だ。やがて中東の石油利権と戦力をバックにしてオイル・ダラーシステムを構築し覇権国家となっていく。

pixabay [CC0] 1 & 2 & 3 & 4


なるほど、一方米国と組んだサウジアラビアはアラブの盟主を自認するほどになっていやすからね。

実はロレンスは当初からサウード家の台頭を危惧していた。英国の利益を脅かす、と。英国が没落した結果から見れば、ロレンスの見解が正しかったわけだ。

なるほど。それでロレンスとファイサルたちはその後どうなったんで?

ふむ、いよいよ、あたしたちの旅路も終わりに近づいたようだ。ただ少し喋りすぎたようでもあるね。

へい、じゃあここらあたりで一服としましょうや。


ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特別編(アラビアのロレンス)5 ― 最終話 夢の跡 ―

 大きな夢を描きそれをかなえること、つまり願望の成就が人生で最も大事なこと、世間一般ではこのようによく言われます。しかし願望の種類にもよるでしょうが、願望の成就と幸福は全く異質なことだとつくづく感じさせられます。
 第1次世界大戦を皮切りに本格的に始動した世界支配計画、地上世界の支配権を巡り、激しい闘争が水面下で延々と繰り広げられてきたことが見て取れます。そしてそれは現在も完全には終了していないでしょう。しかしその中、莫大な資産を有し絶大な支配力や権力を手にした銀行家や王族たちが幸福であったのだろうか? 少し興味を持ち調べてみれば全く幸福とは違うことがわかります。
 例えば今回は王族中の王族ハプスプルグ家が出てきていますが、当主であったフランツ・ヨーゼフ1世の生涯を検索されれば納得されるでしょう。野心、その欲望の成就に切りはありません。本来の素直な自己の欲求ではなく、化学変化させたように化けた欲求だからです。
 他者を思い通りに支配コントロールできたる選ばれた特別な自身のつもり、ところが実態は自分の生んだ野心によって自身が束縛支配されているのであり、最終的には野心が自己自身全てを飲み込んでしまいます。また、そこまでは行かないとしても、誰であっても「夢の続き」を追い続ける限りは彷徨い続け、安心して帰る場所を喪失しかねません。
 私たちは幸いにもすでに日々の生活の中で、自身が立ち返ることのできる「帰る場所」が開示されています。「ヤマ・ニヤマ」です。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 特別編(アラビアのロレンス)5 ― 最終話 夢の跡 ―

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第1次世界大戦の残る謎


さて、旅路も終わりが近づいた。ぼちぼち家路につくとするかい? ロレンスたちのその後だったね。

へい、でもその前に、やはり気になっているんでさ。御隠居の分からないことって何か?が。

おや、憶えていたんだね。うーん、それは・・・、第1次世界大戦の起こりのことだ。大戦の起こりはサラエボ事件、これでオーストリア帝国、つまりハプスプルグ家の皇位継承者が殺害されている。そしてこの大戦の首謀者はロスチャイルド家だ。となると・・・ロスチャイルド家がハプスプルグ家の皇位継承者の殺害を命じたことになるはずだ。

うーん確かにこれは雲の上の話だ。しかしハプスプルグ家は欧州の王族中でもトップの名家でやすね?

そう名門中の名門。実はロスチャイルド家はハプスプルグ家から爵位を受けている。つまり本来関係は臣下だ。いくらロスチャイルド家が通貨発行権を握り絶大な力を有すると言っても、ハプスプルグ家から見れば成り上がりに過ぎない。当時ハプスプルグ家とロスチャイルド家がどういった関係にあったのかが不可解だ。一方的にハプスプルグ家が嵌められ利用されるとは合点がどうもいかないんだね。

第1次世界大戦の戦敗国となったオーストリア帝国も解体されている。うーん、しかし、帝国は解体してもハプスプルグ家はロマノフ王朝とは違い現在でも健在でやすね?

そう。隠然たる力を有している。帝国はなくなっても本当のところ敗戦によるハプスプルグ家のダメージのほどは不明だ。ロシア帝国、オスマン帝国、ドイツ帝国とは様相が全く異なる。

・・・もしかしてハプスプルグ家とロスチャイルド家との間に密約があったなんて事は・・・? いや、いや、そんなはずがねぇ、なにせハプスプルグ家は皇位継承者が殺害されている。そんな事認めるはずがねぇ。


そう、そこなんだ。分からねぇのが。殺害されたのは皇位継承者夫妻だ。しかしこれはあたしの妄想の部類に入るが、ロスチャイルドとの密約があった、という気のほうが強くなっているんだ。

では御隠居は皇位継承者夫妻の殺害を当のハプスプルグ家が認めた?と? それは一体どういうことで?

うん、殺害されたフランツ・フェルディナントとその妻ゾフィーはハプスプルグ家で異端扱いだった。夫妻は身分違いの貴賤結婚だと。夫妻の結婚式には皇帝フランツ=ヨーゼフ1世も皇族も出席せず、その子息に皇位権は与えられず、ゾフィーはあらゆる場面で冷遇されていた様子だ。

確かハプスプルグ家は「戦争は他家に任せておけ。汝は結婚せよ。」の戦略結婚が有名、また同族結婚を繰り返す血統をやけに重んじる家系でやしたね? そのようなハプスプルグ家では、フェルディナントとゾフィーの貴賤結婚の夫婦は正統家系の一員には認めないと? それで暗殺で除外された?

うん、なにせ真相は藪の中だ。通り一遍の情報しかないので分からない。しかし、その可能性があるような気がする。何か重大なものを得ようとする際には犠牲を捧げるからね。

もし暗殺を容認したとすると、そこまでの犠牲を払いながらハプスプルグ家が得ようとしたのは?

ずばり神聖世界皇帝。彼らの経典タルムードでは「ユダヤ王が世界の真の法王になる。それはダヴィデ王の子孫」とされる。問題は彼らの血統だ。これを踏まえて「天界の改革29」を読んでみてごらん。

・・・うーん、こりゃ、すげーことが明かされている。洗礼者ヨハネがダヴィデ王の血統ということで?

そうだよ。つまりいったんはオーストリア帝国を解体して裏に秘め置くが、時がくれば世界法王つまり神聖世界皇帝としてハプスプルグ家の正統嫡男が君臨。ロスチャイルドはその摂政として実務を担当する、いわば祭司王と実務王、祭司のメシアと王のメシア着任の密約が交わされていたのでは?とね。

うーん、「天界の改革29」を読めばあり得ない話ではないような・・・。それと気になるのがカール・ハプスブルク=ロートリンゲンにデービッド・ロックフェラーの財宝が献上されている点だ、これは?

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戦術を変えた?ロスチャイルド家


その話しをすると、お前さんとまた別の新たな旅をしなくちゃならなくなる。ただ種々の障壁と誤算があったロスチャイルドは、世界支配計画の戦術を変更したように見えるね。

・・・もしかして、それはデービッド・ロックフェラーが自分の財宝を献上したことに関わるので?

ふむ、その前に、裏で世界征服計画をたて主導したのはロスチャイルドだ。その中で種々誤算もあった。例えば、パリ講和会議で決定したヴェルサイユ条約の批准に対し米国の上院では拒否。また英国では、パレスチナ委任統治に当たり、規約を改竄しバルフォア宣言を組み入れた委任命令を作成したのだが、英貴族院で非難動議が可決されている。ただし、これらの誤算はまだ何とでも繕える。しかし・・・

決定的だったのが想定外のジューコフ元帥の乱。そしてそれに次ぐのが中東での石油利権でやすか?

そうだね。世界支配計画を最初から最後まで主導するのはやはりリスクが高い。そこで世界大戦を通じ中東での石油利権を握り、台頭してきたロックフェラーを逆利用したように見えるね。

いいところで石油利権でロックフェラーに出し抜かれたロスチャイルドが、今度は逆にロックフェラーを要所は押さえながらも泳がせ、肝心なところで逆に出し抜く戦術をとった?ということで?

そう見えるね。すでに死去したが地上世界では十数年前までデービッド・ロックフェラーは世界皇帝や悪魔大王と呼ばれ、世界中でやりたい放題。地上でまるで「我が世の春」を謳歌しているようにも見えたものさ。しかしその状況が一変する出来事が起きた。2008年のリーマンショックだ。

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てぇことはあのリーマンショックはロスチャイルド家が仕掛けたと?

そうだろうね。仕込んでいたようだ。事実、リーマンショックでデービッド・ロックフェラー系の銀行や企業群は大ダメージを受けたようだ。それでデービッド・ロックフェラーの力が大きく削がれた。焦ったデービッド・ロックフェラーは失地挽回の狙いで第3次世界大戦の勃発を命じた模様だ。

しかし、実際には第3次世界大戦は勃発していない・・・。

そういうことさ。準備が整ってもいないうちに第3次世界大戦の勃発を命ずる独断専行に走り、裏のイルミナティの世界で総スカンを喰らい、支配計画を大きく狂わせたとして責任を問われたのだろう。

それでデービッド・ロックフェラーが命乞いで財宝を差し出したと・・・。なるほど、栄枯盛衰だ・・・。「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり」でやすね。

おやおや見かけによらず随分と詩的だね。まぁ確かに最近はロスチャイルド家も崩壊中の様子だ。幸い地上も世界覇権を夢見て戦ってきた「兵どもが 夢の跡」という感はあるね。さて、ロレンスたちだ。


ロレンスたちのその後



へい、パリ講和会議でファイサルとロレンスは独立国家大アラブ(ヒジャース)王国を主張したが認められず、また、シリア独立を宣言したファイサルはフランス軍によって追放されたんでやしたね。

そう、1920年サンレモで行われた国際会議、そこで8月に決定したオスマン帝国と欧州との間に交わされたセーヴル条約。これもひどいものだった。オスマン帝国はその領土のほとんどを失う。アラブの地はサイクス・ピコ協定に基づき英国とフランスで分割。シリアはフランスが統治することになりファイサルを排斥。現在の中東地図だ。そしてサンレモ会議でも英国らはオスマン側を騙していた。スルタン・メフメト6世の皇帝としての地位の保証とオスマン皇帝家の存続の条件と引き替えに、このオスマン帝国にとり屈辱的過酷なセーヴル条約を飲ませていた。オスマンの民は大激怒。しかし、それもあり1922年のトルコ革命でスルタンは廃絶され、メフメト6世は亡命、亡命先のサンレモで死去だ。

ロスチャイルドが裏にいる英国が約束を誠実に履行するなど全くないと言うことでやすね。ファイサルは追放されやしたが、ファイサルと行動を共にしていたロレンスはパリ講和会議の後はどうしたんで?

失意のロレンスだったが、後の首相で当時植民相のチャーチルに請われ、植民地省顧問に就任していた。そして1921年ロレンスも出席した3月のカイロ会議でファイサルをイラク国王に就かせることに決定、ファイサルは英国委任統治下ではあるがイラク国王となった(ファイサル1世。位1921-33)。なおファイサルの兄アブドラは同じく英国委任統治下のパレスチナを分割したヨルダン国王に納まる。1922年「私の仕事は終わった」としてロレンスは植民地省を去る。その後一兵卒として英国空軍に入隊するなど奇行が続くが、1935年5月ロレンスはオートバイ事故により46歳の若さでその生涯を終えた。


なんか、複雑な上に疾風怒濤のような人生でやすね。突発事故とはいえ、生涯を閉じてしまう前に、ロレンスは抱えこんでしまっていた深い葛藤から抜け出す出口、なにか光明は見つけていたんで?

いや、それは残念ながらなかっただろう。ロレンスの前に共に戦ってきたファイサルが没している。ファイサル1世のイラク王国は、民族上・宗教上の内紛があとを絶たず、ファイサル1世はその心労の中1933年に没している。中東の紛争や大混乱は今も同じだからね。特にイラクはひどい。石油が狙われてきたからね。なおロレンスはアラブの分割案に関してクルド人問題を指摘し大いに危惧もしていた。

ロレンスはヒジャース王国を滅ぼしたサウード家の台頭も危惧していやしたね。

そうだよ。サウジアラビアのワッハーブ主義からイスラム過激派、アルカイダ、ダーイッシュなどが出てきている。本当のところロレンスの危惧は英国の利益というより、人類の行く末に関わるものだった。

えっ?サウジアラビアのワッハーブ主義からイスラム過激派、アルカイダ、ダーイッシュが?? 大問題だ。一体、サウード家とワッハーブ主義のワハビ家とは何者なんで?

もう旅路も終わりだ。それは本編に任せよう。なお、ファイサルの兄ヨルダンのアブドラ1世は、アラブ連合のリーダーでありながら野心を燃やし、イスラエルと秘密裡に通じていた。まぁ「ダークサイドに落ちた」といったところかな? 中東問題の複雑さ難しさの一つだ。支配層の連中は「分断して統治せよ」で支配される側が一つにまとまらないよう徹底的に働きかけ工作をするからね。支配層の連中も必死だ。

人間の持つ弱さ、野心がつけ込まれる対象になるんでやすね。それにしても大混乱の中で解決の糸口もないままアラブを去るロレンスは、複雑な心境で意気消沈でやしたろうね。

そうだ。アラビアのロレンス、映画の最終は、砂漠を去る時がきたロレンスに運転手が語りかける。「帰りましょう」と、それに対してロレンスは「どこへ?」と。悄然と砂漠を去るロレンスの乗る車をバイクが追いぬいていく、これが最終シーンだ。一人孤独に葛藤し彷徨うロレンスを脇に、時勢はどんどん進み、ロレンスを置いてきぼりに追い越していく様子を象徴していたんだろうね。

彷徨えるロレンスの魂というところでやすね。安息場所が見つかっていたのならいいのでやすが・・・。

ほんと、そうだね。さぁ、あたしたちは住処に帰ろう。世話になったね。またよろしく頼むよ。

へい、帰りやしょう。こちらこそありがとうございやした。また、よろしく御願いいたしやす。






(私論.私見)