聖書の創世記 |
更新日/2023(平成31.5.1栄和/令和5).3.15日
【カインとアベル兄弟物語その1、兄が弟を殺す】 | |
エデンの園から追放されたアダムとエバに、カインとアベルという二人の子が生まれた。この二人の不仲と兄の弟殺しが次のように記されている。
|
|
![]() |
|
ここで、アダムとエバが共にエデンの園から追放されたことが判明する。やがて二人の間に子供が生まれるが、妊娠、出産、子育ての経緯記述は一切ないまま、兄弟の長じての関係を説いている。兄カインは農耕を、弟アベルは狩猟(羊飼い)を生業としたことが知らされ、その兄弟が、神の恩寵を廻って争い、嫉妬した兄が弟を殺す。ユダヤ聖書では、これが人間最初の兄弟物語となっており、兄弟の宿命を寓意している。東洋でも「兄弟は他人の始まり」との諭しはあるが、「兄弟が殺しの始まり」とは説かない。 ユダヤ聖書創世記はいきなり、兄弟関係に嫉妬、憎悪、殺人、罪と罰、呪いを持ち込んでいる。肉親兄弟関係の本来の絆である愛情、扶助、協働共生については一言の言及もない。この偏りこそ注目されるべきであり、ユダヤ聖書の邪宗性極まれりではなかろうか。 もう一つ、ユダヤ人以下の全人類はこの弟殺しの子孫であるという説話になる。 2006.10.10日 れんだいこ拝 |
【カインとアベル兄弟物語その2、カインの哀訴と神の計らい】 | |
カインの哀訴と神の計らいが次のように記されている。
|
|
![]() |
|
「お前は呪われる者となった。お前は地上をさまよい、さすらう者となる」と言い渡されたカインは、「カインを殺す者は、だれであれ七倍の復讐を受ける」との御言葉と印により生き延び、子孫を増やしていくことになる。ここから判明することは、「弱きを助け、強きをくじく」東洋的正義の精神は微塵もないということである。むしろ逆に「神が神と契約したユダヤの民」を第一に保護し、「神が神と契約したユダヤの民」というそれだけの理由で、仮にその者が邪悪な者であれ助けている。こうなると一体どういう教訓が生まれるのだろうか。
かく「邪悪な者の方が生き延びさせ神が恩寵する」ことを教義として掲げる宗教は邪宗とされるべきではなかろうか。 2006.10.10日 れんだいこ拝 |
【カインとアベル兄弟物語その3、カインの末裔】 | |||
カインのその後が次のように記されている。
|
【カインとアベル兄弟物語その4、カインのための復讐が七倍なら レメクのためには77倍】 | |
カインの末裔のレメクは、妻に次のように述べている。
|
|
![]() |
|
何と、神が「カインを殺す者は、だれであれ七倍の復讐を受ける」と述べたのを、カインの末裔レメクが勝手に「カインのための復讐が7倍なら レメクのためには77倍」と復讐制裁域を拡大強化している。
聖書に敢えて記すからには定言遵守の意味合いが込められているのだろう。それにしても、聖書には共生観念は微塵もなく、「やるかやられるか、やられたら極限的にやり返す復讐制裁」観念に凝り固まっていることが判明する。この復讐制裁観念がはるけき今日のイスラエルの軍事政治思想の淵源になっているように思われる。まさに邪宗と云うべきであろう。 2006.10.10日 れんだいこ拝 |
【旧約聖書「人の一生120年譚」】 | |
カインとアベルの二人を失ったアダムは、再び妻を知って、アダム130歳の時、エバは男の子セトを産む。アダムは930歳で死んだ。セトは920歳で死んだ。この後、アダムの系図が続き、エノクを経て、やがてノアに至る。アダムの生命は、神の息は5700年以上、肉体から肉体へと受け継がれた。世に人が増え始めた。この頃、神は云った。
こうして人の一生は、120年となった。 |
【ノア物語その1、地上に悪がはびこり、神が天地創造を後悔する】 | |||
カインとアベルの二人を失ったアダムとエバは男の子セトを産む。この後、アダムの系図が続き、エノクを経て、やがてノアに至る。この頃、地上に悪がはびこり、神が天地創造を後悔する。次のように記されている。
|
【ノア物語その2、神の人類制裁とノア一族の救済】 | |
「ノア一族救済物語」が次のように記されている。
|
|
![]() |
|
ここで、神が、人類制裁とノアの救済を同時的に行うことを決意したことが告げられている。この時、ノアは、神と人類最初の契約を為すことでノア一族が救済される。ここでの問題は、「ノアが神との契約を守るなら救済すると約束した」とあるばかりで、神とノアの契約内容が明かされず、ノア一族救済の方法のみが語られているところに有る。前後の文言で、地上悪が増し、悪事が流行っていることに神が怒り、滅ぼすことを決意したとあるので、神とノアの契約はそれを質すための条文誓約であったと推定されるが、肝腎なその内容が記されていない。「ノアは神に従う無垢な人であった。ノアは神と共に歩んだ」とあるばかりである。この種の契約が手本にされるなら、盲目的危険なイエスマン契約に堕する恐れがあろう。神と人との契約に於いて白紙委任状的契約を推奨する聖書はまさに邪宗と云うべきであろう。 2006.10.10日 れんだいこ拝 |
【ノア物語その3、再び「産めよ、増えよ 地に満ちよ」の命。歯向かうものには賠償させよう】 | ||
主は、ノアと彼の息子たちを祝福して次のように仰せになった。
|
||
![]() |
||
旧生物が一掃され、ノア一族の地上生活が始まったが、この時の神の命が再び、「産めよ、増えよ 地に満ちよ」であった。戒律として、1・動いている命あるものを食糧とせよ、2・肉は命である血を含んだまま食べてはならないが垂示された。他にも、ノア一族に手向かう者には相応しい制裁賠償をさせるとも垂示している。問題はここでも、奇妙なことに手向かう者の動機、原因、事由は何ら問われていない。神の保護下のノア一族に手向かうこと自体が責められる仕掛けになっている。余りにもエゴイズムというべきではないか。こういう神とノア一族との特殊関係を宣言する聖書はまさに邪宗と云うべきであろう。 2006.10.10日 れんだいこ拝 |
【ノア物語その4、ノアのホロコースト祭儀】 | |||
地上に降りたノアが最初に為した事が次のように記されている。
|
【ノア物語その5、神のノア一族に対する契約】 | ||
ノアのこの敬虔な行為は神の怒りを和らげた。主は空に虹を掛け、宥めの香りを愛でてノア一族に次のような契約をしている。
|
||
![]() |
||
何と、この章で、神が人間に謝罪している。神を絶対全能主にしてみたり謝罪させてみたり様々に登場させていることになる。しかし、ありていに言えばむしろ不敬涜神ではなかろうか。神をかように不完全な者として描く聖書を持つユダヤ教とは何たる邪宗であろうか。
2006.10.10日 れんだいこ拝 |
【ノア物語その6、ノアの3人の息子】 | |||
ノアの息子について次のように記されている。
|
【ノア物語その7、ノアのハムーカナンに対する呪い】 | |
ノアのハムー息子カナンに対する呪いが次のように記されている。
|
|
![]() |
|
何と、ノアの息子のセム、ハム、ヤフェトも又兄弟関係が悪くされている。父ノアの裸を見た程度の問題で、息子たちの対応に難癖つけて、ハムの息子のカナンを父の過ちの償いとして叔父の奴隷になり仕えることが命ぜられる。こうしてカナンは呪われることになった。しかし、無茶な話である。兄弟関係をかくも不仲に描き、支配被支配の関係まで持ち込み、何の咎もないカナンを奴隷の境遇に甘んじるよう命ずるような「人類の祖」を描く聖書を持つユダヤ教とは何たる邪宗であろうか。
2006.10.10日 れんだいこ拝 |
【ノア物語その8、ノア一族のその後】 |
ハム系の子孫は、エジプトやアッシリヤ、カナン、シドン、アモリ人など、イスラエル周辺の重要な敵対国になる。もう一人の兄弟ヤフェトの子孫は、ゴメルとかマゴクとか遠くの北方民族の国となる。ノアは、洪水後350年生き、950歳になって死んだ。 |
【バベルの塔物語】 | |
「バベルの塔物語」が次のように記されている。
|
|
![]() |
|
「バベルの塔物語」も又まさに邪宗性を物語っている。「当時、世界中は同じ言葉を使って、同じように話していた」こと自体が批判されている。「石の代わりにれんがを、しっくいの代わりにアスファルトを用いた」こと自体が批判されている。「天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして、全地に散らされることのないようにしよう」とすること自体が批判されている。その上で、「これでは、彼らが何を企てても、妨げることはできない」という理由付けで、「彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう」とする。何たる悪巧みであろう。神をして悪巧み主として登場させる聖書を持つユダヤ教とは何たる邪宗であろうか。
2006.10.10日 れんだいこ拝 |
【アブラハム物語その1、神のお告げによりカナンの地イスラエルに向う】 | |||
ノアの息子セムの末裔アブラム、後のアブラハムがイスラエルの祖になり民族の祖先になった。次のように記されている。
|
【アブラハム物語その2、神のアブラハムに対する約束】 | |||
「神のアブラハム」が次のように記されている。
|
【アブラハム物語その3、アブラハムと甥ロトの諍(いさか)い】 | |||
「アブラハムと甥ロトの諍(いさか)い」が次のように記されている。
|
【アブラハム物語その4、アブラハムのロト救出】 | |||
「アブラハムのロト救出」が次のように記されている。
|
【アブラハム物語その5、ソドムの町壊滅物語】 | |||
「ソドムの町物語」が次のように記されている。
|
【アブラハム物語その6、アブラハムの子供授かり願掛け】 | |||
アブラハムの「子供授かり願掛け」が次のように記されている。
|
【アブラハム物語その7、アブラハムの子供授かり】 | |||
「アブラハムの子供授かり」が次のように記されている。
|
【アブラハム物語その8、アブラハムとエホバ神のイサクお供え問答】 | |||
「アブラハムとエホバ神のイサクお供え問答」が次のように記されている。
|
【アブラハム物語その9、アブラハムとエホバ神のイサクお供え問答】 | |||
「イサクのお供え問答」が次のように記されている。
|
【ヤコブの長子権詐取物語】 | |||
イサクは成長し、りべカと結婚し、双子の兄弟を授かった。兄がエサウ、弟をヤコブと名付けた。母リべカは兄よりも弟を偏愛し、跡継ぎにしたがった。ヤコブがエサウに長子の権利を譲るよう交渉したところいとも簡単に承諾した。問題は父の承諾であった。その顛末が次のように記されている。
|
【ヤコブのべテル(神の家)取得夢物語】 | |||
エサウの復讐と、ヤコブの逃亡が次のように記されている。
|
【ヤコブのイスラエル名称授与物語】 | |||
ヤコブは、りべカの兄ラバンのいるハランの地で羊飼いとして働くうちに、ラバンの娘ラケルと恋仲になった。7年間ただ働きを誓約し、7年過ぎたが、ラバンに騙されラケルの姉レアとも結婚させられ、更に留まることになる。都合20年間働き、故郷カナンに帰ることになった。そのある夜の出来事が次のように記されている。
|
【ヨセフの立身出世物語】 | |||
ヤコブとラケルは12人の子供を授かった。ヨセフは父から溺愛されたが、兄弟から反目され、たまたま通りかかった隊商に売り渡された。ヤコブにはヨセフは死んだと偽報告された。ヨセフはエジプトに連れて行かれ、ファラオ(王)の宮廷役人に売られた。その後の顛末が次のように記されている。
|
【ヨセフのヤコブ一族迎え入れ物語】 | |||
その後の顛末が次のように記されている。
|
この後は、「聖書のモーゼ譚」に続く。
(私論.私見)