WHAT?フリーメーソン

 (最新見直し2005.12.24日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 「〜FREEMASON & ILLUMINATI〜フリーメイソンとイルミナティ」は次のように記している。
 「フリーメイソンリー、それは実在するグローバル秘密結社です。近年の情報手段の発達により、その存在が一層クロースアップされ始めました。私たちの暮らす社会、それを支える経済、そして政治や近代の歴史。その中でフリーメイソンとはどのような影響力を持つのでしょうか?日本にはペリー総督やマッカーサー等、多くのフリーメイソンが入り込み、日本政府との関係を深めました。彼らの意図とは?この報告書では、その詳細を明らかにしていきます」。


【トロツキーのフリーメーソン記述】
 トロツキーの「わが生涯1」に次のような記述がある。これを転載する。
 「丁度この時期に、私はフリー・メーソンに興味を持った。何ヶ月もの間、私は熱心に教団の歴史に関する本を読んだ。それらの本は、華族や友達が町から持ってきてくれたものだった。どういう理由で、どういう目的で、商人や、芸術家や、銀行家や、役人や、弁護士などといった職業の人々が、18世紀の初頭から、中世の同業組合の儀式を再建して、石工と呼ばれるようになったのであろうか? この奇怪な仮面をつけた人々の集まりは、何に由来しているのであろうか? 段々と、画面は私の目にはっきりしてきた。

 かつての同業組合は、単なる生産者の集団ではなく、同時にその道徳的個性と風習とをもった組織でもあったのだ。それはどの点から見ても、あらゆる都会人の生活、特に建築に携わる半ば職人、半ば芸術家としての技術者の同業組合に基礎を置いていた。(中略)実際的なフリー・メーソン教団は、かくて思弁的な教団になった。(中略)18世紀に於いては、多くの国のフリー・メーソン組織には、教育に対する激しい意欲と、宗教的神秘主義への傾向が両々相まっていて、革命の先駆的役割を演じていた。彼らの最左翼が、やがてイタリアのカルボナリ党に進化するのである。ルイ16世はフリー・メーソンだった。しかし、ギロチンを発明したギョタン博士も又、フリー・メーソンだった云々」。

【フリーメーソンとは】

 フリーメーソンは、自由(フリー)な石工建築士(メーソン)の意で、かってエルサレムでソロモン王の宮殿建築に携わったメンバーを始祖とすると云われている。彼ら特殊建築家は技術伝承の為の組合を設立していた。そして特権的に多くの義務を免除され社会的地位が高かった。この組合がフリーメーソンの始まりであり、正式名称を「古代自由正統石工(いしく)組合」と云う。

 組合は完全な徒弟制度であり、秘密主義的であり、外部に対して排他的であった。且つ彼らは独特の教義を持ち「宇宙創造神」を信奉していた。メンバー間の兄弟愛と同胞主義が強く政治結社的役割をも担っていた。JAH=ヘブライの神エホバ、BUL=古代カナンの呪術的な神バール、ON=古代エジプトの黄泉の国の神オシリスという三つの神を信じる教義を受容した者でなければ高位メーソンとなれない。エホバ信仰はユダヤ教、バール信仰はサタニズム(悪魔主義)信仰を意味している。バール神とは、古代イスラエルの民をエホバの神に帰依させるために戦った「邪神」で、「悪魔」だとされている。

 以上のような特質を持つフリーメーソンが歴史的に継承されていくことになる。戦争と革命の時代となった近世と共に姿を現し、「自由、平等、博愛の理想」に基づく反キリスト教運動を隠然公然と仕掛けていくことになる。次第にユダヤ系資本の幹部や各界有力者をつなぐ国際的秘密結社となり、世界各地に支部を設け、その国々の政財界を操作しながら世界政府の創出を目指している。
 

 「メーソンは凡て宇宙創造の神を信ず」、「メーソンは凡て霊魂の不滅を信ず」(「憲章・古来の道標・布告・その他」)とい、「万人の一致する宗教」を目指すとしているが、「一神論である」(日本グランド・ロッジ・メーソン教育委員会、フローレン・クイック委員長)。儀式がユダヤ教(旧約聖書)にしたがって催されておることから見ても、その神がユダヤ教的な神であることが判明する。


【フリーメイソンのシンボル】
 フリーメーソンは視覚的シンボルを重視し、“コンパス”と“直角定規”を交叉させたデザインを符丁としている。フリーメイソンにとって建築道具は道具であってただの道具にあらず。コンパスと直角定規は一対の象徴であり、コンパスは「道徳」を表し、直角定規は「真理」を表すとして次のように述べられている。
 上向き三角形(コンパス)と下向き三角形(直角定規)の結合はダビデの星を形成し、男と女、陽と陰、天と地、精神と物質など世界のニ元性の融和を表現している。個々の建築道具は人間の美徳と対応し、コンパスは真理、直角定規は道徳、鏝(こて)は結束と友愛、槌は知識や知恵を象徴している。コンパスと直角定規を重ねたメイソンのシンボルは道徳と真理の調和を表している。人間の美徳はコンパスや定規などの建築道具によって暗喩され、すべてのメイソンはそれらの道具を用いることにより自らが完全なる人間(ソロモンの神殿)となれることを暗示している。シンボルは、必ずフリーメイソン独自の象徴性と暗喩を付加している。

 ハサミのように開かれた指が意味するもの――それはフリーメイソンの重要な象徴である直角定規もしくは開かれたコンパスである。さらに、その手の型で握手をすることは、直角定規とコンパスを交差させることを意味し、メイソンが信条とする“道徳”と“真理”の調和を表現している(直角定規とはいえ、実際には直角ではない図像がメイソンにおいてしばしば用いられることにも注意)。

 このようにフリーメイソンが用いる数々のシンボリズムは決して無意味なものではない。そこにはすべて深遠な意味が隠されている。先にも述べた『フリーメイソンの基礎法』には次のようにある。科学思想、宗教、倫理思想を知るために用語を象徴的に使うことは重要である。ソロモンの神殿は、象徴的存在であり、この神殿を築いたメイソン、建設のための道具、材料を知ることは、フリーメイソンの本質を知ることになる。(第24条)
 六光星(正章、ダビデ章)、五光星(略章、ソロモン章)。

 「プロビデンスの目」(Eye of Providence)とはピラミッド上のシンボルマークで、「全てを見通す目」と云われている。フランス人権宣言、アメリカ合衆国の国章の裏面、USドル紙幣に印刷されており、その意味するところ、未完成のピラミッド型の建造物の頂上に位置し、まわりを光によって照らされるピラミッドの頂点となる3角形の中に描かれているところから、「全てを見通す目」で世界を支配し、人類を監視していることを表象寓意しているとされる。この図象はイルミナティでも使われており系譜が関連付けられる。日本の千円札の野口英世の左目が「プロビデンスの目」だと主張する説がある。これによると、米国同様に日本も紙幣当局がフリーメーソンに支配されていることになる。「プロビデンスの目」のあるところ、フリーメーソン−イルミナティ支配下にあることを意味していることになる。


【フリーメイソンの入会方法】
 フリーメーソンの入会方法について、「フリーメイソンのシンボリズム」は次のように記している。
 「“自由意思”を尊重する。入社式に臨む志願者の資格については1858年、「フリーメイソン季刊誌」に発表された「フリーメイソンの基礎法」なる25ヶ条の規範大系に詳しい。
 「試験を通過せずにはロッジ内に入れない。会員の紹介と保証を経て、厳密な資格審査後、試験が実施される」(第15条)。
 「資格は、アンダーソンの『憲章』にある。肉体的に不具ではない市民資格を持つ成人男子。(第18条)」。

 フリーメイソンの意味は『自由な石工』。フリーメイソンの親縁団体イースタン・スターには、メイソンの家族の女性たちが入会している。メイソン志願者の資格としてもう一つ重要なのは、その者がなんらかの宗教的信仰を有していることである
」。

 [<<] [韋駄天資料室INDEXへ戻る] [>>] 『Illuminati News』より(1):総説http://mercury.spaceports.com/~persewen
/illum_index3.htm

 秘密結社の大部分は、表向きには慈善団体となっている。だから多くの人が入会するのである。また、秘密結社にはイニシエーションによる階級があり、秘儀的な性格を持っている。会員は他の何よりも結社に対する忠誠を誓っている。例えば、会員が社会の中で特定のポスト(例えば大統領)に就いていたとしても、その人の関心は、第一に自分が所属している秘密結社にあり、大統領というポストは二番目なのである。社会的に良い役職に就いているブラザーは、その人が結社にとって役に立ち、結社の規則を遵守している限りは、常に守られ大事にされる。しかし、もしへまをやらかしたり、誓いを破ったりすれば、その人はひどい目に遭わされるだろう(殺されることもあり得る)。彼らにとっては、秘密を守ることは極めて重要なのである。

 低い階級にいるメーソンの多くは、会員になったことを非常に喜んでいる。それは緊密な“帰属感”であり、その人は、この宇宙の秘密を少し教わることになる。それは学校では学べないもので、教わった人は、興奮したり魅了されたりする。

 あるメーソンは次のように言っている。

 「私の妻を除けば、フリーメーソンリーは私の人生で最も大切なものである」。

 彼の妻は、自分の夫がフリーメーソンリーの中で何を行っているかについては、全然知らないに違いない。そういうことは秘密にされているはずだし、女性はまず入会を許されないからである。しかし、女性会員だけの結社がわずかながらあることは確かである。今日の社会では、女性は男性よりも劣った存在として扱われ、仕事が同じでも少ない賃金しかもらえない。我々は、この理由について思索を巡らすことができる。それは、今日の社会が男性の世界、秘密結社の世界だからである!

 秘密結社は、表看板を充実させるために、手頃な人物を大変熱心に入会させようとしている。できれば有名人も入会させたいと思っている。その有名人に、結社について好意的な発言をさせ、必要な時には弁護してもらうためである。その場合には、その結社が実際に目指していることをよく知らない方が、本当らしく聞こえるものである。

 時が経つにつれて、会員の一部(全員ではない)は、最高の階級に達するまでどんどん高い階級に参入していく。しかし、高位の階級では、非常に慎重な選定が行われている。高い階級に参入する場合には、上位のブラザーがその徒弟に対して、十字架(!)に唾を吐くように要求する。もしその人がキリスト教を信じているという理由で拒否をしたら、上位のブラザーは、「あなたは正しいことをした。あなたは信じている宗教への忠誠を示した」と言う。しかし、その徒弟は、絶対に高位の階級に上がることは許されない。その人は、これ以上続けるのは無理だという口実を絶えず聞かされるだろう。

 一方、その人が十字架に唾を吐いた場合は、秘密結社の方への忠誠を示したことになる。そして、階級構造を上り続けるに足る忠誠心を示したことになる。その人は、遙かな昔からの叡智が集められている“秘密の図書館”に入ることを許される。彼はその一部を学ぶことを許され、その魔術的な儀式に参加することが許される。彼はよりいっそう黒魔術とサタニズムに染まり、“大いなる秘密”を知る準備が整うのである。その“大いなる秘密”の一部を次に挙げる。

1.秘密結社は、エイリアンの生命体と交信を行っている。これは、秘密結社の背後にある真の権力である。

2.秘密結社の目的は、エイリアンと共にワンワールド政府を作ることである。エイリアンは、人類を監督する立場にある。しかし、この階級構造においては、エイリアンの上に、さらにエイリアンの勢力であるルシファー信奉者が存在している。

3.大衆をコントロールする方法は、大衆を操作する意図を持って、マインド・コントロールと、悪魔的なオカルトパワーを使うことである。

4.その報酬は、権力と金である。

5.我々はすべて肉体に宿る霊的な存在である。よって、魂である我々は不滅である。魂は、イエス・キリストに救われなければ、永遠に輪廻転生するからである。

 1922年、ロンドンでルシファーズ・トラスト(Lucifer's Trust)が創設された。しかし、後にルシス・トラスト(Luci's Trust)と名称を変更した。ルシファーズ・トラストでは、あまりにも見え見えだったからである。この会社は民間の企業だったが、国連の正式認可を受けていた。この会社は、神智学協会の外郭団体である。ルシス・トラストの後援者の中には、サタニストのロバート・マクナマラがいる。マクナマラは、アメリカの元国防長官で、世界銀行総裁を務めたことがあり、ロックフェラー財団の会員だったこともある。トマス・ウォトソン(IBM、元モスクワ駐在大使)もその1人である。ルシス・トラストは、以下のフロント組織を後援している。国連/グリーンピース・インターナショナル/グリーンピースUSA/アムネスティ・インターナショナル/UNICSFなど。ルシス・トラストには、唯一無二の礼拝堂、会得の神殿(Temple of Understanding)がある。それは、アメリカのニューヨークにある国連本部の中にあり、そこではサタニズムが行われている。(出典/『ポリス・ハイスクール・ライブラリー“サタニズム” A205基礎コースII』 発行:ポリス・ハイスクール 1991年秋 著者:Ingela Goransson,Lena Martinsson,スウェーデン)ルシス・トラストが、「啓発されたニューエイジの名士からなる秘密のグループが、舞台の背後から地球を動かしている」とおおっぴらに宣言しているのは、興味深い事実である。

 善意を持った人たちが、このような破壊的な組織にとどまり続けている理由は、その団体の非民主的な組織構造と命令系統にあるのではないだろうか。階級が低いブラザーは、上の階級には何があるのかを知る権利がないし、好奇心から不可思議なことに首を突っ込みたくなるのだろう。さらに、厳格な規律があり、秘密は絶対に守らなければならないので、従わない場合は、過酷な制裁を受けるかもしれない。頂点にいるごく少数の邪悪な人たちは、このような方法で、下にいる罪のない無知な人たちを支配しているのである。これは、単純でかつもちろん基本的な、彼らのマインド・コントロールのやり方なのだろう。

 私は、民主主義が社会の究極の形態だとは言い切れないが、独裁制の階級組織よりはましなはずである。しかし、真の民主主義は実現したためしがない。真の民主主義は、本当の主権者である国民の参加を必要とする。しかし、少なくとも表向きには、「民主主義は最上の形態である」と述べたのは、プラトン(イルミナティ参入者)であった。もっとも、それを最初に言ったのは、ソクラテスではあるが。しかし歴史全体を眺めてみても、人間の集団というものは、簡単に操作され、支配されている。そして、自分たちが民主主義国家に生きていると信じ込まされている。一方、真の権力者は、人々には見えない所で、政治家の都合のいいように物事を変えていく。本来、政治家というものは、国民の必要性と希望をかなえるために雇われているだけの存在のはずである。このことは、ずっと忘れられてきたように思われる。


 合気揚げの基礎知識4」は次のように記している。
 フリーメーソンの結社員は、民族と国家という垣根(かきね)を完全に切り捨てることを要求される。つまり国際主義をスローガンにするのである。そして組織に忠誠を誓うことが何よりも最優先され、厳しく要求されるのである。組織への忠誠さえ厳守していれば、結社員はその出身地である国家において、限りない財産と権力が与えられ、その後援者として、背後からフリーメーソンが惜しみない強力なバックアップをするのである。

 しかしその代償として、単に組織への忠誠だけに止まらず、人間の魂、あるいは民族の魂を売り渡し、奥の院(ユダヤ・サンヘドリン/Sanhedrin/ローマ統治時代に、エルサレムに設けられた議会で、ユダヤ教の行政管理、裁判を管轄した。議長と70人の議員から成る最高法院である)から発せられる命令に対し、これを確実に実行するという、絶対服従が強いられるのである。そして組織に秘密を漏洩(ろうえい)した者は直ちに死が宣告されるのである。坂本龍馬が京都の醤油屋の近江屋(おおみや)で暗殺されたのは、こうした内情を深く知り過ぎた為であった。

 国を売る事を一言で、「売名行為」といい、「買国奴」という。人間は欲望(富、名声、美人ならびに異性を自由にする)のためには、祖国を裏切り、国民を騙(だま)し、社会に反逆して、安直の道を選択する。自分の保身と、自分の周りの家族だけが幸せであればいいと、それだけのために悪しきエゴイズムを剥(むき)き出しにする。こうした人間の欲望渦巻く、心に隙間に入り込んで、フリーメーソンは暗躍(あんやく)するのである。

【フリーメイソンの入会儀式】
 フリーメーソンには独特の入会儀式があり、イニシエーションとよばれる。その実際は窺い知れない。漏れ伝わる記事を参照すると次のような儀式を行う。
 新人会員は目隠しされ、ロッジに連れて行かれる。頭上からは不気味な音楽が鳴り響いている。グランドマスター(大師)が近寄り、骸骨を隅々までまさぐらせる。次に、入会員を跪かせ、背をのけぞらせた上で、既会員皆が短剣を喉に突き当てる。新人会員は、次の誓いをする。
 私は一切理由を尋ねることなく、ロッジの指令全てに盲目的に従うことを誓います。
 私はメーソン以外の如何なる秘教にも所属しないことを誓います。
 私は如何なる影響にも屈しないこと、ロッジの目標に向けられる、如何なる敵意も突き崩すことを誓います。
 「メーソンリー内の秘儀、密議を胸の中に秘めて、決して外部に漏らさない」。これらの誓約を私が破った場合には、今この胸に突き立てられている短剣全てが、私を刺します。

 次に、既会員の役の者(ガーフィールド)が、新人会員の腕をとり、静脈を切る。滴り落ちる血をグラスに受け止め、3分の1まで満たすと傷口に包帯をする。その血を米酢のようなものと混ぜ、会員全員で飲み干す。
 いつもか時にかどうかは分からないが、イニシエーションの際には殺人儀式をも行う。それは、新参者が悪魔から好意を得るための儀式である。生贄が等身大の人形の中に隠されている。新参者は短剣を持たされ、人形の前に導かれる。既会員皆も手に短剣を持ち、ヘブライ語の呪文を唱え始める。全員が呪文を唱え終わると、グランドオリエントが命令を読み上げる。すると、全員が「呪いの歌」を歌い始める。一同がトランス状態に導かれる。歌声が止むと、既会員の役の者(ガーフィールド)が人形を指差して、「突き刺せ」と命じる。三脚台に青銅の鉢が置かれており、芳香性のハーブが投げ込まれる。くらくらする煙が室内に立ち込める。新参者は短剣を力の限り振り上げ、人形にくるまれた生贄めがけて突き刺す。熱い鮮血が噴出し、両肩に飛び散る。こうして、新参者は試される。これが洗礼式となる。

 殺人儀式の共有体験者はこうして結束を深めていく。死刑宣告が下されると暗殺者になる。処刑の方法は様々だが、古典的な毒殺、事故死水死偽装で遂行される場合が多い。殆どの『処刑』が成功し、失敗した場合には、その任務を引き受けた者に死の償いが待ち受けている。

【フリーメイソンの特質その1、神秘主義】

 フリーメイソンリーにも大きく分けて二つのタイプがあり、中世石工職人組合以来のメイソンを『オペラティヴ(実践的)フリーメイソン』、実践的な建築術と無関係なメイソンを『スペキュラティヴ(思弁的)フリーメイソン』と呼ぶ。十七世紀も後半となると、石工中心の建築の仕事が減少し、当時のロッジは存続の危機にさらされていた。そこで会員の財産を保護するために、建築者以外にも影響力をもった貴族の入会を積極的に勧めることになった。近代に入ると、思弁的メイソンの数はますます増加したが、それとは対照的に実践的メイソンの数は象徴主義を置き土産にして減少していくのである。

 思弁的メイソンがフリーメイソンに入会したのは、組織内部の秘密の知恵に近づきたいという欲求や、中世建築と古代世界への素朴な関心のためであった。彼らはまた、当時ヨーロッパ知識人の間で大きな関心の的であった神秘思想――カバラやヘルメス主義、錬金術、薔薇十字思想などを持ちこみ、フリーメイソンの象徴主義に新たな要素を加味することになった。

 フリーメイソンの象徴主義は思弁的メイソンが導入した18世紀の神秘的思想潮流、特にユダヤ教神秘主義カバラや錬金術思想などが色濃く反映している。逆に考えれば、そうした神秘主義思想の象徴哲学体系を応用することでフリーメイソンの数々の象徴を解き明かすことが可能である。典型例はフリーメイソンの会員が参入儀礼の際、秘密の内に伝授されるという特殊な握手法である。秘密といってもその内容は多くのフリーメイソン史家によってすでに明かされており、現在ではフリーメイソンに関する著書を開けば誰でも知ることができる。

 秘密の握手法はメイソンの三つの位階に一つずつ存在し、徒弟の握手法は『ボアズ』、職人の握手法は『ヤキン』、そして親方の握手法は『ライオンの握手法』と名付けられている。中でも『ライオンの握手法』は、相手の親指と人差し指の間に自分の親指を交差し、さらに中指と薬指の間をハサミのように大きく開くという奇妙なものである。実は、この手の形とまったく同じものが古くから“祝福”を表現するものとして用いられており、ユダヤ教神秘主義カバラの図像の中においてもしばしば登場する。『ライオンの握手法』がカバラの影響を受けたことは否定できない。

 「フリーメーソン世界帝国への野望」(鬼塚五十一・著  廣済堂 1994年刊)は、次のように記している。

●世界統一政府と世界統一宗教の樹立。これこそがフリーメーソンの最終目的であり、そのためには手段を選ばず、何世紀もかけてその陰謀性を発揮してきたのである。

●今や宇宙飛行士にはメーソンのメンバーでないとなれないといわれるほどで、その勢力はNASA(アメリカ航空宇宙局)にまで浸透しているのである。というより、NASAそのものが完全にメーソンの私物機関となりつつあるのだ。

●メーソンが目的のためには手段を選ばない謀略性を発揮するようになったのは、いつ頃のことであろうか?
 それは『イルミナティ』がメーソンの中枢になってからである。


【フリーメイソンの特質その2、秘密結社性】

 フランスの宗教学者セルジュ・ユタンは政治的秘密結社を「その活動、あるいは少なくとも成員の氏名を隠蔽することに務める団体で、その団体活動は公的機関の埒外にあるものであるか、あるいはもっとも多く見られる例では、現存の権力に対して反抗するものである。」としている。

 彼は政治的秘密結社として、バヴァリアの『啓明結社』、イタリア、フランスの『カルボナリ党』、アメリカの『ク・クラックス・クラン(KKK)』などを挙げている。一方、入社的秘密結社についてユタンは次のように定義している。「この団体は少しもその存在を隠そうとしない。すなわち、その掟、沿革、集会場所、教義はもちろん、会員の氏名さえ何人にも秘密とはされていないことが多い。これらの団体はただその特有の儀式だけを真に秘密にし、かつ会員が相互に自分たちを他の人々から識別するための記号・符牒を秘密にするだけである。これらの団体が単なる封鎖的団体と区別されるのは、加入者に対してイニシエーション(入社式)を行い、多少複雑な儀礼を有し、一種の祭式を行う点である。」

 彼は入社的秘密結社としてエジプトの密儀宗教、ギリシアのディオニュソス信仰、オルフェウス教団、ピュタゴラス教団、グノーシス派、テンプル騎士団、カバラ派、薔薇十字団、そしてフリーメイソンを挙げている。とはいえ、平均的なアメリカ人の持つフリーメイソン像は“秘密結社”というよりむしろ、病院や福祉施設へ多額の寄付をする“慈善団体”、会員が相互に親睦を深める“相互扶助団体”というものが大勢を占めるだろう。フリーメイソンは会員に対して“兄弟愛の絆”を尊重し、“全人類に対する奉仕”と“寛容”そして“困窮者の救済”を信条とするよう求めている。各ロッジ、そして各メイソンはそうした信条に基づき各々が自発的に会員相互の共済と慈善活動を営んでいるに過ぎない。会員は地域社会に貢献する有意義な活動を行うよう奨励されるが、けして特定の活動を強制されるわけではないのだ。

 『古代憲章』と呼ばれるフリーメイソンの憲章は、メイソンの伝説的歴史や規範、義務などを体系化したもので、1390年版と1425年版があり、全125条からから構成されている。フリーメイソンの各ロッジは、この『古代憲章』の写本を持っていたものと思われる。他方の『フリーメイソン憲章』は、スコットランドの教会首長ジェイムズ・アンダーソンが『古代憲章』を要約し、当時すでに錯綜としていたメイソンの教理・象徴大系を初めて公式化したもの。1723年版と1738年版があり、両者の間には微妙な相違点がある。ちなみにアンダーソンの憲章に対してはフリーメイソン内部にも反発するロッジがあり、1751年にはこうしたロッジの会員が『古代憲章』による自らのグランド・ロッジ『エインシャント・グランロッジ』を作り、敵対する存在となった。

 彼らは自分たちを『古代派(エインシャント)』、それまでのグランド・ロッジを『近代派』と呼んで区別した。古代派はイングランドにおいて認可されず、アイルランドやスコットランドを主な活動の拠点としていた。両派の確執は1813年まで続いたが、その年、二人のグランド・マスターの間で合意が取り交わされ、対立が解消。イングランド連合グランド・ロッジが組織された。話が逸れたが、フリーメイソンの憲章はそうした紆余曲折を経て最終的に現代の『フリーメイソン憲章』へと結実し、彼らの信条や規範、義務と呼ばれるものが徐々に固定化されていったのだ。まず、フリーメイソンは会員の勧誘をいっさい行わず、本人から入会希望がなければ、誰も入会を求められることはない。


【フリーメイソンの特質その3、陰謀組織性】
 歴史的事件の裏に暗躍し、国際的な陰謀を背後で操る世界的秘密政治結社。シオン賢者のプロトコールだユダヤによる世界征服。
2、アメリカ建国期に於けるフリーメーソンの活躍ぶり 
 ワシントンの副官であり初代財務長官となったアレグザンダー・ハミルトン、彼とともに独立革命の時代の経済の中心にいたロバート・モリス、最高裁判所の長官となり“アメリカ司法界の父”の異名を持つジョン・マーシャル、さらにはヘンリー・リー将軍や“アメリカ海軍の父”ジョン・ポール・ジョーンズなど、アメリカの建国と独立に深く関わり、その後のアメリカ政財界の中枢を担う人材はそろってフリーメイソンに加入している。さらにアメリカという国を象徴する数々のモニュメントの制作者――“ホワイトハウス”の設計者ジェイムズ・ホーバン、巨大なオベリスク型建築で有名な“ワシントン記念塔”の推進者ジョン・マーシャル、“自由の女神”の制作者フレデリック・バルトルディ――彼らはみなフリーメイソンである。

【フリーメーソンの位階制度】

◆フリーメイソンの位階制度

 フリーメイソンにおいて何よりも特徴的なのは、その位階制度である。位階制度は、フリーメイソン各派によっても、また時代によってもさまざまに変化しているが、その基本をなすものは、『徒弟』『職人』『親方』という三位階である。フリーメイソンに加入すると、まず『徒弟』の位階に属し、次に『職人』、そして最後に『親方』の位階に進んで行く。その名称が表している通り、フリーメイソンの位階制は、実践的フリーメイソンの徒弟制度の組織に由来するものである。1356年度の『ロンドン石工規約』によると、中世の石工は七年間の修行時代を経て『徒弟』となり、初めて仕事に就くことができる。その後、やはり七年を経て『職人』となり、実際の建築に着手できるようになって『親方』となった。しかし、それは実践的な意味においてであり、思弁的メイソンが重視する精神的な意味においてではない。

 あらゆる神秘思想体系あるいは古代密儀宗教において、人間の精神的・霊的な進化の過程は三つの階梯により表現されている。ユダヤ教神秘主義カバラでは『志高世界』『中高世界』『下層世界』(あるいは神的、霊的、物的世界)の三つの世界を想定し、グノーシス派の教義では人間には『霊的世界』『心魂的世界』『肉的世界』の三つの世界が用意されているとする。同様に、新約聖書の多くの書簡を書いた伝道者パウロは、神から与えられる栄光には『太陽の栄光』『月の栄光』『星の栄光』の三つが存在するとし、人は栄光から栄光へと神と同じ姿に作り変えられていくと説いている。フリーメイソンにおける『徒弟』『職人』『親方』の位階制度も象徴的な階位として人間の霊的進化の過程を表し、徐々に彼らの志向する“完全なる人間”へと近づくことを示しているのだ。
 

生命の樹の寓意画。その基本構造は三本の柱と10個のセフィロト、22のパス(小径)、トリプルの三つ組み(三世界)、隠された知識(ダアト)である。

 一方、現在アメリカで主流を占めている位階制は、『スコティッシュ・ライト』と『ヨーク・ライト』である。ともに『徒弟』『職人』『親方』の三位階を基本組織としているが、スコティッシュライトはその上に三十もの上位位階を認めており、ヨーク・ライトは七つの位階を立てている。ここで重要なのはスコティッシュ・ライトもヨーク・ライトもけっしてメーソンの上部団体ではないということ。両団体ともメーソンの哲学を詳しく学びたい人のために用意された附属団体であり、よって命令や指導する権限も一切ないのだ。中でもスコティッシュ・ライトの組織は全33位階と非常に多いが、フリーメイソン史家が33という数字を聞いて真っ先に想起しなければならないのは『ソロモンの神殿』であろう。ソロモン神殿は建設以来33年、ヤハウェの神殿としてその輝きを放ち、その後破壊された。

 またイエス・キリストの生涯は33年であった。フリーメイソンにとって33という数字はそれだけ重要な意味がある。またユダヤ教神秘主義カバラとの関係においても33という数字は避けて通れない。カバラの象徴図形である生命の樹には神的な属性や諸力、あるいは神性の顕現形態を表すセフィラと呼ばれる円形区分が全部で11個(うち一つは隠されたセフィラ「ダアト」)存在し、その間を22本のパス(小径)が複雑に結び付けている。カバラの教理において、生まれたばかりの人間はマルクトに位置し、神の叡智と秘儀を求める者は、マルクトからイエソド、ホド、ネツァク、ティファレトへと段階的にセフィラを上昇することで霊性の向上を経験する。最上位のセフィラであるケテルに至る過程には三つの世界が用意されており、それが先述した『至高世界』『中高世界』『下層世界』である。

ブルー・ロッジ 徒弟
職人
親方
完全なるロッジ 秘密の親方
完全な親方
親密な秘書
主監と判事
建物の管理者
選ばれた九人
10 選ばれた十五人
11 選ばれた十二人
12 建築の大棟梁
13 エノクあるいはソロモンのロイヤル・アーチ
14 完全なる被選抜者
薔薇十字の支部 15 東方または剣の騎士
16 イェルサレムの王子
17 薔薇十字の騎士
18 薔薇十字の支部
カドシュの法院 19 大司教
20 象徴的ロッジの棟梁
21 ノアの末裔またはプロシアの騎士
22 王者の斧の騎士またはレバノンの王子
23 幕舎の長
24 幕舎の騎士
25 青銅の蛇の騎士
26 恩寵の王子
27 殿堂の指揮官
28 太陽の騎士または熟練した王子
29 聖アンドリューのスコットランド騎士
30 カドシュの騎士
最高法院 31 大審問長官
32 王者の秘密の棟梁
33 最高大総監33位階にあたる“最高大総監”は一般には名誉職とされ、メイソンの活動に大きな貢献を果たした功労者に付与される特別な称号である。

 33位階の詳細は上の表の通り。スコティッシュ・ライトが生命の樹の影響を受けていることは明白だ。基本の三位階(徒弟、職人、親方)はカバラの三世界と対応し、『完成のロッジ』および『カドシュの法院』に含まれる22の階位はセフィロトを結び付ける22のパスを表している。ここで30位階にあたる“カドシュの騎士”を除外したのは、メイソン各派の違いにより、この階位が31位階“大審問長官”および32位階“王者の秘密の棟梁”と共に『最高法院』を構成することがあるからだ。30という数字はフリーメイソンにおける一つの転換点となっている。イエス・キリストがイニシエーション(ここでは断食、悪魔の誘惑、火と水の洗礼などの試練、儀礼を指す)を受け、霊的な覚醒を遂げたのも30歳の時であった(このことに関しては後編で述べる)。

 とすれば“カドシュの騎士”の意味するところは、生命の樹の中で『至高世界』に参入するためには必ず通過しなければならない試練の道――隠されたセフィラ“ダアト(知識)”に対応すると考えるのが妥当であろう。とすれば、残る『ブルー・ロッジ』と『薔薇十字の支部』、および『最高法院』に含まれる10の階位は、生命の樹を構成する三つの柱に配列された10個のセフィロトを暗喩していることになる。具体的に、『ブルー・ロッジ』は向かって左の柱である『峻厳の柱』を、『薔薇十字の支部』は中央の均衡の柱を、そして『最高法院』は向かって右の『慈悲の柱』をそれぞれ表しているのだ。スコティッシュ・ライトの本質とは、22の小径(位階)により結合された正の原理(慈悲の柱)と負の原理(峻厳の柱)、そして大極の原理(均衡の柱)を学び、完全なる人間へと至る道程(生命の樹)を思弁することにある。





(私論.私見)