フリーメーソンの起源

 (れんだいこのショートメッセージ)
 「阿修羅♪ > リバイバル2」の忍・氏の2007.12.24日付け投稿「『ヘロデの呪いー暴かれたユダヤ古写本』 ローレンス・D・H・ローレンス著」で、「フリーメーソンの起源」を指摘する投稿が為されており、貴重と思われるので転載保存しておく事にする。

 原文はユダヤ古写本で書かれており、次のようにフリーメーソンの結社の歴史的内容を記していると云う。


【「第1章、ヘロデ・アグリッパ王が開いた第一回会合」】
 AC43年6月24日、ベツレヘムで幼児虐殺を指令したヘロデ大王の孫であるヘロデ・アグリッパ王(AD37~44までユダヤ王)の宮廷で、第一回会合が開かれた。ヘロデ・アグリッパの宰相ヒラム・アビウデが、いかにメーソン結社創設の構想を練り、それをエルサレム宮廷で提案するに至ったかについて、次のように記している。

 その日、ヒラム・アビウデは、ヘロデ・アグリッパ王の前に姿を現し、次の言葉をもって考えを表明した。

 「陛下、ペテン師[訳注:イエス・キリストを意味]の配下の者たちと彼等の信者が数を増し、その説教をもってユダヤ国民を混乱に陥れようと企んでいるのを見て、我々に可能なあらゆる手段を尽くしてこれら先導者達を攻撃し、彼等を腐敗させ、堕落させ、出来れば彼等を葬り去ると云う根本方針に立つ、秘密連合体の組織化を提案したいと心を決め、私はここへ参りました」。

 話を聞いていた王は、喜んで言った。 「ヒラムよ、語るがよい」。 ヒラムは続けた。 

 「陛下、ペテン師がその教えと行為によって、ユダヤの民、即ち陛下の民の一部の心をとらえております事は、陛下にも、誰の目にも明らかなこと。又、彼ら謀反者達が、日増しに増えている事も明らかです。更に又、彼が現れてから死に至るまで、死のあいだにも、更に彼の死から今日に至るまで、私達は、『敵』と呼ぶべき者達を効果的に滅ぼす術を知らなかったばかりか、愚純な民衆の心に植え付けられたもの、堕落し、誤謬に満ち、何もかも私達の宗教に敵対するその教えを、悉く排除出来ずにきたことも明らかです。

 悲しむべきことに、あのペテン師に多くの迫害が加えられ、彼を裁判にかけ、有罪を宣告し、磔刑(十字架)に処したにもかかわらず、その効果はまことに取るに足りぬものであったことを、我々は認めねばなりません。父達は、疲れを惜しむなく戦ってまいりましたが、それも空しく終わりました。戦いに勝利したと私達は信じますが、成功したしるしの一つさえ得られず、感じることすら出来ずにいるのです。彼の一味に対して戦いが激烈になればなるほどに、益々もって彼の信者が数を増し、彼の創始した宗教に共感を寄せる者の数が増えてゆくことを、我々は胸が引き裂かれる思いで見ています。

 抵抗出来ずに我々を処罰する、隠れた、秘密の手が、力が、そこにあるかのように思われます。宗教を守り、自分の存在を守る力さえ、我々は失ってしまったようにも思われます。陛下、我々の考えはを結束させる有効な手段がなく、明らかに秘密めいたその力を攻撃出来る、確かな希望も無いと云う証拠に基づけば、それに似た『秘密の力』を結成する、即ち、秘密には秘密を持ってするよりほか、手立てはないように思われるのです。

 私は、それ以上の名案がない限りは、あの秘密の力に脅かされているユダヤ人勢力を結集出来るような、より大掛かりな力を持つ連合体の結成が、私達の避け得ない義務であるとの結論に至りました。その結成についても、その根本方針と活動についても、誰一人知らないことが望ましいのです。

 陛下が創設メンバーにお選びになる者だけが、創設の秘密を知ることになりましょう。行動的な同志だけが、重要な命令を知ることになります。中心となる管区はこの王宮であり、われわれは、あのペテン師があつかましくも宣伝した教えを奉ずる者達が入ってきそうな全ての拠点に、同志を配置いたします。それゆえ、陛下、我々の存在を脅かす、隠れていても現に存在するあの力に戦いを挑み、排除する、この待ちに待った勢力を作り出す事について、お考えをお聞かせ頂きたいのです」。


 王は語った。
 「おお、ヒラムよ、知れ、そなたの考えは輝かしく、そなたに特別に授けられた英知に相応しい。それは、宗教的情熱に燃える、そなたの心から来たものに相違ない。おお、何と優れたる判断であろう! 我等は、この計画を、出来る限り早く実現しなければならない。我等は、モアブ(ヘロデ・アグリッパの第一宰相)の意見を求めねばならない。その後で、我等と共に結成に加わる者達を選ぶことにしよう。明日、モアブを召還せよ。彼には何も知らせるな。余が直々彼に伝えよう」。

【「第2章、ヘロデ王の第2回会合」】
 ヘロデ王は、最初に口を開き、このように語った。
「さて、わが二人の付き人よ、ペテン師が現れてから何が起こったのか、何が今も起こり続けているかに、余は最大の関心を寄せている。我等は、少数といえども、謬説で人民を惑わすあの宗派の者達を攻撃する手立てを見つけねばならない。そればかりか、謬説に改宗した者達は、自分自身に従うだけではなく、その教えを熱心に実行に移し、不正を貫く為に、行く先々で、恐れも知らずに堂々と教えを説いているのだ。

 そのような教えの広がりが、日に日に拡大している事に注意しようでないか。完全にその教えに同化した者達は、我等の宗教から、すすんで離れつつある。今日躊躇っている者は、明日には、策略の罠に嵌ることであろう。この危機を避けるには、ユダヤ民族の精神を密かに結集し、あの運動を導いている、秘密の罪深き手を打ち砕き、その宣伝活動を消し去る目的を持つ連合体を組織する以外、もはや残された道はない。

 この目的を成功しなければ、あの欺瞞者の説く嘘に向かう傾向のある多くの者達が、その影響下に入り、堕落する事だろう。事態がこれ以上悪化せぬ前に、友よ、我等はこの計画を実行に移さねばならぬ。そこで、その組織作りに協力する者達を、今、選び取ろうではないか。これらの者は、勲功を立て、思慮に富み、ユダヤ教保護の為に、大きな行動力と計り知れぬ熱心さを、表す者でなければならない。ヒラムよ、余は、そちがこの考えを出したことに感謝する。そのような高貴な目的の為に、この連合を組織すると云う考えに」。
 [注・どちらが不正か。ヘロデ王の成り立ちと問題・・・イドマヤのアンティパテルの子。ユリウス・カエサルの下でユダヤ人の王として統治した。彼についての主な歴史的資料は、ヨセフスの著作にみられた記述で(《古代誌》ⅩⅤ、ⅩⅥ、ⅩⅦ)。これは主としてヘロデの宮廷歴史家、ダマスコのニコラスの記録したものに依っている。理論上は独立国家であるといえ、ヘロデは自分の権力の行使が、ローマとの関係次第だという事を理解していた。この関係は是が非でも維持せねばならなかったし、又彼があれほど長期にわたって権力の座に留まりえたという事実は、彼の抜け目のない天才的な政治的駆け引きを証するものである。

 ヘロデにはユダヤ人でなかった歴史的事実がある。それは、宗教上はユダヤ教徒ではあったが、人種的にはイドマヤ人を祖とし、半分しかユダヤ人でなかった事、その上、ローマの立場に近かったから、国民から親しまれなかった。

 ヘロデの悪行には、2つの根源があり、これが彼の治世の期間中つきまとった。第一は、ユダヤ王の地位を確保する際のやり方にあった。ハスモン家の王を追い出し、処刑したからである。ハスモン家のマリアムネとの結婚を通じて、同盟関係に入ったものの、それで根深い恨みが解消したわけではない。実際、マリアムネの母アレクサンドラが彼に対して抱いた憎悪は、ついには彼女の子等に悲惨な災厄を齎す事になった。

 アクティウムの戦いで(紀元前31年)、オクタヴィアヌス(アウグストゥス)がアントニウス=クレオパトラ軍に勝利をおさめると、ヘロデは堂に入った駆引きで新しい支配者に取り入った。オクタヴィアヌスの好意は確保したものの、自分を取り巻く恨みと仕返しには敏感だったので、嫌疑を受けた者達の生涯は悲惨なものとなる。この疑いが、ハスモン家最後の人物、老ヒルカヌス(ヒルカヌスⅡ世)の殺害、紀元前29年のマリアムネの処刑、翌年ヘロデの失墜を目論だアレクサンドラの処刑といった事態を次々に招いた。ヘロデと最初の妻ドリスとの間の息子アンティパテルは、マリアムネとの二人の子アレクサンドロスとアリストブロスに対し、父が悪感情を抱くよう仕向けた。二人は結局、審問に付され、叛逆のかどで処刑されてしまう。しかしアンティパテル自身も父の跡を継ぐ事はなかった。紀元前4年のヘロデが死ぬ数日前、父に殺されてしまったからである。

 第二は、イエス様の誕生にまつわる新約聖書(マタイ2章)の中での”嬰児虐殺”という蛮行の記録である。更に伝道者(イエス様は勿論の事、イエス様を洗礼したヨハネ等)に対する一族の虐殺の内容の記録である!愛] 

 次いで、ヒラムは言った。

 「神が、王なる陛下の生涯を延ばされますように。誉れはみな、陛下のもの。陛下の高貴なる生まれから、全ての民が恵みを受けましょう。民の所有する良きもの全ては、陛下の祝福により、一層豊かになりましょう。我が兄弟と仲間から、連合を組織するものをお選びいただきとう存じます」。

 ヘロデは九人の男達を指名し、其れ等の名前を記録するよう、モアブとヒラムに命じた、以下の通りである。王のヘロデ・アグリッパ、ヒラム・アビウデ、モアブ・レビ、ヨハナン、アンティパス、ヤコブ・アブドン、ソロモン・アベロン、アドニラム・アビア、アチャド・アビア。


【第3章、「秘密の力」結社の創設」】

 先に述べた、名前を挙げた創設者達は、集められ、ヘロデ・アグリッパ王の下で、会合を開いた。王は、以下の言葉をもって、開会した。

 「親愛なる兄弟達よ。あなた方は王の民ではなく、その協力者でもない。あなた方は王の支えであり、ユダヤ人の命である。今日まで、あなた方は、王の忠実な従者であった。今より、あなた方は王の兄弟となる。私は、あなた方に、兄弟(ブラザー)の称号を与える。この重要な会議において、私達を共にここに結束させた目的の為に、私のあなた方への気持ちを実感し、又、あなた方が私から愛情を引き出せる為である。私が、このような愛情のこもった称号をあなた方に与えるのは、私がこよなく愛し、尽くしているユダヤ民族において、ユダヤ教において、私があなた方の王である代わりに兄弟であることを、あなた方に示すためである。

 今後、私は、如何なることにおいても、あなた方を助け、あなた方に忠実となる責任を負う。とりわけ、私があなた方に求め、ユダヤの大きな国益ともなる計画の遂行を、正しく開始する為に、私達は、兄弟でなければならない。あなた方一人一人は、兄弟に負うべき義務を、間違いなく知っているであろう。この瞬間より、私は、兄弟としての義務の下に、あなた方に結ばれることになる。この義務は、臣民に対する王としての義務よりも、はるかに大きい。王の裏切りはありえても、兄弟の裏切りはあり得ないからだ。

 そこで、皆の者よ、この新しい集まりによって実現した、根本となる会議は、ブラザーフッド(兄弟関係)に基礎を置く事を、理解し、忘れぬようにして欲しい。このブラザーフッドの上に、我等は、大建造物を建設する。そして、愛情の称号、『ブラザーフッド』が、世の終わりまで、我等の大建造物の礎石になる。

 わが兄弟よ、貴族階級ばかりか庶民も、ペテン師の出現が、民の間に、特に我等ユダヤ人の間に植え付けた、精神的、政治的でさえある謀反を感じ取っている。あの男が立ち上がり、謬説を説き、「神の霊」と自慢げに呼ぶあの精神を植え付けて以来、精神の混乱を来たし、堕落した多くの者達が、彼に加わっている。

 彼は、おのれを神とした。不完全であるにもかかわらず、王国について我々と議論した。我々は、あの男に大きな力がある事に気づいた。それは、彼が弟子と呼ぶ集団に、遺産として与えたものである。彼は、組合を組織し、それを一つの宗教と呼んだが、弟子達も同様に呼んでいる。この宗教と称するものが、我等の宗教の土台を崩し、転覆せんばかりのところにまで追い込んでいるのだ。

 貧民でペテン師であったにもかかわらず、彼は、「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」と称した。神の力によって宿り、処女から生まれたと称し、その処女は、子を産んでからも処女であり続けたとまで言われている。彼は、この嘘偽りを誇張し、自分が神であり、神の子であり、神から使わされた神であり、神のなされることは、自分にも皆出来るとまで宣伝したのだ。

 彼は、預言の賜物と、奇蹟を行う力を、自分に帰した。彼は、我等の預言者達がその到来を告げてきた、待望のメシアであると主張した。だが、他の誰とも同じく、平民以外の何者でもなく、神の霊のどのような特徴にも欠け、我等が一歩も譲るまいと心に決めた、正当ユダヤの堅固な教理から、極端に離反したのだ。我々は、そのような男をメシアとは認めないし、彼の神性も認めない。我々は、メシアは未だ来ていないし、到来の時期にも至っていない事を知っている。メシアの出現を示すような、如何なる徴も現れてはいないのだ。

 もしも、我々が、民を彼に従わせ、彼に欺かれる過ちを犯すならば、我々は、許されざる罪を犯したことになる。彼は、正義の裁きを受け、極刑に処せられた。彼は、極悪人のように辱めを受け、傷付けられた。ところが、イエスはその全てを、驚異的な忍耐力で耐え、誰もがそれに驚かされた。最後に、我々は、彼を磔刑に処して、彼は死んだ。

 我々は彼を埋葬し、墓には見張り番を配置した。だが、イエスが起き上がり、復活したとの噂が立ったのだ。墓はもぬけの空になっていた。このような『甦り』がいかにして起きたかについては、我々にも、墓守達にも分からなかった。墓に配置されていた者達の忠実さを疑う者は、一人もいなかった。彼等はイエスの敵の中から選ばれたからである。

 彼は、寝ずの番と保安にもかかわらず、何か分からぬ方法によって、姿を消したのである。彼の信者達は、その後、死ぬ前と同じように(生きている)彼と出会ったと主張した。即ち、甦ったイエスとである。それから、彼が天に昇り、最後の審判の日に、生ける者と死せる者を裁く為に、再び来るとの噂を流布させた。イエスが空の墓を後に残した事は、友よ、彼の敵の陣営にとって、決定的な打撃になった。その事は、彼の信者がその教えを一層広め続け、彼の神性の確証を鼓舞する為の強力な手段になった。兄弟よ、その事が、我々の父達に大打撃を与え、彼の力と我等の力両方を崩す原因になったのだ。

 彼の一味は、宗教上の権威と世俗的権威の事で、我々と論争した。第一に、我々の宗教を攻撃し、次に、我々から王国を奪う為である。我々は、先祖から受け継いで来たユダヤ教以外、如何なる宗教も容認する事はない。其れを世の終わりまで保つ事が、我々に負わされた義務なのだ。

 この打撃は、全く予想しないものだった。その秘密めいた力は、夢にも思わないものだった。父達は其れに戦いを挑み、我々も又、戦っている。だが、いくら手を尽くしても、驚くばかりである。彼等の数は増えるばかりではないか。子が父から離れ、兄弟が兄弟から離れ、娘が母から離れ、誰彼となく家を捨ててこの集団に加わっている事を、私と共に、良く見て欲しい。この動きには、大きな秘密が隠されている。如何に多くの男達が、如何に多くの女達が、如何に多くの家族が、ユダヤ教を捨てて、これら詐欺師達、イエスの徒党に従っている事であろう。どれほど祭司と権力者達が彼等に脅しを掛け、其れが徒労に終わった事か。

 兄弟達よ。我々が無視してはならない事がある。あのペテン師イエスが、かって教えを説き始めて以来(これは守るべき秘密のうちに入ると考えて欲しい)、彼はその若さにもかかわらず、大人のように人々に話し掛けた。父達は、神殿の回廊に寄り集まり、ユダヤ教を脅かすこの危険を駆逐するにはどうするべきか、考え、話し合った。彼等は、ユダヤ教とユダヤ民族に仕える為に、どんな些細な手段も見逃さなかった。この熱心さが介在しなければ、イエスの一味は、はるかにその数を増していた事であろう。

 さて、父達が、混乱者に民が追随する事を部分的にも阻止出来たとしても、彼等は如何なる組合もなく、一致の精神もなく、強力な公式の連盟もなく行ったに過ぎない。そこで、我々が、この組織を創設するならば、どれほどの成功を齎す事であろうか。驚くべき成功を収めるのではなかろうか。

 我々は、最終局面、最終的勝利には至れないかもしれないが、少なくとも、我等の国を脅かす、あの恐るべき流れを一掃することは出来よう。そして、我等は、安泰を保ち、ユダヤの名は消し去られることはないであろう。我々が、父達の熱心さを真似ないならば、それは致命的なことである。彼等が明らかにした理念に固執しなければ、ユダヤ民族は消し去られ、そのわずかな痕跡さえ残されなくなるであろう。民族の運命を握る我々は、沈黙している事は耐えられない。黙している事によって、自分にも、子にも、孫にも、全ての子孫に対して、罪を犯す事になるのだ。

 そこで、兄弟達よ、今説明した目的を保証する組織の創設について、意見を交換し、合意に至る為に、私は、あなた方をこの秘密の政治的、宗教的性格の会合に招いたのである。我々は、先ず、ペテン師の信者全員、特に村々で目立つ者達、偽りに秀でた者達に、最初の打撃を与えよう。これらの村々の全てに、組織の者を配置するのだ。全員を結束させる同盟がなければ、彼等を打ち叩く事は不可能である。

 その同盟作りを可能とする為に、中央本部がここに置かれる必要がある。我々の組織が、極めて重要な性格を持ち、無数の力を持つこと、それをもって、あの秘密の力とイエスとその弟子達、その一派が打ち立てたもの全てを粉砕する事を、些かも疑ってはならない。私は、わが民の中からあなた方を選び、あなた方に信頼を寄せている事をここで表明した。そうでなければ、この秘密会合を試みることはなかったであろう。私は、あなた方が、心と体と言葉と行為を、私と一つにするように望む。これは、私のあなた方への信頼のしるしである。私の宗教と民族への愛情のしるしである。あなた方が、この件で、私を信頼することを信じる。あなた方は、秘密を守らなければならない。あなた方の答えを聞こう」

 アドニラムが立ち上がり、王の前に集まっている全員を代弁して、言った。

 「陛下、私をとらえた大いなる感情により、私が自分の名の下に兄弟と仲間に代わり、お話し申し上げます。私は、兄弟達の民族への忠誠心は、陛下と同じほど強いものである事を、疑っておりません。我々の望みと憧れが一つに結束すれば、心も一つになりましょう。一つの心が、幾つもの体を持つ事になりましょう。どうして、それが出来ない事がありましょう。陛下は、この大建造物の中に、既に、最初の石を置かれ、『ブラザーフッド』と云う堅固な土台の上に、礎を置かれたのです。『ブラザーフッド』の名は、提案者と同じ程素晴らしい。陛下、私達は、陛下の中にユダヤ民族が化肉している事に、敬意を表します。陛下の是ほどに確かな、愛情に満ちたお言葉を拝聴した今、この理想に仕えずにおられましょうか。これら欺瞞者達を攻撃し、殺し、その一派を滅ぼす為に、獅子のように立ち上がらずにおれましょうか。たとい、相手が私達の子であったとしても。私達は、皆陛下の言われました同盟が、この組織から誕生する事を念願しています。ここから、あの欺瞞者の魔術を打ち消し、彼の一派を打破する、極めて大きな力が得られる事でありましょう」

 ついで、アドニラムは、一同を見て言った。「さあ、答えて下さい」これに対して、皆が答えた。「あなたが今言った事に、賛成します」。ついで、王のアグリッパが言った。

 「あなた方に感謝する。あなた方の熱心さが、情熱がよく分かった。あなた方が私に置く信頼を、とても喜ばしく思う。明後日に、組織を創設し、忠誠の誓いを行う会議を、再び開く事にする。我等は、直ちに、仕事をかからなければならない」。

 会議の進行を記録する任にあったヒラムは、言った。

 「陛下、そして、兄弟達よ、寛大なる御好意により、陛下は、忠実なる僕たるこの私に、この組織創設の案を出す機会をお与えになりました。神と陛下に感謝を捧げるのが、私の義務です。この会議について、最後の言葉を述べさせて頂く事を、陛下にお許しいただきたく存じます。私が、その考えを発案した者であり、陛下の前でそれを提起した者でありますが、それが受諾され、祝福され、保護されると言う恩恵を認めなければなりません。私達は、この組織を実現し、勝利に導こうとされる陛下の、固い決意を心に留めなくてはなりません。其れは、民族と宗教の勝利となる事でありましょう。そこで、兄弟達、私は組織の議事録に、創設者の号と共に、陛下の名を記録する事を願うものであります」

 モアブ・レビが語った。

 「それは良いことです。ヒラムよ、あなたは我等が主人への忠誠を証している。私達は、陛下がそのように認められるので、あなたがこの権利を諦めた事を受け入れます。私達は、あなたの要望に応えます。創設者として、陛下の名前を記録に留めてください」

 ヒラムは記録に留め、それから言った。

 「組織の名前を、ユダヤ友好同盟とするのを、陛下は喜ばれますか」 王は答えた。「いや、ヒラム、私が昨日用意した名前がある。それは、『秘密の力』である。皆は、それに賛成か」。全員が答えた。「賛成致します。その名前を採択致します」。

 王は言った。「責任に相応しい誓いを立てる為、明後日、全員が集まるように」。会議は終わった。


【第4章、戦慄の誓い】

 九人の創設者が集まると、王は、次の言葉をもって会議を開いた。

 「我が兄弟達よ、私は、あなた方の誠実さと愛情を、些かも疑ってはいない。我々は、各自の働きが、ユダヤ教とユダヤ民族、国と王に直結している事を知っている。其の理由により、我々は、自ら誓いを立てなければならない。一人一人、他の者達の面前で、誓いを立てなければならない。私は、其のテキストを作成し、其れに『戦慄の誓い』と銘打った。最初に誓いを立てるのは、この私である。誓いを正式に立てる前に、私が本文を皆の前で読み上げよう。それがあなた方にとって申し分ないものに思えるなら、これを受諾して欲しい」。

 そして、王は誓いの本文を読み始めた。

  宣誓文

  私(何某の子、何某)は、組織『秘密の力』の九人の設立者の一人になった今、我が兄弟達、即ち組織の者達を、如何なる事に於いても裏切らない、組織の規約に関する如何なる事に於いても裏切らないと、神と聖書と我が名誉に掛けてここに誓う。

  私は、従順と慎重さ、熱心さと忠誠をもって、組織の原則に従い、九人の設立者が採択する、今後の規約の中で提起される事柄を、実現させる事をここに誓う。

  私は、組織員の増加の為に活動する事をここに誓う。
  私は、ペテン師イエスの教えに従う者達を攻撃し、死に至るまで彼等と戦いを挑む事を、ここに誓う。
  私は、私達九人の間で守られている秘密を、外部の人間であれ、組織の加盟者であれ、一切漏らさない事をここに誓う。もし、私が、私達とその後継者の間で厳守されている秘密、或いは規約の一部でも漏らすと云う背信行為を犯した場合には、これら八人の兄弟からなる評議会は、如何なる手段によっても、私を殺す権利を持つ。

 王は、それが記録に留められる前に、出席者の誰もが良く理解出来るよう、この宣誓文を三度繰り返した。ヒラムが語った。

 「国王陛下、この宣誓書は、我々九人の創設者の為のもの。これ以外に、新しい加盟者の為の宣誓書を作る必要があると思われますが、如何に。と申しますのも、陛下が仰せられましたように、我々以外の誰一人、秘密の秘密を知ってはならぬ為です」。

 王は答えて言った。

 「ヒラム、それは十分に承知している。この宣誓は、我々にのみ通用するものである。組織創設を完了した後に、一般宣誓文を用意する事としよう。又、我々の後継者となる者は皆、この誓いを立てなければならない事を知れ」

 王は更に続けた。

 「兄弟達よ、あなた方は、これが恐るべき誓いである事を、今や知った。誓いを立てる前に、各自、其れに付いて熟慮しなければならない。其れは、創設者達を鉄の鎖で縛る事になるからだ。其れは彼等を兄弟の鎖に束縛する。無実な人間であれ、不実な人間であれ、本人を基本方針に束縛する。其れは評議会の秩序と規約、其れが善であれ悪であれ、規約の定める全ての事を遂行するよう、本人を束縛する。其れは、ペテン師の信者を攻撃し、手段を尽くして彼等を殺すよう、本人を強制する。其れはこの秘密の後継者となるべき委員に指名された者以外、自分の子供にも、組織の規約を漏らさぬよう、本人を強制する。本人が殺戮の指令を遂行せざるをえぬのと同様、結社がユダヤ教保護の為に得策と判断する機密事項を漏洩した場合には、その者も殺されなければならない。

 彼は又、結社の基本方針に仕える為には、自分の大切にしているものを、全て犠牲にしなければならない。其れが、私がこの事をよくよく考えるよう、あなた方に求める理由である。誓いは、我々にばかりか、我々の子々孫々にも向けられているからだ。

 其れはそうと、私は、我が父と、祖父のヘロデ大王の秘密の一つを、ここであなた方に明かす事にしよう。二人は、ペテン師イエス及びその一味を、出来うる限り全員殺すと云う極秘指令を出していた。私の父は、この指令を遂行した者達は、皆、財産、健康、子供の事で災いを被り、あらゆる種類の病に掛かり、非業の死を遂げた、と私に語った事がある。

 この事をあなた方に話したのは、一度誓いを立てたら最後、全ての者は決して抜けられぬ方法で縛られ、その時になって後悔しても無駄である事を明らかにする為だ。又、兄弟達よ、我々9人だけが『つながれた者たち』、責任ある者達である事を、あなた方は忘れてはならない。明日定める『内部規約』は、我々だけが知るのであり、ペテン師が根絶やしになる時まで継承し続ける、我々の子孫ふだけが、其れを世襲財産とするのだ。我々と共に、組織に加盟する他の者達は、内部の秘密も、その根本目的も、一切知らされる事はない。

 各自、宣誓を写し取り、誓いを立てる前に、よく其れを調べておくように。我々の大建造物の敷石は、この戦慄の誓いにあることを知るようにせよ。今日は解散とする。明後日、再びここで会合を開き、誓いがこのままの文で良いか、修正するべきかを決める事にしよう」。

 (「家を建てる者達の見捨てた石。それが隅のかしら石になった。これは主のなさった事だ。私達の目には、不思議な事である。私はあなた方に言います。神の国はあなた方から取り去られ、神の国の実を結ぶ国民に与えられます。又、この石の上に落ちる者は粉々に砕かれ、この石が人の上に落ちれば、その人を粉微塵に飛ばしてしまいます」(マタイ21:42))


【第5章、戦慄の誓い2】

 さて、九人の創設者がそろうと、王は開会を宣言し、誓いについて全員の意見を求めた。それは、満場の一致で採択され、記録に留められた。彼等は、直ぐに、組織の創設を完了させる事に合意した。

 王は、聖書を取り、机の上に其れを置くと、「私のする通りにせよ」と述べ、右手を上に置いた。モアブ・レビ、そしてヒラム・アビウデと、次々に皆が王に倣った。それから、各自は、宣誓文の記された紙を左手に取った。

 王が、まず、誓いの言葉を述べた。次にモアブ・レビ、ヒラムと、順次全員がこれに倣った。誓いを立て終わると、各自席に戻り、王が次の言葉を述べた。

 「兄弟達よ、これをもって、我々の組織『秘密の力』は発足した。その力と行為と原則と目的は、いつまでも秘密のままになる。かようにして、我々はイエスの信者達の愚行を一掃出来ることであろう。我々は、今や兄弟となった。我々は、ペテン師が作ると称した虚偽と魔術の兄弟団とは異なる、真の兄弟団を作らなければならない。我々の兄弟団は真実のものである。其れがこの組織の基礎であり骨組みなのだ。

 さて、結束し、鎖によって繋がれた今、各自仕事の準備に掛からねばならない。仕事は、イエスの教えの宣伝者達を如何なる方法によっても死に至らしめることにある。それこそ、我々の崇高なる意思である、我々の宗教的、政治的な目標なのだ。心が一つになった今、我等を結束させ、ユダヤ教の存在と本質を高めるような、国家的連帯を実現させることを確信しようでないか。この連帯によってのみ、我々は敵を打ち負かすことが出来るのだ。我等の宗教を灰塵に掃し、あのペテン師の頭から受け継いだ偽りを蔓延させようとする、その力を砕くことが出来るのだ。

 簡単に言えば、我々は、彼等を排除する為の忠誠心、慎重さ、残虐さをものともせぬ勇気に、行動の基礎を置かなければならない。秘密を子孫に伝える時には、この原則を遺言に残し、教え込むようにせよ。彼等は、代わって、自分の子孫達に其れを伝え、こうして、我々の原則と秘密は、安全な世襲の方法によって、諸世紀を超え、いつまでも引き継がれることになろう。

 我々は、ペテン師イエスが奇蹟を行ったと称している事を知っている。彼は、自分は神の子であり、神そのものであるとまで言ったのだ。これ以上の冒涜があろうか。そればかりではない。他にも、我々が黙認出来ない、黙認してはならぬ、多くの嘘偽りを宣伝したのだ。『ユダヤ人の王』と称したこともその内に教えられる。何たるふざけた、図々しい、侮辱に満ちた主張であろうか。それで、我々の父達は、あの男を裁いたのだ。其れが、父達が彼を攻撃し、彼の一派を迫害した理由なのである。

 戦い続けられるよう、一つの連帯組織を結成するよう、我々を動かしているものがそれである。何故なら、そのような連帯がなくとも、父達は、その方面で忘れ難い大勝利を収めることが出来た。彼等がイエスの3人の信徒を殺した二つの村は、良き実例になることだろう。これら3人が殺されて以来、村とその近くの場所で、これら宣教師にあえて従おうとする者は、一人もいなくなった。今日まで、村人がペテン師達に加わったという話も、村にイエスの信者が戻ったと云う話も聞いていない。

 連盟或いは結社が後押しせずとも、このような方法で、これほどまでに大いなる成果を得られるのであれば、我々の結社が結成された暁には、どれほどの偉業と利益が得られることであろうか。我々は、神の御心により、彼等を、一人残らず地上から駆逐しようではないか。このようにして、我々は彼等の頭目、あのペテン師の教えの危険を、回避出来るのである。

 兄弟達よ、私は、あなた方に絶大なる信頼を寄せていなければ、このような秘密を明らかにすることはなかったであろう。だが、共に果たした戦慄の誓いへの信仰に、私が全幅の信頼を寄せていることを、あなた方に明らかにしよう。

 今日より、あなた方は、疑惑、恐怖、背信、不実を全て、心の中から一掃する。今日から我々が一つの魂、一つの心となるよう、この道においては、私があなた方の見本になる。代わって、あなた方各自が、各会員にとっての見本にならねばならない。今は、大いなる成功の道を、厳粛に、怠り無く突き進む為、この正式な発足を共に喜ぼう。

 兄弟達よ、今日まで記録され、今後記録されることになる全ての事柄の写しを所持することが、あなた方一人一人の義務である。こうして、各自は、数は限られてはいても、息子を通して世代から世代へと伝えられる財産となる、我々の事績の歴史を持つことになる。それは、時の経過とともに、ペテン師イエスの信者達が世に存在する限り、存続することであろう」。

 王が起立すると、他の8人もそれに倣って起立した。王は言った。

 「さあ、笑顔と清い心をもって、祝杯を上げよ。特に、我等がブラザー・ヒラムに対して、祝杯を上げよ。大きな声でこの言葉を三唱せよ。『我等が掟よ、永遠なれ! 我等が結社よ、永遠なれ! 時の終わりまで!』」

 他の者たちはみな、声を合わせて称えた。「国王陛下に栄えあれ!」。王は叫んだ。「ユダヤ教よ、永遠なれ! ユダヤ民族よ、 永遠なれ!」。それから、王は言った。

 「今日より6日後に、次の会議を召集する。その時まで、これまでの議事録を各自筆写し、自分の分を所持しておくように。私の分はヒラムが担当する」。

【第6章、エルサレム・ロッジの設立】

 九人の創始者は一堂に会した。王は、総裁として、開会の言葉を述べた。

 「兄弟達よ、どの組織も、活動員が集会を持つ私的管区を持たなければならない。我々が最初の会合を開いたこの広間は、秘密会合を開くには相応しくない。我々は、『エルサレム・ロッジ』と呼ばれる管区を設けなければならない。このロッジは、誰にも我々の姿を見られず、我々の指令を盗み聞きされる事もない、秘密の回廊の中に設けなければならない。

 私はこの機会に、最も重要な事柄に、あなた方の注意を喚起しよう。私は、数千人が加わり、我等の力を強化する時まで、この組織を拡大しなければならないとあなた方に言った。だが、この組織が今の時代に創設された事が発覚すれば、其れは恐怖心と反感を呼び、其の結果、人々の一部が離れる危険性がある。あの欺瞞者の革命がその勢力を拡大し続けている、今のような罪深い時代には、特にそれが言える。

 我々九人は、『秘密の力』と呼ばれるのこの荘厳なる建造物の礎である。そこで、この大伽藍を打ち建てる為の、建設道具を考案しよう。我々は、大いなる使命感を持って、この政治的、宗教的な大仕事に専心しよう。私達の為のものでなければ、其れは存在する事もないのだ。石工(メーソン)と道具がなければ、どんな大建造物も建てる事は出来ない。

 明らかに、我々こそが、この大伽藍の存在理由なのだ。最も荘厳な宮廷となるこの大伽藍の建設を、共に受け入れて欲しい。では、どうすれば、其れが可能であろうか。オカルティズム(秘密主義)を持ってするのである。秘密主義とは、どのような意味であろうか。

 よく聞け。我々の結社を、極めて重要であるばかりか、興奮を呼ぶものにする一番の方法は、創設の年代と、創設者つまり我々の名前を、如何なる加盟者からも隠し通すことなのだ。この秘密は、我々九人によって守られる。一人一人は、最も真剣な気持ちを持ち、秘密を厳守する息子にだけ、彼が21歳になった時に、これを遺産として継がせるのだ。他の兄弟は、これについて、何一つ知ってはならない。

 そこで、我々が加入者に対しては言わなければならぬ事は、この組織が極めて古いものであり、その創設の年代、創設者について誰一人知る者がいないと云う事、組織は解散し、死んで久しかったと云う事である。

 おそらく、反論する者達も出てくるだろう。その時には、ヘロデ王が、父王の記録の中から、はるか古代の組織の存在を示す古文書を発掘し、その中に、結社のしるしや法規が定められていた、彼は喜びの余りその再興を願った、そして文書に記されている通り、本当にそれを再興させたのだと説明しよう。

 我々は、この伝説の中に、真の創設の年代と組織の目的を覆い隠す。これは、我々にとっての中心的な武器となる。秘密主義は、最高の位階にまで上り詰めた兄弟にさえ煙幕となるであろう。

 この位階については、先にも話したように、兄弟モアブとヒラムと合議の上、入会者の為の各種位階を設ける手はずになっている。其れが決定された時には、あなた方の意見を聞く為に、ここで発表する事にしよう。

 又、我々は、九人が起草した規約は全て隠すものとする。このように完璧に隠蔽することにより、我々の組織に加入し、オカルト(秘密)」を知りたいと云う欲求をそそるのだ。それから、入団者が誓いを果たしてから初めて知ることが出来る、第二の秘密がある、その本文については、次の会合で調べることにしよう。入団者は、誓いによってその秘密を守らざるを得なくなるであろう」。

【第7章、一般的な誓い】

 8月10日に、九人のメンバーは集まり、ヘロデは会議の座長を務めて言った。

 「さて、兄弟達よ、我々創始者の基本使命の大要については、既に明らかにした。恐るべき、極秘の誓いに伴う責任についても、十分に認識したと思う。今日は、組織への加入を望む者達が立てなければならぬ、誓いの本文について、調べなければならない。それをここで読み上げよう。これに賛成であれば、直ぐにこの誓いを採択し、記録に留めよ」。

 入会者各自が果たさなければならない一般的誓いの本文:

  私(何某の子、何某)は、組織『秘密の力』の加盟メンバーに受け入れられた今、メンバーを傷つけ、組織の命令に背くいかなることにおいても、兄弟を裏切らないこと、組織の活動家が命じる如何なることも完遂し、その秘密を誰にも口外しないことを、神と聖書と名誉に掛けてここに誓う。この誓いに背くなら、私の喉は切り裂かれ、いかなる形の死も厭わないことを誓う。

 「さて、兄弟達よ、新会員がユダヤ人であれば、我々は、事実を彼に伝えよう。即ち、組織の目的がユダヤ人の結束にあることを。彼がユダヤ人でない場合には、何も知らせずにおくが、相手が敵のスパイや一味ではないことを、確かめなければならない。

 彼は、組織の位階を一つ一つ上っていくにつれ、本来の目的についての知識を、徐々に身につけてゆき、適切な時点で、イエスの信者達を殺しユダヤ教を保護することに、組織の基本目的があることを知らされよう。この時には、彼を強制する必要はなくなるであろう。彼は、全力を傾けてそうするであろうから。

 [註:古代メーソンリーの目標は、ユダヤ教の保護に尽きる事は上の言葉で明らかである。1717年以降に、出来た英国の新メーソンリーでは、目標が三つに分かれている、第一グループ(ユダヤ人)は、古代の基本方針を保持している。第二グループは、カトリックを攻撃すると云う、デザギュリエの基本方針を採用している。第三グループは、ナチュラリズムとニヒリズムの基本原理を採用している。英国の新メーソンリーの成立については、この本にも書かれているが、掲示板では後で説明する]。

 極秘に守られる基本的秘密の最たるものは、創設の年代と創設者の氏名であることを、あなた方は忘れてはならない。それを問われた時には、真実を隠さなければならない。組織の為、ユダヤ教とユダヤ民族の利益の為に、嘘をつき通せ。我々はこのように答えなければならない。

 『ヘロデ大王の王宮のある部屋で、この組織に関わる秘密の言葉とともに、古代エジプトの法典とサイン、シンボルを含む古文書が発見された。件の文書は、年代も分からぬ程古い時代の祖先から継承されてきたものである。それがソロモン、ダビデ、モーゼ、或いはもっと古くに遡るのかどうかは、我々には分からない』。この答えについてあなた方の意見を聞こう。採択するか否かを決めよ」。

 すると全員が「肯定」と答え、この言葉は記録に留められた。


【第8章、組織への加盟の方法】
 ヒラムは言った。

 「アグリッパ王陛下、モアブ・レビとヒラム・アビウデは、組織に是非加入させたい人々の為の、特別な書式作りに合意致しました。入会の書式は、如何なる組織・団体・宗団のそれとも異なる、より優れたものにする考えです。これは、加入者に特別な気持ちを作り出す為であり、彼等は、其れを非常に重要なものと見るばかりか、恐れさえ懐くに違いありません。

 このような意義が向けられれば、書式は古代から受け継がれたものである、と我々は答えます。其れは、ヘロデ王が、父王の棺の中から発見した古文書に含まれていたものであり、我々はこの発見によって、昔の創設者達の記憶を保ちたいと望んだ。我々は又、ユダヤ教とユダヤ人への父祖達の情熱を思い起こさせる、他のどのような遺品も、後世に残す考えである。これらの記憶を保つことによって、我々は、ユダヤ教と国への義務を果たすことになるのだと。陛下よ、このことは、私達だけが知る、もう一つの秘密となりましょう」。

 王は言った。

 「ヒラムよ、其れは名案である。私の考えを述べよう。志願者が誓いを立ててしまうまでは、神殿の事が一切わからぬよう、彼の目を覆っておくのが良かろう。志願者が外にいる間は、目隠ししておくが良い。門衛は志願者を世話人に導き、世話人は彼を総裁の前へ連れて来る。この時に、右足から始め、三歩進んで二本柱の間に来るよう、志願者に耳打する。この行為は、外部の者、放浪者、異邦人は、神殿に入る前に闇の中にいること、我等に加わり、誓いをすることによって闇から光へ、即ち光に象徴されるユダヤ教に入れると云う意味だ。

 総裁は、彼を呼び、誓いの言葉を述べさせる。総裁は、手に剣を持ち、その刃を志願者の首に突き立てる。彼の前方、世話役の両手にはトーラー(聖書)が開かれている。誓いが終わり、目から覆いが外されると、志願者は自分の頭の上に剣が向けられ、目の前にはトーラーと、灯火があるのを見る。その後、世話人は小さなエプロンを志願者のみに付けさせる。これは、彼が我々に加わり、神殿の城壁作りに加わった事を象徴する。城壁はユダヤ教の防壁であり、その存在の保護を表す」。

 この話が終わると、王は二人の同志に向かい、「これを採択するか」と言った。彼等は採択した。翌日、九人の創設者は呼び出され、ヒラムから、加入の方法を知らされた。全員がこれを受諾し、記録に留められた。


【第9章、神殿の内部】
 (ヨハナンは、ソロモン神殿を不朽のものとする為に、会合場所を「神殿(テンプル)」と名付けるよう提案した。この名称が「ロッジ」に変更されたのは、1717年のことである) 

 アグリッパ王は言った。

 「我々の大建造物が、ブラザーフッドの基盤の上に建てられていることは、知っての通りである。ブラザーフッドと信頼が我々の紋章であることは事実だが、各自は忠誠を尽くし、熱心さを尽くして遂行する、特別な使命を持つことになる。

 先ず、各自に役職を割り当てることにしよう。あなた方は、それを受け入れることによって、組織の基本原則を守り抜き、その為にはいかなる犠牲も厭わないことを表明するのだ。各自は、同志の前で、へりくだりと一致という二つの性質の模範になっていることを表明し、自分の心の中に嫉妬の気持ちが些かもない事を、全員にわからせなければならない。つまり、各自、兄弟の役職をうらやむことなく、自分の職務を受け入れる。めいめいの役職を知った時に、何か異論があれば、申し出よ。異論が無ければ、受諾して記録に留めよ」


  総裁    ヘロデ・アグリッパ王
  副総裁   ヒラム・アビウデ
  第一書記  モアブ・レビ
  第二書記  アドニラム
  立会人   ヨハナン
  第一補佐  アブドン(新メーソンリーでは、補佐の役職名はデザギュリエによって変更されている。
             又、当初は経理がいなかった為、金銭が要求されなかった事にも注意)
  第二補佐  アンティパ
  世話人   アベロン(志願者の加入を世話するメンバーのこと)
  門衛    アビア

 全員役職の割り当てに同意し、これは記録に留められた。王は言った。

 「この組織の起源は極めて古いものであることを、全員に信じ込ませなければならぬことは、あなた方も知っている通りである。『発見した古文書』の伝説が、是非とも必要であることに異論は無い。そこで、我々は、ソロモンが神殿の中で使用していたような、古い時代のシンボルを我等の宮に配置することにしよう。

 我等は、ソロモンが神殿で使用した二本柱を建立する。一つ目をボアズ、二つ目をヤキンと名付ける。一つは右に、一つは左に立てる。又、我等のヒラム・アビウデを、神殿の造営にあたりソロモンが召集した、偉大なシリアの建築士の名を取り、ヒラム・アビフと命名しよう。この偽装の二点を、結社の一般綱領の中に明記せよ。

 更に、この偽装を強化する為、建築士ヒラムが宮を造営する時に用いた、定規、コンパス、コテ、天秤、槌等の建築用具を使え。その何れも、ヒラムが使ったものと同じ木製でなければならない。神殿の正面は、表向きにしなければならない。この点に関しては、後ほど説明しよう。

 更に又、一層の古さを想起させる、星、太陽、月等の、天空のシンボルを採用しなければならない。又、ペテン師イエスを想起させる、他のシンボルも使うことにしよう(これら全て、真の神の存在を冒涜し、真の神に信仰している人を冒涜する為に!愛)。我々の新しい結社の業務とともに、この歴史を受け継ぐ子々孫々が採用出来るものを選ぶ必要がある。あなた方の意見を求めよう」。

 会場は、満場の一致で、王の言葉を採択し、これは記録に留められた。


【第10章、秘密結社のシンボル】
 アグリッパ王は言った。
 「我々が結束することは、非常に喜ばしいことである。皆が一つの心、一つの手になるからだ。このことは、我々が互いに嫉妬心を持たず、自尊心も持たない事を意味している。ハレルヤ!。我々は、神(サタン・ダビデ)の御加護により、神殿の土台の仕事を完成させた。又、原則的にシンボルの選択に合意を得、どんな不和も妬みも克服した。ハレルヤ!。
 我々は、前の会議で出された勅命に従い、幾つかのシンボルを用意した。ヤキン(力のシンボル)とボアズ(堅固な基礎の意味)の、二本柱がここにある。ここには又、我々の組織がソロモン神殿、或いは其れ以前に遡ることを証明する、木製の建設道具がある。ソロモンの神殿を建設するのに使われた道具は、どれも木で出来ていたからだ。

 さて、二本柱を、一つは右に、一つは左に、今立てようではないか。それを祝福しようではないか。我々はこれらの道具を祝福する。又、イエスのこれら色々なシンボルをも祝福する(イエス・キリストの事だが、彼等はイエスをキリストとは認めていない)。だがこれらのシンボルは、鶏、剣、闇、槌等、皮肉にも彼がその冒涜的な教えを説いて回っていた時に使ったものなのだ。

 木槌は、彼の両手、両足を木に打ち付けるのに使った道具である。皮肉を更に強める為に、この木槌を持って、毎度会議を開くとしよう。どの会議も、この木槌を続けざまに三度打ち鳴らす事を持って、始めることにする。

 このようにして、我々は、諸世紀にわたりいつまでも、イエスを磔刑に処した事、この木槌をもって彼の両手、両足を釘付けし、死に至らしめた事を思い起こすのだ。三つの星は三つの釘を象徴している(三ツ星の真の意味)。其れを三つの点に変える事も出来るが、意味は同じだ。

 『神は父と子と聖霊であり、自分は子』と云う、あの男の冒涜的教えを愚弄する、三段梯子のシンボルもある。

 我等の組織の中に、前にも話したように、位階を設けることにしよう。これらは三十三で、あのペテン師の年齢を表す数である。その一つ一つに名前を付け、更に似たようなシンボルを作ることにしよう。これは皆、私が考案し、モアブとヒラムが考案したものである。

 この皮肉を込めたシンボルの意味は、決して他に知られてはならない。其れは、我等九人だけが知る秘密である。他のメンバーには、組織がソロモン時代、或いは其れ以前に遡ると信じられるよう、便利品、道具とでも言っておけ。
 どの兄弟も新しいシンボルを考案して良い。兄弟達よ、私が出したものについて、あなた方がどう考え、どう見るかを聞こう」

 六人の男達は意義なくこれに同意し、全ては記録に留められた。次いで、王は言った。

 「さあ、祝杯を上げよ。勝利に向かって、道を突き進め! 最初の三つの階段を踏みしめよ! 勝利の木槌を三度鳴らそうではないか。其れは、ペテン師の死のシンボルであり、兄弟関係と一致統合と云う釘で固められる、我等の誉れ高き基本原則の樹立を表すシンボルなのだ! 勝利に向かって進め! 喜びの声を上げるのだ!」


【第11章、第一会議と第一神殿】
 同じ年(AC43年)の10月4日に、最初の公式会合が、アグリッパ王宮殿の地階にある、エルサレム第一神殿で開かれた。九人の創立者は、木で出来た建設用具を準備し、泥除けを象徴する新しいシンボル、エプロンを作る仕事に着手した。何れも、本来の目的を隠し、入会者に組織の古さを確信させる為のものである。

 王なる総裁は言った。

 「私は、王としてではなく、総裁として、あなた方全員に対し、三十三位階を授与しよう。これは結社の最高の位階である。今後、あなた方はこの高き位を楽しもう。だが、ここで私は、兄弟なるヒラムにある事を伝え、あなた方の同意を得る事を望む。

 私は、第三位階を特別に設け、其れを『ヒラムの位階』と名付けようと思うのだ。彼は、この結社を創設する案を最初に提起した者として、名誉と敬意と不朽の名に値する。彼がこの輝かしい考えの発案者である。私は又、ヒラムに『マスター』の称号も授与しようと思う[訳注:マスターには、大師、棟梁、主の意味がある]

 私は、又あなた方も意見を同じくしてくれると思うが、ヒラムをマスターと見なしているからである。彼は、ペテン師イエスが自分のものと偽ったその称号に相応しい。この第三位階を『マスター・ヒラムの位階』と呼ぶことにしよう。

 そして、我等が兄弟ヒラムは、未だ幼い頃に父を亡くし、寡婦となった母しか知らぬ為、私はこの組織を『寡婦』と呼ぶ事にしたいのだが、あなた方の意見を求める。

 今より、創設者達の名は、『寡婦の子ら』となる。社員は皆、世の終わりまで自らを『寡婦の子』と呼ばれるのだ。この結社は、時の終わりまで続くと、我等は信じるからである。

 我等は兄弟ヒラムを尊敬するだけでは、彼の大いなる厚意を重んずることにはならない。我等は、一層彼を尊ばねばならない。だが、『寡婦』の称号は、我等の結社の目的に相応しい。寡婦は常に援助を必要とする。この名称は、ヒラムの仕事を尊重するだけではなく、我等の相互協力と相互援助のシンボルである。皆の者はこれに賛成か」。


 この言葉は全て採択され、記録に留められた。

【第12、社員を募る運動】
 さて、国王以外の創設者達は、社員を募る運動を展開し始めた(アグリッパは、王としての立場上、宣教は出来なかった)。彼等は、主に、エルサレム市内で散らばり、勧誘した人々を神殿に招き、結社の真の目的(イエスの信徒の攻撃)を知らしめることなく、会員に登録させた。誓いをさせた後で、本当の目的を彼等に伝えた。この結社「秘密の力」は、非常に古くから存在したものであり、最近になって、王の意思によって再興されたものである為、どこにでも散らばり大きな力を発揮している、ユダヤ教の敵を駆逐する強力な手段になると社員を説き伏せた。

 ヒラムは言った。

 「我々は、無料で人々を入社させよう。それによって、社員の数は急速に増え、我々はイエスの信者を、全力を挙げて攻撃し、民衆が彼等に寝返るのを阻止出来るであろう。我々は、幾度か、策略と欺瞞によって彼等を網に押え込み、出来る限り殺戮することに成功した。彼等は、獰猛な狼の前で散り散りになる羊のように、我々から逃げ去った。だが、迫害すればするほど、彼等は新しい宗教への信仰を益々強く持つようになった。彼等は、数を増やし、益々強くなった。我々を全く恐れていないかのようにも見えた。

 迫害にもかかわらず、何か『見えざる力』が彼等を支えていることは明らかである。その理由から、我々は仲間内で談義し、力を新たにし、結社を一層強化することにした。最後の最後まで目的を完遂するには、それしかないと思われたからである。

 このことと、更に厳粛なる誓いに基づき、我々はその『力』に立ち向かわざるを得なかった。我々は、最初、その力は弱いものばかり信じていた。必要とあらば、我々は死をも辞さぬことを決意した。そして、力の強化と登録者の数の増大に、全力を傾けた。二ヶ月以内に、我々は、『秘密の者達』の称号を持つ、2000人の兄弟を獲得するに至った。我々は、幾つかの場所で、中央本部に依頼する支部の設置を開始した」


【第13章、ユダヤの第二神殿】
 ヒラム・アビウデは言った。

 「ユダヤ教保護の為に、我々が力を尽くさなかったならば、エルサレム全土がペテン師イエスの説教師等の手に落ちていたことであろう。説教師等は、イエスの死後もなお、庶民に魔法を掛けて歩いていたからだ。最初の戦いの成功によって、我々は、イエスの説教師と其れに傾倒する者達が増える前に、至るところに支部を設けることを決議した。我々は、創設委員を二派に分けた。その一派はエルサレムに留まり、国王陛下の下で会議を進め、社員の育成に力を注いだ。もう一派は、パレスチナの各所に向かい、各々の独自の方角を選んで活動を開始した。

 彼等は、結社の基本方針を説きつつ、民の間にイエスとその信者への憎悪を煽った。欺瞞の説教師達に感化されている者に対しては、誰であれ死をもって脅かすと共に、村の指導者達には特に警告を強化し、説教する為に入って来た彼らを、地域から駆逐するよう圧力を掛けた。

 ユダヤ教に忠実で、我々の行動を手助けする者達もいた。又、根強い抵抗に出会う事もあった。そして、殆どの場合、家族や親類の間で激しい議論が白熱し、其れが敵意し分裂を呼んだ。イエスの弟子の教えに従い続け、その宗教に寝返る者達もいた。騙された親類に反対して我々の側につき、死を賭けた戦いを決起する者もいた。このような忠実で熱心な者達の多くは、ペテン師の教えに従った廉により、親類を死に至らしめることさえやってのけた。

 諸神殿と支部を設け、偽りの教師達を迫害すること、それこそ、我々創始者各自の計画だった。我々の活動により、数知れぬ者達が彼の手に落ちるのを阻止出来た。結社創設の日より今日まで、すなわち14ヶ月の間に、我々は、四十五ヶ所の支部神殿を設置した。

 民の多くがイエスの側に着き、彼の最初の信者とその教えを受け入れた異教徒に寝返る事により、悲劇が起こったとはいえ、我々はこの戦いで、一歩も後に引くことはなかった。説得が功を奏することなく、同族の者達が敵の側に着くのを見て、我々は悲しみに襲われた。我々はカネと時間と血を犠牲に捧げた。彼等を追放し、迫害し、出来うる限り殺戮した。この戦いがなければ、彼等は我々ユダヤ民族の上に君臨し、ユダヤ教を排除していたことであろう。我々自身さえ、これら詐欺師達の虚偽と誘惑の深渕に転落した他の者達と同じく、確実に堕落していたことであろう。

 そこで、この活動を受け継ぐ子々孫々に、挫けることなく、我々の整えた道を邁進し続け、我々の樹立した『秘密の力』で武装するよう激励する。それが世に存在する限り、ペテン師の徒党が存在する限り、時の終わりまで、あの『おぞましき力』と戦い続けられる為に。

 おお、我等が子孫よ、宗教と民族を愛するあなた方に勧告する。あなた方の生命と宗教の為、我々が復興させたものを、死に至らしめぬようにせよ。これをあなた方の家紋・崇高なる感情として、死に至るまで宗教の保護育成に努めよ。我々が(無駄な!愛)血を流し、額に汗しながら、莫大な(無駄の!愛)金銭と時間を費やして切り開いた道から、外れないようにせよ。それによって、我々は宗教を救い、敵を打ち負かし、その多くを殺戮したのだ。この数が彼等の仲間入りをしていたなら、ペテン師が我々を打ち負かし、我等の宗教はとうに滅んでいたことであろう。

 戦いを記録し続けよ。今述べたこの勧告を、あなた方の息子達に伝える事を忘れてはならない。ペテン師イエスが創始した社会を、宗教と認めてはならない。決して彼をメシアと呼んではならない。彼の弟子達の会合に出席してはならない。彼等は偽りを言い、魔術で人を惑わしているからだ。

 だが、努力も空しく、多くの者が彼の網に掛かった。正直に引き戻そうと、死を持って脅してみても、効き目はなかった。彼等の耳は塞がれていたのだ。どれほど議論を尽くしても、極論に訴えてさえ、あの教理の力を覆す事は出来なかった。ユダヤ人が彼等に宗旨変えすることさえ、阻止出来なかった。

 だが、我々は、激動の中で偉業を成したブラザー達、創設者達の、活動と熱心さを忘れてはならない。彼らは、何千人ものの我等が民を目覚めさせ、倫理的、物質的協力を惜しまなかった。ここで協力してくれた同盟宗教者達、結社に属さず共に戦った父、兄弟、協力者への賛辞を、歴史の頁に刻み付けなければならない。彼等は、怠け者の、役立たずな社員より、はるかに大きな働きをした。この結社に所属することなく、その倫理的、物質的援助を惜しまなかった、これら裕福で恵み深き人々の価値ある勧告により、我々は新しい制度を設けるに至った。別な名称を持つ同じ結社を、各所に創設するという事である。情報によれば、結社『秘密の力』に所属することに、多くの人々が恐れを懐くようになっているからだ」。

[コメント]
 第13章は、危なく扇動している古文書であるので、心を洗う為に、自分なりに若干修正した文章をここに記す。

 ヒラム・アビウデは言った。

 「ユダヤ教保護の為に、我々が力を尽くさなかったならば、エルサレム全土がペテン師イエスの説教師等の手に落ちていたことであろう。説教師等は、イエスの死後もなお、庶民に魔法を掛けて歩いていたからだ。最初の戦いの成功によって、我々は、イエスの説教師と其れに傾倒する者達が増える前に、至るところに支部を設けることを決議した。

 我々(ペテン師王アグリッパの徒党!愛)は、創設委員を二派に分けた。その一派はエルサレムに留まり、国王陛下(ペテン師王アグリッパ!愛)の下で会議を進め、社員の育成に力を注いだ。もう一派は、パレスチナの各所に向かい、各々の独自の方角を選んで活動を開始した。

 彼等は、結社の基本方針を説きつつ、民の間にイエスとその信者への憎悪を煽った。欺瞞の説教師達に感化されている者に対しては、誰であれ死をもって脅かすと共に、村の指導者達には特に警告を強化し、説教する為に入って来た彼ら(イエスの弟子)を、地域から駆逐するよう圧力を掛けた。

 ユダヤ教に忠実で、我々の行動を手助けする者達もいた。又、根強い抵抗に出会う事もあった。そして、殆どの場合、家族や親類の間で激しい議論が白熱し、其れが敵意し分裂を呼んだ。イエスの弟子の教えに従い続け、その宗教に寝返る者達もいた。騙された親類に反対して我々の側につき、死を賭けた戦いを決起する者もいた。

 このような忠実で熱心な者達の多くは、ペテン師の教えに従った廉により、親類を死に至らしめることさえやってのけた。諸神殿と支部を設け、偽りの教師達を迫害すること、それこそ、我々創始者各自の計画だった。我々の活動により、数知れぬ者達が彼の手に落ちるのを阻止出来た。結社創設の日より今日まで、すなわち14ヶ月の間に、我々は、四十五ヶ所の支部神殿を設置した。

 民の多くがイエスの側に着き、彼の最初の信者とその教えを受け入れた異教徒に寝返る事により、悲劇が起こったとはいえ、我々はこの戦いで、一歩も後に引くことはなかった。説得が功を奏することなく、同族の者達が敵の側に着くのを見て、我々は悲しみに襲われた。我々はカネと時間と血を犠牲に捧げた。彼等を追放し、迫害し、出来うる限り殺戮した。この戦いがなければ、彼等は我々ユダヤ民族の上に君臨し、ユダヤ教を排除していたことであろう。

 我々自身さえ、これら詐欺師達の虚偽と誘惑の深渕に転落した他の者達と同じく、確実に堕落していたことであろう。そこで、この活動を受け継ぐ子々孫々に、挫けることなく、我々の整えた道を邁進し続け、我々の樹立した『秘密の力』で武装するよう激励する。それが世に存在する限り、ペテン師の徒党が存在する限り、時の終わりまで、あの『おぞましき力(神々しい力!愛)』と戦い続けられる為に。

 おお、我等が子孫よ、宗教と民族を愛するあなた方に勧告する。あなた方の生命と宗教の為、我々が復興させたものを、死に至らしめぬようにせよ。これをあなた方の家紋・崇高なる感情として、死に至るまで宗教の保護育成に努めよ。我々が血を流し、額に汗しながら、莫大な金銭と時間を費やして切り開いた道から、外れないようにせよ。

 それによって、我々は宗教を救い、敵を打ち負かし、その多くを殺戮したのだ。この数が彼等の仲間入りをしていたなら、ペテン師が我々を打ち負かし、我等の宗教(邪教)はとうに滅んでいたことであろう。

 戦いを記録し続けよ。今述べたこの勧告を、あなた方の息子達に伝える事を忘れてはならない。ペテン師イエスが創始した社会を、宗教と認めてはならない。決して彼をメシアと呼んではならない。彼の弟子達の会合に出席してはならない。彼等は偽りを言い、魔術で人を惑わしているからだ。

 だが、努力も空しく、多くの者が彼の網に掛かった。正直に引き戻そうと、死を持って脅してみても、効き目はなかった。彼等の耳は塞がれていたのだ。どれほど議論を尽くしても、極論に訴えてさえ、あの教理の力を覆す事は出来なかった。ユダヤ人が彼等に宗旨変えすることさえ、阻止出来なかった。だが、我々は、激動の中で偉業を成したブラザー達、創設者達の、活動と熱心さ(非道さ!愛)を忘れてはならない。彼らは、何千人ものの我等が民を目覚めさせ、倫理的、物質的協力を惜しまなかった。

 ここで協力してくれた同盟宗教者達、結社に属さず共に戦った父、兄弟、協力者への賛辞(批判)を、歴史の頁に刻み付けなければならない。彼等は、怠け者の、役立たずな社員より、はるかに大きな働きをした。この結社に所属することなく、その倫理的、物質的援助を惜しまなかった、これら裕福で恵み深き人々の価値ある勧告により、我々は新しい制度を設けるに至った。別な名称を持つ同じ結社を、各所に創設するという事である。情報によれば、結社『秘密の力』に所属することに、多くの人々が恐れを懐くようになっているからだ」

【第14章、名前の違う諸結社の創設】

 我々の行動によって予想もしない成果を得、堅固な土台の上に仕事を築き、加盟各神殿を中央神殿の指令に従わせてから、我々はエルサレムに戻り、九人の創設者の前で集会を開いた。そこで、支部神殿の創設で果たした旅と使命の範囲を、各自報告した。
 ヘロデ王はこの成果を、ことのほか喜ばれた。王は、ペテン師達の前で我々が見せた勇敢な態度をいっそう喜ばれ、我々が手段を尽くして彼等の多くを殺し、彼等の策略を封じ込め、彼等の宣教を滅ぼし、彼等の罠を無効にすることにどれほど成功したかを知って、非常に感銘を受けられた。

 我々は、これによって、人々が彼等の集会に出る事を阻止した。無知な者達は重要とは見なかった。彼等は下層階級にしか属してはいないからである。集会の中で、名称は違えど同一の基本精神を持つ加盟組織を結成すると云う案を、ある裕福な運動家が提起した。

 この案は、王とメンバーの合意を得て、記録された。加盟組織の名称は、「秘密の力」と同じ原則を取らなければならぬと云う基本合意の下、それぞれの創設者或いは指導者の責任において選択する。位階精度、合図、道具等、我々の結社の特徴に関わるものは例外とする。手と手を重ね合わせる図象がこれら組織のシンボルで、一致と協力が其の意味になる。

 これらブラザーフッドの誓いは、次の本文に統一される。

  私、誰々の息子、誰々は、神(サタン・ダビデ)と我が信条と、我が名誉に掛けて、結社が遂げようと望む全てのことに関して、自分を結社の兄弟達に結び付け、彼等に協力し、死に至るまで彼等と心を一つにすることを誓います。

 この勅令をもって、我々は各自誓いの写しを手にして会議を終えた。各自は、おのおの場に戻り、第一の努めを怠らぬよう、仕事に取り掛かった。

 こうして、我々は戦いの道を前進し、「ユダヤ人兄弟団」、「国家連合」、「宗教同盟」、「宗教責任」等の別々な名称を持つブラザーフッドを急遽設置した。これら兄弟団は、我々が創設者に指名した指導者の意思によって、大きな前進を遂げた。

 我々の結社と兄弟団との関係を知っているのは、彼等だけである。彼等の大部分は裕福な者達である。彼等の物質的支援によって、兄弟団の会員数は増え、彼等の数は我々を上回るようになった。我々は、宗教の下に、民族の名の下に、彼等を大いに賞賛しよう。彼等の名と我々の名は、時の終わりまで、歴史に残ることであろう。


【第15章、組織の創設者、ヘロデ・アグリッパの死】
 ヒラムの話は続く。

 「結社の創設者は、至るところで仕事に掛かった。彼等は戦い、自分を犠牲にし、教理を広め、神殿とブラザーフッド(兄弟団)の数を増やし、偽りの説教師と激しく戦うと云う、アグリッパ王の命令を受け取った。この戦いは、二人の偉大な人間、アグリッパ王とヒラム・アビウデによって整えられた。

 彼等の名は、ときの終わりまで、輝かしく覚えられることになろう。この結社を持って、彼等は、ユダヤ教保護の為、祖先を超えて全民族の上に甦ったからである。先祖はペテン師を迫害し、殺し、磔刑に処したが、この二人の大思想家は、誰にも想像出来ない程の仕事を果たした。

 彼等は、イエスの弟子の何人かを殺す一方、極秘の努力と厳格な指令により、これら混乱した先導者を何百人となく殺す大仕事をやってのけた。この戦いのさなか、我々九人と中央神殿と他の神殿の同志達による戦いが極まった時に、アグリッパ国王陛下は眼病に掛かられ、五日以内に目が見えなくなられた。それから体を冒され、全身麻痺を起こされた。

 だが、このような苦しみの中でも、陛下は戦い抜くよう、我々を鼓舞された。国王陛下は、そのお苦しみの中で、一番身近にいた私[これを書いているのは、ヒラム・アビウデの後継者、アブラハム・アビウデであり、語りは、九人の創設者の一人、ヒラム・アビウデであると解される]に、最後の秘密と最後の意志をお伝えになり、激しい感情を込めて、次のように仰せられた。

 『秘密を守れ、活動し続けよ。休まず働け。全てを粉砕し……』。ここまでお話になられて、陛下は息をお引取りになった。私にとって、これらの言葉は最大の喜び、最大の名誉である。私はこの言葉を演説の中に取り入れ、聖なる言葉として私的、公的会合の場で披露しよう。『秘密を守れ、活動し続けよ。休まず働け!』。私は、この言葉が我々の仕事の中心的な土台となり、その上に立ち、ペテン師イエスの説教師を根絶することを希望してやまない」


【第16章、ヒラム、総裁の地位を継承する】

 アグリッパ王の死後、八人の創設者によって実施された合法的選挙により、満場の一致をもって、ヒラムがエルサレム中央神殿大監長、結社「秘密の力」総裁に指名された。王の代わりに、アグリッパが委員に指名された。彼は戦慄の誓いを行い、結社の秘密を知った。

 ブラザー・ヒラムは、誠に、国王と我々が証言した「真の創設者」の名に相応しい人であった。全員が、彼の知恵と意思に感服した。ヒラムが継承の際に提案した事の一つに、エルサレム神殿に「大いなる東の星」と云う、もう一つの名を与えるというものがあった。

 彼は、ペテン師が幼児であった時に彼を訪問したと云う東の王達が言いふらした星ではなく、この星こそが我々を照らし導く真の光であることを、明らかにしたいと考えた。次いで、ヒラムは、総裁の背に面する神殿の奥の壁、頭上の高い位置にこの星を描き、「大いなる東の星」と云う紫色の文字を囲むよう命じた。又、入り口の上にも、同じものを描くように命じた。

 総裁は、パレスティナ北部に支部神殿を設置する運動を起こし、モアブ・レビを総代に任命、自らも各地に出向いて神殿を設け、イエスの説教師達の教えが虚偽であることを説いて、人々の心にペテン師への憎悪を植え付けるべく尽力した。イエスの信者を迫害し、彼に従う民衆の心に恐怖心を植え付ける長い旅の中で、ヒラムはシドンに着いた[レバノンの町]。

 そこで、イエスの信者の数が非常に増えていることを知り、彼は創設者の同志に応援を頼んだ。モアブは、彼の許に二人の同志、アドニラムとアグリッパを急遽派遣した。彼ら三人は、行く先々でペテン師を迫害し、彼等に教えを説く暇を与えぬよう、村々に先回りして妨害工作を行った。


【第17章、ヒラムの失踪】

 三人の使節は、シドンの東部で分かれ、レバノン地方に入り込んだ。アドニラムとアグリッパとの間で会合を開き、別れて暫くしてから、ヒラムは仲間の知らない内に姿を消した。この失踪を知らされ、アグリッパは叫んだ。「ヒラムが消えた。我々の総裁は殺されたのだ。何たること。シドンで彼を見たのが最後になった!」。

 この知らせがエルサレムに届くと、病に伏していたヨナハンを除き、創設者は皆シドンへ旅立った。彼等は、ブラザーであり総裁であるヒラムの捜索を開始したが、何の痕跡も見つからなかった。神殿から仲間に随行して来たヒラムの甥のトバルカインは、住民から寄せられた幾つかの情報に基づき、ヒラムは狼の餌食になったのかも知れないと付言した。

 冬のさなかに、狼が一人の托鉢僧[我々は托鉢層を装って歩いていた、とトバルカインは言っている]とその他数名の人々を襲ったとの噂が、村人の間に広がっていたからだ。この為、班に分かれて捜索を急いだ。彼が死んだと云う話が事実なら、その遺体にめぐり合えるかもしれないとの希望を持って、班ごとに村人を同行させた。

 アソニラムとトバルカインは、東南方面を捜索し、木の下でハゲワシが三羽、何かの上に群がっているのを、遠くから目撃した。近寄ってみると、ハゲワシその他の獣に引き裂かれ、ほぼ食い尽くされた遺体を発見した。着衣と、特に、槌の図案を刻んだ銀の指輪[九人は、各自、神殿からこれらの宝石細工を携えた、とアドニラムは言っている]から、ヒラムの遺体である事を直ぐに知った。

 彼等は、遺体と着衣、指輪、其れに遺体の横たわっていた木の枝を取り、エルサレムに帰還した(木の正確な種類は分からないが、アカシアの木であったと信じられている)。エルサレムに着くと、全ての品を神殿に献じた。甥のトバルカインが、ヒラムを継いだ。彼は誓いを立て、結社の秘密を知った。そして、モアブ・レビが総裁に就任した。

 新総裁が最初に命じたのは、エルサレム神殿と他の支部神殿を、ヒラムの死を追悼する黒い幕で覆う事だった。それから、彼は、同じ晩に全ての神殿で、「神秘の者たち」のみによる、荘厳な終夜祭を実施するよう命じた[「秘密の力」のメンバーの事]。

 それから、この終夜祭を、結社が続く限り記念するよう命じた。我々がこの命令を読み上げると、全てが記録に留められた。次に、第一書記をアドニラムに、第二書記をヨハナンに委ねるよう命じた。

 アグリッパ王は、第三位階を「マスター・ヒラム」と名付けるよう命じていた。モアブ・レビは、マスターへの忠誠の徴に、社員が第三位階を授与される毎に、終夜祭を挙行するよう命じた。この儀礼により、社員は死んだ兄弟ヒラムを象徴し、彼の記憶を永遠にわたり留める事になる。

 これらの命令が記録され、結社の基本法の一部となった。次の会議で、私が提案を行った[この事から、写本に記録しているのは、ヒラムの甥、トバルカイン・アビウデである事は明白である]。
 「創設の年代を何千年か戻すと云う組織の原則にとって、最適と思える案を考えました。兄弟達よ、私は、この案によって、叔父のヒラムの名を誇張しようと考えているのではありません。断じてです。お聞き下さい。歴史の本文に記載されている中心的指令の一つは、結社の会員を含め、誰からも組織創設の年代を隠蔽し、その起源を完璧に判らなくするというものでありました。

 私の案はこうです。私達は、この忠誠の夜祭が、ソロモン神殿の建造者で三人の男に殺されたシリア人、ヒラム・アビフを記念する為のものである、と秘密の者達に知らしめなくてはなりません。この隠蔽工作により、結社の古代性を誰にでも確信させ、秘密をいつまでも守る事が出来ましょう。これによって、私達九人は、結社の殉教者である、我が叔父ヒラムの記憶を、不朽のものにする事が出来ましょう。

 其れから、結社の古さをよりいっそう確信させる為、中央神殿が夜祭の挙行を命じた日を、人類創造の日に変えなければなりません。この箇条を加えて、記録する必要を認めます。こうすれば、我々の真の日付を創造の年まで戻し、我々は全世界に先入観を広げる事が出来ましょう。兄弟達、あなた方はこの案を採択されますか」

 全員が、トバルカインの提出した案に満足の意を示し、時に適ったその知恵に感嘆しながら記録に留めた。次いで、アドニラムが言った。
 「総裁は、同じ夜に忠誠の夜祭を行うよう言われましたが、これは特に、今の時期には相応しくありません。又、我々に加わるよう、他の神殿に通知するというのも、相応しくないと思われます。どうかお聞き下さい。我々の兄弟のヒラムの死は、既に知れ渡っている事ですから、この夜祭がソロモン神殿の建設者ヒラム・アビフの追悼式であると他の兄弟に信じさせるのは、非常に難しいと考えます。

 我々九人だけが、誰にも知られることなく、兄弟のヒラム・アビウデの霊の為に、終夜祭を挙行せねばなりません。時が経ち、人々の記憶からヒラムのことが薄れてしまうまで、其れを隠しておく必要がありましょう。

 我々九人と、諸世紀を超えて我々を継いでゆく者達は、其れを忘れることはないでしょう。我々九人各自が、この歴史の写しを手にしているのであれば、どうして其れを忘れる事が出来ましょうか。

 このようにして、我々は、第三位階の終夜祭が、結社の創設者にして我等が大兄、ヒラムに関係している事を、『秘密の者たち』の誰にも知られることなく、この隠蔽工作を完遂させることが出来ましょう。

 このようにすれば、誰もが、第三位階の終夜祭はソロモン神殿の建設者、ヒラム・アビフの為の行事であると信じ込み、結社の起源がソロモン神殿以前にまで遡ることを、深く心に印象付けることでしょう。

 そのようにすれば、誰一人、結社の日付も、目的も、場所も、創設者の名前も、知ることはなないはず。兄弟達よ、この提案の為の本文を準備しても宜しいか」。

 我々は其れを採択し、アドニラムに仕事を一任した。


【第18章、第三位階はヒラム・アビウデの葬式】

 アドニラムに割り当てた仕事が完了すると、我々は、この問題を議論する為に会合を開いた。会議の間に、ブラザー・アドニラムが次の原案を読み上げた。

 「我々はみな、ヒラムをアグリッパ王と同じ程高く評価しています。そして、陛下が第三位階を『マスター・ヒラムの位階』と名付けるよう、命じられた事も知っています。この位階を更に導く、王ばかりヒラムへの忠誠のしるしとする為に、これから読み上げることを、第三位階の儀礼の一部にするべきと信じます。

 1、ブラザー・ヒラムの遺体を、入り口の開いた暗い部屋に安置する。部屋には、彼の外套、衣類、指輪、その他に、遺体と共にあった木の枝を置く。
 2、我々の内二人は、遺体を求めて辺りを歩き回り、見出せなかったことを嘆きながら戻って来る。
 3、其れから、五人が同じ目的を持って歩き回り、遺体を見出せないまま泣きながら戻って来る。
 4、其れから、我々全員が、分かれて辺りを捜し回り、ようやく隠れた部屋で遺体を発見する。
 5、次いで、棺と黒い外套を用意してから、何人かが戻り、遺体とヒラムの所持品を取り、棺に収めて黒い外套で覆う。
 6、我々は、遺体を神殿に持ち帰り、外套の上から『死』と『生』の言葉を書く。それから、喪に服し、各自は泣きながら、悲しみと嘆きの言葉を口に出す。
 7、我々は、三つのランプに火を灯す。二つは東の方位を向く彼の頭の上に、三つ目のランプは彼の脚の上で灯す。これは、我々がイエスを磔にするのに使った三つの釘のシンボルである。
 8、総裁が、彼の性格と働き、結社に与えたその恩恵を述べながら、彼の霊魂に祈りを捧げる。彼は結社の創設者であり、宗教的義務の為に殉死したことを思い起こす。だから、彼は生きているのである。彼はいつまでも我々の中に、今述べたこれらのシンボルの中に生きているからである。
 9、我々は、棺の覆いを取り去り、彼が話し掛けているかのように、遺体に見入る。其れから、総裁はこのように話す。『ヒラムよ語れ。あなたの戦いについて私達に語りかけ、誰があなたを殺したのかを述べよ。あなたが自然死を遂げたのではないと聞かされているから』
 10、総裁は、遺体の頭の近くで跪き、ヒラムに代わって、次の言葉を述べる。 『兄弟よ、私はあなた方を戦いの最中で捜したが、最後の時にも、誰も見出せなかった。確かに私は自然に死んだのではない。一つの手が私を殺したのだ。敵か、さもなければ彼等の信者の手が。私は、あなた方から遠く離れて死んだ。だが、私の記憶は、時の終わりまで、あなた方の中に生き続ける。私の記憶と原則をいつまでも保ち続けよ。我等の宗教を分裂させたペテン師の信徒を攻め、私が戦ったように戦え! 恐れるな。私の為に嘆くな。私は死んでいない。私は、時の終わりまであなた方と共にいる。我等の宗教を結束させる使命を捨ててはならない。私は、何処にいてもあなた方を助ける。私の魂は、常にあなた方の為に祈り、目はいつまでもあなた方を見守っている。我が不滅の掟の秘密を守り続けよ(「この目」が、1ドルのピラミッドの上の目になったのである!ガブリエル)。
   私は、あなた方にこの秘密の建造物を建てるのに使った道具を伝えよう。私は、あなた方に、一つの名といつまでも生き続ける記憶を与えよう。あなた方の敵を、ペテン師の信者等を攻撃せよ。増え、成長せよ。私はここで、あなた方の行いを見守っている。世の終わりに、<おお、ヒラムよ、あなたは私達と共に生きていたのです>と叫ぶあなた方の声を聞く時に、私はあなた方を裁こう(悪魔の審判!ガブリエル)。兄弟なる創設者達よ、私はこの荒地からあなた方に呼び掛け、あなた方に挨拶し、あなた方と結社の為に命を求める。あなた方の敵に死を!』
 
 ヒラム自身が話したかのように、総裁が跪いたままこの朗読を終えると、神殿の傍らに用意した墓に遺体を収める準備に入る。この後、第三位階(即ちヒラムの位階)の候補者が置かれるべき最初の状態は、我等が死んだ兄弟のヒラムになりきり、結社の掟を守る為に、彼が戦いの中で受けた屈辱と苦しみを自ら受けると云う事。志願者は、ヒラムの遺体を象徴する棺に、身を横たえなければならない。棺は、彼を入れたまま、暗室に放置される。これは荒地で死んだヒラムを象徴する。それから、棺は神殿に運ばれ、ヤキンとボアズの二本柱の間に置かれる。

 さて、兄弟達よ、大事な事を知って頂きたいのです。第三位階に至った者は、その秘密を、自分以下の者達に漏らしてはなりません。後者は、この秘伝を終える時までは、秘密を一切知ってはなりません」

 話を終える前に、アドニラムは「この提案をいかが思われますか」と語った。これに対し、我々は彼の案の正しさを認め、記録に留めた。翌日、私達は採択された手順に乗っ取り、ヒラムの遺体を埋葬した。遺体を埋葬してから、我々九人は忠誠を誓う夜祭を行い、最後にアドニラムが言った。

 「兄弟達よ、これらのシンボルは、我々九人とその後継者の為のものです。この為、九人の後継者の間だけの、記憶と秘密となることでありましょう。それ以外のブラザーは、誰一人、この儀礼がヒラム・アビウデに向けられたものである事を、知ってはなりません。其れが露見すれば、我々の結社が、イエスの信者達と戦う為に、つい最近結成されたものである事が分かり、新たに加入しようとする者達を遠ざけて、面倒な事になりましょう。我々の目的を実現し、秘密をいっそう強める為に、これらのシンボルの他にも、ソロモン神殿の建築家ヒラム・アビフに関わるものや、シンボルを加えなければなりません。私がそれらを準備し、あなた方に説明しましょう。

 こうすれば、秘伝者はヒラム・アビフを象徴していると誰もが信じ、結社が遠い昔から受け継がれて来た、極めて古い性格のものであると、確信することでありましょう[ヨナ註:私達の先祖の滑稽な伝説であり熱狂主義である。結社が存続する限りこのシンボルも残すよう彼等は主張した。本書の第一部(『ヘロデの呪いー暴かれたユダヤ古写本』の中の第一部構成は、英国がどのようにして近代フリーメーソンを設立したかをユダヤ人との関係で説明されている!愛)にも書いたことだが、私達の先祖のジョセフ・レビがデザギュリエに先ず求めたのが、このシンボルと伝説の保持だった]。この位置は、最も重要な伝統を帯びるものである事を、覚えておかねばなりません」。

【第19章、神殿に入る際の認識合図と手順】

 アドニラムは言った。

 「我々は、結社のシンボルを、星や、建設用具、偽者が話した事、行った事から取り入れました。今度は、我々九人だけではなく、秘密の者達誰もが知って差し支えない、一般的な合図を考案しなければなりません。彼等が、どんな場所にいても、互いを認識出来る為に。私が考案したものをここで述べましょう。

 1、神殿に入ろうとする者は、神殿議会が彼を『秘密の者』と認識出来ぬ内は、中に入る事は出来ない。彼が秘密の言葉で正しく答える事によって、其れがわかるようにする。
 2、神殿に入る時には、規定通り、三歩目で二つの柱の中央に来るようにしなければならない。それから、次の儀礼をもって、総裁に拝礼する。先ず、右手を頭上に挙げる。次に、其の手を降ろし、首のすぐ下の胸に、開いたままもって来る。この儀礼を三度繰り返す[ヨナ註:私自身が行ったメーソンリーの研究によってもわかるように、近代メーソンリーは、これらのシンボルを幾分発展させていることは明らかである]。総裁は、立ったまま槌を三度打ち鳴らし、脅すように、訪問者の頭上にこれを振りかざす。それから、総裁は席に座り、訪問者も座る。訪問者の動作は、会員になった時に授かった誓いを三度すること、彼が活発に結社に奉仕していること、忠実で決して裏切らないことを表している。総裁の動作は、裏切りに対する死の報復を表している[ヨナ註:新メーソンリーでは、これは変更されている]
 3、秘密の者達は、自分を知らしめたいと思う時には、その仕草が人目につかぬという条件で、どこででもこの動作を行う。
 4、危険が迫った時、助けを呼びたい時には、握り拳を頭上にかざす。近くに仲間がいれば、彼に援助の手を差し伸べる。
 5、目による認識。先ず、額を見る。次に、左肩を見、それから右肩に視線を移す.相手が『秘密の者たち』であれば、彼も同じように行い、認識する[ヨナ註:新メーソンリーでは、これを変更されている]。
 6、接触による認識。言葉に表すのが難しいが、これは次のような形で行う。二人が握手をして挨拶を交わす際に、ブラザーは、親指で相手の人差し指の第一関節を軽く押す。相手が結社のメンバーであれば、彼も同じサインを返して認識し合う[ヨナ註:この挨拶は、新メーソンリーでも保たれている。それは、それは、最初の基本動作の一つであった為、先祖のレビが保持するよう強く求めたからである]。
 7、話による認識。『合言葉』を作るのが適切と私は信じる。其れは我々にとって聖なる言葉でなければならない。私は、『BOOZ』と云う語を提起する。組織の者かと尋ねられたなら、先ず『B』と答える。相手は『O』と言葉を返す。すかさず『O』と答え、相手は『Z』と答える。こうして、互いに認識し合う[新メーソンリーでは修正されている]
 8、年齢による認識。イエスとその行動と教えを、ありとあらゆるもので軽蔑する我々は、結社の位階の数を、彼の歳と同じ”33”とした。私は、『秘密の者達』の年齢を次のように定めたい。

  A 第一位階から第三位階までの結社員は3歳とする。ペテン師が三日間墓の中にいたと云う信仰を嘲る意味が、ここに込められている。
  B 第四位階から第三十位階までの結社員の年齢は、ペテン師の歳を嘲る33歳とする。
  C 第三十一位階から第三十三位階までは、ペテン師が墓から甦り天に昇って永遠に生きるとの信仰を皮肉り、年齢を無制限とする[新メーソンリーでは修正されている]
  D 我々は、結社が人類創造の時から始まっているものと見なす。そこで、『寡婦の母の年 齢は』と聞かれたなら、天地創造の時からと答えねばならない。

 『寡婦』は我々の結社。その最初の総裁であられたアグリッパ王は、寡婦の子にして我等の大兄、ヒラムの記憶を新たにする為に、このように命名されたのでありました。あなた方は、この掟を世時の終わりまで保っていかなくてはなりません」

 この話は、満場の一致をもって記録された。


【第20章、第三位階の式次第】

 トバルカイン・アビウデは言った。

 「私は、伯父のヒラム・アビウデが死んで何年か後に、アグリッパ王の遺志と私達の初期の法令を実行に移す責任を感じました。其れは、第三位階すなわちマスター・ヒラムの位階が、法に定められた位階であることを、結社の他の神殿に知らしめるというものです。私は、自分の意見を、我が八人の同志達に告げ、この案を採択していただきました。約束通り、我等がブラザー・アドニラムが、ソロモン神殿の建設者ヒラム・アビフを仄めかし、彼に由来する補足資料を整えています。この件について、アドニラムがご報告いたします」。

 アドニラムが口を開いた。

 「どのブラザーであれ、第三位階に昇格する者は、私達九人がヒラム・アビウデを弔う終夜祭で行った儀礼を皆、体現しなければなりません。其れは、次の方法で行います。

 棺を暗室から神殿に移し、総裁の言葉を含む、全ての儀礼が終了してから、我々の宗教戦争の殉教者、ヒラムを象徴する志願者(他神殿の特殊儀礼から、ブラザー・ヒラムを暗示するものを全て外し、ヒラム・アビフを暗示するものに変える事を忘れてはなりません)は、棺から目隠しされたまま起こされ[ヨナ註:古代メーソンリーでは、第三位階(マスター・ヒラムの位階)に昇るときのみ、「秘密の者」は両眼を覆われたようである]、総裁は彼を神殿の閉じた入り口の一つに導いて声をかける。『ドアを三回叩き中に入れ』 志願者はドアを三度叩く。委員の一人が内側からドアを開け、ペテン師イエスの槌[イエスの釘付けにするのに使った槌である]を手に、志願者を中に入れ、この槌で志願者の背中を叩いて言う[象徴なので、この打撃は軽い。新メーソンリーでは、打撃の場所は変更されている]。『あなたはどこにいたのか。どこに行こうとするのか』 志願者は答える。 『私は今まで怠けていました。今から戦いに行くところです』 委員は答える。『あなたは道を間違っている。他の道を行け』 

 ここで、先導役は別の戸口に志願者を導き、そこで三度ドアをノックさせる。中から別な委員がドアを開け、今度は、志願者の額を槌で叩く。前と同じ問いかけがあり、同じ答えが返される。ここで、委員は志願者に告げる。『あなたは戦う道に迷っている。道は険しく危険だと云う事を知り、私に付いて来なければならない』 彼は、志願者を三つ目の扉ないしは同じ扉に導き、その間志願者は多くの障害物や転倒を体験する。茨や岩の上に倒れたり、丘を昇り下りさせられる。こうした障害物は、儀礼の為に神殿の中に用意される。

 三つ目の戸口の前で、彼は再びノックする。ドアを開き、委員は、槌で志願者の頭を叩く。この時、付き添いは、志願者を死人のように床に投げ出す。それから、目隠しをしたまま彼を棺に入れ、上から外套を被せる。その場で、総裁かその他の委員が演説を行う。『兄弟達よ、あなた方は、この伝統的行事の中で、気高い目標を象徴する光景を幾つか目撃した。それは、苦しみと疲労と厳しさに耐える事なくしては得られぬものである。その目標は、人を死から生へ解き放つ事にある。これは、最も大きな死の苦しみを経験する事なくして不可能である。新しい志願者が耐えねばならない苦しみが、今述べた事を象徴している。新参者は、ソロモン神殿の建設と云うつらい仕事を遂げる、ヒラム・アビフを象徴している。建設と云う職務の秘密を死守する中で、彼が、三人の職人[ヨナ註:先祖のメーソンリー(秘密の力)では、ヒラムを殺した三人の石工の名前は記載されていない。新メーソンリーでは、彼等の名前は、ジュビロ、ジュビリア、ジュビルムになっている]から迫害を受け、重い罰と苦しみを受けてから三つ目の扉で殺されたのは、この為だった。これによって、戦いの道が、いかに険しく危険であるかが理解されてくる。だが、我々はそれを恐れてはならず、逃げてもならない。勇気を持って道を貫き、気高いこの結社の基本原則を固める目標を遂げなければならない』

 話し終わると、総裁は、志願者に立つよう命じ、彼は二本柱の真中に立ち、目隠しを外される。総裁は次のように話す。『この聖なる位階の志願者よ、あなたは、苦しみを象徴するこの棺に横たわったまま、私の話を聞いた。あなたは、勇猛果敢な精神を体現させた。秘密を死をかけて守り抜いたヒラム・アビフを体現させたのだ。ヒラムが選び、ソロモン神殿の背に立てた、この二本柱を見よ。この柱のようであれ。強い意志を持ち、堅固に掟を守れ』

 志願者は次の言葉を話す。 『私は力と遺志と決断と堅固さそのものです。私は、誰に対しても、低い位階の”秘密の者たち”にさえ、自分の見聞きした秘密を、一切明かしません』

 このようにすれば、新しい第三位階のブラザーは、自分の儀礼の中でヒラム・アビフを象徴していると信じ、この忠誠の儀が結社の創設者、我等が兄弟ヒラム・アビウデの記念行事だと云う事に気付くことなく、従って、この組織が最近結成されたということにも、その創設者が我々九人であるということにも、気付かずに終わることでありましょう。兄弟達よ、このようにすれば『秘密の者たち』にも、結社以外の誰にも知られることなく、我等が兄弟ヒラム・アビウデの記憶を再現することが出来ましょう。結社の創設者にして、我々の情熱と感謝の泉、父であるヒラム・アビウデの名を不滅のものにするという、我々の真意を知られることなく。私が今読んだものを採択されますか」。

 アドニラムの意見は全員に採択された。我々は其れを記録に留め、全ての支部神殿が第三位階の手順を知り、緻密に、極秘にこれを実施出来るよう指令書を送った。


 「★阿修羅♪ > リバイバル2 >」の航海者・名もなき人氏の2008.1.12日付け投稿「一神教と世界的陰謀の関係」。

 初めまして忍さん。航海者・名もなき人と申します。去年から今年にかけて忍さんのHPのいくつかの箇所を自分の投稿の内容を補強する情報として紹介させてもらいました。どうもありがというございました。ただキリスト教に関しては基本的に私はイエスは実在したとしてもデーヴィッド・アイクの説を支持します。

 「紀元前七二一年、イスラエル王国はアッシリアによって滅ぼされ、イスラエル人・カナン人は捕らわれの身となった。しかしユダ族とベニヤミン族はその後百年以上存続し、前五八六年バビロニアに征服され捕囚の民となった。古代バビロンは、レプタイル・アーリアンの階層制秘密司祭団の首都であった。このバビロンにおいて、ヘブライの司祭階級であったレヴィ族は、「真実を覆い隠す歴史」の製作に取り掛かった。またブラザーフッドは、古代の知識を独占すべく世界中の図書館の破壊を画策していた。そんな彼らが真実の歴史を公に書き記したりするだろうか。「一般大衆向けの歴史」を捏造したと考えるのが筋だろう。バビロン捕囚期にシュメールの知識や神話を得たレヴィ人は、架空の物語に象徴的真理を織り交ぜて旧約聖書の基礎を作り上げた。いわゆるイスラエル人がそれらの書物を作ったわけではなかった。 レヴィ人が旧約聖書の基礎となった書物の製作にとりかかったとき、イスラエル人はすでに各地に散らされていたからだ。『トーラー(ユダヤの律法)』を構成する「創世記」「出エジプト記」「レヴィ記」「民数記」はすべて、バビロン捕囚期およびそれ以降にレヴィ人によって書かれたものである。」(デーヴィッド・アイク『大いなる秘密上』 220-221頁)

 「サンスクリット語、シュメール語、エジプト語に堪能なL・A・ワッデルは(イスラエルの)周辺一帯をくまなく調査した結果、次のような結論に達した。

 「いかなる碑文にも、また古代ギリシャや古代ローマの文献にも、旧約聖書に出てくるアブラハムやイスラエルの太祖、預言者たち、モーセ、ダビデのほか、サウルやソロモンをはじめとするユダヤの王の誰一人についてさえ、その存在を記したものは皆無である。わずかな例外として、後年の王がほんの数人認められるにすぎない」

 また、この中のどの人物についても、レヴィ人がバビロンに連行されてそこで話の筋書きが出来上がるまで、彼らの存在を主張するものは一切なかった。もう少しで息子を生贄にするところだったアブラハムと同種の話はインドにもある。「モーセ」の若者版は中近東の至るところで見られ、地中海地方では違う名前が使われている。」(デーヴィッド・アイク『竜であり蛇であるわれらが神々 上』 442-443頁)

 私は一神教は世界的陰謀(グローバル・コンスピラシー)を実行する上での表の人心掌握の役割りを持ち、イルミナティ・フリーメーソンは裏で騒乱を画策する実動部隊としての役割りを持っていると考えています。だから両者は表裏一体、車の両輪というのが私の意見です。火水伝文(ヒミツツタエフミ)にそのことに触れた箇所があります。

 【火水伝文】全文
 ttp://moonpillar.blog73.fc2.com/page-5.html

 火水伝文 114-119

 これより日月に至る神仕組み、伝え参るが、そが前に、真釣りと魔釣りをタテワケて、今世の魔釣りを統べ魔釣る、悪き響きの自らに、伝え語らせあるが由、じくりと聞きて見なされよ。 真釣りも魔釣りも二つ共、元つ仕組みのマ釣りにありて、表裏一体のものにてでござるが、ハタラキは全くの逆様でござるから、よくよく注意申して置くぞ。一つは【タテナオシの真釣り】にてあるぞ。今一つは『タテカエの魔釣り』にてござるのぞ。今今の世のマ釣り申すは九分九厘、魔釣りとなりて居るを先ず先ずに知りて下されよ。スメラの真釣りと、ユダヤの魔釣りのことにてあるぞ。 今今に伝え知らす事程にハキリ、タテワケ下されよ。

 魔釣りの負うたタテカエ申すは、汝等の界にありては破壊とは見破られん様に、進歩と見紛う様に仕組まれありたのぞ。元つ真釣りた仕組みを取り違え、【自らの神を迎えんがため、醜くケガレしこの地の上を、魔釣る仕組みの力にて、タテカエ払い清めんと、思いなしたが初めであるぞ。】彼の者共の心、聞いてみやれよ。そは、『この地にある者共は『我善し』力で欲望を、追いて尽きせぬ者なれば、恥も節度も無きが由、よもや人とは申せまじ。仇醜き獣なれば、この地を汚すは許せまじ。神に選ばれ約せある、ユダヤの民の負うところ、統べる御神の尊きに、無礼がありてはならぬ由、獣の卑しき性情を、煽り使いて喜ばせ、自ら滅ぶ大魔釣り。金銀名誉に性欲を、加えまぶしたエサなれば、獣なる身にては抗ぜまじ。心と体を弱めれば、知恵は元々弱き由、扱い易き家畜なり。卑しき家畜の獣なれば、知力申すも底浅く、知恵にてだますはいと易き。薄弱虚弱に致すには、身欲を煽れば自らに、競って群れて来る程に、エサの加減で操りて、『あやま知』どんどん植え付けて、科学の名にて衣与え、科学の名にて食与え、科学の名にて住与え、過つ教えの出す毒で、自ら滅ぶが獣なるぞ。自ら滅ぶ学説を、見通す力の目も持たず、有り難がりてマ釣り上げ、身欲携え進み行く、進むが囲いのその奥へ、出口あらざるその中へ、おだてすかせばいと易く、我先誇りて進むなり。神の支えるハタラキを、金の支えるハタラキに、だまし身欲と結ばせて、見える身欲を作らしめ、工業興して物作り、返すカタナで地を壊し、金無き身にては何事も、適わぬ世界と成さしめて、欲を煽りた夢魔釣り、叶うは難きも解からずに、手のへで踊るあさましさ、生くる基になるはずも、何の力も無き金に、まんまと命を預けたが、我が手に命を預けたと、気付けぬ愚かな獣なるぞ。

 卑しき家畜の獣なれば、神を敬う心なく、ありても選ばれ無くあれば、いずれ我らの邪魔になる。持ちたる敬神壊すため、自由、平等、博愛を、幾年使うてバラマキて、敬う基を迷信と、成して潰すが教育の、我らが仕掛けし裏舞台。功をそうして世界中、上下無き世と成り果てて何から何まで平等と、狙い通りの混乱を、狂いたタワゴト信じ込み、我らが図りし策略に、まんまとはまりし獣なるぞ。家畜の生くる基なる、衣食住成る基なる、神の創りしその糸を、勝手にむさぼり費やすは、神の御国を汚し行く、許すは適わぬ事なれば、魔釣りた糸とすげ変えて、生くる基と切り離し、衣食住する物買うに、総てが魔釣りた糸なくば、生くるも適わぬ世と成して、偽の三ロク(六六六)に従わす、魔釣りた企九分九厘、成就致した今今が、世界を手中に致す時。残る最期の裏芝居、今今今に幕引きて独り立ちたるヒノモトを、餌食に致して世を潰す、我が神統べる時成るぞ。

 ユダヤの身魂の我が民は、神に選ばれ約せある、汚すも尊き民なれば、世界の要所、要所にて、使える獣を操りて、身欲とカを叶えさせ、血縁、血族成さしめて、魔釣る仕組みに働かす、ニセのユダヤを創りたり。我がカを持ちあれば、地位も名誉も即ザマに、与うも奪うも自在なり。自ら望みて入り釆たる、身欲固まる獣達も、余す所も無き程に、縦横無尽に配したり。いずれ元々獣なれば、生かすも殺すも獣達の、忠誠次第で決めるなり。心惑わす業持ちて、ケガレ逆巻く悪しき世に、させるが獣の仕事なり。獣を使うて獣潰すケガレを払う仕組みなり』

 彼の者共の心底解かりたか。見通す力の目いうは、何でも見通す日の事ぞ。第三の目の事じゃ。しかあれ、そは知恵の目なり、真釣り無く開かれるは魔眼と成るなり。【蛇の登り切りた姿なり。】蛇の精一杯の姿にござるよ。しかあれこれにて寸止まりでござる、真釣り無き知恵は枝なり葉なり。カミカエラねば自ら持ち行けぬサダメであるよ。

 魔釣りの経綸申すものは、自らの神を迎えて千年王国を創ろうと、神に仇成す汝等に、身欲のエサをちらつかせ、汝等の心を曇り曇らせ、獣の心と鳴り成らせ、生くる総ての神の糸を彼の者共が支配して、逆らう事の出来ぬ様に致しておいて一挙に汝等の首根っこを押さえる仕組みが、 魔釣りの経綸の表の意味でござるのぞ。こがイシヤの仕組みでござるよ。大き仕組みをいと易く、知らせ伝え申したなれど、魔釣る仕組みは汝等の、日々生くる事どもに裏に表に綾なして、魔釣りた糸を引かせある、知らぬは汝ばかりでござるのぞ。何でもかんでも楽なミチには気を付けなされよ。心が獣に成りて来るぞよ。苦を避けむ甘き心が危ういぞ。しかあれ、この世に悪生ぜねば、発動致さぬ仕組みでありたを忘れて下さるなよ。

 忍さんのHPの『国家風雲急なり』に載せられていたグローバル・コンスピラシーを遂行する秘密結社の構成員とおぼしき人物からの警告書が興味深かったです。普通なら悪戯と判断すべきですが、筆者の高い文章力と、文章から窺われる彼らの思想から判断して私はそれを本物だと考えます。その文章の中にもデーヴィッド・アイクの説と火水伝文の上記の引用とも照応する箇所があります。国連総会宛ロックフェラーの書簡にも似た箇所があるので併せて引用させて頂きます。

 ◎国家風雲急なり◎
 ttp://hiroshima.cool.ne.jp/h_sinobu/kokkakiki1.htm

 我は結社に属するもの。貴公の幼き活動を察知し、まいりたまえしもの。【降臨すべき者を支援するを我が使命とす。】貴公の活動、これ、我らにとって相容れざるもの。貴公の活動、これ、何ものも変化させるに到らじ。千乃裕子の零波も、我らにとっては未だ卑小なる。巨大な流れを押し留めんとするは愚かなり。我ここに警告す。今よりの活動、これをもって停止せよ。我ら、貴公を追及することを願わず。しかし、これを真摯に受け止めぬは、我らの警告を無視したと判断せり。よって、虚無と闇の訪問を受けるをは必至。
小さき者よ、総意を怖れよ。さもなくば、己の安住の地、見つけること適わぬ。

 己自身の言葉と思考を持たぬ者よ、すべて他人の思想を受け売り流布しているにすぎぬ。小さきものよ、狭き視野で正義と悪を語るべからず。我らの視点、正義も悪も同義なり。何をもって正義となするか、己の言葉で思考すべし。【己の振りかざす正義、多民族を幸福には導かぬ。よって我ら結社、古き時代よりここにある。】邪悪ならざるも卑小なる者よ、己の言葉で我に答えよ。さもなくば、一卑小思想流布団体の手先とみなし、我ら貴公を放置せざらしめん。より巨大な流れを畏怖せぬ者は、尚も持って災厄が訪れん。

 貴公の知識、我らを理解するに足りず。因って我ら、自らを語ることをせず。己の知識不足と視野の狭さを鑑みよ。我ら、貴公の想像を超えた存在なり。貴公、凌駕すること適わぬ。我ら、フリーメーソン等の形骸化しせり組織と異なる。遥かに古く、大きな存在であると心得よ。極東の小国のみを知り、和書物や力弱き教祖の説法からのみの知識を振りかざすは笑止。己自身の霊能力の無さを、知識で埋めるは愚かなり。

 我らの組織、世界に散らばる無数の会員、各々が力を持てり。我もその一人。結集し、清水の国の地を揺らすも可能。貴公の小さき活動、止めねばその力を知ることとなる。貴公の信じる神は死し、すでに我らを押し留めんとするを適わん。因って、我らの力を見よ。

 幼子よ、我ら悪戯に人の死を望まず。脅迫などという矮小な行為、これに趣を持たず。ここに警告するに留めり。我らの真意、真摯に受け止めよ。さもなくば清水の地、さらに揺れ、地底より証が現る。

 我、死を怖れず。死は生と同義なり。我死して尚、我らの意志に変わりなく、数億年の過去と同じ道を歩み、指し示す。我ら、聖白色同朋団などという小さき存在と異なる。貴公は分からぬ。神より大きな存在とその流れ。【ここに問う。「誰が神を創造したか」】千乃裕子などという小さき者の言をそのまま受けずして、己の目で見、己の言葉で語れ。貴公の視野、未だ小さすぎ、神の創造者を理解するに到らず。神を見ずして存在を妄想し、その神のみにすがるは愚かなり。力なき弱きものよ、小さき 千乃に問うがよい。神の創造者の名前。更に、その創造者を創造しせり者の名前。

 我、死を怖れず。死は生と同義なり。我死して尚、我らの意志に変わりなく、数億年の過去と同じ道を歩み、指し示す。我ら、聖白色同朋団などという小さき存在と異なる。貴公は分からぬ。神より大きな存在とその流れ。ここに問う。「誰が神を創造したか」千乃裕子などという小さき者の言をそのまま受けずして、己の目で見、己の言葉で語れ。貴公の視野、未だ小さすぎ、神の創造者を理解するに到らず。神を見ずして存在を妄想し、その神のみにすがるは愚かなり。力なき弱きものよ、小さき 千乃に問うがよい。神の創造者の名前。更に、その創造者を創造しせり者の名前。

 【創造神たる神の概念、人の弱さがこれを作りたること自明の理。】我、創造神を語らず。貴公の絶対的宇宙の法則と称するならば、何故その法則が生まれたかを鑑みよ。己の信じたき事象のみを信じて生きるは愚かなり。根拠無き妄想にすがるは弱きなり。我ら、悪魔にあらずして、正義たる存在でもなし。我ら、真理と黄金律を知る者なり。

 我、すでに貴公に言葉無く、これにて去りぬる。自己の妄想の世界、信じたきことだけを信ずる貴公に物言う口を持たぬ。我らの計画、すでに浸透十分にて、遂に事を起さん。我らの計画の妨げになるを安慮し、貴公に警告を発したる。されど貴公、霊能力無く、流れの妨げになる力あらずんばして、我の憂慮、事無きを得ん。我らの計画、机上の空論にあらずして、貴公の言う現実に浮上す。そのとき、貴公は知る。影なる我らの存在と力。太平洋と大西洋を隔てる巨大な大国にユダヤの血の流るる副大統領生まれしとき、我らの計画の布石が打たれん。恐怖に支配されるカオスの時代を受け容れずんば、貴公の未来なし。貴公のいう神、今は遠き彼方で敵と遭遇するにより、地上におらぬ。太古よりの我らが星、今こそ降臨し輝かん。

 数刻前、予告に従い三宅島に噴煙を上げさせたまえり。つまらぬ人の霊団には何もできぬ。我らの力、妄想だけにしてあらず。噴煙を見、我らを恐れよ。我らを止めること不可能なり。我は如何なる霊からも憑依されておらずして、結社の母体に帰属するものなり。その結社の母体なるもの、貴公は知らぬ。貴公の傍らにあって、傍らになきもの。人の言葉と書物だけでは理解しがたき存在。更なる災厄を望まぬならば、我に逆らうこと愚かなことなり。

 ■国連総会宛てロックフェラー書簡
 ttp://ninjin.nsf.tc/rockefeller.html

 国連総会宛
 
 終末の時が近づいている。好むと好まざるとに拘わらず、それは我々すべてが直面せざるを得ない運命である。二〇〇一年、九月十一日、世界は終末の目撃者であった。我々が見、経験したものは、まもなく明るみに出るはずの大災害には、比ぶべくもないだろう。非常に多くの生命が失われてきた、しかもなお、それ以上に多くの生命が失われるだろう、と言われている―この古い体制が崩壊し始めるに応じて、これらのことがらは起こり続けるだろう。【今存在している、あるいは古代からある人間の政府は、決してひとつも完全な支配は維持出来なかった。いかなる政府も失敗してきたし、失敗するだろう。
 
 政府はあなたを保護出来ない。政府は人々が真実に自由な場所、あなたの近隣の人があなたの家族であり、見知らぬ人たちがあなたの友だちであると言う場所、を与えることができない。いかなる人間の今日の政府も、これを達成することができないし、しないだろう。これが、アジェンダが設定された理由である。】それは、ずっと昔から、アルマゲドンとして言及されてきた。しかし、怖れないようにしなさい。それは核によるホロコースト、あるいは我々の文化を平坦にするだろう天からの迷った小惑星ではないだろう。実際、それは災厄を起こし、一掃する惑星ではないだろう。
 
 それは、仲間の人類に対して尊敬や、やさしい思いやりなどまったくない、この偉大な惑星の人間の住民であるだろう。次の年にかけてあなた方に各々は、幾つかのことを非常に深く真剣に考えなければならない。あなたは自分自身にこれらの質問をする必要がある:私は私の仲間に対する憎しみに打ち勝つだろうか、あるいは私は私の違いを忘れるだろうか、そして隣人たちと結び付き世話を焼けるだろうか?私は彼らを親切に遇することができるだろうか?それとも、私は彼らにつけ込み続けるだろうか?あなたがある人を通りから連れてきて、何か食べ物を与え、一夜の休むところを探してあげた最後の時はいつだったか?あるいはバスの中で、ショッピングセンターで、電車の中で、となりに座った誰かに、「こんにちは」と最後に言ったのはいつだったか?
 
 愛する誰かを失った、見知らぬ人を最後に慰めたのは、いつだったか?その人の持っているものや、富のためではなく、ただ単純に誰かの世話をしようと、誰かと親しくした最後の時は、いつだったか?あなたの人間としての精神と心を、あなたの仲間に本当に見せた最後の時は、いつだったか?以上のことはどれも、容易ではない。それは難しい。我々の誰も完全ではない。自分たちはある程度苦しんできたので、たとえその過程において、他人を傷つけることになろうとも、得られるものを得る権利があるのだと考える人もいる。しかし、そうした否定的な考え方に反対しようとする人が生き残り、今は夢でしかない地上での生活を報いとして得るであろう。そうした柔和な人々だけが地を所有するであろう。これは確かなことである。
 
 新しいシステムが来つつある。ただ一つの質問は、あなたがそこにいることを選ぶか?それとも、自己破壊への道を降りて行き続けるか?ということだ。以下のアジェンダは避けることができない。そして、生き延びるため、それを得るために、ずっと我慢する必要があるだろう。それゆえ、よくよく考えなさい。
それは、あなたの未来である。そして、あなたたちすべては、それをうまくやれるだろう。

 「私の研究したところによると、レプティリアンによる地球支配操作は、異次元(低層四次元)にある最高中枢から組織されている。生命および宇宙の多次元的性質を知ることなしには、人類以外の者による地球支配操作の実態を理解することは不可能だ。開かれた精神を持った一部の科学者たちは理解しつつあるが、この宇宙は、それぞれの周波数を持った無数の次元から成り立っている。一つの空間は、無数にある異なった次元(周波数)の生命体によって、同時に折り重なる形で占められているのだ。さまざまな周波数を持ったいくつものラジオやテレビの電波が、同時に一つの空間を占めているのとちょうど同じようなものだ。」(デーヴィッド・アイク『大いなる秘密 上』三交社 102頁)

 「私は、世界の超有名人たちが人間の生贄儀式に関与していることに確証を得た。彼らは、異次元からの要求に従って儀式に参加し、その命令を一字一句実行したという。彼らは名声や富のために悪魔の存在が自分の体に取り憑くことを許したが、こうした「悪魔」は四次元の世界から三次元の現象と人類を操ることでそれを与えることができるのである。もちろんこうした「富」は連中のアジェンダに奉じなければ与えられない。結局、人間は連中にとって単なる肉体でしかなく、目的が完了したら飢えた狼に与えられる運命である。こうした「悪魔との密約」が、政治家、銀行家、財界人、その他、文字どおり悪魔に運命をゆだねてもかまわないほど権力に飢えた人間すべてと交わされている。フィリップ・ウジェーヌ・ド・ロートシルトは、子どもの頃自分と一緒に儀式に参加した人たちが、現在では政治、財界、マスメディアに君臨する世界でも有名な人物になっていると語っている。その中にはビル・クリントンやアル・ゴアもいる。」(デーヴィッド・アイク『蛇であり竜であるわれらが神々 下』 156-157頁)

 「今今の世申すは、『蛇の火』が心の宮を奪う事に必死になりて居りて、悪の教えを良き事の様に、どうあってもだまし通すお積もりで、魔釣りの道具を総て使うて、金漬け物漬け色漬けの欲漬けに致して、汝等の身欲を精一杯煽るだけ煽りて来るから、陽気な心の持ち様でありたなら危ういぞ。『蛇』は『蛇』じゃ。『蛇』と成して型示しあるは、どこまで行きても『蛇』であるは解かりて居ろうに《我欲》のご都合で真釣りの基を崩すから、遂には仇成すものまで信じる様に成りてしもうのじゃ。魔釣りばかり上手に成りてしもうてどうするお積もりじゃ。

 真釣りた火のご霊統と、真釣りて無い火のご霊統を取り違え居りては、大失態をやらかすぞ。真釣りた火のご霊統申すは、竜体にて現れなさる生き通しの元つ大神様のご霊統にござる。真釣りて無い火のご霊統申すは、蛇の体にて現れなさる知恵の神のご霊統でござるよ 」(火水伝文(ヒミツツタエフミ) 120-122)

 「三千年に渡り仕組み参りた、『魔釣り』の表を操る蛇の者共は、《身欲》を餌に金で釣りて思想を煽り、継ぎ接ぐ学にて仕組み説き、真釣り外せし枝だの葉の形を基の科学にて、思うが御代を造らんと成し来たりたのぞ。末代マコトに至れぬ、善を偽る『あやま知』で、『ウソ』を基の策謀で、この世を支配し参りたのであるよ。」(火水伝文 169)

 「こ度ケガレ祓うは元つ神なるぞ。こ度はハラとアタマの戦ぞ。神力と学力の戦いであるぞ。アタマ『あやま知』用いて汝等の神気いずるを封じ込め。さんざん世を気枯れケガラし〔マコト〕無き世と成さしめたのじゃ。神にはアタマを操るの仕組みし企み、すべて解かりて居る由、最後の最後の最後のところで見事ひくり返し、あっぱれ新しき御代建てるも心配無きが。人民様にはこれよりひと苦労ふた苦労、地獄の苦労もせなならん者もあるから、しっかり〔マコト〕持ち行きて下されよ。汝等、悪神の仕組みし企み知るよりも三真釣り持ち行く〔マコト〕大切なるを忘るなよ。それ無くば、何を知りてもご無念ぞ。」(火水伝文 8)


ーヘブライ語写本より 第二章 2007/12/24 13:08:38 (7)




(私論.私見)