タヴィストック人間関係研究所考

 更新日/2022(平成31.5.1栄和/栄和4).4.26日

 (れんだいこのショートメッセージ)

 「タヴィストック人間関係研究所」(the tavistock institute of human relactions)という機関がある。ジョン・コールマン著、太田龍監訳「タヴィストック」(成甲書房、2006.3.30日初版)が、「300人委員会」の諮問機関としての「タヴィストック」の役割をを明らかにしている。これを検証する。

 ジョン・コールマン博士

 1935年英国生まれ。元・英国軍軍事諜報部第6部(MI6)将校。任地アフリカでの諜報活動中、英王室と諜報機関が「300人委員会」を中核とする闇の世界権力の忠実な道具であり、全世界人類と諸民族国家の敵である事実を、偶然に入手した秘密文書によって知り、MI6を脱出、1969年にアメリカに移住、帰化。以後30余年にわたって300人委員会などの活動を徹底して暴露、警告を続けている。英国軍事諜報部は「裏切り者」は容赦なく抹殺する組織であり、博士も報復として資産、年金、保険を剥奪され、著作には妨害工作、非難中傷が執拗にくり返されている。また2001年以後には、ELF放射線を使用と思しき攻撃が博士の自宅になされ、深刻な健康被害をこうむっている。

 太田 龍

 昭和5年、樺太生まれ。現在、天寿学会、文明批評学会、週間日本新聞、歴史修正研究所主宰。ジョン・コールマン博士の存在を日本人に報せ、全邦訳書の監訳に携わっている。

 2007.5.13日 れんだいこ拝



【「タヴィストック人間関係研究所」の創設】
 タビストック研究所とは、王立国際問題研究所などと並ぶ、イギリスにあるマインド=コントロールテクニック(洗脳技術)を研究する世界最先端の機関である。ロスチャイルド家もしくはイギリス王室の所有と思われる。

 
1913年、「タヴィストック人間関係研究所」が、「300人委員会」の諮問機関的役割を帯びてロンドンのバッキンガム宮殿近くのウェリントンハウスに、迫りくるドイツとの戦争に向けて好戦的ムードを醸成させる任務を持って設立された。「300人委員会」は、ロスチャイルドを盟主とする現代パリサイ派の諮問機関であり、「シオンの議定書」マニュフェストに基づく世界支配戦略に基づき年次ごとの指針を打ち出すことで知られている。してみれば、「タヴィストック人間関係研究所」は、この流れに有る広報戦略機関とみなせる。

 「タヴィストック」は、第11代ベッドフォード公爵のタヴィストックの名前にちなんで付けられた。資金は、英国王室とロスチャイルド家、後にロックフェラー家から拠出された。

 ロスミヤ卿、ノースクリフ卿らが理事会メンバーとなった。ノースクリフ卿はロスチャイルド一族と姻戚関係を結んでいる。「タヴィストック」は、フリーメーソン、イルミナティーと深く関係している。他にもアーノルド・トインビーが未来研究を担当する理事に選ばれた。トインビーは後に王立国際問題研究所(RIIA)の理事長となる。米国人のウォルター・リップマンとエドワード・バーネイズが対米世論操作を任された。

 「タヴィストック人間関係研究所」は、ボーア戦争(1899−1902年)時のマスコミの果たした役割の重要性を認め、その時の経験を踏まえて本格的にマス・コミュニケーションメディアによる大衆操作という技術を取り入れる研究機関として始まった。集団心理を研究応用し、マインドコントロール、洗脳、プロパガンダに関わる世界一の社会工学機関として発展していくことになる。現在プロファイリング、プログラミング技法をも生み出している。

 1937年、ドイツの哲学者オズワルド・シュペングラーの「西洋の没落」をモデルとする決定が下され、「キリスト教西欧の『民主化』改革」に取り組んだ。第一次世界大戦の世論誘導に役割を果たし、アメリカの参戦を呼び込んだ。第二次世界大戦の世論誘導を謀り、「民主主義対ファシズムの闘い」なる喧伝に努めた。第二次世界大戦中、タヴィストックは、英国陸軍心理戦争局の本部だった。

 ドイツ生まれのユダヤ人のクルト・レヴィン博士の「位相心理学」(生活空間の構造を幾何学的に表示して行動を解明する心理学)をテキストとして技法を研究している。

 1946年、イギリスのタヴィストック研究所を真似て、アメリカにスタンフォード研究所が設立された。

【太田龍「時事寸評」の「タビィストック研究所」論】
 太田龍・氏は、「時事寸評」の2006.12.17日付けプログbP897「『沈黙の兵器』を読まずしてロスチャイルドについて語ることは許されない」で次のように述べている。
 「沈黙の兵器」を読まずして「ロスチャイルド」について語ることは許されない。

 平成十八年(二〇〇六年)十二月十七日(日)(第一千八百九十七回)

 ○「沈黙の兵器」を読まずして、「ロスチャイルド」について語ることは許さるべきではない。更に、「タビィストック研究所」について十分な研究をすることなくして、ロスチャイルドについて、云々することも、許さるべきではない。

○「沈黙の兵器」は、五十節から成る。その第四節、政治的序説に曰く。
 一九五四年、影響力を行使できる地位になる人々は、一般大衆が既成権力の寝台に手をかけてひっくり返すのは、たかだか数十年間と言う時間の問題に過ぎないということを、いうことを十分に理解していた……最優先課題たる最高関心事はエネルギー科学の問題をめぐって展開された。(『沈黙の兵器』データハウス刊、巻末資料、十頁)

 ○ここに、「一九五四年、……」とある。これは、一九五四年の、ビルダーバーグクラブの第一回総会を、暗示する。その第七節理論的序説。
 自分に国家の通貨をコントロールさせよ。そうすれば誰が法律を作ろうと知ったことではない。
  マイヤー・アムシェル・ロスチャイルド(一七四三〜一八一二年)……(前出十四頁)

 更に、第九節 ロスチャイルド氏が発見したエネルギー。この説については引用を省略する。

 ○ジョン・コールマン著、太田龍監訳「タヴィストック洗脳研究所」(成甲書房、平成十八年三月刊)。この本を読むと、タヴィストック研究所が、本質的にはロスチャイルド家の主導下で、創設されたことが分る。更に前出、太田龍著「沈黙の兵器」(データハウス刊)で述べたように、「沈黙の兵器」は、タヴィストック研究所のTM(テクニカル・マニュアル)として作成された秘密文書であると、コールマン博士は開示する。そしてこの「沈黙の兵器」の著者はこのTM(テクニカル・マニュアル)が、初代ロスチャイルドの提示した思想の具体化であるとする。(了)
 [参考文献]

 (1)太田龍著「沈黙の兵器」 巻末資料 極秘『静かなる戦争のための沈黙の兵器』[日本語訳、翻訳 蒲原雄大]
 (2)ジョン・コールマン博士著、太田龍監訳「タヴィストック洗脳研究所」(成甲書房)
 (3)ジョン・コールマン博士著、太田龍監訳「凶事の予兆」(成甲書房)

 太田龍の時事寸評http://www.pavc.ne.jp/~ryu/cgi-bin/ryu.cgi2002.11.10日付けブログbR84「」を転載する。

 フリッツ・スプリングマイヤー、シスコ・ウィーラー共著「イルミナティが、解除不可能なほど、完璧に心理操作された奴隷を作り出すために使用する手口について、第二巻」(一九九六年、私家版、大判、四百六十八頁)。この本の中に、イルミナティが、「不思議な国のアリス」を、心理操作された奴隷を作り出すために、その主要な教科書の一つとして使用して居ることを、詳述して居る。もちろん、イルミナティがその目的のために使用する教科書は、「アリス」だけではない。スプリングマイヤーは、その例に、・ディズニーの多くの作品。・オズの魔法使ひ。・トールキンの「指環物語」などを挙げて居る。

 スプリングマイヤー、シスコ・ウィラーの前記の著作(と言ふよりも、未だ、手作りの私家版、原稿)の巻頭に、本書を、Monarc-type trauma-based mind controlによってプログラムされた、二百万人のアメリカ人に捧げる。本書は、トラウマ・ベイスドされた心理操作が、人類そのものを破壊してしまふ前に、それを破壊するために書かれた。 と記されて居る。

 Monarc-type trauma-based mind control(注)とは何のことか。モナーク(モナルク)スレイブ。これについては、スプリングマイヤーは、本書でも、そして本書の第一巻でも、詳しく論述して居る。「モナーク・スレイブ」とは、米国に於て、イルミナティが、膨大な力を集中して、飼育しつつある、信じられないほど異常な心理操作を加へられた奴隷の大群である。スプリングマイヤーによれば、既に、その奴隷の数は、全米で、二百万人に達して居ると言ふ。イルミナティは、何のためにそんなことをするのか。全人類を強固に心理操作された家畜人間、ゾンビ人間、ロボット人間とするための実験である、と言ふ。「不思議な国のアリス」は、そのための教科書の一種だと言ふ。そして、その作者、ルイス・キャロルは、本名ドジソン・オックスフォード大学教授。イルミナティ直系の学者の一人と、される。トールキンも全く同じ水準のイルミナティ直系の学者である。(了)

 (注)Monarc-type trauma-based mind control 

 文中のスペルが違うが、Project Monarch プロジェクト・モナーク の事と思われる。発端はMK-ULTRA。さらにその基本は、タヴィストック研究所での研究。


【「タヴィストック人間関係研究所」の機構的位置】
 「ユートピアの表面的なゴール」。
 ユートピアの表面的なゴールは人類に世界的な幸福を与えるというものである。しかし,彼らの裏に潜んだ意図は世界民衆の(マインド)コントロールを段階的に増して行くということでもある。19世紀に大英帝国とドイツは主要なイルミナティ(現在は4千万人のメーソンがいるという)のコントロール地域であった。行動科学研究(Behavioral Science Research)は1882年にイギリスで設立された。しかし,マインドコントロールに関わる,最初の医学,精神医学技術はドイツのカイザル・ウイリヘルム研究所で開発された。Human Relationsのタビストック研究所は1921年にロンドンに設立された。人間のBreaking Pointの研究のために(注:人間がある限度を超えると正常な精神状態を保つことが出来なくなるポイント)。1932年,ドイツの精神医学者クルト・レウインがタビストック研究所の取締役となった。イギリスとドイツは壷の中の二つの豆のようにマインドコントロールを分け合った。彼らの兄弟団は(アドルフ・シュタイナー<ドイツ>とウイン・ウエスコット<英国>を軸とする)黄金の夜明け結社(Order of Golden Dawn)と黄金の曙ヘルメス教団を通してこれらの二つの団を結合させた。この秘密結社は多くのナチス党員とイギリス貴族社会を構成した。

 『タヴィストックの重要人物にクルト・レヴィンがいる。彼はドイツに生まれたが,「住民コントロール実験」が政府に露見したために国外逃亡を余儀なくされた。英国に逃れていたレヴィンは最初の大仕事を与えられた。ヨーロッパと米国で反ドイツを謳ったメディア攻勢を仕掛けて,米国を第二次大戦に参戦させるプロパガンダ作戦である。レヴィンはめざましい成果を挙げた。米国民に強烈な反ドイツ感情,その後は反日感情を植えつけるのに成功したのである。史上最大のプロパガンダ作戦といえよう。その大作戦によって何十万という米兵が命を失い,数億十億ドルがウオール街,国際銀行,武器商人の懐をうるおした。.......湾岸戦争時に用いられたタヴィストックの手法をひとつ挙げると,国務省が在クウェート大使館員を「人質」といい続けたやり口である。捕らわれの身となった館員はひとりとしていなかった。(注:あの涙ながらにイラク人の非道を訴えた女の子は在米国クウェート大使の娘であったことがバレてしまったのは記憶に新しい)

【ジョン・コールマン博士の「三百人委員会/秘密結社ローマクラブ=ユダヤフリーメイソン」】
 「阿修羅石原慎太郎版1」のジョン・コールマン博士の2002.11.16日付け投稿「三百人委員会/秘密結社ローマクラブ=ユダヤフリーメイソン」を転載する。
 陰謀家たちの超権力構造 三百人委員会
 ついに暴かれた秘密世界政府の“極悪”正体!
 ジョン・コールマン博士 著
 歴史修正学会 訳

 著者序文

 私が情報将校の専門職に就いている期間、高度の機密文書に接触する機会が多かったが、西アフリカのアンゴラで政治科学現場担当官として外勤中に、異様なまでにあからさまな内容の超極秘文書を閲覧する機会があった。それを見た私は怒りがこみ上げ嫌悪感をもよおした。以来、私は英国とアメリカの政府を動かしているのはどういう勢力なのかを一貫して追究することになった。

 王立国際問題研究所(RIIA)、外交問題評議会(CFR)、ビルターバーガーズ、三極委員会、シオニスト、フリーメーソン、ボルシェヴィズム、薔薇十字会などといった秘密結社およびこれらの結社が支配する下部組織についてはすべて、私には完全におなじみであった。情報将校として、またそうなる前にロンドンの大英博物館で研修した若き学徒として、それらすべてに私は最初の情報経験を積んだが、さらにアメリカ人がよく知っていると考えられるおびただしい秘密結社名を加えることになった。

 しかし、一九六九年に私がアメリカ合衆国に来てみると、エルサレムの聖ヨハネ団、ローマクラブ、ドイツ・マーシャル財団、チニ財団、円卓会議、フェビアン協会、ベニスの黒い貴族、モンペルラン協会、地獄の業火クラブ、その他多くの秘密結社が完全には知られていないか、どうひいき目に見ても、ほんとうの機能はほとんど知られていないに等しいことがわかった。

 一九六九年から七一年にかけて、私は専門的な論文やカセットテープを次々に発表し、状況の改善に取りかかった。おおいに私を驚かせたのは、多くの人びとが、あたかも物書きとしてはじめから知っていたかのようにどしどしこれらの秘密結社名を引用しながら、秘密結社についてまったくわかっておらず、最近になって仕入れた情報の出所について明かすのはいやがることであった。

 人まねはもっとも心のこもったお世辞なのだろうと思って、私は自らを慰めることにした。極度の危険・私と妻に加えられる攻撃・経済的損失・ひっきりなしの嫌がらせ・恐喝と中傷に直面しながらも私はどんどん調査を続けた。すべては私の信用の失墜を目的として、いわゆるキリスト教右翼、「アイデンティティー運動」、右翼「愛国者」グループに埋めこまれた政府機関員とたれこみ屋たちが操って慎重に組み立て画策した計画の一部だったのだ。

 大胆強烈に誰はばかることなく反ユダヤ主義を声高に装ってこれらの機関員たちは工作したし、いまもなお工作している。ユダヤ主義が彼らの主要な敵だと、われわれを信用させたいのだ。これらの機関員―たれこみ屋たちは、合衆国のいたるところにいる政治的・宗教的保守派におおいに気に入られ尊敬を受けている同性愛者のグループに操られている。

 私の仕事に対する中傷・虚偽と憎悪・逆情報といった彼らの作戦は、いまだに他の著作者たちが企んだものだと偽りながら、引き続き衰えもせず行われているが、彼らが望むような効果はあがっていない。英国や合衆国を操る上位平行秘密政府全体の仮面を最終的に引きはがすまで、私はこの仕事を続けるだろう。本書はなお継続している努力の一部分である。

 一九九一年十一月 ジョン・コールマン博士


 目的と手段

 彼らは堂々と歩いている。きっとわれわれのかなり大多数は、政府を動かしているのは、国内であれ外交であれ政治・経済の諸問題を実際に担当している人ではないということに気づいている。そのため多くの人びとは、あれこれの新聞に真実が語られてはいないかと探し求めてきたし、私のような新聞寄稿家も求めてきた。

 が、合衆国を末期的症状に至らしめたものの正体が必ずしも明らかにはされなかった。「求めよ、さらば与えられん」は、この連中に当てはまるとはかぎらない。われわれが発見したことは、人びとはとてつもない闇のなかを歩かされ、わが国がどこに向かっているのか気にもせずわざわざ考えもせずに、合衆国は常に自分たちのためにあると堅く信じているということである。

 これが国民の最大多数が置かれている現状であり、われわれは秘密の政府の掌中で操られているのである。われわれはしばしば、こういうことをやっている「彼ら」のことを耳にする。「彼ら」は文字どおり殺しを委員会という破壊活動組織と同一であることを暴露する論文を発表した。この論文は合衆国におけるこの二つの組織に最初に言及したものであった。「私の論文が牽強付会だと感じて正しい判断を狂わせてはならない」と私は読者に警告した。それで私の論文と、イルミナティの秘密計画を入手したときうまくやってのけるように見える。「彼ら」は増税し、われわれの息子や娘たちをわが国の利益にならない戦場に送って殺す。

 「彼ら」は、われわれの手の届かない場所や視野の外にあり、「彼ら」に対して何かしようとしても正体がつかめずにイライラする。誰もはっきりとこれが「彼ら」だと断定できないように見える。これが何十年ものあいだ付きまとっている状態だ。本書ではこの謎の「彼ら」の正体を暴くつもりである。しかるのちに状況を改善するのは、国民の行動いかんにかかっている。

 一九八一年四月三十日、私はローマクラブが三百人にバヴァリア政府が発した警告との類似点をあげておいた。合衆国におけるローマクラブと三百人委員会の役割については、本書のあとの章でふたたび述べることにする。

 一九八一年の論文で予見したことの多くが現実のこととなった。無名のフェリペ・ゴンザレスはスペインの首相となり、ミッテランはフランスでふたたび権力を握り、ジスカール・デスタンとヘルムート・シュミットは失脚し、スウェーデンの貴族で三百人委員会のメンバーであるオラフ・パルメが復権し、レーガンの大統領としての権威はゼロにさせられ、三百人委員会の下した脱工業化ゼロ成長という命令によってわが国の鉄鋼・自動車・住宅産業は破壊された。

 パルメが果たした重要な役割は、ローマクラブが彼を利用して合衆国関税の対ソ禁輸品目の技術提供をソ連向けに行なったことにある。また、パルメの世界的通信ネットワークによってニセのイラン人質危機にスポットライトを浴びさせた。このときパルメは、ワシントンとテヘランのあいだを往復しては合衆国の主権保全を侵蝕し、三百人委員会の領分すなわちオランダのハーグの国際司法裁判所にニセの危機を提訴しようと努めた。

 戦争と疾病と大量殺人がなされたのちに、地上に残った人類の大多数の奴隷化までも含む神と人間に対する公然たる陰謀は隠し切れるものではない。諜報活動の世界では、何かを隠す最上の方法は見えるところに堂々と置いておくことだと教えられる。

 ずっと以前の例でいえば、ドイツは一九三八年にメッサーシュミット戦闘機の秘密を隠すため、パリ航空ショーに堂々と出展した。諜報機関員やスパイがうつろな木の幹のなかやレンガ積みの壁の背後に手がかりを探しまわっているのに、彼らが探し求めていた情報はすぐ目の前にあったのである。

 上位平行秘密政府は、じめじめとした秘密地下室から指令を発して操作するわけではない。それはホワイトハウスや米国議会、ダウニング街十番地や英国上下両院など公然とした場所に姿をあらわしている。それはモンスター映画によく似ていて、長い髪と長い牙をもった恐しい姿のモンスターが、うなり声をあげ、よだれを垂らしながらそこらじゅうをうろつく。

 映画は気晴しになるが、本物のモンスターはビジネススーツを着、リムジンに乗って国会・議会へ仕事に出かけるのである。これらの人間は見えるところを堂々と歩いている。彼らは統一世界政府=新世界秩序の使用人である。婦女暴行犯が犠牲者に優しく声をかけて車に乗せるように、彼らはさらさらモンスターであるとは見えない。そんな素振りをチラとでも見せたら、犠牲者は恐怖のあまり金切声をあげて逃げだしてしまうことだろう。

 同じことは大小の行政機関にも言える。ブッシュ大統領は上位平行秘密政府の忠実な使用人とは見えないが、だまされてはならない。彼はホラー映画にあらわれる怪物に引けをとらないモンスターなのである。ブッシュ大統領が命令してイラクで十五万人のイラク兵をいかに惨殺したかを見てみよう。兵士たちはジュネーブ協定の裁定にしたがい、合意された撤退のために白旗を掲げて軍用車に乗りイラクへと帰還する途中であった。白旗を振っているにもかかわらずアメリカの空爆にさらされたイラク軍の恐怖を想像してみるがいい。

 別の戦線では、一万二千人のイラク兵が生きながら壕に埋められた。これこそ言葉の真の意味でモンスターそのものの所行ではないだろうか。ブッシュ大統領はどこからこのモンスターの所行を行なえとの命令を得たのか。王立国際問題研究所(RIIA)からであった。そのRIIAは、「オリンピアンズ(オリンポスの神々)」と呼ばれる三百人委員会から指令を受けたのである。

 のちに詳しく述べるが、「オリンピアンズ」でさえ顔を隠してはいない。しばしば彼らはパリ航空ショーのような催しを行なう。陰謀探しファンは、誤った場所で誤った方向に実りのない探索をして時を無駄に費す。エリザベス二世女王は英国議会開会式で何を演じているか注目してほしい。その場には、三百人委員会の長が見えるところにいるのである。合衆国大統領の就任宣誓式を見たことはおありだろうか。その場には、三百人委員会のもうひとりのメンバーが見えるところにいるのである。問題はただ気づくかどうかということである。

 全能の三百人委員会に奉仕する陰謀家たちは誰か。確実に陰謀が存在し、その陰謀はイルミナティ、フリーメーソン、円卓会議(ラウンド・テーブル)、ミルナー・グループその他いろいろの名称の団体によって遂行されていることが巷間知られている。それらに加えてCFRと三極委員会とが、内政・外交問題に関する好ましからざる団体の代表である。円卓会議がワシントンの英大使を通じて合衆国の諸問題に容喙することを知っている人もいる。

 問題は、見えざる政府のメンバーたちによる反国家活動に関する真実の情報が、非常に入手しがたいという点にある。私は聖書にある預言者ホセアの深遠な言葉「悟りのない民は滅びる」を引用しよう。すでに対外援助に関するスキャンダルについて私が行なった告発をご存知の読者もおられようが、そのなかで私はいくつかの謀略機関をあげた。だが実際のところ、その数は無数だ。彼らの最終目的は合衆国憲法を廃棄し、主によって神の国として選ばれたこの国を、暗黒時代よりもさらに劣悪な状態に戻し、神なき統一世界政府=新世界秩序に併合することにある。

 アルド・モロ首相は誰に殺されたか

 私たちは実際にあった歴史のなかの事例、イタリアを共産化しその産業組織を破壊する計画を問題にすることにしよう。三百人委員会はずっと以前に、世界を小さな――現在よりもずっと小さな――よりよい世界にしよう、という決定を下していた。つまり、ずっと小さいことがよりよい世界だ、と彼らは考えたのである。そのためには、自然資源のほとんどを食いつぶすおびただしい数のムダ飯食いが選別され処分されるべきである。つまり、産業の進歩は人口増加を促進する。

 それゆえに、創世記の「産めよ殖えよ地に満ちよ」という神命は廃棄されなければならない。すなわちキリスト教の破壊、産業国家の緩慢かつ確実な崩壊、三百人委員会によって「余分な人口」と断定された何億という人口の削減、委員会のこうした地球計画の邪魔をする指導者の排除が必要となったのである。

 委員会の初期のターゲットはイタリアとパキスタンだった。イタリアの故アルド・モロ首相は同国に要求された「ゼロ成長」と人口削減に反対した指導者のひとりであったため、「オリンピアンズ」から政策実行の権限を委託されたローマクラブの怒りを買った。
 一九八二年十一月十日、ローマの法廷でモロの親しい友人のひとりが、前首相はRIIAのエージェント――彼はまた三百人委員会の一員でもあった――によって、彼がまだ米国国務長官であった時期に、脅迫を受けていたと証言した。モロを脅迫したときにキッシンジャーは、明らかに合衆国の対外政策を遂行したのではなく、むしろ三百人委員会外交政策の一翼をになうローマクラブから受けた指示にしたがって行動したのである。

 公開の法廷で爆弾証言をしたのは、モロの朋友ゴッラード・ゲルゾーニであった。彼の爆弾証言は全イタリアのテレビとラジオで一九八二年十一月十日に報道され、いくつかの新聞にも掲載された。だが、この生々しいニュースは合衆国では完全に黙殺された。敢然とした報道の権利を有するはずの高名な自由の砦、ワシントン・ポストとニューヨーク・タイムズの二紙は、ゲルゾーニ証言のことは一行たりとも報道せず、その重要性については一顧だに与えなかった。

 通信社やテレビ局が提供するニュースも同じだった。イタリアのアルド・モロは何十年にもわたって指導者的な政治家であったこと、その彼が一九七八年春に白昼誘拐されたこと、彼のボディガード全員が殺戮されたことなどの事実は、たとえキッシンジャーがこれらの犯罪の共犯者であることが告発されたとしても、ニュース性がないと考えられたのであろうか。それとも、キッシンジャーが加担したからこそ、沈黙を守ったのであろうか。

 一九八二年にこの忌まわしき犯罪を告発したなかで、私は、キリスト教民主党の誠実な指導者であるアルド・モロが、P2メーソン結社のコントロールする暗殺者によって殺害されたことを論証した。P2は、イタリアをローマクラブが敷いた産業政策と大幅な人口削減の路線に投げこむという目的をもっていたからだ。完全雇用と産業ならびに政治の平和を通じてイタリアを安定させるというモロの計画は、共産主義に対するカトリックの反対を強化し、中東の不安定化という重要目標をその分だけ難しくするはずのものであった。

 以上に述べたことから、陰謀家たちの計画がいかに先に進んでいるかは明白である。彼らは五ヵ年計画という観点では考えない。アルド・モロ殺害事件の意味を考えるには、かつて初期カトリック教会についてワイスハウプト[一七四八〜一八三〇、イルミナティの創立者=訳注、以下同]が宣言したことに戻る必要がある。モロの死は、イタリアを不安定化する計画の障害を除去したことになり、現在われわれが理解するところでは、十四年後に湾岸戦争という形で実行されるはずの中東に対する謀略計画を可能ならしめたのである。

 イタリアは三百人委員会のテスト・ターゲットとして選ばれた。イタリアは、中東経済と政治に直結する中東にもっとも近いヨーロッパの国であるために、謀略者たちの計画にとっては最重要国であった。イタリアはまた、ワイスハウプトが殲滅を命じたカトリックの総本山がある国であり、ヨーロッパでもっとも強力な寡頭支配ファミリーのトップに位する古代の「黒い貴族」のうちの数家の故郷でもある。

 イタリアがモロの死によって弱体化されるなら、中東情勢に波及して、この地域での合衆国の影響力を弱体化するであろう。イタリアは別の視点からも重要である。そこはイランやレバノンからヨーロッパへ流入する麻薬の入口なのだが、この問題はのちに取り上げるつもりである。

 一九六八年にローマクラブが設立されて以来、さまざまのグループが社会主義の名のもとに結合し数々のイタリア政府の没落をもたらした。そのなかには、ベニスとジェノヴァの黒い貴族があり、P2メーソン結社や赤い旅団があり、いずれも同じゴールを目指して活動した。赤い旅団―アルド・モロ事件を捜査していたローマ警察は、このテロリスト・グループと密接に協力するいくつかの非常に重要なイタリアの氏族の名に出会った。この有力で有名な氏族が、彼らの自宅や所有家屋を赤い旅団のアジトに提供しているケースが、少なくとも一ダースはあるとする証拠を警察はつかんだ。

 アメリカの「貴族」は、イタリア共和国を滅亡させるために一役買っていた。この仕事に目覚ましい貢献をしたのがリチャード・ガードナーで、カーター大統領のイタリア大使として派遣され、公的立場にある時期でさえそうだった。その当時、ガードナーは、ローマクラブの重要な一員でありNATOのキーマンであるベッティーノ・クラクシの直接のコントロール下に工作していた。クラクシは、陰謀家たちによるイタリア共和国滅亡の企ての急先鋒であった。のちに述べるように、クラクシはイタリアを崩壊させることに九分九厘まで成功しかかっていた。彼は陰謀家たちの世界支配構造における第一級の策士として、イタリア議会で離婚・堕胎法案を強引に通過させるだけの力をもっていた。そのようなことにでもなれば、カトリック教会ひいてはイタリア国民のモラルに対しこれまでに経験したこともないような広汎かつ破壊的変化が襲いかかるという事態におちいったであろう。

 ロナルド・レーガン大統領が選ばれたのち、一九八〇年十二月に、ローマクラブと社会主義インターナショナルの後援のもとに、ある重要な会議がワシントンDCで開催された。これら二つは、三百人委員会に直接責任を負う組織である。その会議の主要議題は、いかにしてレーガン大統領の地位を中立化するかという問題だった。あるグループの提案が採択され、われわれが振り返ってみると、陰謀家たちの採用決定した計画が成功を収めてきたことは完全に明白だった。

 この謀略がいかに広範かつ巨大であるかを説明するには、ここらで、三百人委員会には少なくとも四十の「支部組織」が知られていて、それらの機能と名称についてのリストをあとで掲げることにする。それをよく研究するならば、一個の陰謀中枢体がいかに効果的に機能しているか、また、合衆国憲法に謳われたような個人の自由にもとづく進歩的文明世界の存立基盤そのものに対して彼らが猛攻撃を仕掛けているのに、この世のどんな権力もそれに対抗できないのはなぜなのかが、明らかになる。

 ゲルゾーニの宣誓供述のおかげで、イタリアおよびヨーロッパは――合衆国ではなくて――アルド・モロの死の背後にはキッシンジャーが存在していたことがわかった。この悲劇的事件は、三百人委員会がどんな政府にでも例外なく介入する能力があることを示している。

 キッシンジャーはただモロを脅迫しただけでなく、イタリアの経済・産業振興政策を断念しないならばモロを「排除」するというその脅迫を実行したのである。

 一九八二年六月と七月にモロの妻は公開の法廷で、夫が殺されたのは彼女が言う「合衆国の政府高官」が本気で彼を殺すと脅迫した結果であることを証言した。エレノラ・モロ夫人は、キッシンジャーが使ったとゲルゾーニ宣誓供述で報告された言いまわしを、一言一句精確に何度も繰り返した。つまり、「現在取っている政治路線を止めるか、その路線のために高価な代償を払うかだ」と。ゲルゾーニは裁判官に再喚問され、モロ夫人が語っている人物はキッシンジャーに間違いないかと問われた。ゲルゾーニは、その人物が自分が前に親しかったキッシンジャーその人であると答えた。

 ゲルゾーニは法廷で、イタリアの指導者たちが公式訪米したさいに、キッシンジャーがホテルのモロの部屋を訪れて脅迫したことを重ねて説明した。モロはNATOのメンバー国であるイタリアの当時の首相兼外相として高位の人物であり、マフィアもどきの圧力や脅迫にさらされる筋合いにはなかった。モロはイタリア大統領とともに公式資格でアメリカを訪問したのである。そのときキッシンジャーは、いまでもそうであるが、王立国際問題研究所の重要なエージェントであり、ローマクラブとCFR(外交問題評議会)のメンバーであった。

 なぜ原子力が世界中で憎まれるのか

 ウル・ハク大統領の飛行機事故死

 中東、朝鮮、ベトナムの三つの戦争によって合衆国を弱体化させる企みで果たしたキッシンジャーの役割はよく知られているが、湾岸戦争における彼の役割も同様であり、クウェートを元どおり自分の支配下に戻し、他の国々が自分の意志で自分の運命を決定しないようにイラクを見せしめにするという三百人委員会の傭兵が合衆国軍であった。

 キッシンジャーは独立国家パキスタンの大統領、故アリ・ブットをも脅迫した。ブットの「罪状」は、核兵器を保有しようとしたことであった。イスラム教国パキスタンは、中東での絶えまないイスラエルの侵略に脅威を感じていた。そのブットは、一九七九年、パキスタンのCFRであるジア・ウル・ハク将軍によって、法の殺人処分を執行された。

 上昇志向の強いウル・ハクは、自分は誰にも束縛されないということをCFRに見せつけ、あわせてもっと援助を得るため、さらにあとでわかったことではあるが、リチャード・ヘルムズの殺害をも企んで計画的にイスラマバードのアメリカ大使館を激高した群集に襲撃・放火させた。幾年かのち、ウル・ハクはアフガニスタンで荒れ狂う戦争に介入したことによって、死をもって自分の罪を贖わなければならなかった。彼が乗ったC−130ハーキュリーズ機が離陸直後にELF(極低周波)の攻撃を受けて、宙返り飛行をさせられ大地に叩きつけられたのである。

 ウル・ハク将軍を排除せよという三百人委員会の意を体して、ローマクラブはハーバー・ワッサム准将率いる一団の合衆国陸軍国防情報局員を含む何人もの合衆国軍人をウル・ハク将軍もろとも殺害することに、一片の良心の痛みも感じなかった。ウル・ハク将軍は、トルコ秘密情報部から、飛行中に襲撃される危険があるから絶対に飛行機に乗らないようにと、ずっと言われ続けていた。そのことがあったのか、ウル・ハクは「保険対策」として米国のチームと一緒の飛行機に乗るのだと側近に漏らしていた。

 一九八九年、私は『空中のテロル』という著作で、事件を次のように書いた。 「ウル・ハクのC−130がパキスタンの軍事基地から離陸する少し前、奇妙なトラックがC−130を収めてある格納庫のすぐ近くに止まっていた。管制塔が監視要員にそのことを知らせたが、C−130はすでに離陸し、謎のトラックはすでにその一から姿を消していた。その一、二分後、機は宙返りをはじめ、大地に叩きつけられて火の玉と化した。C−130のこのような行動は、驚異的な信頼性を誇る同機としてはまったく説明のつけようがないものだった。パキスタンと合衆国との共同調査の結果では、パイロットにも過失がなく、機械あるいは構造上にもなんら欠陥はなかったことが明らかになった。が、宙返り飛行は、航空機がELF銃で攻撃されたさいの明白なトレードマークであった」

 ソ連軍が低周波銃の開発が可能であったことは、クルチャトフ原子力研究所集中高速電子ビーム部門に所属するソ連科学者たちの研究を通じて、西側にも知られていた。その二人の専門家は、Y・A・ヴィノグラオフとA・A・ルカゼである。二人の科学者はレデデフ物理学研究所に勤務していたが、同研究所は電子工学とX線レーザー専門の研究所であった。

 この情報を得た私は、他の資料から裏付けを探したところ、米国において国際エレクトロニクス・ジャーナル誌が、ハク将軍のC−130撃墜に用いられた方法に関して私が得た情報を裏づける資料を刊行していたことがわかった。加えて、この情報は間違いないと、私の二人の情報源が請け合ってくれた。『ソ連のラジオ・エレクトロニスと通信システム』と題して英国で刊行されたソ連のこうしたテーマに関する科学論文から有益な情報を、私は手に入れた。

 こうして私には、ウル・ハク将軍が殺害されたことは疑いのない事実となった。C−130の格納庫の近くにあったトラックは、疑いもなくソ連軍が所有していると考えられるタイプの可動型ELF砲を搭載していたのである。

 アリ・ブットが入獄中にひそかに国外にもちださせた彼の自筆証言によると、キッシンジャーの脅迫は強烈であった。「お前が国家建設計画を続けるというのなら、恐ろしい目に会わせてやる」。パキスタンに近代化産業をもたらすべく原子力エネルギー計画を要求するブットは、キッシンジャーならびにローマクラブと衝突していた。このような計画は、三百人委員会の目から見れば、パキスタン政府にキッシンジャーが与えた命令に真っ向から対立するものだったのだ。キッシンジャーがアリ・ブットを脅迫した行動は、合衆国政府の公的な行動ではなく、現代のイルミナティの政策である。

 国をコントロールする武器「対外援助」

 なぜ原子力が世界中で憎まれるのか、またなぜエセ「環境保護」運動がローマクラブによって創立され、経済的援助を受けて反核闘争を遂行するよう要請されたのかについて、はっきりと理解する必要がある。

 安価に大量の電気を供給する核エネルギーがあれば、第三世界諸国は合衆国の対外援助を受けずに独自の力で歩めるようになる。核による電力は、第三世界諸国が、三百人委員会が封じこめようとしている立場、後進国という立場から脱却する重要な鍵なのである。

 対外援助が少なければ、IMFによる天然資源コントロールを受けることが少なくなる。ローマクラブとそれを支配する三百人委員会がひどく嫌ったのは、発展途上国が自分たちの運命を自分たちで管理するという考え方であった。合衆国では引き続き、ローマクラブの「脱工業化ゼロ成長」計画と呼応して、産業発展を封じこめる役目をみごとに果たしている核エネルギー反対が見られるのである。

 アメリカの対外援助に依存することは、実際には諸外国をCFRに隷属させる。援助を受ける国の人びとは、ほんの少ししかうるおわない。IMFが国の天然資源を情容赦なく丸裸にする許可を与える見返りに、政府の指導者たちのポケットに援助金が収まるからである。

 元ローデシア、現ジンバブエのムガベ[ロバート・ガブリエル・ムガベ、一九二五〜、同国初代首相一九八〇〜]は、天然資源(この場合は純度の高いクロム鉱)がいかに対外援助によって支配されるかの良い例である。LONRHO[ロンロー、一九〇九年ロンドン・ローデシア鉱業土地会社として設立。八二年に現社名となる。世界八十カ国以上に八百の子会社を有する英国のコングロマリット。本社ロンドン。従業員九万四千人]、三百人委員会の重要なメンバーのアンガス
・オギルヴィーが彼のいとこ女王エリザベス二世に代わって管理するこの巨大な産業複合体は、現在ではこの重要資源を完全に支配している。その一方で、合衆国から三億ドルを超える施しを受けているにもかかわらず、国民は貧困と悲惨の底にますます沈んでいくのである。

 ロンローは現在ではローデシアのクロム鉱を専制支配し、思うがままにその価格を操っているが、スミス[イアン・ダグラス・スミス、一九一九〜、ローデシア首相(一九六四〜七九)、一九六五年に英国からの独立を一方的に宣言した]政権のもとではそうはいかなかった。ムガベ体制が権力をとる以前は二十五にわたって適切な価格水準が維持されていた。イアン・スミス政権下の十四年間にもいろいろな問題があったが、彼の退陣後、失業者は四倍になり、ジンバブエは混沌状態におちいり事実上崩壊した。ムガベはアメリカから多額の対外援助を受け(年間ほぼ三億ドル)、彼自身は三つのホテルをフランスのコートダジュール、キャプフェラとモンテカルロに建設できた。ところが同国の市民たちは、不平不満をいっさい寄せつけない冷酷非常な独裁政治は言うにおよばず、疾病や失業、栄養失調と闘っている。このことは、アメリカに一セントも対外援助を要求せず、受け取りもしなかったスミス政権とは対照をなしている。

 ジンバブエとすべてのアフリカ諸国にみられるように、対外援助はその国をコントロールする強力な武器となることは明白である。 このことはアメリカ市民をも不本意な苦役に縛りつけ、政府に対する意義のある反対をできにくい状態にさせている。

 デイヴィッド・ロックフェラーは、一九四六年に対外援助案を法律として通したとき、自分がやったことをよく知っていた。そのとき以来それは、正体が暴露されてみると、法令集に載っているなかでももっとも憎むべき法律のひとつとなった。つまり、政府が実行してわれわれ国民がツケを払うというペテンである。

 ローマクラブと統一世界政府計画 三百人委員会のもっとも重要な外交部門

 陰謀家たちはいかにして世界を掌握し続け、とりわけ米・英を窒息させ続けることが可能なのか。もっともよく問われる質問はこうだ。「ひとつの団体が、いついかなるときでも起こっていることを把握するなどということが、どうしてできるのだろうか、どうやってそれをコントロールするのだろうか?」

 本書はこのような質問、またその他の質問に答えようとするものだ。
 陰謀家の成功の実体と取り組みうる唯一の方法は、三百人委員会のメンバーを擁する秘密団体、公然組織、政府機関、銀行、保険会社、国際企業、石油産業、その他何十万という団体・財団の活動に論及することである。三百人委員会という究極の支配団体は、いま現在、そして少なくとも百年間にわたって世界を操っているのである。CFRと三極委員会についてはすでに多数の書物が刊行されているので、われわれは真直ぐにローマクラブとドイツ・マーシャル財団について述べよう。

 私がこれらの組織をアメリカで紹介したときには、ほとんど誰も知らなかった。一九八三年に刊行した私の最初の著作『ローマクラブ』は、ほとんど誰の関心もひかなかった。十分な知識のない多くの人びとは、ローマクラブとはカトリック教会に関係ある何かだろうとか、ドイツ・マーシャル財団とはマーシャル・プランと関係ある何かだろうぐらいにしか考えなかった。

 三百人委員会がこういうたぐいの名前を付けたのは、まさにその理由からである。真実起こっていることから目をそらせ混乱させるためだ。合衆国政府はそれを知らないのではなくて、陰謀の一部として動き、真実を知らせるよりは情報を隠蔽する手助けをした。

 私が出版してほんの数年後、数人の著述家が私の著作のなかに未発掘の情報の山があることに気がついて、あたかも彼ら自身この問題にかねてから通暁していたかのごとく書いたり語ったりしはじめた。

 ローマクラブとその大蔵省であるドイツ・マーシャル財団とが、北大西洋条約機構[NATO]という隠れ蓑の下に機能する二つの高度に組織された謀略機関であること、ローマクラブ執行部の大多数はNATO関係者であることが彼らにひらめいたのだ。ローマクラブはNATOが政策として掲げたものをすべてまとめ上げ、三百人委員会のメンバーであるキャリントン卿の活動を通じて、NATOを政治的(左翼)勢力とそれまでの軍事同盟との二つの党派に分けた。

 ローマクラブは、いま現在も三百人委員会のもっとも重要な外交部門のひとつである。もうひとつは、ビルターバーガーズである。ローマクラブは一九六八年に、そもそもモーゲンソー・グループの強硬派たちが、統一世界政府――私はこの名のほうが正確であるとは思うのだが、現在では新世界秩序と呼ばれている――計画をはやめるための新規かつ緊急の運動を興すために、故アウレリオ・ペッチェィから電話で招集されたことを共通基盤として結成したものである。統一世界政府は新世界秩序よりも確かに正確に内容をあらわしている。

 以前にはいくつかの「新世界秩序」があっていさささかまぎらわしかったし、「統一世界政府」はひとつもなかったからである。

 不況がひき起こす地球規模の社会変動

 ペッチェイの電話には、アメリカ、フランス、スウェーデン、英国、スイスそれに日本から、召集可能なものたちのなかでも、もっとも破壊活動的な「未来計画者」たちが応えた。一九六八年から一九七二年にかけて、ローマクラブはニューサイエンス科学者、世界主義者、未来計画者、ならびにあらゆる種類の国際主義者の結合体となった。

 ある代表が「われわれは、いろいろな色のヨセフの晴れ着[ハゲイトウのこと]になった」と述べたように、ペッチェイはその著『人間の本質』でNATOの政治的一翼によって採用された基本理念を構築している。次に引用するのは、ペッチェイ博士著『人間の本質』からの抜粋である。

 「最初の千年王国がキリスト教世界に接近して以来はじめて、大勢の人びとが、人類共通の運命を完全に変えてしまうような何かが近く起こるのではないかという懸念を抱いている……人間はいかにして現代人になるかを知らない……人間は悪い竜という物語を考えだした。けれども、もしそんなものがいるとすれば、悪い竜とは人間そのものである。ここには人類の逆説がある。人間は、自分自身の驚くべき能力と達成のワナ、流砂のごときワナにはまった――力を用いれば用いるほど、力を必要とする」

 「われわれは、現代の広範な病的な状態と人類システム全体との不適合とは、移りゆく環境や周期的危機と同じものと考えるのがいかに愚かであるか、繰り返し説くことに決して飽きてはならない。人間が新しいテクノロジーというパンドラの箱を開いたので、人類の増殖、成長への執着、エネルギー危機、資源の枯渇、環境悪化、核の愚行、その他の悩みをコントロールできずに悩んできた」

 これはずっとあとに、同じローマクラブが産業の発展をナマクラにし、押し戻すために、おびただしく増殖したニセの「環境保護論者」と軌を一にしたプログラムである。

 大まかに言えば、ローマクラブが前もって立案した対抗計画は、麻薬、ロック、セックス、快楽主義、悪魔主義、黒魔術ならびに「環境保護主義」のような対抗文化運動と抱き合わせになって、アメリカでの「脱工業化」思想のでっち上げと普及を覆い隠そうとした。事実、タヴィストック研究所、スタンフォード研究所、社会問題研究所、つまり事実上は応用社会精神医学の広汎な研究機関の全体が、ローマクラブに代表を擁するか、さもなければ『水瓶座の陰謀』を適用しようとするNATOの計画においてアドバイザーとして活躍し、指導的役割を果たしたのである。

 新世界秩序という名称は、一九九一年の湾岸戦争の結果として盛んに用いられるようになったようである。それに対して統一世界政府という言葉は、一世紀も前から知られていた。新世界秩序は新しい名称ではないが、長らくは「未来発展」ということを偽装する言い方であった。新世界秩序は「過去と現在」に関するものである。私が以前から統一世界政府と呼ぶべきであると主張したのは、そのためである。

 アウレリオ・ペッチェィは、かつて彼の親しい友人アレクサンダー・ヘイグに、自分は「アダム・ワイスハウプト[イルミナティの創立者]の生まれ変わり」のような気がする、と打ち明けた。ペッチェイには多分に今日のイルミナティを組織し統制するワイスハウプトのような輝かしい才能があり、ペッチェイNATOに対する統制と地球規模の政策にはそれが示されている。ペッチェイは三十年にわたり大西洋協会経済会議議長をつとめ、ジョヴァンニ・アニェリがオーナーのフィアット自動車会社の代表取締役であった。

 アニェリは、同姓の古代イタリアの「黒い貴族」の一員であり、三百人委員会のもっとも重要なメンバーである。彼はソ連の発展プロジェクトに指導的な役割を果たした。

 ローマクラブは英・米の金融資本家とヨーロッパの黒い貴族、とりわけロンドン、ベニス、ジェノヴァの「黒い貴族」とが合体した陰謀統率機関である。世界コントロールに有効な鍵は、苛酷な景気後退と究極の大不況とをつくりだし管理する彼らの能力である。三百人委員会は、世界中に未来の「生活保護」受給者となる人民大衆を大量につくりだす原理的な方法として、やがてやってくる重大事のために人民大衆の抵抗力を弱める技術として、不況をともなう地球規模の社会変動に期待をかけているのである。

 委員会は、人類に影響を与える重大な決定を下す際に、ポーランドの貴族フェリックス・ジェルジンスキーの哲学を基礎にしたように見受けられる。ジェルジンスキーは、人類を、家畜の水準よりも少しましな程度と見なしたのである。英国の情報部員シドニー・レイリー(レイリーはボルシェヴィキ革命の草創時代にジェルジンスキーを操っていた)の親友として、彼はしばしば酒を飲むあいだはレイリーに秘密を打ち明けた。ジェルジンスキーはもちろん赤色テロル機関を走らせる獣であった。彼はあるとき、二人の酒宴の折、レイリーに次のように語ったことがある。

 「人間なんてロクなものじゃない。飢えたときの人間を見るといい。仲間の死体を食べてでも自分は生きのびようとするのだ。人間は自分が生き残ることしか考えないものだ。大事なのは、ここだ。スピノザなんてやつはてんでガラクタにすぎん」

 ローマクラブは彼ら自身の秘密情報機関をもっているが、デイヴィッド・ロックフェラーのインターポール(INTERPOL)を一時的に借用することもある。アメリカの各情報機関はいずれもローマクラブの情報機関と密接に協力する。KGBやモサドとも協力する。その手が及ばなかった唯一の情報機関は、東ドイツの国家治安警察STASSIであった。ローマクラブはまた高度に組織された政治的・経済的情報機関ももっている。レーガン大統領に、三百人委員会の重要メンバーでもあるポール・ボルカーの職務を解かないように勧告したのは、彼らであった。大統領候補レーガンは、自分が選ばれたらすぐにもボルカーを解任するとはっきり公約していたにもかかわらず、ボルカーは連邦準備制度理事会議長に留任した。

 ケネディ大統領が拒否した「危機管理」計画

 ローマクラブは、キューバ・ミサイル危機にも重要な役割を演じたのち、「危機管理」(FEMAの前触れ)計画をケネディ大統領に売りつけようとした。ダヴィストック研究所の科学者たちがその内容を説明しに大統領に直接会いに行ったが、大統領は彼らが提示した案を拒否した。

 ケネディが暗殺されたその年に、タヴィストックはNASAと会談すべくワシントンに戻った。今回は会談は順調に進んだ。タヴィストックはアメリカの世論を来るべき宇宙計画に引きつける効果を高く評価したNASAと契約を結んだ。

 この契約内容は、スタンフォード研究所とランド・コーポレーションに委託された。タヴィストック、スタンフォード、ランドで作製された膨大な資料は、現在にいたるまで陽の目を見ることはなく封印されたままである。私が情報を得ようとして接触した上院監視委員会といくつかの小委員会は「そんな話は聞いたことがない」という返事か、私が求めていることを発見する手がかりすらも与えないかであった。これが、三百人委員会の力と威信である。

 一九六六年、私は情報機関の同僚から、政府が関心を抱いているといううわさのある評論を書いたアナトール・ラパポート博士に接触するように教えられた。それはNASAの宇宙計画を止めさせようという意図のもとに書かれた論文だった。まったく幸いにもラパポートはその論文の写しを私に送ってくれたが、基本的にはNASAの宇宙計画は反古にすべきであると主張していた。

 NASAはあまりにも数多くの科学者を抱えこみ、アメリカに悪影響をもたらしている。なぜならそれらの科学者たちは、しきりと学校や大学で、構造や発射にいたるまでいかにロケットが動くかを講義したがっている。ラパポートは、このようなことは、宇宙科学者になりたがる大人をつくりだすだけであり、紀元二〇〇〇年までには誰もその必要を感じない「過剰な」人員となるだけだと断言している。

 NASAに関するラパポートの論文がローマクラブを通じてNATOに提出されるや否や、三百人委員会は直ちに行動を起こした。反NASA行動に対する緊急会議を要求したNATO=ローマクラブのメンバーは、ハーランド・クリーヴランド、ジョセフ・スレイター、クレイボーン・K・ペル、ウォルター・J・レヴィ、ジョージ・マッギー、ウィリアム・ワッツ、ロバート・シュトラウス−ヒュープ(NATO米大使)とドナルド・レッシュであった。

 一九六七年五月、会議は北大西洋同盟科学技術委員会と外交政策研究所の主催のもとに開催された。それは「大西洋間の不均衡と協力についての会議」と称され、フランスのドーヴィユにあるエリザベス女王所有の宮殿のような建物で開催された。

 ドーヴィユ会議の基本的な目的と意向は、合衆国の技術と産業の進歩にとどめを刺すことにあった。この会議の結果、二冊の本が出版された。ひとつは、ズビグニュー・ブレジンスキーの『テクノトロニック時代』で、もうひとつは、同会議議長のアウレリオ・ペッチェイが書いた『深まりゆく亀裂』である。ペッチェイは全面的にブレジンスキーに同意したが、さらに「統一世界政府によって支配されない」世界は将来、混沌状態におちいるだろうと付け加えた。この点に関してペッチェイは、ソ連は「NATOに収束」しなければならないと主張した。

 ここにいう収束とは、アメリカとともに統一世界政府のパートナーとなることを意味する。米ソは、将来の「危機管理と地球規模の計画」に責任をもつようになるというのである。

 アフリカ諸国を死にいたらしめる計画

 ローマクラブの最初の「地球規模計画」は初期の三百人委員会の一員であったマサチューセッツ工科大学(MIT)によって進行した。ジェイ・フォレスターとデニス・メドウズがプロジェクトを管理した。

 彼らは何を報告したのか。基本的にはマルサスとフォン・ハイエクが説いたところと変わりなく、全員に行きわたるだけの自然資源がないという話のむし返しである。フォレスター−メドウズ報告は、完全な欺瞞である。この報告に欠陥しているのは、人間には証明ずみの創造の天性があって、十中八九、「不足」の問題を徐々に解決していくであろうという点である。

 三百人委員会が不倶戴天の敵としている核融合エネルギーは、自然資源をつくりだすことができるはずである。核融合トーチは一立方メートルの通常の岩石から、たとえば四年間の需要をみたすほどのアルミニウムを取りだすことができるはずである。

 ペッチェイは民族国家に対して、彼らがいかに人類の進歩を妨げているかと倦まずたゆまず説いた。彼は「集団責任」を要求した。民族主義は人間にとってのガンであるというのが、ペッチェイのいくつかの演説の重要なテーマであった。彼の親しい友人であるエルヴィン・ラズロが一九七七年に出版した、ローマクラブ研究の里程標である『人類の到達目標』という本にも類似のことが述べられている。

 これらの歳月のあいだキッシンジャーは、非公式の仲介人としてRIIAに代わってモスクワと接触していた。『グローバルモデリング』紙には、定期的にキッシンジャーのクレムリンの友人たちが参加している。

 第三世界に関しては、ローマクラブのハーランド・クリーヴランドが最高に冷笑的な報告を出した。その報告を出したとき、クリーヴランドはNATOに派遣されたアメリカ大使であった。本質的にはその報告では、第三世界諸国は人口削減を決定すべきであると説いている。 ペッチェイはのちに(クリーヴランド報告を基礎として)次のように述べている。

 「三大国とブロックの混乱した政策で打撃を受け、あちこちつぎはぎしたような形で事態が収拾され、現存する国際経済秩序は明らかに瓦解している……優先順位を決める必要――誰を助けるべきかを決める――を展望すると、実に恐るべきものとなる。だが、いたましいことではあるが、このように事態が進むとすれば、このような決定を下す権利は、世界の飢餓と生命に大きな影響力をもつことであるから、少数の国のみに委ねざるを得ない」

 ここには、サブ−サハラ諸国に明白に見られたように、アフリカ諸国を死にいたらしめる委員会の政策が見られる。これは最悪の意味での冷笑である。なぜならば、三百人委員会はすでにアフリカ自身に生死を決定させることを放棄させたことを、ペッチェイは知っていたのである。彼はいち早く『成長の限界』でそれを明示していた。

 ペッチェイは完全に工業と農業の発展を廃棄し、世界が統一世界政府のひとつの共同の会議、少なくともローマクラブとそのNATO参加国の下に置かれることを要求した。自然資源は、地球計画の援助のもとで配分されなければならなかった。各国はローマクラブの管理支配を受けいれるか、密林の法則にしたがって生き残り、生き残るべく闘わなければならなかったのである。

 その最初の「テストケース」が、RIIAのためにメドウズとジェイ・フォレスターが、一九七三年に立案したアラブ・イスラエル戦争だった。これは、石油のような自然資源を将来、世界計画者の管理下に置くこと、すなわちそれは三百人委員会の管理下に置くことを意味していた。

 タヴィストック研究所がマクジョージ・バンディ、ホーマー・パールムッター、ならびにアレクサンダー・キング博士も招待しペッチェイとの協議を召集した。ロンドンからペッチェイがホワイトハウスにやってきた。そこで彼は大統領や高官と合い、次いで国務長官、国務省情報機関、政策立案会議と会談すべく国務省におもむいた。かくして、そもそもの最初からアメリカ政府はこの国に対して行なわれる三百人委員会の計画を知っていたのである。

 このことは、「なぜわが国の政府は、ローマクラブが合衆国のなかで行なう破壊活動を許したのか」という、よくもちだされる質問の答えとなるはずである。

 ボルカーの経済金融政策は、三百人委員会のメンバーで英国の大蔵大臣のサー・ジェフリー・ホウのそれの反映であった。このことは、一八一二戦争からはじまって三百人委員会のメンバーで英国の大蔵大臣のサー・ジェフリー・ホウのそれの反映であった。このことは、一八一二年戦争からはじまって三百人委員会の政策を通じて、いかに英国がアメリカをコントロールしているかを描いて見せてくれる。


【「韋駄天迷宮」の「洗脳戦争の背後を探る」】
 「韋駄天迷宮」の「情報迷宮」の「洗脳戦争の背後を探る」を転載する。

 ●暴露された「MKウルトラ」

 1975年、当時のCIA局長ウィリアム・コルビーは、上院・諜報委員会で証言を行った。この注目を集めた証言で、コルビーはCIAの「財源」について暴露した。それによってCIAが何十年に亙って行っていたマインド・コントロール、洗脳、つまり「MKウルトラ」と呼ばれる秘密実験の存在が明らかとなった。

 後に明らかになったところでは、MKウルトラ要員は何百ものLSD-25を全米に流した。そしてこれによって、彼らは1960年代の麻薬・ロック・セックスというカウンターカルチャーの創造に大きな役割を果たしたのである。

 CIAの洗脳計画は、イギリスの心理学者、心理戦争の専門家たちと深いつながりを持っていた。ロンドンのタヴィストック研究所、そして他のイギリス諜報機関がそうした人々を集めていた。

 タヴィストックのスタッフは第二次世界大戦中、イギリス軍に組み込まれ、イギリス軍・心理局を形成した。タヴィストック研究所の前身、タヴィストック医院は1922年、イギリス軍・心理学者によって設立され、彼らはここで帰還イギリス兵の「ショック・トラウマ」を研究したのである。

 第二次世界大戦後、タヴィストック研究所は「心理軍隊」(ジョン・ローリングス・リーズ所長の言葉)を世界中に派遣した。それは社会を一定方向に向け、洗脳し、世界政府を作り上げるためであった。

 CIAのMKウルトラに直接関わっていた人物として、エウィン・カメロン博士、ウィリアム・サーガント博士を挙げることができる。アメリカ人心理学者ルイス・ジョリオン・ウェスト博士も、MKウルトラに加わる前、タヴィストックで訓練を受けていた。

 オルダス・ハックスレー博士は麻薬を心理学に持ち込んだことで有名である。ハックスレーもMKウルトラでしばしばレクチャーを行い、秘密諜報計画に加わっていた。この計画には、心理状態を変化させる薬の使用、そして薬を用いない他の洗脳方法が含まれていた。ハックスレーは1957年初頭、ウェストとの共同研究を開始し、ハンフリー・オズモンド博士への手紙で、若きウェストについて「極めてきれる若者」と評している。ちなみにオズモンドも、MKウルトラで中心的役割を果たした心理学者である。

 ●心理戦争の民営化、そしてメロン・スカイフェ基金

 CIA局長コルビーは、CIAがアメリカ国内での違法な洗脳実験に関与していたことを公的な場で率直に認めた。この実験は表向き、朝鮮戦争中、共産主義者がアメリカ兵捕虜に行った洗脳実験「満州実験」に対抗するためのものであった。

 とはいえ、アメリカ人を対象にしたCIAによる洗脳実験が暴露されるに及び、全米で怒りが爆発し、この計画を暴露する多くの本・雑誌が書かれた(この時、約7000ページに及ぶCIA報告書が参照された)。

 CIA元局長リチャード・ヘルムズは、MKウルトラを推進した中心人物だったが、彼は洗脳計画に関するCIAファイルをすべて破棄するように命じていた。しかし、CIA財務部は、その命令について自らの部署には関係がないと考え、MKウルトラに関する財務資料を破棄していなかった。そして、財務資料が残り、それによって皮肉ながら、CIAが多くの免税基金やCIA特権を利用していたことが露となったのである。一例を挙げれば、MKウルトラが大学、病院で実験を行ったような場合である。

 ほんの数年前にも、最もスキャンダラスな暴露が明らかになった。それはカナダ人グループがCIAとカナダ政府を訴えたことに端を発している。その訴えは、タヴィストックのエウィン・カメロンがモントリオールのマギル大学、アレン記念医院で行ったCIA絡みの心理実験に関してであった。

 CIA及びアメリカ政府は、洗脳計画はコルビー証言以来実行されていないと主張していた。しかし証拠から、MKウルトラは単に「民営化された」(雇われたのはやはりイギリス要員)にすぎないことが分かったのである。

 イギリス、そしてアメリカ国内のイギリス要員は、依然として違法な諜報活動を繰り返していた。その際、いくつかの基金が利用された。そうした基金はMKウルトラがまだ「民営化」されていなかった頃、CIA・ペンタゴンの資金をロンダリングする目的で設立されていた。

 そうした基金の中でも、最も重要なものとして「アメリカ家族基金」(AFF)を挙げることができる。そして、この基金への最大の資金提供者が、リチャード・メロン・スカイフェであった。

 アメリカ国内のイギリス宣伝団体「フォーラム・ワールド・フィーチャーズ」、「コングレス・オブ・カルチュアル・フリーダム」、1980年代の「プロジェクト・デモクラシー」(ジョージ・ブッシュとオリー・ノースの団体)が民営化した時にも、メロン・スカイフェ系の基金が関わった。これは偶然ではない。

 これらの民営化作業は、CIA局長アレン・デュレスが1953年、公的な場で認めたように「心理戦争」の一環だった。1973年には、あらゆる「心理戦争計画」の民営化を提唱する研究グループの議長に、ニコラス・カッツェンバックが選ばれた。メロン・スカイフェもこれに加わり、秘密諜報活動をバックアップした。

 ●アメリカ家族基金(AFF)

 記録によれば、AFFは1979年12月に設立された。1980〜88年、スカイフェ系の基金がAFFに25万ドル以上の資金を提供した。

 AFFは表面上は公共利益団体で、「危険カルト」のアメリカ社会への浸透を予防することを標榜していた。ところが実際には、AFFはMKウルトラの心理学者たちの活動を援助していたのである。MKウルトラの活動には、議会や他の機関の調査も入らず、「民間部門」で行われたのである。

 例えばウェストの場合を考えてみよう。AFFは1991年、「ニュー・フェデラリスト」紙に特別記事を載せた。それにはこう書かれている。 「30年以上もの間、ウェスト博士は、退役軍人・囚人・アルコール中毒者・麻薬中毒者の心理に関して実験を繰り返してきた。それは、麻薬・電気ショック・独房・行動コントロール技術を使っての実験である。1977年、ウェスト博士はMKウルトラ計画の一員として、LSDを使用して心理を破壊するというCIAの実験に参加していたと、『ニューヨーク・タイムズ』紙上で報じられた。彼はイギリスのタヴィストック研究所で集団行動の知識を受け、1960年代初頭には、サンフランシスコのハイト・アシュベリーで若者への麻薬の影響を研究した。」

 このハイト・アシュベリーでウェストと共にいたヒッピーの中に、チャールズ・マンソンがいた。マンソンは現在、悪魔的・殺人カルトの指導者である。彼は当時の医学雑誌に次のような結論を掲載している。 「何百万人もの失業者がいる現在、多くの麻薬常習者、特に強い麻薬常習者については、隔離して労働市場から締め出すことが簡便で、経済的ですらある。社会にとっては、彼らが隔離された場所で麻薬による幻覚でも見ている方が、より無害でコストもかからない。彼らが疎外された状況を別な手段で訴えたりすれば、例えば組織的な政治行動・反対行動を積極的に行ったりすれば、遥かに面倒である。」

 1973年、ウェストは「暴力減少研究センター」をロサンゼルスのサンタ・モニカに設立することを提唱した。彼は次のように述べた。 「この場所はアクセスしやすいが、人里離れている。ここはきちんと塀で囲まれており、比較研究を行うことができる。隔離されているが、好ましくない行動に関して実験・研究を行うには便利な場所である。」

 AFFでメロン・スカイフェ基金を受けた人物としては、マーガレット・シンガー博士がいる。彼女もMKウルトラの初期の頃からのメンバーで、彼女は朝鮮戦争時、アメリカ兵捕虜の研究を行い、後にハイト・アシュベリーでウェストの実験に加わった。彼女の研究は「人間生態研究協会」から出版された。この協会はCIA直轄の団体で、MKウルトラが「民営化」される前の秘密団体であった。

 ●カルト監視ネットワーク(CAN)

 ウェストは1990年、「人間心理への攻撃に対し、極めて勇気ある戦いを粘り強く忍耐を持って行った」として、レオ・J・リアン賞を受賞した。

 ウェストにこの賞を授けたのは、「カルト監視ネットワーク」(CAN)である。

 CAN要員はその後、誘拐で告発され、刑を宣告された。CAN要員は、民間軍事団体「ヘルズ・エンジェルズ」の暴走族、「ユダヤ防衛同盟」のテロリスト、ベトナム戦争崩れ、そしてごろつきで構成されていた。

 CANは数年前に破産している。しかし、CANは破産前、誘拐に失敗し、数百万ドルの判決を受けていた。この誘拐時も、CANはカルトの犠牲者を「再教育」するという目的でAFFと密接に協力していた。

 「再教育」という言葉は、タヴィストック研究所、その要員がMKウルトラのテストを「実地」で行っていた間、洗脳を行う際に用いた婉曲的呼び名である(そうした洗脳は明らかな拷問の場合もあった)。

 ●ボドマン基金

 ロンドンのタヴィストック研究所の世界ネットワークは、メロン・スカイフェ基金を受けたAFFとCANを動かしていたのである。

 他に資金援助を行った団体として、「ボドマン基金」が挙げられる。

 ボドマン基金は、AFF設立以来、最も多額の資金援助を行った基金である(ちなみにサラ・スカイフェ基金は二番目である)。

 ジョゼフ・パトリック・カーリーは、ジョージ・ブッシュの任命によりフランス大使になり、「ボドマン基金」の会長も兼任していた。また、カーリーは、パリにあるアメリカン・ホスピタルの名誉院長を務めたこともある。

 カーリーはピッツバーク出身で、メロン・スカイフェとは親しい仲である。実際、1961年から1975年の間、カーリーはJ・H・ホイットニー社と取引を行っていた。そして、同社はメロン・スカイフェ系の「フォーラム・ワールド・フィーチャーズ」を運営していたのである。


【ジョン・コールマン博士「三百人委員会 ついに暴かれた秘密世界政府の“極悪”正体!」】
 「阿修羅議論版11」の km氏の2003.7.15日付投稿「I S O教義【日本の政治家が馬鹿になった最大の理由】」の関連部分を転載する。


 陰謀家たちの超権力構造 三百人委員会
 ついに暴かれた秘密世界政府の“極悪”正体!
 ジョン・コールマン博士 著 歴史修正学会 訳

 二十一カ条の最終目標

 イルミナティ、風を征服するモリア、ディオニソス教団、イシス教団、カタリ派、ボゴミール派の後継者である秘密のエリートグループの最終目標は何か。自らもまたオリンピアンズと呼ぶこのグループ(彼らは真実自分たちは伝説のオリンポスの神々と同等の力を備えていると信じ、神とあがめるルシファーを、われわれの真実の神以上の位置に置いている)は、神聖なる権利によって次のことを完遂することが絶対の使命と信じている。
 教会と金融システムを彼らの管理下に置いた統一世界政府=新世界秩序。統一世界政府が一九二〇年代、三〇年代に「教会」を興しはじめたことを知る人は多くない。彼らは人類には本能的に宗教信仰の必要があることを認識した。そこで彼らは、自分たちが望む方向へ信仰のチャンネルを切り替えさせるために「教会」を興したのである。 
 すべての民族性と民族的な誇りを徹底的に破壊する。
 彼らが編みだした前記のものを別として、宗教、とくにキリスト教を破壊する。
 マインド・コントロールや、ブレジンスキーが「テクノトロニクス」と呼んだ人間に似たロボット、フェリックス・ジェルジンスキーの子どもが遊ぶように殺しを行なう「赤色テロル」などの手段を通じて、個々人をコントロールする。

 いわゆる「脱工業化ゼロ成長社会」において、産業と電力を生みだす核の生産を終焉させる。例外はコンピューターとサービス産業である。アメリカ合衆国の産業はメキシコのような奴隷労働が豊富な国々に輸出される。

 麻薬とポルノグラフィの合法化。
 大都市の人口削減は、カンボジアではポル・ポト政権によって実現された。 ポル・ポトの人間絶滅作戦と同じことが、合衆国ではローマクラブの研究調査機関のひとつによって実行に移されるだろう ということに注意する必要がある。
 三百人委員会が価値ありと判断した以外のすべての科学を抑圧する。とくに標的とされるのは平和利用の核エネルギーである。とりわけ三百人委員会とその手先の新聞が憎悪を叩きつけるのは、核融合実験である。核融合トーチの開発は、三百人委員会の「限りある自然資源」という見解を窓の外へ吹き飛ばすであろう。

 適切に用いられた核融合トーチは、非常にありふれた物質あるいは利用されていない天然資源から無限にエネルギーを取りだすであろう。核融合トーチの用い方は無数にあり、一般にはまだ知られていない利用法で人類に益するであろう。
 先進国の限定戦争という手段、または第三世界諸国の飢餓と疾病という手段によって紀元二〇〇〇年までに実行される三十億人の「ムダ飯食い」と呼ばれる人びとの死。三百人委員会はサイラス・ヴァンスに、このような大殺戮をもたらす最上の方法について報告させている。この論文は『グローバル2000報告』という題で出版され、合衆国政府を代表してカーター大統領がこれに賛成し、国務長官エドウィン・マスキーが承認している。『グローバル2000報告』にそって、合衆国は二〇五〇年までに人口を一億人まで減らすはずである。
10

 大量に失業者をつくりだして、国民の士気を阻喪させ、労働階級の労働者を混乱させる。ローマクラブが採用した脱工業化ゼロ成長政策により仕事が縮小される 結果、士気阻喪させられた労働者たちは、アルコールと麻薬に走るだろう。わが国の若者たちはロック・ミュージックと麻薬で現状に対して反抗しようとするだろう。そして、このような破壊は家族単位に及ぶだろう。

 この視点から三百人委員会はタヴィストック研究所に、いかにしてこのような状態をつくりだすのかの詳細な計画案を用意させている。タヴィストックはウィリス・ハーモン教授指導のもとにスタンフォード研究所をこの作業に当たらせた。この事業はのちに『水瓶座の陰謀』として知られるようになった。

11

 次から次へと危機をつくりだしては、そのような危機を「操作」し、あらゆる地域の人びとに自分で自分の運命を決定できないようにさせる。こうすることによって、あまりにも多くの選択肢に人は嫌気がさし、巨大な規模で無関心が広がるという結果を生じさせる。

 合衆国の場合には危機管理の部局がすでに設けられている。その名を連邦緊急管理庁(FEMA)と呼ぶ。私はこの部局の存在を一九八〇年に明らかにした。FEMAについては、あとの章でさらに述べる。

12  新しいカルトを導入し、不潔で退廃的なミック・ジャガーの「ローリング・ストーンズ」(ヨーロッパの黒い貴族たちに非常に気に入られたストリート・ギャング・グループ)や「ザ・ビートルズ」にはじまるタヴィストック研究所がつくりだしたすべてのロック「ミュージック」ギャングを含む、すでに活動している者たちを煽動する。
13

 イギリス東インド会社の奉仕人ダービーがはじめたキリスト教原理主義のカルトを引き続き奨励する。原理主義は、ユダヤ人こそ「神に選ばれた民」であると説くことを通じて、また、キリスト教助成という宗教上の理由によりかなりの金額を寄付させることによって、シオニスト国家イスラエルを間違って強化することになるだろう。

14  ムスリム同胞団、イスラム原理主義、シーク教徒のような宗教的カルトを拡大強化し、ジム・ジョーンズの体験と「サムの息子」型の殺人を実行する。とくに、故アヤトラ・ホメイニが通称MI6として知られる英国軍事情報部第6課の傀儡であることは、私が一九八六年に出版した『何が真にイランで起こったか』で述べたことである。
15

 存在する全宗教、とくにキリスト教を徐々に弱体化させるために、世界中に「宗教的解放」の思想を宣布する。これは「イエズス会の解放の神学」にはじまった。この思想はニカラグアを支配していたソモサ一族を失墜させ、現在ではエルサルバドルを滅亡させ、コスタリカとホンジュラスを二十五年間にわたる内戦に引きずりこんだ。

 いわゆる解放神学説の活動的な実例は、共産主義志向のマリー・クノール伝道団である。近年、広範なメディアの注意をひいた、エルサルバドルで発生したマリー・クノールの四人の尼僧による殺人事件がこのことを証明する。四人の尼僧は共産主義者で破壊分子であり、彼らの活動はエルサルバドル政府の記録に残されている。合衆国の新聞やニュースメディアは、エルサルバドル政府が所有する膨大な記録、マリー・クノール伝道団の尼僧が国内で行なっていたことを証明する記録を、一行たりとも報道することを拒絶した。マリー・クノールは多くの国々で活動し、ローデシア、モザンビーク、アンゴラ、南アフリカへ共産主義を持ちこむうえで大きな役割を果たした。

16  世界経済の全面的崩壊の原因をつくり、政治の全面的混乱を引き起こす。
17  合衆国の内政外政をコントロールする。
18  国連(UN)、国際通貨基金(IMF)国際決済銀行(BIS)、国際司法裁判所などの超国家的組織に、可能なかぎり全面的な支援を与える。
19

 すべての政府を破壊し、政府によって代表される国民の侵すべからざる高潔さを内部から崩壊させるべく活動する。

20

 世界にまたがるテロリスト機構を組織し、テロリスト活動が行なわれた場合はいつでもテロリストと交渉する。

 モロ首相とドジャー准将が誘拐されたとき、イタリア政府とアメリカ政府に赤い旅団と交渉するように説得したのはベッティーノ・クラクシであったことを想起せよ。

 余談であるが、ドジャー准将は、彼に起こったことを決して口外しないように口封じされていた。もし彼が喋るようなことにでもなれば、キッシンジャーがアルド・モロ、アリ・ブット、ジア・ウル・ハク将軍に執行したような「恐ろしい実例」となったことは疑いない。

21  完膚なきまでに破壊する目的をもって、アメリカにおける教育をコントロールする。

 これらの目標の多くは、私が一九六九年にはじめて明らかにしたものであるが、その後、達成されてきたし、十分に達成されつつある。

 『Illuminati News』より(2):目標、第三次世界大戦、スウェーデン

 【1】イルミナティの目標と三百人委員会 ジョン・コールマン博士

 
http://mercury.spaceports.com/~persewen/targets.htm

 1.ワンワールド政府と新世界秩序を樹立する。同時に、それらの指揮のもとで、統一された教会と統一された通貨システムを作る。ワンワールド政府は、1920年代と30年代に彼らの教会を設立し始めた。彼らは、信仰は人間に固有のものであり、はけ口が必要であることに気づいたからである。よって彼らは、自分たちの望む方向に人類の信仰を向けるような“教会”組織を設立した。

 2.あらゆる国家のアイデンティティーと、国民の誇りを完全に破壊する。これは、ワンワールド政府の概念を機能させる場合に、最も重要な課題だとされていた。

 3.宗教、特にキリスト教を破壊する計画を巧みに作り、実行に移す。しかし、彼らが作った上述の宗教だけは例外である。

 4.マインド・コントロールと、ズビグニュー・ブレジンスキーがテクノトロニクスと呼ぶものによって、すべての人間をコントロールする能力を確立する。これは、人間のようなロボットを作り、フェリクス・ジェルジンスキーの赤色テロなど、子供のお遊びのように感じられるような恐怖のシステムを作り出すものである。

 5.“脱工業化ゼロ成長社会”と彼らが呼んでいるものを作り、あらゆる工業化と、原子力発電を終焉させる。その例外は、コンピューター産業とサービス産業である。残っているアメリカの産業は、メキシコのように、奴隷労働が豊富に利用できる国に輸出される。これは、1993年に北米自由貿易協定(NAFTA)が可決されたことでもわかるように、すでに事実となっている。工業が破壊された後に、アメリカでは雇用不可能の人たちが出るが、彼らはアヘン・ヘロイン、またはコカインの常習者になるか、あるいは“余剰人口”を抹殺する“グローバル2000”というプロセスの対象の1人となる。

 6.麻薬の使用を促進し、最終的には合法化する。ポルノを“芸術”とし、広く受け入れさせ、最終的には非常にありふれたものとする。

 7.カンボジアのポル・ポト体制が行った“試行実験”に従って、大都市の人口を減らす。なんと、ポル・ポトのジェノサイド計画は、ローマクラブの研究財団に所属する1人の人物がアメリカで立てて、国務省高官のトーマス・エンダーズが監督したものである。さらに面白いことに、現在この委員会は、ポル・ポト派の虐殺者集団をカンボジアで再び政権につけようとしている。

 8.イルミナティが有益だと思っているものを除いて、あらゆる科学の発達を抑圧する。特に狙われるのは、平和利用の核エネルギーである。特に嫌悪の対象になっているのは核融合実験で、これは、イルミナティとそのジャーナリズムの手先によって、軽蔑され、あざけられている。核融合技術が進歩すると、イルミナティが流している「天然資源には限りがある」という概念が吹っ飛んでしまうからである。核融合技術は、正しく利用されれば、最もありふれた物質からでさえも、無限の天然資源を作ることができ、現時点ではまだ開発されていない天然資源も作ることができる。核融合技術の利用法は無限で、一般人にはまったく理解されていないような方法で、人類に恩恵を与えることが可能である。

 9.2050年までに、彼らが“ムダ飯食い”と呼んでいる30億の人たちを殺す。その手段は、先進国では限定戦争、第三世界では飢えと病気である。三百人委員会(イルミナティ)は、サイラス・ヴァンスに依頼して、どのようにこのジェノサイドを進めるかというテーマで、論文を書かせた。この論文は“グローバル2000レポート”という名前で発行され、元大統領ジェームズ・アール・カーター、当時国務長官のエドウィン・マスキーに受諾され、実行に移す承認を得た。このグローバル2000レポートに基づいて、2050年までにアメリカの人口を1億人減少させる予定になっている。

 10.人々の道徳性を弱め、失業者を大量に出すことによって、労働者階級のやる気をなくさせる。ローマクラブが作った“脱工業化ゼロ成長政策”のために、仕事がどんどん少なくなっているので、グローバル2000レポートでは、「張り合いがなくなり、やる気を失った労働者は、アルコールや麻薬に浸るようになる」と述べている。若者たちは、現状に反抗するロック音楽と麻薬によって勇気づけられる。このようにして、家族を徐々に崩壊させ、ついには破壊させる。三百人委員会は、タヴィストック研究所に依頼して、以上のような目的をどのように達成するかという計画を作らせた。タヴィストック研究所は、スタンフォード調査センターに命令して、ウィリス・ハーモン教授の指揮のもとに、その仕事に着手させた。この仕事は、のちに“水瓶座の陰謀(Aquarian Conspiracy)”という名で知られるようになった。

 11.次々と危機を作り出すことによって、世界中の人々が、自分の運命を自分で決められないようにし、それらの危機を“管理”できないようにする。人々は混乱し、意気消沈し、あまりにも多くの選択肢に直面して、多くの人が無感動に陥るようになる。アメリカの場合は、危機を管理するための機関がすでに準備されている。この機関は、“連邦緊急事態管理庁(FEMA)”と呼ばれている。私は1980年に初めてこの存在を把握した。

 12.新しいカルトを導入し、すでに機能しているカルトをもっと盛んにする。これには、ローリング・ストーンズ(ヨーロッパの黒い貴族が大いに引き立てているギャンググループ)などのロックミュージック・ギャングや、タヴィストック研究所が作り出してきたビートルズ以降のすべてのロックグループが含まれる。

 13.イギリスの東インド会社の召使いダービーが始めたキリスト教ファンダメンタリズムのカルトを増強し続ける。このカルトは、“神に選ばれた人々”という神話を通して、ユダヤ人と同一化することによって、シオニスト国家イスラエルを強化するために悪用されるようになる。また、彼らが“キリスト教を促進する宗教的運動”だと間違って信じているものに対して、巨額の金を寄付することによって、イスラエルを強化する。

 14.ムスリム同胞団、イスラム原理主義、シーク教などの宗教カルトを広めさせる。また、ジム・ジョーンズと“サムの息子”のタイプのマインド・コントロール実験を実行する。故ホメイニは、イギリスのMI6が作ったものだということは特筆すべきである。この詳細な研究では、アメリカ政府がどういう手順でホメイニを政権につけたかについて詳しく述べてある。

 15.“宗教の解放”という概念を世界中に輸出する。これは現存する宗教、特にキリスト教を破壊するためである。最初に行われたのが、“イエズスの解放の神学”である。これは、ニカラグアのソモサ一族の支配を終焉させ、現在では、エルサルバドルを破壊しつつある。エルサルバドルは、すでに25年間も内戦が続いている。コスタリカとホンジュラスにおいても、イエズス会士の扇動によって、革命活動が盛んに行われている。いわゆる“解放の神学”に精力的に携わっている団体の一つに、共産主義志向のメリノール・ミッションがある。数年前に、エルサルバドルでこの団体の4人の“修道女”が殺されたが、その事件が広範囲なマスコミの注目を集めたのは、このためである。4人の修道女は、共産主義破壊活動家で、彼女たちの活動は、エルサルバドル政府によって多くの証拠を握られていた。エルサルバドル政府は、メリノールの修道女たちが、エルサルバドルでどういう活動をしていたかを証明する大量の証拠書類を保有していたが、アメリカの新聞とニューメディアは、それについて一切報道しようとしなかった。メリノールは、多くの国で活動を行っており、ローデシア、モザンビーク、アンゴラ、南アフリカ共和国に共産主義をもたらすために重要な役割を担っている。

 16.世界の経済を完全に破壊し、政治を完全な無秩序状態にする。

 17.アメリカの対外政策と国内政策を支配下に置く。

 18.国連、IMF、BIS、国際司法裁判所などの超国家機関を徹底的に援助する。そして、地域的な機関は、段階的に廃止したり、国連という隠れ蓑の下に入れることによって、できる限り勢力の縮小化を図る。

 19.あらゆる政府に浸透して転覆を謀り、政府が持っている“国家主権の尊厳”を政府の内部から破壊する。

 20.世界的なテロリスト組織を作り、テロ行為がなされた時には、テロリストたちと交渉する。ここで思い出されるのは、ベッティーノ・クラクシである。クラクシは、イタリア政府とアメリカ政府を説得して、アルド・モロ首相とドジャー将軍を誘拐した“赤い旅団”のメンバーと交渉させた。余談だが、ドジャーは、彼の身に何が起こったかについて、厳しく口止めをされている。もし彼がそれについて口外するようなことがあれば、彼は間違いなく、ヘンリー・キッシンジャーが、アルド・モロ、アリー・ブット、ジア・ウル・ハクにしたようなやり方で、狂気じみた“ひどい目”に遭わされるだろう。

 21.アメリカの教育を完全に破壊する目的を持って、アメリカの教育を支配する。1993年には、この政策が十分な影響を与えていることが明らかになりつつあった。この影響力は、初等・中等教育において“結果主義教育(OBE)”が始まった時に、もっと破壊的なものとなるだろう。


【ガンタナモ収容所の生体実験を止めさせよ】
  ガンタナモ収容所は、囚人の生体実験研究所として利用されている。囚人はその挙句使い捨てされている。ジョン・コールマン著、太田龍監訳「タヴィストック」(成甲書房、2006.3.30日初版)の105−106Pは次のように記している。
 「こうしたレヴィンの技法が国際法や米国憲法を公然と犯して、グアンタナモ刑務所に収監されているイラク兵捕虜に用いられた。刑務所に於けるブッシュ政権の目に余る不当行為は西洋キリスト文化の常識を逸脱している」。
 「グアンタナモは、新世界秩序、ワンワールド政府が世界を完全に支配した暁には、私たちが予言するような収容所が米国や世界中にできることを如実に示している。サディスティック、非人間的、残忍このうえなく、犠牲者が生来持つ自尊心や反抗心を打ち砕き、囚人達を動物レベルに貶(おとし)める収容所である。(中略)グアンタナモ刑務所は、そう遠くない将来に米国中に乱立が予想される未来を先取りしている。その点は間違いない」。

【タビストック所長/心理学者のクルト・レヴィン博士】
 Chihiro Sato-Schuh
 【大量破壊兵器はテレビだった】
 テレビが大衆操作の道具になっているというようなことは、前からよく言われていたことではあるのだけれど、2年前にパンデミックが始まってからは、それが目に見えてはっきりとしてしまったようだ。どの局もあまりに同じことしか言わないので、どうもおかしいと思って調べた人たちは、どれも同じ財団から多額の資金を受けていることを突き止めていた。それで、主流メディアはどれもグローバル金融エリートに買収されているということがわかったのだ。
 2月にウクライナの戦争が始まったら、今度は急にすべてのメディアがロシアを敵にし始めた。それまではウィルスの脅威を煽り立てていたのに、今度はロシアに対する敵対意識を煽り立て始めたのだ。恐怖を駆り立てるような映像をこれでもかとばかりに出している点では、パンデミックのときとまったく同じだった。恐怖を駆り立てて、パニックを起こさせ、そして誰が悪いのかを繰り返し断言している。こうしたことは、本来、中立公正な報道をするべきメディアは、絶対にしてはいけないことなはずなのに、そんなことは忘れたかのように、一方的な断定をし続けている。
 危機のときにこそ、人々がそれぞれに適切な判断ができるようにニュートラルな情報を与えるのが、本来のメディアの役割なはずなのだ。恐怖を煽り立てるのではなく、何が危険で何が危険でないのか、何がどの程度に危険なのか、そういったことを正確に伝えて、それぞれが判断できるようにするものだ。ところが、パンデミックにしてもウクライナの戦争にしても、メディアは一方的に恐怖を煽り立てるような報道ばかりしている。
 もちろんこの頃では、誰でもインターネットが使えて、世界中からの情報が得られるようになったので、いくらテレビや新聞が買収されていても、別なルートからの情報がたくさん入ってくる。現地の住民や兵士たちも、自分でスマホで動画を撮影して、SNSにアップしていたりする。そうした映像からは、テレビや新聞が口をそろえて報道していることとは、まったく違う現実がそこにはあることが、否応もなく見えてきている。
 テレビでは、キエフの空を爆撃機が飛び交っている映像が繰り返し放映されていたけれど、市民が撮ったキエフの街はそんな風ではなかった。ウェブCAMに映っていた街の風景もまったく平穏だった。ウクライナ東部では、団地が爆撃されたといって、焼け焦げになり穴だらけになった建物が映し出されており、テレビではロシア軍が爆撃したと言っていたけれど、それは8年前からウクライナ軍がやっていることなのだと現地の人々が口々に言っている動画がSNSにいくつもアップされていた。
戦争が始まるや否や、西側の国ではロシアのメディアを締め出して、ウクライナ政府側からの情報だけを報道していた。戦争に加わっているわけでもないのに、ロシア側からの情報は敵国プロパガンダと決めつけて、締め出してしまったのだ。一体何だってそんなことをするのかと思っていたら、直にそのわけがわかった。
 実際には、ウクライナ軍がウクライナの街を無差別攻撃していたのだ。そして、それをロシア軍がやったとウクライナ政府は報告していた。西側のメディアは、ウクライナ政府の報告通り、すべてはロシア軍がしたことだとして、ロシアへの敵対意識を煽っていた。だから、ロシア側からの情報をあらかじめ締め出しておく必要があったわけなのだ。両方の側からの情報が入ってきていたら、明らかにウクライナ軍の方が非道なことをしていることがわかってしまうからだ。
 ウクライナのアゾフ連隊は、ナチのシンボルをつけて、自分たちはナチだと言っており、明らかにナチそのものなのだけれど、そればかりではなく、彼らはロシア人は害虫だから皆殺しにすべきだと公然と言っていて、ジェノサイドを正当化していたのだ。それなのに、西側のメディアはアゾフはナチではないと言い、それはすべてロシアのプロパガンダなので、アゾフがナチだなどという人間こそは、ロシアのナチだとさえ言い始めた。
 そして、「ロシアのナチ」をやっつけるために、ウクライナにもっと武器を与えろと煽っているのだ。つまり、公然とナチに武器を与えているわけなのだけれど、恐ろしいことにこれが世界中でまかり通っている。その結果、世界中でロシア系住民が公然と差別されたり暴力をふるわれたりするようになり、対ロシアの経済制裁を加えることが義務であるかのような空気が作られ、抗議するロシアの外交官たちが、プロパガンダを広めているとして追放されさえした。
 かくして、メディアはあっという間に世界的にナチの正当化という、最もあり得ないようなことを実現してしまったのだ。そして、さらに恐ろしいことに、テレビを信頼している多くの人はそれがナチ化であることに気がついていない。
 ところで、メディアというものはまさに大衆心理操作のためにあるのだという話がある。心理操作ではイギリスのタビストック研究所が有名だけれど、この研究所は何と、まさに人々を心理操作して戦争に向かわせるようにすることを目的にして作られたものだったのだと、ドイツの医学者のライク・ガルネ博士が4月に出した動画で言っていた。
 この研究所の前身になる研究所が最初にできたのは1913年のことで、それはドイツとイギリスを戦争に巻き込むことを目的としていたのだという。つまり、まさに第一次世界大戦を起こさせる目的で作られていたのだ。この研究所は非営利組織として設立されたのだけれど、非営利組織というのは、実のところ資金を出している組織の言うなりに動くことになっている。この研究所に資金を出しているのは、英国王室やロスチャイルド家、ロックフェラー財団などで、つまり世界を影から支配しようと企てているシティ・オブ・ロンドンそのものだった。
 1932年にタビストックの所長になった心理学者のクルト・レヴィン博士は、普通の平和的な人間をどうしたら戦争に駆り立てることができるのかということを研究していた。彼によると、人間は緊張状態にないときには、誰でも冷静に判断する能力があり、さまざまな角度からものを考えることができるのだそうだ。そこに通常の緊張状態が加わると、その判断能力が、最も効果的に問題を解決するべく動き始める。
 ところが、この緊張状態が異常な強さになったとき、人はあらゆる判断能力を失ってしまい、動物のような状態になってしまうのだという。そうなると、人は外からどのようにでも操作することができるようになってしまう。これを集団的に行なうと、盲目的に動く群衆を作り出すことができてしまうのだそうだ。レヴィン博士のこの理論を使って、タビストック研究所はイギリス、ドイツ、アメリカを第二次世界大戦に巻き込むことに成功したということだったらしい。
 普通の人々は戦争などしたいとは思わないものだ。だから、人々を戦争に駆り立てるには、正常の判断力を失わせる必要がある。そのためには、人を絶えず異常な緊張状態にさらせばいいということになる。パンデミックでもウクライナの戦争でも、テレビがやっていたことはまさにそれだと言える。昼も夜も恐ろしい映像を流し続けて、人にショックを与え続け、心理的パニック状態が続くように仕向けていたわけだ。
 心理的パニック状態が続いたところで、何が悪者で、何と戦うべきなのかを、繰り返し断定するわけだ。心理ストレスが限界を越えて、判断能力を失う状態になっていた人々は、それを盲目的に信じてしまう。それで、ヒステリックに攻撃的な行動に走ることになる。実際、パンデミックのときには、少なからぬ人々がマスクをしていない人に対してヒステリックな攻撃性を向けるようなことになっていたし、ウクライナの戦争が始まってからは、ロシア系の住民に暴力をふるう人が続出していた。そして、それをメディアは問題視するどころか、さらに煽っていたのだ。
 テレビこそは、大量破壊兵器だったのだ。核兵器も生物兵器も、人々が戦争に駆り立てられていかないかぎり、使われることなどない。ところが今、テレビで恐怖を煽られた人々は、ロシアをやっつけるためにウクライナにもっと危険な武器を送れと叫んでいるのだ。ロシア軍は市民など攻撃していない、あれはウクライナ軍がやっているのだと、あらゆる証拠を出して説明しても、判断力を失った相手を納得させることはできない。それこそはまさに、メディアが心理操作で作り出した状態なのだ。
 一方、買収されたメディアではなく、一人で現地に乗り込んでいった個人のジャーナリストたちがいる。こうした人たちは、どんな組織からもお金をもらわず、SNSで発信して寄付だけで活動している。こういうジャーナリストたちが伝える情報は、テレビが伝えるイメージとは対照的だ。
 テレビが伝えるイメージは、思考力が停止してしまうようなショックを与えてくる。だけど、一人で乗り込んでいったジャーナリストたち、ドイツのアリーナ・リップやスペインのルーベン・ジスベルトの伝える情報は、どんなに残酷な現実であっても、それに対して人は何かができるという感覚を与えてくれる。そうした動画には、実際にひどい破壊状態の中でも普通に生きようとしている人々の姿があり、助け合っている人々の姿がある。現実に起こることは、どんな状況であっても、必ず抜け道があり、進んでいける道があるものなのだ。そういうときには、人間は実にクリエイティブになり、解決策を見つけていく。そうした姿が、彼らの動画にはちゃんと映っている。
 本来人間には、どんな状況でも冷静に判断し、最上の解決策を見つけ出す能力があるのだと、レヴィン博士も言っている。とりわけ危機の状態になったときには、その能力はさらに磨きがかかって、普通なら思いつかないような発想が出てきたり、普通なら出せないような力が出せたりする。タビストックは、まさにこうした状態に人々がならないようにして、そうではなく盲目的な群衆を作り出すために、非現実的な恐怖のイメージをテレビを使って送り込んでいるわけだ。
 パンデミックのときも、テレビを壊せばパンデミックは終わる、とよく言われていたけれど、ウクライナの戦争も終わらせようと思ったら、テレビ局を破壊するのが一番手っ取り早いのかもしれない。集団ヒステリー状態になって、ロシアが悪い、ロシアをやっつけろと言っている人たちも、テレビが見られなくなったら、急速に正常な判断力を取り戻すのかもしれない。メディアを使った心理操作こそは、実は最大の大量破壊兵器だったのだ。20世紀に入ってから、戦争はほとんどがメディアを使った心理操作で引き起こされたものだったということがわかってきているのだけれど、このウクライナの戦争になって、ようやくそれがはっきりと見えてきたようだ。
 私たちは100年以上もの間、同じ手で騙され続けてきたあげく、ついにそれを見破ったということなのじゃないだろうか? そこで見えてくるのは、私たち人間は、本来はどんな状況でも人々と調和して生きる道を見つけていくすばらしい存在だということだ。殺し合っていたのは、意図的な心理操作によって愚かにさせられていたからにすぎなかったのだから。
 そのことに気づいたときにこそ、私たちは本当に新しい人間性というものを見つけるのじゃないかと思う。そして、私たち人間が本来持っている力によって、新しい文明、調和する世界が織りなす文明を始めていくことができるのがわかるのじゃないかと思う。




(私論.私見)