「シオンの議定書」テーゼの構成考

 (最新見直し2007.10.12日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 「シオンの議定書」を偽書として一蹴する者はついぞ検討することがないであろうが、これを史書として受け取るれんだいこには、「シオンの議定書」の秀逸さが見えてくる。これに言及する。

 「シオンの議定書」の権謀術数テーゼぶりに目くらましされてはいけない。その部分を捨象すれば、「シオンの議定書」は、これを左翼党派が持つべきテーゼと比較すれば瞭然であるが、「革命プログラム遂行」の為の非常に勝れた実践的指針書であり全体が「革命の青写真」になっていることが判明する。これだけのものを左翼党派が持っていない中で、−果たしてレーニン在任中のポルシェヴィキでさえこれだけの「革命の青写真」を創出し得ていたであろうか−議定書派がかの時点で用意し、以降彼ら流の「革命プログラム」を遂行してきたことに、れんだいこはこのことに驚嘆する。

 「シオンの議定書」には、左翼党派にありがちな駄弁饒舌的要素は微塵もなく、全編が「権力奪取」を眼目にしてその為の手法を開陳したものとなっている。その説き起し方も、一般命題から具体策へ、それも主要問題から派生問題へと転じ、続いて個別課題の検討、運動の戦略戦術、近々の指針から過渡期問題、権力奪取後の青写真等々を説いている。何とも末尾の最終章は変哲もない残薄なものになっているが、れんだいこは、それにしてもかくも精緻に論及したものを他に知らない。

 内容はともかくも、この体裁だけでも実に賞賛されるのではないのか。党派たるものはかように自らの世界観、社会観、運動観、指針、戦略戦術を提起すべきではないのか。それを能く為している「シオンの議定書」は、これを書き上げた議定書派の能力の高さを証しているのではないのか。

 「シオンの議定書」は、左翼党派で云えばいわばテーゼであり、体裁上はこの種の教本として最高の水準にあると云えよう。従って、左翼運動を志すものはむしろ、敵ながらむしろ「シオンの議定書」から汲み取らねばならないものがあるのではなかろうか、その論証構成力を学ばねばならないのではないのか、例え反面教師的教材であれ極めて重要な意義を持っているという位置づけをせねばならない、のではなかろうか。

 この「気づき」は恐らく誰も為しえなかったであろう。これは、れんだいこを自慢しようとしているのではない。客観的に観る眼を養うことの大事さを指摘している訳である。

 2004.9.24日 れんだいこ拝

【「シオンの議定書」の構成】
 「シオンの議定書」は、全体が24章から構成されている。章によっては長くあるいは短い。どこかの会議録であるようで、しかもそれが約三日間を費やしているように見える。

 各章の組み立ては次のようになっている。
第 1章  序文で、「ユダヤ賢人とゴイム賢人の世界観の違い」に触れ、それを明らかにすると述べている。続いて、「ユダヤ式帝王学」の要点を約15項目に亘って論述している。
第 2章  余程重要と思われる事項に付き個別課題各論に入り、意思統一的見解を披瀝している。
第 3章  ゴイム政府及びその社会の批判的検討に入っている。
第 4章  ユダヤ王国再興運動推進上の要点確認に向っている。その絡みで、秘密組織フリーメーソンについて堂々と触れている。
第 5章  ユダヤ王国新政府の諸政策上の要点確認に向っている。
第 6章  更に具体的施策に言及している。
第 7章  その際の最も肝腎な点に付き留意を喚起している。
第 8章  「ゴイム政府懐柔策」について言及している。
第 9章  ユダヤ王国創出後の諸施策について言及している。
第10章
第11章
第12章
第13章
第14章
第15章
第16章
第17章
第18章
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(私論.私見)