【ブッシュ政権中枢の「ネオコン四人組」】

【ブッシュ政権中枢のネオコンの首領ラムズフェルド国防長官、「ネオコン四人組」】
 ウォルフォウィッツ、リチャード・パール元国防次官補、ダグ・ファイス国防次官、エリオット・エイブラムズ・ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)中東部長が「ネオコン4人組」と云われている。米国の強硬なユニラテラリズム(一方的外交)を支えている。

 ネオコンの拠点とされるのがワシントンにあるシンクタンク「新しいアメリカの世紀のためのプロジェクト」(PNAC)。1997年に設立されたときの発起人の名前を見ると、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ウォルフォウィッツ国防副長官、リビー副大統領補佐官、ロドマン国防次官補、カルリザード・アフガン担当特使、エイブラムズ国家安全保障会議(NSC)部長、ドブリンスキー国務次官といったブッシュ政権の有力者たちがずらりと名前をそろえている。

 PNACの設立趣意書には、「米国の安全保障や繁栄、原則に対して友好的な国際秩序を維持し、拡大していくのが米国独自の役割であるという責任を受け入れる責任がある」といった下りがある。「米国独自の役割」というのは、超大国となった米国だけに与えられている使命といった意味合いが出ていて、まさにブッシュ戦略の中核がここに示されている。

 ネオコンの古参実力者リチャード・パール元国防次官補が昨年11月、国連決議1441の採択後に米テレビの番組で吐いた言葉は次の通り。
 「国連という腐敗した、力のない、効果もない機関などに信頼を寄せる外交官の理想主義は、ただの間抜けだ」。

 リチャード・パール元国防次官補は現在、国防総省の諮問に応じる国防政策委員長として影響力を行使している。

 ネオコンの代表的若手指導者ウィリアム・クリストル氏が、ブッシュ政権発足直後の2001年3月に米下院軍事委員会で証言した際の一節は次の通リ。
 「米国は突出した軍事力、最大の経済、普遍的な政治原則を持つ唯一のスーパーパワーだ。米国に挑戦できる競争相手国はない。この優位を長く将来にわたって維持するのが米国の戦略であるべきだ」

 PNACが昨年4月にブッシュ大統領に送った書簡は、次のように記している。
 「包囲された同盟国イスラエルを支援できるのは米国だけだ。中東の平和へ最も確実な道は、サダムや他の圧制者に譲歩することではなく、イスラム世界に自由と民主政治を生み出すことだ」と訴えた。ネオコンが時に「米国とイスラエルの二つを祖国とする」。

 
 ニューヨークタイムズのコラムニストであるトーマス・フレッドマンはアリ・シャビットにこう語った。
 「この戦争はエリートによって引き起こされた戦争だ。いまからあげる25人はこのオフィスから半径5ブロックぐらいの地域の中に全員いる。もし君がそいつらをどこか砂漠しかないような無人島にでも追放しとけば、あの戦争は起こらなかったんじゃないかな!?」。

【戦争政策進める根尾コンは実は兵役拒否組】
 対イラク先制攻撃を主張するブッシュ米政権内の超タカ派は、ベトナム侵略戦争などで兵役を逃れたか兵役経験のない者ばかり、ということが判明した。この部類に入るのはブッシュ大統領、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ウルフォウィッツ国防副長官、パール国防政策局長、戦争戦略担当のファイス国防次官ら。いずれも対イラク主戦論の中心人物。

 ブッシュは、ベトナム侵略戦争当時、テキサス州の州兵となることによりベトナム行きを逃れた。チェイニーは、さまざまな口実で徴兵猶予を繰り返した。後に、「60年代には軍務以外に優先課題があった」と弁明している。ラムズフェルドは、朝鮮戦争休戦後の1954年に海軍入りしたものの、同世代が同戦争に駆り出された時期には兵役を逃れた。共和党の議会指導者でも、ロット上院院内総務、ハスタート下院議長、ディレイ下院副院内総務らのイラク主戦論者のいずれもが、軍隊未経験者。

 これに反して、パウエル国務長官、スコウクロフト元大統領補佐官、シュワルツコフ将軍ら軍隊経験者が共通して対イラク戦争に慎重論をとっている。つまり、戦争未経験者のタカ派が、戦争をあおっているという構図になる。米国の秘密情報機関、国家安全保障局(NSA)の活動を暴いた「秘密の組織──超秘密のNSA」の著者、ジェームズ・バムフォード氏は、2002.9.17日付USAトゥデー紙論評で、この問題に言及して次のように述べている。
 「政府高官職は軍経験者で埋めるべきだとは言わない。しかし現政権で驚くべきことは、いま戦争遂行を最も声高に叫んでいる人々が、自分たちの世代の戦争を回避し、軍服を着ることさえ回避した人々だという点だ」。
 (赤旗2002.9.20日参照)




(私論.私見)