「ホロコースト論争5(三鷹板吉氏のホロコースト論3)」考

 (最新見直し2009.1.12日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ホロコースト肯定派「高橋ー山崎」組対する否定派「西岡ー木村」組の論争に三鷹氏が割り込む形で、「当初は否定派に与していたが、調べるうちに肯定派に至った」として、その見解を「66Q&Aもくじ」に書き付けている。れんだいこは、「当初は肯定派に与していたが、調べるうちに否定派に至った」ので、三鷹氏と丁度反対に立場に位置していることになる。

 以下、この御仁の言説を検証してみる。

 2005.3.3日 れんだいこ拝


【ホロコースト肯定派群像考】
 「阿修羅ホロコースト1」に、木田貴常氏が、2005.3.3日付「【参考資料】ニツコーからIHRとツンデルの『66Q&A』への回答 三鷹板吉氏訳」を投稿し、同日、「南青山」氏が、「Re: 歴史学において、ホロコースト否定の可能性はゼロです。まったく蓋然性がありません。(三鷹板吉)」レスを付けている。

 「南青山」氏は、「木田貴常さん、どうもです。詳細なリスト、お疲れさまです。とても参考になりました」と褒めあっている。その上で、三鷹板吉氏サイト「IHRとツンデルの『66Q&A』への回答」を勧め、特に読んで欲しいところとして『66Q&A』批判の効能と使用法を紹介し、次のようにエールしている。
 「『66Q&A』の全体のまとめとしてだけでなく、こうした論争にどのようなスタンスで立ち向かえばいいのかが簡潔に記述されています。ここを読んだあとで「IHRとツンデルの『66Q&A』への回答」その他へ進むというのが、小生のおすすめルートですね」。

 木田貴常氏がこういうところに顔を出している。ホロコースト観をかくもあけすけに吐露している。この御仁は、「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK43」の2007.11.9 日付け投稿「れんだいこ」と銘打ち「文章窃盗切張り屋の、“れんだいこ”とやらのサイトは、読むにあたわず」と喧伝してくれた経緯を持つ。これにより最近流行りの強権著作権派であることも示している。同時に「ホロコースト肯定派にして強権著作権論派という典型的スタイル」を示しており興味深い。

【ホロコースト肯定派取り巻き連中の論法考】
 ホロコースト肯定派が推奨する「『66Q&A』批判の効能と使用法」を転載し、れんだいこがこれにコメント付けてみる。
 三鷹自身、1年前の自分を思い出しながら書いているのですが、日本の世間一般 のフツー人の「ホロコースト」に関する知識って「ヒトラーがガス室を使ってユダ ヤ人を虐殺した」と一行で言えてしまう程度なんですよね。その一行知識があって も「ホロコースト」という言葉を知らなかったりする。単に「第2次大戦中にそん なことがあった(らしい)」てなレベル。  

 そんなフツー人に対して、ホロコースト否定者は、たとえばこんな風に囁きかけ ます。「知ってますか、ユダヤ人を殺したっていわてれるガス室など、実は存在し なかったんですよ」と。一番センセーショナルな主張を最初に掲げるのが、否定者 の手口です。「何を馬鹿なことを」と思いつつ、今まで聞いたこともない「新見解」 に興味をそそられる、というのがフツー人の反応でしょう。そこでレスポンスを返 して、否定者との「論争」が始まる。でも、フツー人サイドの根拠は「読んだ本に そう書いてあった(ように記憶する)」てのがせいぜい。対して否定者は、物証の 薄弱さ、証言の矛盾、「科学的鑑定」など、微に入り細をうがった「解説」を用意 しています。フツー人はとうてい反論などできやしない。「論争」というよりも 「講義」に近い状態で、フツー人の知識欲が旺盛ならば旺盛なだけ、乾いた土に水 が滲み込むように、ホロコースト否定説が注ぎ込まれていきます。  例えて言うなら、法律にうといお年寄り相手にインチキな「消防法」をタテに要 りもしない消火器を売り込む詐欺師の手口です。お年寄りが「法律を守りたい」と 思えば消火器を買うしかないという「結論」に至る。そのように巧妙に仕組まれた 「解説」が、あらかじめ用意されているのです。  

 ホロコースト否定者は、「本当のことを知りたい」というフツー人の知識欲を悪 用するのです。フツー人が知る由も無ければ学ぶ機会も無かったデティールに入り 込んだ「解説」を駆使して、あらかじめ用意された「結論」へと相手を追い込んで いく。三鷹自身、ハマりかけた経験を基に言ってるんですが(苦笑)  さて、どうすれば消火器売りから消火器を買わなくてすむのでしょうか? 

 方法 は二つあります。一つは最初から相手にしないこと。消火器売り=詐欺と決めつけ て、絶対にドアを開けないことです。もう一つは、消防法その他に関する知識を十 分に肥して、詐欺師の口上を論破すること。詐欺師がよく使う手口を学ぶのも有効です。例えば、消防署員でも関係者でもないくせに、「消防署の方から来ました」 と言い、嘘を見抜かれると「消防署がある方角から歩いてきたのだ」と強弁する類 の。

 ホロコースト否定に対しても同様です。アカデミズムの学者たちの「定説」と矛 盾する「異説」に対しては、問答無用で「嘘」と決めつけ、シャットアウトすると いうのが一つの方法。こういう一見乱暴な方法論が通用するからこそ、アカデミズムはアカデミズムたり得るのです。逆に言えば、もしもいくらかなりとも可能性が ある「異説」だったならば、フツー人よりずっと先に、アカデミズムの学者の誰彼 が主張して、学者間で「論争」が発生しているはずです。いまだ論争中の問題は 「定説」とは言えません。

 歴史学において、ホロコースト否定の可能性はゼロです。まったく蓋然性があり ません。  もう一つの方法は、否定者と同じレベルのデティールにまで入り込んで論破すること。否定者の詭弁論法を見抜くことでもあります。これがすなわち、三鷹がここで紹介した、ニツコーによるIHR「66Q&A」批判の「効能」なのです。

 元が比較的簡単な「Q&A」集にすぎないことから、そんなものを批判しても真 の意味での反論にはならないのではないか、と思う方もいらっしゃるでしょう。当然の疑問だと思います。でも、実際はこれこそが一番有効な批判なのです。

 ホロコースト否定者の大半は、歴史学をキチンと学び研究を突き詰めた結果「定説」とは異なる結論に到達し、自分自身の学問的誠実さをマットウせんがために否定説を唱えるに至ったのではありません。政治的理由で嘘と知りながら否定説を流布しているか、流布された否定説をうのみにしているかのどちらかです。前者にと っては、フツー人が一読して納得する、分かりやすく簡便な「Q&A」こそがもっ とも強力なプロパガンダの手段であり、後者に至っては、そのプロパガンダをオウム返しに繰り返しているだけなのです。この「66Q&A」に含まれたIHRの主張こそが、ホロコースト否定説の骨子であり、全体像を示すものです。

 さて、以下は「使用法」です。三鷹がアップした「66Q&A」を全部ダウンロー ドして、一個の文書ファイルとしましょう。「効能」試験用の試薬としては、西岡 さんのMSGが適当でしょう。JBOOKSの5番ボードには、西岡さんが「マルコポー ロ」に書いた記事の全文が登録されていますし、6番ボードでは参加者諸氏を相手に「否定説」を開陳し「論争」を展開しています。それらを読んで、気になった箇所について、キーワードを拾い、「66Q&A」を検索してみましょう。

 そうですね、 「チクロンB」あたりから始めてみてはいかがでしょうか。それと西岡さんの主張 とを比較検討すれば、結論はおのずと明らかだと思います。

 当ボードにアップした翻訳に関しては、意訳誤訳迷訳等は、すべて三鷹に責任が あります。原文を参照したい、という人は、インターネットでニツコーのページに 直接確認して下さい。さほど量が多くないのなら、三鷹にメールで問い合せて下さ れば、その部分の原文をお送りいたします。参照の結果、誤訳を指摘して下されば、 感謝いたします。よろしゅうに。
(私論.私見) 「ホロコースト論争における三鷹論法」について

 三鷹氏の論法は、高橋ー山崎組のそれとハーモニーしており、ホロコースト否定論の醸成されてくる背景を解析せずに、如何にも卑俗な悪者に仕立て上げ、正義を気取っている。面白いのは、ホロコースト否定論について次のように述べていることである。

 「対して否定者は、物証の薄弱さ、証言の矛盾、『科学的鑑定』など、微に入り細をうがった『解説』を用意 しています。フツー人はとうてい反論などできやしない。『論争』というよりも『講義』に近い状態で、フツー人の知識欲が旺盛ならば旺盛なだけ、乾いた土に水 が滲み込むように、ホロコースト否定説が注ぎ込まれていきます」。

 これによると、ホロコースト否定論者の論拠に対しては「一服させられている」ことになる。

 しかし、それに耳を傾けるのではなく、「お年寄り相手にインチキな消防法をタテに要りもしない消火器を売り込む詐欺師の手口」に例えて批判する。「ホロコースト否定者は、本当のことを知りたいというフツー人の知識欲を悪用する」とも云う。「三鷹自身、ハマりかけた経験を基に言ってるんですが(苦笑) さて、どうすれば消火器売りから消火器を買わなくてすむのでしょうか?」とも云う。 

 その対処法として二つあると云い、「一つは最初から相手にしないこと」、概要「もう一つは、知識を十分に肥して、詐欺師の口上を論破すること」であると云う。興味深いことは、アカデミズムの学者たちの見解を高く評価している様子で、支離滅裂調で次のように述べていることである。

 「アカデミズムの学者たちの『定説』と矛盾する『異説』に対しては、問答無用で『嘘』と決めつけ、シャットアウトするというのが一つの方法。こういう一見乱暴な方法論が通用するからこそ、アカデミズムはアカデミズムたり得るのです。逆に言えば、もしもいくらかなりとも可能性が ある『異説』だったならば、フツー人よりずっと先に、アカデミズムの学者の誰彼が主張して、学者間で『論争』が発生しているはずです。いまだ論争中の問題は 『定説』とは言えません」。

 れんだいこなぞは、この言説だけで、三鷹氏の言説の底の浅さ、無茶苦茶ぶりを見抜く。その理由は次の通りである。

1・「アカデミズムの学者たちの『定説』擁護論」について。
 (れんだいこボソボソ)

 「アカデミズムの定説」をエライ買いかぶっているが、アカデミズムの学者たちの定説に値打ちがあった試しがあるのか。学問的発見を何と心得ているのだお主は。その言たるや、近世曙光の地動説に対する魔女狩り審問で応えた体制側の発想と近接しているではないか、と返歌したい。

2・「『異説』に対しては、問答無用で『嘘』と決めつけ、シャットアウトする」という作法について。
 (れんだいこボソボソ)

 これは、学問的ファシズムの論法ではないのか。異説に対する態度こそ進歩発展の原理とみなして遇するのが知識人の嗜みではなかろうか。

3・「こういう一見乱暴な方法論が通用するからこそ、アカデミズムはアカデミズムたり得るのです」について。
 (れんだいこボソボソ)

 「乱暴な方法論こそアカデミズムがアカデミズムたり得る」とは無茶苦茶やがな。お主が云っていることは「アカデミズムは政治の下僕たるべし論」ですがな。マジで云っているなら狂ってるわ。

4・「もしもいくらかなりとも可能性が ある『異説』だったならば、フツー人よりずっと先に、アカデミズムの学者の誰彼が主張して、学者間で『論争』が発生しているはずです」について。
 (れんだいこボソボソ)

 既に論争は発生しているのではないのか。論争は強権的に押さえ込まれており、それでも地下で燻っているのが実際ではないのか。

5・「いまだ論争中の問題は 『定説』とは言えません」について。
 (れんだいこボソボソ)

 これ如何に。何が言いたいのだろうこの御仁は。

 他にも「歴史学において、ホロコースト否定の可能性はゼロです。まったく蓋然性がありません」とも云い為しているが、何を根拠に断定しているのだろう。

 「もう一つの方法は、否定者と同じレベルのデティールにまで入り込んで論破すること。否定者の詭弁論法を見抜くことでもあります」とも述べている。論法の姿勢としてはその通りで、だから否定派は丁度逆に、「肯定者と同じレベルのデティールにまで入り込んで論破すること。肯定者の詭弁論法を見抜くことでもあります」を実践しているのではないのか。それを「問答無用とするのも一つの方法」などと云っているのがお主ではないのか。云っていることが支離滅裂ではないか。

 「そうですね、 チクロンBあたりから始めてみてはいかがでしょうか。それと西岡さんの主張とを比較検討すれば、結論はおのずと明らかだと思います」とある。「おのずと明らか」になるのは果たしてどちらだろうか。こうなると、「ニツコーによるIHR『66Q&A』批判の『効能』」も怪しいと予想し得る。以下の駄文は、そっくりそのままお返しできる、ご都合論法に過ぎないので一々コメントつけない。総評。寒い観点披瀝のオンパレードだ。 

 2005.3.3日 れんだいこ拝





(私論.私見)