三鷹氏の論法は、高橋ー山崎組のそれとハーモニーしており、ホロコースト否定論の醸成されてくる背景を解析せずに、如何にも卑俗な悪者に仕立て上げ、正義を気取っている。面白いのは、ホロコースト否定論について次のように述べていることである。
「対して否定者は、物証の薄弱さ、証言の矛盾、『科学的鑑定』など、微に入り細をうがった『解説』を用意
しています。フツー人はとうてい反論などできやしない。『論争』というよりも『講義』に近い状態で、フツー人の知識欲が旺盛ならば旺盛なだけ、乾いた土に水
が滲み込むように、ホロコースト否定説が注ぎ込まれていきます」。 |
これによると、ホロコースト否定論者の論拠に対しては「一服させられている」ことになる。
しかし、それに耳を傾けるのではなく、「お年寄り相手にインチキな消防法をタテに要りもしない消火器を売り込む詐欺師の手口」に例えて批判する。「ホロコースト否定者は、本当のことを知りたいというフツー人の知識欲を悪用する」とも云う。「三鷹自身、ハマりかけた経験を基に言ってるんですが(苦笑) さて、どうすれば消火器売りから消火器を買わなくてすむのでしょうか?」とも云う。
その対処法として二つあると云い、「一つは最初から相手にしないこと」、概要「もう一つは、知識を十分に肥して、詐欺師の口上を論破すること」であると云う。興味深いことは、アカデミズムの学者たちの見解を高く評価している様子で、支離滅裂調で次のように述べていることである。
「アカデミズムの学者たちの『定説』と矛盾する『異説』に対しては、問答無用で『嘘』と決めつけ、シャットアウトするというのが一つの方法。こういう一見乱暴な方法論が通用するからこそ、アカデミズムはアカデミズムたり得るのです。逆に言えば、もしもいくらかなりとも可能性が
ある『異説』だったならば、フツー人よりずっと先に、アカデミズムの学者の誰彼が主張して、学者間で『論争』が発生しているはずです。いまだ論争中の問題は
『定説』とは言えません」。 |
れんだいこなぞは、この言説だけで、三鷹氏の言説の底の浅さ、無茶苦茶ぶりを見抜く。その理由は次の通りである。
1・「アカデミズムの学者たちの『定説』擁護論」について。 |
(れんだいこボソボソ)
「アカデミズムの定説」をエライ買いかぶっているが、アカデミズムの学者たちの定説に値打ちがあった試しがあるのか。学問的発見を何と心得ているのだお主は。その言たるや、近世曙光の地動説に対する魔女狩り審問で応えた体制側の発想と近接しているではないか、と返歌したい。 |
2・「『異説』に対しては、問答無用で『嘘』と決めつけ、シャットアウトする」という作法について。 |
(れんだいこボソボソ)
これは、学問的ファシズムの論法ではないのか。異説に対する態度こそ進歩発展の原理とみなして遇するのが知識人の嗜みではなかろうか。 |
3・「こういう一見乱暴な方法論が通用するからこそ、アカデミズムはアカデミズムたり得るのです」について。 |
(れんだいこボソボソ)
「乱暴な方法論こそアカデミズムがアカデミズムたり得る」とは無茶苦茶やがな。お主が云っていることは「アカデミズムは政治の下僕たるべし論」ですがな。マジで云っているなら狂ってるわ。 |
4・「もしもいくらかなりとも可能性が
ある『異説』だったならば、フツー人よりずっと先に、アカデミズムの学者の誰彼が主張して、学者間で『論争』が発生しているはずです」について。 |
(れんだいこボソボソ)
既に論争は発生しているのではないのか。論争は強権的に押さえ込まれており、それでも地下で燻っているのが実際ではないのか。 |
5・「いまだ論争中の問題は 『定説』とは言えません」について。 |
(れんだいこボソボソ)
これ如何に。何が言いたいのだろうこの御仁は。 |
他にも「歴史学において、ホロコースト否定の可能性はゼロです。まったく蓋然性がありません」とも云い為しているが、何を根拠に断定しているのだろう。
「もう一つの方法は、否定者と同じレベルのデティールにまで入り込んで論破すること。否定者の詭弁論法を見抜くことでもあります」とも述べている。論法の姿勢としてはその通りで、だから否定派は丁度逆に、「肯定者と同じレベルのデティールにまで入り込んで論破すること。肯定者の詭弁論法を見抜くことでもあります」を実践しているのではないのか。それを「問答無用とするのも一つの方法」などと云っているのがお主ではないのか。云っていることが支離滅裂ではないか。
「そうですね、 チクロンBあたりから始めてみてはいかがでしょうか。それと西岡さんの主張とを比較検討すれば、結論はおのずと明らかだと思います」とある。「おのずと明らか」になるのは果たしてどちらだろうか。こうなると、「ニツコーによるIHR『66Q&A』批判の『効能』」も怪しいと予想し得る。以下の駄文は、そっくりそのままお返しできる、ご都合論法に過ぎないので一々コメントつけない。総評。寒い観点披瀝のオンパレードだ。
2005.3.3日 れんだいこ拝
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