ホロコースト否定派、疑問派に対する逮捕投獄、強制送還、兵糧攻め考

 更新日/2018(平成30).5.17日

【ホロコースト否定派に対する相次ぐ逮捕投獄、強制送還事件考】
 「ホロコーストをめぐる戦い  【田中宇】」を参照する。

 ホロコースト否定派に対する逮捕投獄、強制送還事件が相次いでいる。ドイツとオーストリアでは、ホロコーストを否定したりナチスを礼賛する言動が違法行為とされている。フランス、スイス、ベルギー、イスラエルなどが同種の法律を持っている。最近も、リビジョニストのうち特に著名な4名(ドイツ人3、オーストリア1)が逮捕起訴されている。

 田中氏は次のように記している。
  ドイツで逮捕された3人のうちエルンスト・ツンデル(Ernst Zundel)(http://www.zundelsite.org/)は、ドイツ生まれだが1958年からカナダに住み、デザイナーをする傍ら、1980年に「本当に600万人も死んだのか」(Did Six Million Really Die?)という題の、ホロコーストの死者数は誇張されていると主張する本を書いた。彼は2003年にアメリカを旅行中、米入管当局に入国管理関係の法律違反で逮捕され、カナダに送還され、そのままカナダで2年間、勾留された後、今年3月にドイツに送還された。その後ドイツ当局から、ホロコーストを否定した容疑で逮捕起訴され、11月8日に裁判が始まった。
 http://www.adl.org/learn/Ext_US/zundel.asp?xpicked=2&item=zundel
 http://www.zundelsite.org/zundel_persecuted/feb25-05_media.html

 2人目のゲルマー・ルドルフ(Germar Rudolph)(http://germarrudolf.com/)はドイツ生まれの化学者である。彼は「チクロンB」という毒ガスを使ってユダヤ人が殺されたとされているアウシュビッツとビルケナウの収容所のシャワー室の壁の煉瓦の表面のサンプルを調べた結果、チクロンBが実際に使われたとしたら煉瓦に残るはずの残留物が残っていなかったことから、1985年に「チクロンBは使われておらず、ガス室は存在しなかったのではないか」と主張する論文「ホロコーストの検証」(英文題名"Dissecting the Holocaust")を発表した。
 http://www.nationalvanguard.org/story.php?id=6910

 彼の主張はドイツの法律に違反することになり、本は発禁になり、起訴されたが、1986年に判決が出る前にドイツから逃亡し、各地を点々とした後、アメリカのシカゴに住んでいた。今年4月に入管から呼び出しを受けたが出頭せず、アメリカ人女性と結婚したため永住権を申請しに今年10月に入管に出向いたところ逮捕され、11月14日にドイツに送還され、逮捕された。
 http://www.revisionisthistory.org/revisionist18.html

 3人目のジークフリート・フェルビーケ(Siegfried Verbeke)はベルギー人である。彼は、ナチスに迫害されたユダヤ人一家の話として戦時中に書かれたとされる「アンネの日記」について、日記は戦時中に書かれたものであるはずなのに、その原版を見ると、戦後の製品であるボールペン(1951年に市販開始)で加筆された部分がかなりあり、後から意図的に改竄されている、などと主張する論文(他のリビジョニストの主張の引用が中心)を刊行したが、オランダの裁判所で今年8月、発禁処分になった。
 http://www.vho.org/aaargh/fran/livres4/RFAnneFrank.pdf
 http://www.vho.org/GB/c/SV/120900.html

 その後、ドイツ当局が、フェルビーケの主張の中にホロコーストに疑問を投げかけている部分があることに注目し、自国でも裁く必要があるとしてオランダに移送申請し、10月に身柄がドイツに送られた。

 一方、オーストリアで逮捕されたのは、イギリス人の歴史学者デビッド・アービングhttp://www.fpp.co.uk/)で、1989年にオーストリアで行った講演でホロコーストを否定する発言をしたとして、11月14日に逮捕された。アービングは、ナチス時代のドイツの歴史を詳細に研究した人で、自らの研究の結果として「ヒットラーがユダヤ人の絶滅を命じたという定説は間違いである」などと主張していた。
 http://www.guardian.co.uk/secondworldwar/story/0,14058,1645049,00.html

 彼は、オーストリアに行ったら逮捕されるかもしれないと知っていたはずだが、どうしたことか右派学生組織の要請に応えるかたちでオーストリアを訪問し、逮捕された。逮捕後、弁護士に「ホロコーストはなかったという自分の以前の説は間違っていた」と述べたと報じられている。
(2005.11.17日、反シオニズム系の学生グループの前で講演会を行うためにオーストリア入りしたアーヴィングは、高速道路の検問で手錠をかけられた。 アドルフ・ヒトラー政権を賛美したとして、オーストリア司法から1989年に逮捕令状が出ていた)
 http://books.guardian.co.uk/news/articles/0,,1651458,00.html

 (著名なリビジョニストであるロベール・フォーリソンは、2000年に「アービングは資料を注意深く読んでいないので、論敵に攻撃されては撤回することを繰り返し、簡単に負け続けている。彼は、リビジョニストの代弁者のように言われているが、それは間違いだ」と書いている。
 http://www.zundelsite.org/faurisson/articles/david_irving_at_the_moment.html


 田中氏は、彼らの逮捕について次のような感想を記している。
 4人が逮捕された経緯や時期的な重なり方からは、ドイツとオーストリアの政府が、ホロコーストの見直しを求める行為を「違法行為」として裁くという意志を見せるという意図が感じられる。この政策には、アメリカ、カナダ、オランダが容疑者の移送というかたちで協力しており、欧米内の協調であるという感じがする。

 「ホロコースト」は、私自身を含む多くの分析者にとって厄介なテーマである。リビジョニストたちの逮捕から分かることは、歴史的事実を分析していった結果「ホロコーストはなかった」「誇張されていた」という結論に達し、それを発表したら、その時点で世界のいくつかの国で「犯罪者」にされてしまうということだ。このような状況になっているのは、国際問題の諸テーマの中で「ホロコースト」だけである。

 私はこれまで、毎週解説記事を書くために国際情勢を分析していくうちに、一般に信じられていることと全く異なる結論に達するということが何度かあった。「サダム・フセインは大量破壊兵器を持っているはずだ」という「常識」に対しては、米英での議論を読み解いていくうちに、すでにイラク開戦前の段階で「おそらくフセインは大量破壊兵器を持ってないのに、米当局はそれを歪曲している」という分析結果が出ていた。
http://tanakanews.com/d0210iraq.htm

 911後のテロ戦争に関しても「アルカイダというテロ組織がアメリカに攻撃を仕掛けている」という「常識」とはかけ離れた分析結果が出ている
http://tanakanews.com/f0818terror.htm

 イラク戦争や911は最近の出来事であるのに対し、ホロコーストは60年以上前の歴史であるという違いはあるが、分析を開始する前の時点で、分析を進めたら常識とは異なる結論になるかもしれないという点では同じである。分析の結果、結論がどうなるかは分からない以上、常識と異なる結論に達したら「犯罪者」にされるというのは、分析が禁じられているのと同じである。

 日本では現在、リビジョニストは犯罪者ではなく、雑誌が廃刊に追い込まれる程度だが、今回リビジョニストがアメリカからドイツに移送されたことを考えると、対米従属の日本で今後、同様の措置が行われても不思議ではない。ホロコーストの事実性を分析することは、国際的に犯罪扱いされる時代になっている。

 EUでは、欧州議会のフランス人の極右議員が「私はガス室がなかったとは思わないが、私は専門家ではない(ので結論を出せない)。この件は、歴史家たちに議論させてみるべきだと思う」と昨年10月に発言した件をめぐり、議員としての不逮捕特権を解かれ、起訴されそうになっている。つまり欧州では、ホロコーストの事実性を検証の対象にしようと呼びかけること自体が禁じられている
http://www.ejpress.org/article/news/4327


 田中氏は、次のようにも記している(順不同であるが)。

 ▼「隠れリビジョニスト」は意外に多い?

 シオニストの中でも特に過激な人々の間では「ホロコーストに疑問を呈する者は殴ってもかまわない」ということになっているらしく、フランスなどではリビジョニストがシオニストに殴られて重傷を負う事件が何度も起きている。リビジョニストは、シオニストから半殺しにされた上、当局から逮捕投獄される運命にある
 http://www.ihr.org/jhr/v16/v16n2p-2_Faurisson.html

 殴られたくない、逮捕されたくない学者や記者たちは、ホロコーストについて論ずるとき「事実性」に対しては疑問を持っていないということを明記する傾向がある。「リビジョニストのような極右のクズどもとは私は違うが・・・」といったような文言が、呪文のように論文に挟まれていたりする。

 前出のピーター・ノビックの本にも、リビジョニストは「奇人」「変人」「気が狂った人」といった表現をされている。学者が書く文章は客観性を重視し、中傷的な表現を避けるのが普通だと考えると、ノビックの表現は異様である。その一方でノビックは、ナチスの残党狩りを続けてきたサイモン・ウィゼンタールはホロコーストの被害者数を水増ししている、と書いており、リビジョニストと同様の主張も展開している。
 http://www.vho.org/tr/2000/1/tr01novick.html

 リビジョニスト(犯罪者)のレッテルを貼られないように呪文を唱えつつ、ホロコーストの事実性についての分析結果を注意深く開陳するのが、欧米の論者のやり方らしい。彼らにとってホロコーストは、入ったら必ず死ぬ「底なし泥沼」ではなく、細心の注意を払いつつ分け入るべき「地雷原」であるようだ。

 ニューヨークのユダヤ系社会でよく読まれている雑誌「フォワード」は、最近出したリビジョニストについての記事(http://www.forward.com/articles/6931)の中で、ホロコーストについて「何千人かのユダヤ人が強制収容所で死んだ件」と書いた。これについてシオニスト右派とおぼしき人が「『何百万人かのユダヤ人が死の収容所で死んだ』と書くべきところを『何千人』と書くのは大きな間違いだ。有名なユダヤ人の雑誌が、リビジョニストと同じことを書くとは何事か」と怒っている。
 http://globalfire.tv/nj/05en/persecution/bg_di_gr_sv_ez.htm

 シオニストの中でも、過激なリクードの右派と、国際協調主義を信奉する労働党系の中道派(左派)とは、主張が正反対である。「フォワード」は中道系で、以前から、右派の実態を分析する興味深い記事を多く載せてきた。フォワードの姿勢から察するに、中道系のシオニストの中には「隠れリビジョニスト」が意外に多いのかもしれない。


 田中氏は、次のような視点も開陳している。

▼ホロコーストは政治的に利用されてきたのではないか

 ホロコーストの事実性を分析することは禁じられているので、私はこれを分析しないでおく。だが、禁止範囲の外側にも、ホロコーストに関係した分析すべきことはいくつもある。その最大のものは、ホロコーストを歴史的事実と認めた上で出されている「ホロコーストは政治的に利用されてきたのではないか」という疑問である。

 この問題を提起した人として著名なのは、アメリカのシカゴ大学教授の歴史学者ピーター・ノビック(Peter Novick)である。彼はシカゴ大学にユダヤ研究コースを設立した権威あるユダヤ人学者で、1999年に「The Holocaust in American Life」(アメリカ社会におけるホロコースト)という本を出版した。同書は、アメリカのユダヤ系社会でホロコーストが喧伝されるようになったのは1970年代からで、それはイスラエル支持を強化するための政治戦略だったと分析している。

 戦後の最初の20年間(1945-65年)、アメリカのユダヤ人たちは、ホロコーストについてほとんど語ろうとしていなかった。その理由の一つは、戦後すぐに冷戦が始まり、アメリカの敵はドイツからソ連に代わり、ドイツ(西独)はアメリカの同盟国になったので、ドイツの戦争犯罪を追及することが控えられたからだった。

 当時のユダヤ社会には、被害者意識を持ち続けることは後ろ向きな態度であり良くないと考える風潮もあった。リベラル主義の考え方を背景に、ユダヤ人だけの被害を考えるのではなく、抑圧されているすべての民族のことを考えるべきだという普遍的な人権主義の方が重視されていた。
 http://www.fpp.co.uk/Auschwitz/Novick/Michiko.html

 1950年代末に米中西部の大都市近郊に住むユダヤ系アメリカ人を対象に行われた世論調査によると「良いユダヤ人であるためにあなたが重視することは何ですか」という質問に対し「恵まれない人々への援助」と答えた人が58%だったのに比べて「イスラエルへの支持」と答えた人は21%しかいなかった。1970年代より前には、ユダヤ系アメリカ人は大してイスラエルを支持していなかった。
 http://www.wsws.org/articles/2000/jun2000/nov-j29.shtml

 状況が大きく変わったのは1967年と73年の中東戦争からで、アラブ諸国と戦うイスラエルのもとに欧米のユダヤ人を結束させるために、ホロコーストの被害が喧伝されるようになった。「イスラエルが負けたら再びホロコーストが起きる。ユダヤ人は全員イスラエルを支援すべきだ」「ホロコーストの再来をふせぐためイスラエル国家の強化が不可欠で、そのためにパレスチナ人が難民になることなど小さいことである」といった理屈だった。

 ホロコーストが起きた背景には、欧州のキリスト教徒の反ユダヤ観(キリストを殺したのはユダヤ人だという視点)があったとする考え方も広まり、ホロコーストを防げなかった欧米諸国は罪滅ぼしのためにイスラエルを支援する義務があるという主張が出てきた。

 1940年代末、ニューヨークの著名なユダヤ人たちが金を出し合ってユダヤ人迫害を記念する石碑を作ろうとした。だが、アメリカユダヤ協会(AJC)、名誉毀損防止組合(ADL)など、今ではホロコーストを非常に重視しているユダヤ人組織の多くが、当時は「そんなものはユダヤ人が弱いということを物語るものなので、作らない方が良い」と反対していた。
 http://www.thenation.com/doc/19990712/wiener

 「アンネの日記」は1955年に演劇化され、59年には映画化されたが、いずれも苦境の中で前向きに生きる普遍的な人間性に焦点を当てており「ユダヤ人迫害」の物語として描かれていたわけではなかった。演劇でも映画でも、アンネ・フランクは「迫害されてきたのは私たちだけじゃない。ある時はある民族が、別の時には違う民族が迫害されている」という普遍的な人権問題を象徴するせりふを発しており、当時のユダヤ系社会が目指していた理想が何だったかを物語っている。

 ところが、普遍的人権よりホロコースト再発防止の方がずっと重要なのだという意識がユダヤ系社会に広がった後の1980年代には「アンネの日記」の演劇や映画はユダヤ系の評者に酷評されるようになり、やがて「普遍的な人権問題だけに結びつけられるのなら、アンネの日記が存在していること自体に意味がない。戦災で焼失していた方がましだった」とまで言われるようになった。
 http://www.thenation.com/doc/19990712/wiener


 田中氏は、「ネオコンにつながる話」として次のように記している。

 ホロコーストがイスラエルを支援するための理論として喧伝され始めたのが1970年代だったということは、今起きているアメリカの政治闘争そのものにつながる話である。アメリカのユダヤ人の間で、イスラエルを支持するシオニズム運動が熱烈に始まり、多くのユダヤ系アメリカ人がシオニストとなってイスラエルのパレスチナ占領地内に移住して「入植運動」を開始し、右派政党リクードが結成されたのが1970年代である。

 アメリカのシオニストの中に、ベトナム反戦運動で打撃を受けていた軍事産業の再生戦略に貢献することで、米政界の中枢に入っていこうとする動きが起きたのも1970年代である。この動きをしたのはリチャード・パールら、今では「ネオコン」と呼ばれる人々である。
 http://tanakanews.com/d1214neocon.htm

 彼らの戦略は功を奏し、1981年に就任したレーガン政権に入り込み、82年には、イスラエルの近くに米軍を長期駐留させることを暗に目指したレバノン侵攻を起こした。その後、ネオコンはいったん政権中枢から排除されたが、2001年のブッシュ政権で再び中枢に入り、イラク侵攻を実現している。

 このように見ていくと、1970年代以降のシオニズム運動にとって「ホロコーストで600万人のユダヤ人が抹殺された」ということの事実性が非常に重要であることが見えてくる。ホロコーストが持つ衝撃が、欧米のユダヤ系の人々をイスラエル支持の方向に動かし、キリスト教徒が支配する欧米諸国の国家的意志決定にも影響を与えてきたからだ。

 イスラエルは、石油などの天然資源もない狭い国であり、アラブ人を追い出して作った国なので周囲は敵ばかりで、頼れるものが少ない。そんな中でシオニストは、ユダヤ人の伝統的な特技である「知恵」「情報力」を頼りに、世界最強国アメリカに食い込み、親イスラエル的な政策を採らせてきた。その際の「知恵」の中に、イラクが大量破壊兵器を持っていると人々に思わせたり、軍事産業のためにレーガン政権時代にソ連の脅威を煽ったりといった、ネオコンの情報戦略が含まれている。
 http://tanakanews.com/d1219neocon.htm

 (読者の中には「彼らは、イラクやソ連をめぐる話を歪曲したように、ナチスドイツをめぐる話も歪曲したのではないか」という疑問を持つ人がいるかもしれないが、すでに述べたように、その件を分析することは国際的に禁じられている)

 【続く】

 ●関連記事

 Gypsies 'We had the same pain'
 http://www.guardian.co.uk/secondworldwar/story/0,14058,1361751,00.html

 Israeli banks profit from Holocaust
 http://english.aljazeera.net/NR/exeres/85B434CF-0BF0-475D-B9E6-2652F75BF
30E.htm

 http://tanakanews.com/f1220holocaust.htm


【ホロコースト否定派に対する相次ぐ兵糧攻め考】
 木村愛二氏は、「阿修羅ホロコースト2」の2006.3.3日付投稿「ホロコースト否定で禁錮3年アーヴィングの連れ合いはホームレス」で次のように記している。れんだいこが意訳再編集する。
 アメリカの歴史見直し論者からのメール情報によると、欧米各国では、ホロコースト否定の発言を禁止する刑法があり、有罪となるとのことである。このような法律を制定している国は、オーストリア、ベルギー、チェコ、フランス、ドイツ、イスラエル、リトアニア、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スイスである。

 英国の歴史家デイヴィッド・アーヴィングは、アメリカのジョージア州アトランタのエモリー大学で現代ユダヤ教およびホロコースト研究の教授をつとめるデボラ・リップスタット(ユダヤ人女性)を相手どり、1994年の著書「ホロコースト否定論――激化する真実と記憶に対する攻撃(Denying the Holocaust: the Growing Assault on Truth and Memory)」のなかで、ホロコースト否定者の烙印を押されたことに対する訴訟を起こした。

 リップスタットは、アーヴィングを「ヒトラー一味」と呼び、彼はホロコーストが起こったことを否定して歴史を改竄かいざんしたと書いている。それに対しアーヴィングは、名誉を傷つけられたと主張し、損害賠償を求めている。

 2000.4.11日、英国高等法院で判決が言い渡されアーヴィングは敗訴した。アーヴィングは判決文の中で、「彼は、イデオロギー上の理由から、永続的かつ故意に、歴史的証拠をねじまげ、操作している」と指摘された。

 ホロコースト否定で禁錮3年のアーヴィングの連れ合いはホームレスになる。連れ合いは42歳で、12歳の娘もいるようである。アーヴィングは、デボラ・リップスタット相手の裁判で負けて、破産状態だったから、ダブル・パンチである。これが、「民主主義の先進国」とやらのヨーロッパの「言論の自由」の現状である。
 http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2006/02/24/nirving24.xml


【「ホロコーストとかいう史上最大の作り話」考】
 2014年04月01日付けブログ「」を転載しておく。
 いや、ちょっと釣りタイトル気味というか、大袈裟なんですが。もしかしたら、「ユダヤ人はナチスドイツにガス室で殺された」というのは嘘かもしれないかなぁというお話です。ご存知の通り、ホロコーストとは第二次世界大戦中に起きた悲劇であります。一般的には次のように認識されています。
 1933年にナチ党が権力を持って以降、ドイツでは反ユダヤ主義が国是となり、様々なユダヤ人、共産主義者に対する迫害が行われていた。第二次世界大戦の勃発後、ナチス内部には「ヨーロッパにおけるユダヤ人問題の最終的解決」を行おうとする動きが強まり、ドイツ国内や占領地のユダヤ人を拘束し、強制収容所に送った。収容所では強制労働を課すことで労働を通じた絶滅を行い、また占領地であるポーランドには絶滅収容所なるものを設置し、銃殺、人体実験、ガス室などの直接的な殺害も行われた。親衛隊は強制収容所の管理および各地でユダヤ人狩りを行い、ドイツ国防軍は親衛隊や中央官庁の要請に従ってユダヤ人狩りへの協力を行った。軍需省や四カ年計画庁、一部の企業は工場において強制労働を行わせ、虐殺した。また、ヴィシー政権下のフランスをはじめとする占領地における「ユダヤ人狩り」は現地の治安機関によっても実施された。ドイツによるホロコーストによって殺害されたユダヤ人は600万人以上、最多で1100万人を超えるとされている。Wikipedia - ホロコーストより抜粋
 ホロコーストについては、学校でも習いますし、映画や小説等様々なメディアで描かれてもいますので、世間一般に広く知られています。そしてその一方で、ホロコーストの規模やそもそもの実在について、疑惑があるのも事実なのであります。ホロコースト否認論に関しては、常に言論を弾圧しようとする動きがあります。ヨーロッパでは、ホロコーストの否定を法律で禁止する動きも出てきています。既にドイツ、フランス、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルクなどでは「ナチスの犯罪を否定もしくは矮小化」した者に対して刑事罰が適用される法律が制定されています。また、2004年にはイスラエルで、外国に対してホロコースト否定論者の身柄引渡しを要求できる「ホロコースト否定禁止法」なるものも制定されています。

 日本でも、「マルコポーロ事件」という事件かありました。文芸春秋社刊行の「マルコポーロ」という雑誌が、「戦後世界史最大 のタブー。ナチ『ガス室』はなかった。」という記事を掲載したところ、アメリカのユダヤ人団体とイスラエル大使館から激しい抗議を受けた事件。特に、ユダヤ人団体は、アメリカ内外の企業に、文芸春秋社刊行の雑誌全てに広告出稿の差し止めを要請するなど、かなり強い圧力をかけた。最終的には、社長・編集長の解任、マルコポーロの廃刊という形で決着した。 ホロコーストの有無または被害の度合についての真偽は別として、このように議論自体を封殺する姿勢は、サヨクたちがよく使う手ですよね。なんとな~く、従軍慰安婦や南京大虐殺と同じ臭いがしますが…。ナチスドイツが絶対悪とされている所以は、ナチスドイツが、組織的・計画的に不当な人種差別に基づき、ユダヤ人を物理的に絶滅させようとしたという点です。

 ・ナチスドイツは組織的・計画的にユダヤ人を虐殺したのか?

 この点に関しては、有名な話ですが、否定派が最初に上げる根拠として、ヒトラーが「ユダヤ人を虐殺すること」を命じた命令書、指示書の類は今日まで一通も見つかっていないことが挙げられます。この点は皆が認める事実で、かなり違和感が残ります。敗戦へ向かう混乱の中で、全ての書類を燃やし切れるものなのでしょうか? また、ヒトラーがユダヤ人を「殺害」するという表現をしたのは、後にも先にも一度きりです。その発言は、1939年にドイツ帝国議会でなされたもので、「本日、私はいま一度預言者となろう。もしヨーロッパ内外の国際的ユダヤ人資本家が諸国を再度の世界戦争に陥れることが成功したら、その結果は地球のボリシェヴィキ化やそれによるユダヤ人の勝利ではなく、ヨーロッパのユダヤ人の全滅である」と発言しています。しかし、その後はユダヤ人を殺す、絶滅させるといった類の発言は一切していません。また、絶滅や根絶という言葉はナチスの演説等で良く出てきますが、前後の文脈からは、「物理的な絶滅」ではなく、「影響力の排除」という意味合いの使い方をされています。また、一説には、「ヨーロッパにおけるユダヤ人問題の最終的解決」というのは、ユダヤ人のロシアへの強制移住計画の事であると言われています。

 ・ガス室は存在したのか?
 ガス室の存在については疑惑があると言われています。いくつかの論点をまとめてみます。
疑惑その1 アウシュビッツで公開されているガス室の位置、構造がおかしい
 ・ドイツ人用の病院の前にガス室があり、ガスを排気する際に、向かいの病院のドイツ人達に被害が出る危険性があります。施設計画上、考えにくい配置になっています。
 ・ガス室では、ツィクロンBという殺虫剤が使われていたとされています。この製品は、通常は加熱することにより青酸ガスを発生させるものですが、加熱するための装置の痕跡はアウシュビッツのガス室にはありません。
 ・本来密閉されるべきガス室ですが、アウシュビッツのものは、機密性に乏しく、仮に内部にガスが充満した場合、建物周囲に漏れ出る危険性があります。
疑惑その2 使用された毒ガス「ツィクロンB」の特性
 ツィクロンBは、加熱しなくても青酸ガスは発生しますが、加熱して6時間、摂氏5°で放置して36時間、青酸ガスが発生し続けます。アウシュビッツ(ポーランド)周辺の平均気温は、夏は20~25°ですが、冬は最高気温すら氷点下となります。また、換気には10~20時間かけるよう、ツィクロンBの取扱説明書に記載があります。青酸ガスが発生している間ガス室内の換気は出来ませんので、一回のガス殺に最低でも16時間、最高で54時間かかる事になります。アウシュビッツのガス室では「32分で800名の処刑が可能であった」とされていますが、これは完全に嘘となります。また、ツィクロンBはかなり高価な薬剤でしたし、取扱いも手間のかかるものでしたが、なぜわざわざナチスがこれを採用したのか不明です。自分で開発したサリンでいいじゃん。
疑惑3 被害者数が多彩
 アウシュビッツで殺害されたユダヤ人の数は諸説ありますが、公式には150万人、全体では600万人と言われています。しかし、1938年版「世界年鑑」では約1,658万人、1948年2月22日号ニューヨーク・タイムズの推定では、1,500~1,800万人となっています。相当の誤差のある統計だとは思いますが、なんで人口が増えてるの??

 それともう一つ。旧約聖書の原典の史書に、「イスラエル建国の際には、ユダヤ人口の3分の1が犠牲になる」と解釈できる記述があるらしいです。実際、1/3位のユダヤ人がホロコーストの犠牲になり、戦後すぐにイスラエルが建国されていますが…。予言が当たったのか、予言に合わせたのか??
疑惑その4 被害者側の主張や証言があやC
 最初期の強制収容所の一つ、「ダッハウ収容所」では、当初ガス室が発見されたとして、連合国から写真が公開された。しかしこの写真、実は人を殺す為のガス室ではなく、衣服についたシラミを殺す為のガス室でした。この事が分かり、今ではダッハウ収容所ではガス室はなかったとされていますが、同様に、西側に存在する強制収容所でも、次々とガス室は無かった事になっていきました。比較的自由にジャーナリスト、学者が調査を出来る西側の収容所にはガス室がなく、情報が閉ざされがちで、調査が難しい共産圏諸国にある収容所にのみアウシュビッツ等の「絶滅収容所」があったというのは偶然なのでしょうか。
疑惑その5 ガス室に青酸ガスが使われた痕跡がない
 「ロイヒター・レポート」という報告書があります。これは、アメリカ人のロイヒター氏がアウシュビッツに不法侵入し、ガス室他の建材サンプルを不法に入手し、化学分析した結果、ガス室からガスの痕跡が検出されなかった事を報告したレポートです。このレポートは、衣類の消毒室とガス室に分けて分析をしていますが、結果、ガス室に青酸ガスの痕跡は殆どなく、消毒室のみ数値が高いという結果でした。この結果をもって、ロイヒター氏はガス室がガス室として使われた事は無いと結論付けました。もちろん、このレポートに対しては多くの反論があります。ロイヒター氏が専門家ではない事、サンプルの分析方法が適切でない事がよく指摘されます。しかしながら、この結果を覆す化学分析は今日までなされていません。
疑惑その6 そもそも、ガスで殺された死体が無い
 ガス殺された死体は焼却炉で灰にしたから、死体が無いのは当然とも言われています。しかし、150万人もの死体を灰になるまで焼くには、アウシュビッツには52基の焼却炉がありますが、この数では不可能とも言われています。仮に1000日の間に、52基を毎日フル回転したとして、単純計算で1基あたり一日約30体焼却することになります。アウシュビッツに存在する型の焼却炉は、1体焼却するのに1時間かかると言われてます。日に30時間という矛盾!この矛盾を解決する為に、野外でガソリンをかけて焼却したという説もありますが、戦争末期に燃料不足で苦しんでいたドイツが十分なガソリンを調達出来たかは、疑問が残ります。

 否定派の結論は何かというと、これが意外に種類があるようです。
・ホロコーストは大袈裟だよ派
    ・600万人も死んでないよ派
    ・ガス室は無かったよ派
        ・処刑や銃殺はあったよ派
        ・餓死はあったよ派
        ・全部病死だよ派
・ホロコースト自体無かったよ派
    ・ユダヤ人を避難させたんだよ派
    ・ヒトラーはユダヤ人だよ派

 共通するのは、ユダヤ人は悲劇を創ることにより、イスラエル建国の正当化を図ったという、陰謀論です。ヒトラーがユダヤ人をかなり警戒した発言をしている為、ユダヤ陰謀論とホロコースト否定論はとても相性がよいです。それぞれの立場がそれぞれの論拠を述べてはいるのですが、この議論は、論点が多すぎて、一つの記事にまとまりませんでしたw この記事は超抜粋版&不正確な記述があるかもしれません。ただ、これらの疑惑自体、「ナチスの犯罪を矮小化する」とみなされる為、実質的に公式の検証が不可能となっています。

 この問題、ネット上では、今でも様々な議論が交わされています。管理人は無知なので、本当の所はよく分からないのですが、ネットで色々調べてみて、肯定派はこういった否定派の疑問点に対して、馬鹿にしたような言い回しで反論しているのが目立つと感じました。詐欺師とか右翼とか無知とか勉強不足とか時代遅れとかバカという枕詞がセットになっていて、一段上から見下すような言い方をしています。少なくとも、疑いの余地の無い事実なら、ホロコースト否認論を法律で規制する必要なんてないのでは? 広島長崎の原爆投下が無かったなんてアホな事、誰も言いません。それは、明確な証拠(記録写真や政府文書など)があり、歴史的な事実と分かるからです。議論の余地は、政治的、思想的、倫理的な意味での正当性だけです。ホロコーストはその被害の度合いに対して物証が余りにも少ないからこそ、未だにこういった否認論が燻っているのだと感じます。

 証言だけでは証拠にならないのは、我々日本人なら「南京大虐殺」や「従軍慰安婦問題」で嫌になるほど感じてきましたよね。ホロコーストとこれらの問題は、共通点が結構あって、・被害者数が曖昧で、よく変動する・物的な証拠に乏しい・被害者側にある種の利権が発生している・反論を人道的な観点から封殺しようとする。このあたりが挙げられるのではないでしょうか。管理人は日本人なので、このような記事もアップできますが、もしヨーロッパに住んでたら、記事をアップした時点で管理人は逮捕され、ユダヤ人団体からも抗議を受けますね。いやー自由な日本に生まれてよかっt




(私論.私見)