手洗い考 |
更新日/2020(平成31→5.1栄和改元/栄和2).3.3日
(れんだいこのショートメッセージ) |
ここで、「コロナウィルス考」をものしておく。 2011.03.21日 れんだいこ拝 |
2020.4.10日、毎日新聞/佐藤慶「次亜塩素酸水 手指消毒の有効性は「未確認」 政府答弁書」。
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2020.4.10日、「北海道のグループホームでクラスター 70代女性が死亡 」。
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4.12日、「過敏症? 「アルコール消毒液」で手にかゆみや発疹、原因や対処法は?」。
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2020.5.15日、「“効果減衰”に注意!容器入り次亜塩素酸水「誤解を招きかねない」」。
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「ウィキペディア大口病院連続点滴中毒死事件」。 |
2016(平成28).9月、大口病院(当時、現・横浜はじめ病院、神奈川県横浜市神奈川区大口通130)で、入院中の高齢男性2人が相次いで点滴中に界面活性剤を含む消毒液ヂアミトールを投与され中毒死した事件が発覚した。最初に判明した被害者の容体が急変した際、看護師が投与中の点滴袋をベッドに落とし、袋内の輸液が急激に泡立ったことから偶然にヂアミトールの点滴混入が発覚した。 神奈川県神奈川警察署が管轄し、捜査すると、2日前に同じ部屋で死亡した別の患者の遺体からも同成分が検出された。被害者として立件された死亡者2人のほか、同時期に死亡していた別の2人の入院患者の遺体からもヂアミトールが検出された。ナースステーションに残されていた未使用の点滴袋約50個を調べると、10個ほどの点滴袋でゴム栓部分に封をする保護フィルムに細い針で刺した穴が見つかった。そして、同じフロアで亡くなった患者の数が、事件発覚までの7〜9月のおよそ82日間で48人に上ることが明らかになった。その後の約70日間の間は死亡者がゼロということから、4人以上の被害人数が疑われたが、発覚以前の死亡者は医師の診断により“自然死”扱いで火葬されていたため、既に証拠は失われていた。 点滴に混入させる手口から病院内部の者による殺人事件の犯行が疑われたが、捜査は難航した。 犯行に使われたヂアミトールは、業務上使われるものだった為、院内各所に置かれており、犯人を特定することは困難を極めた。警察は院内にあるものの鑑定を実施。当時担当していた看護師全員の看護服を調べたところ、容疑者の服からのみ、ポケット付近からヂアミトールの成分が検出された。他にも、容疑者が事件発覚直後の夜勤中、投与する予定のない製剤を手に院内を歩き回る姿が県警の設置した防犯カメラに映っていたことや、被害者の病室に1人で入っていくのを同僚が目撃していて、そのおよそ5分後に容体が急変し死亡していた、といった状況証拠から絞り込んでいった。 被疑者は、事件後、様々なテレビ局や新聞社によるインタビューや取材に応じ、逮捕前にもテレビ局に「何故、こんなひどいことをしたのか、自分の家族が同じことをされたらどう思うのか。絶対許せません」と、直筆の手紙を送るなどして自らの関与を否定する発言をしていた。 2018(平成30).6月末、神奈川県警察は、状況証拠を踏まえ被疑者の看護師に任意の事情聴取を開始。被疑者の看護師は「点滴に消毒液(ヂアミトール)を入れたこと事に関し間違いありません」と容疑を認めた上で、「入院患者20人ぐらいにやった」との趣旨の話をした。犯行の動機については「自分の勤務時に患者に死なれると、家族への説明が面倒だった」という趣旨を供述した。さらに「患者が亡くなったときに同僚から自分の落ち度を指摘されたことがあり、それ以来、勤務時間外に死亡させることを考えるようになった」、「勤務を交代する看護師との引き継ぎの時間帯に混入させていた」、「混入を繰り返すうちに感覚がマヒしていった」とも話している。供述では「(事件の)2か月くらい前から点滴に消毒液を入れた」と話しており、その時期同病院に勤務していた看護師は「(亡くなったのは)最初は1日1人。それが3人になり、5人になり、9月になったらもっとひどくなって(1日に)8人とか。4階はおかしいな、という話があった」と証言している。 7.7日、警察が、同病院で当時勤務していた女性看護師(当時31歳)を逮捕した。同7.28日、2016年9月に死亡した入院患者の点滴に消毒液を混入し殺害したとして殺人容疑で再逮捕した。殺人罪3件・殺人予備罪5件で起訴した。事件の名称について、神奈川県警察は「大口病院"入院患者殺人事件"」、神奈川新聞は「大口病院"点滴連続殺人事件"」としている。 |
事件前、現場病棟では「看護師の筆箱に、10本以上の注射針が刺され、針山のような状態になっていた」ことや「白衣が切り裂かれる」、「カルテが紛失する」、「ペットボトル飲料を飲んだ看護師スタッフの唇がただれる」などの看護師同士の壮絶ないじめトラブルが報告されており、以前より「『あのクリニックの先生は嫌いだから』、『あの患者の家族は嫌いだから』患者を受け入れない」といったことまで言う「『女帝』と呼ばれる60代パワハラ看護師の存在」や「人事査定でえこひいきがあったり、自分だけ忙しい仕事を回されたりしているといった不平不満があり、看護師同士で言い争いになったこともあった」という。被疑者自身も、逮捕前に「看護部長は看護師たちをランク付けして、気に入った子とそうでない子の扱いが極端だった。そういうのってよくないですよね」と述べている。
病院では、そういった人間関係のトラブルや虐めが原因で複数の看護師が辞職しており、「看護師同士の世代間の対立が原因で、大口病院では患者のケアまでもが疎かになっていた」といい、「見舞いに行った家族の前で看護師が患者さんを怒鳴りつけ、その家族が『本当にひどい。ビデオに撮って告発すればよかった』と激怒していた」こともあったという。事件の被害者遺族も「女性看護師が別の看護師を怒鳴りつけたり、点滴袋が公共スペースに散見されたりするなど『今考えればおかしいところもあったかもしれない』」と指摘している。 精神科医の片田珠美は「担当患者が以前死亡した際に同僚らから自分のミスの可能性を指摘されたとも説明しているので、もともと同僚や上司などに対して怒りを覚えていた可能性がある」と指摘し、(「白衣切り裂き」や「カルテの紛失」「ペットボトル異物混入」も同一犯によるものだとすると)他の看護師に対する怒りをこのような形で表現したのではと推測する。その怒りの矛先を患者に向け変えて(精神分析では「置き換え」)、患者の点滴に無差別に消毒液を入れる事によって「別の看護師の勤務時間中に患者が死亡するように仕向けたわけで、復讐願望を満たそうとしたともいえる」としている。
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横浜市の対応 横浜市には事件前、「看護師のエプロンが切り裂かれた」、「看護師の飲み物に異物が混入された」など、この病院内のトラブルに関する情報が複数寄せられていたが、市は病院に詳細な内容を確認しなかった。市が設置した第三者検証委員会は「患者の安全に関わる内容もあったのに、後手に回った」と、市の対応を批判した。 病院の対応 病院側にも、複数の看護師のエプロンが切り裂かれているのが見つかったり、6月にはカルテの一部が抜き取れられ、8月には看護師のペットボトルに異物が混入されていたにも関わらず、院長は「院内の出来事で、まして看護師の中の出来事だったので院内で何とか処理すべきだと思った」としながら、有効な手立てをとれず病院から警察に相談するという事もしなかったため、「病院が対処していれば事件はなかったかもしれない」などの批判の声が病院関係者からも寄せられた。 事件後に市が設置した第三者検証委員会による報告書「横浜市の医療安全業務に関する検証報告書(大口病院に関する対応について)」の中で、医療法上、病院から市への報告義務も、市から病院への検査・指導権限も無いという問題が指摘された。医療法を根拠に市と病院の関係がある以上、医療法の範囲を超えた「制度の狭間」となるところに問題が発生したとき、市はどこまで対応できるのかという課題があり、今後、法的、制度上の課題に対しては、国に改善に向けた要望を行うことも考えられる、としている。 |
2020.5.6日、「消毒液を水と勘違いし飲み死亡、刑務所収容の男性 エジプト 」。
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「「次亜塩素酸水」の消毒薬としての評価に厚労相と経産省で食い違いの謎」。
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(私論.私見)