イージス艦事件史考 |
(最新見直し2008.2.19日)
Re:れんだいこのカンテラ時評370 | れんだいこ | 2008/02/19 |
【2008.2.19イージス艦衝突事件考】 2008.2.19日、海上自衛隊のイージス艦と漁船の衝突事故が発生した。詳報は次の通り。 2.19日午前4時7分頃、千葉県南房総市の野島崎から南南西約40キロの海上で、海上自衛隊のイージス艦「あたご」(艦長・舩渡健等海佐(52)、7750トン、乗組員296人)と千葉県勝浦市の新勝浦市漁業協同組合に所属するマグロはえ縄漁船「清徳丸」(全長約12m、7.3トン)が衝突した。漁船はあたごの艦首付近と衝突して船体が二つに割れ、勝浦市川津の船主・吉清(きちせい)治夫さん(58)と長男の哲大(てつひろ)さん(23)の2人が行方不明になった。第3管区海上保安本部(横浜市)は巡視船艇や航空機などで捜索している。 海上衝突予防法によると、漁船が操業中だった場合には漁船に航路の優先権があり、あたご側に回避義務がある。一方、漁船が操業中でなければ、相手船舶を右舷側に確認した船舶に回避義務が生じる。横須賀地方総監部によると、あたごは右舷に傷があったという。業務上過失往来妨害の疑いもあるとみて、舩渡艦長らから詳しい事情を聴く必要が生じている。 政府は、2.19日5時55分、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し情報収集を急いだ。イージス艦から海上幕僚監部に一報が入ったのは午前4時40分。石破防衛相に第一報が入ったのは前5時40分。事故から約1時間半後で、海上幕僚監部への連絡から1時間後になる。福田首相への連絡は約2時間後の午前5時55分であった。町村信孝官房長官は、政府中枢に第一報が入ったのが発生から約1時間半後だったことを明らかにした。 福田首相は午前8時半からの閣議に先立ち、町村官房長官、石破防衛相、冬柴国交相と国会内で協議し、防衛省と海上保安庁が連携して漁船の乗組員の救助・捜索に全力をあげるよう指示した。首相は同日昼、首相官邸で記者団に、概要「連絡が遅すぎると思う」と指摘。石破防衛相も閣議後の記者会見で、概要「第一報が遅すぎる。危機管理の上から問題である。事故経緯を正確に把握することが現時点で私が果たすべき職責だ」と語った。 野党各党は、「海自の猛省を促したい」だとか「原因を明確にし、場合によっては(防衛相の)責任問題にもなる」、「(海自は)海難防止のために見張りなど当然の措置を講じていたのか。その点の真相究明が必要だ」、「事実の中身によっては防衛相の責任を追及していく」、「ひとごとみたいなことを言われても困る。(原因調査の)結果いかんによっては防衛相の責任も問わなければならない」等々各党各様に批判を強めている。以上。 れんだいこに云わせればどれもピンボケだ。本当にこの国はイージス艦も連絡も与党も野党も腐っている。誠意ある対応とか本質的な議論をしたがらない。れんだいこは、「イージス艦購入史考」(jissen/hansenheiwaco/gunjiboeico/heikikonyushico/ejiskankonyushico.htm)で考察しているが、イージス艦が、何時ごろ誰によって何のために幾らで導入されたのか知りたいのに、肝腎のこのことが隠匿気味であることを訝っている。これを突かない野党諸君は同じ穴のムジナでしかなかろう。 我が国は現在6隻保有しているようだが、1艦1500億円もするようなイージス艦が本当に必要なのか。防衛利権の温床にされているのではないのか。不要不急のイージス艦が外治主義的政策で強行導入されたのではないのか。その予算を内治主義的政策に回したら随分な事ができるのではないのか。 そのイージス艦がこたび不祥事を起こしたのではないのか。その救助も連絡も杜撰過ぎるのではないのか。先だっては艦兵の機密情報漏洩が露見しており、イージス艦を廻って何やら不祥事が続出するのはなぜなのか。政治家には、これらを手短に質す能力が問われているのではないのか。 れんだいこの調査では、叉も中曽根が登場する。か奴の時に購入されている。次の購入の時には小泉が登場する。か奴の時に購入されている。これは偶然だろうか。守屋次官からすれば、俺は小口賄賂、あの人たちは大口ですと云いたくても云えないほどの利権が介在しているのではないのか。 中曽根、小泉は、不思議と云えば不思議に、靖国神社公式参拝で物議を醸し、愛国者ぶりを印象付けたことで知られている。共に国家枢要機関のせんでも良い民営化を急いで大鉈を振るったことでも知られている。この二人がマスコミから歴代随一の名宰相として持て囃されていることでも共通している。どうも同じ臭いがするが、そこには何があるのだろう。こういうことを問うのが政治だろう。 それを、「海自の猛省を促したい」だとか「原因を明確にし、場合によっては(防衛相の)責任問題にもなる」、「(海自は)海難防止のために見張りなど当然の措置を講じていたのか。その点の真相究明が必要だ」、「事実の中身によっては防衛相の責任を追及していく」、「ひとごとみたいなことを言われても困る。(原因調査の)結果いかんによっては防衛相の責任も問わなければならない」などと口ばしをやかましくするのが政治だろうか。 どちらがずっこけているのだろう。れんだいこはこれから巷に頭を冷やしにうがいでもしに行くことにする。 2008.2.19日 れんだいこ拝 |
Re:れんだいこのカンテラ時評370 | れんだいこ | 2008/02/21 |
【2008.2.19イージス艦衝突事件考】 その後のマスコミ報道の解せない事は、イージス艦衝突事件後、イージス艦側の救出作業の実態について詮索しようとしていない事である。衝突原因だとか状況について関心を深めているが、それは追って分かる事であろう。今知らせるべきは、イージス艦側の事故後の対応である。救出作業に入ったのか見殺したのか、これを突かないマスコミのボケ振りはどうかしている。 国会も国会である。報告の遅れ、ズレばかりを政治主義的に突くのではなく、イージス艦側の事故直後の対応を質すべきであろう。一番肝腎なことを質疑せずして何をしているのだろう。しかし、こんなこと、れんだいこが云わなくても当たり前の事だろうに。一言追加しておく。 2008.2.21日 れんだいこ拝 |
Re:れんだいこのカンテラ時評371 | れんだいこ | 2008/02/25 |
【イージス艦の事故直後の救出対応考】 「イージス艦の清徳丸衝突事件」に於ける事故直後の救助の様子が漸く漏れ伝わってきた。東京新聞の2008.2.25日付「イージス艦事故 救助開始14分後、通報16分後『あたご』対応遅れる」(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008022590135041.html) が、れんだいこの知る限り初報となる。エライ手間隙掛かったものだ。それにしても他社の不問ぶりにはあきれてしまう。 それによると、海上自衛隊のイージス艦「あたご」が「清徳丸」に衝突した事故で、衝突は2.19日午前4時7分。イージス艦が救助作業の開始命令を下したのは4時8分。実際に着手したのは4時21分。内火艇(23人乗りの大型ボート)など3隻で救助作業を開始したと云う。実際に救出活動に入ったのは、衝突後14分経過後であったことが判明した。これは何を物語るのだろうか。 国際VHF無線で第三管区海上保安本部(横浜市)に通報したのは同23分で、衝突の16分後だった。護衛艦隊司令部への連絡は同4時33分、その上級司令部の自衛艦隊司令部に連絡が入ったのは同42分で、捜索などを支援する護衛艦「しらゆき」、試験艦「くりはま」が現場海域に到着したのは、衝突発生から約1時間半後の同5時36分だった、ことも判明した。 救助作業の具体的な様子はまだ判明しないが、政治が政治として機能する為には、衝突原因の究明よりも衝突後の対応こそ優先解明せねばならないだろうに。しかるに、我がマスコミは、東京新聞のこの報道まで、あれだけ喧騒したにも拘らず、この肝腎の報道を意図的故意に避けてきた。代わりに、いずれ海事審判所が行うべき事故原因解明に紙面を割いてきた。マスコミの見識バカと云うより、仕方なく事件報道するけれども、意図的に同でも良いようなことに明け暮れるという、御用性が垣間見られると云うべきか。 マスコミばかりがそうなのではない。我らが民主党を初めとする野党の為した事は、イージス艦の事故直後の救出対応解明ではなく、イージス艦の責任者に対する責任追及ではなく、防衛相更迭要求であった。余りにもお粗末な政治主義ではなかろうか。今為すべきは誰の目にも、イージス艦の事故直後の救助活動検証であり、ことによるとイージス艦指揮系統責任者の責任追及であり、然る後に防衛相の責任追及であろうに。野党諸君はなじょしてイージス艦指揮系統責任者の責任追及を省くのか。れんだいこは、野党のこの怠慢こそ責任追及せねばならないと考える。 れんだいこに云わせれば、最近の政治に於ける野党の対応のお粗末さが目に余る。昨年は、松岡農相の国会開会中の、午後から質疑応答で出席予定でありながら、議員会館内で変死した事件に対して、警察の検視をも待たず誰が決めたのかマスコミと唱和して自殺喧伝したことも記憶に新しい。野党諸君、君達がかの時点で自殺認定した根拠を、今からでも遅くない責任ある弁明して見よ。 松岡農相変死事件に対しては不自然な事に、その後の現場検証の様子が伝えられていない。一体どうなっているのだろう。何しろ一国の大臣が、国会開会中の、午後から質疑応答で出席予定でありながら、議員会館内で変死したのだ。自殺であろうが無かろうが克明に調査記録残すべきではないのか。大臣の命がかくもお粗末に扱われて良いとは思えないが、罷り通っている。不思議な話だ。 道路財源の一般予算化も然り。この問題では、かの小泉が先鞭をつけ不退転の決意で臨み中途で任期切れ退陣した。民主党が今これを後押ししており、日共が強硬に主張している。不要な道路、採算性が低い道路は作らせない云々で、都合の良い情報だけを垂れ流ししている。れんだいこは、小泉派−民主党−日共の道路予算一般財源化論に臭いものを感じている。というか、小泉派−民主党−日共の見解がかくも一致している事に臭いものを感じている。これは偶然か。 ロッキード事件の時もそうだった。右も左も与野党、マスコミ、司法、アナウンサーまでもが反角栄網を構築し、ご丁寧な事に労組まで御用提灯持って目白邸を包囲した。経験的に言えることだが、こういう場合には何か臭いと感ずるべきだろう。れんだいこは、こういう時に口角泡を飛ばして正義ぶる輩を見ると、不快でならない。 それはそうと、三浦和義氏のロス事件が妙な形で闖入してきた。イージス艦騒動が核心に迫りつつある時、この時期に何ら必然性の無いのに突如ロス市警により逮捕され、誰が見ても情報操作でしかなかろうに、マスコミが早速パクついている。ということは、逆に言えば、「イージス艦の清徳丸衝突事件」にはよほど具合の悪い事があるということになろう。 さて、この後どう真相が解明されるのかしないのか、当分目が離せ無い事になった。東京新聞報道の続報が待たれる。 2008.2.25日 れんだいこ拝 |
(私論.私見)