日本財界の原発推進考

 更新日/2021(平成31.5.1栄和改元/栄和3).7.2日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで「日本財界の原発推進考」をものしておく。

 2019(平成31).1.16日 れんだいこ拝


【経団連の中西宏明会長の原発再稼動推進発言】
 2019.1.15日、経団連中西宏明会長(日立製作所会長)は、この日の会見で、東京電力福島第1原発事故後に停止している原発について、「私はどんどん進めるべきだと思っている。原子力というエネルギーを人類のために使うべきだ」との見解を示した。原発の新設や増設も認めるべきだとの認識を示し、「原子力に関する議論が不足している」と述べ、エネルギー政策の在り方を巡り国民的な議論を呼び掛けた。経団連は以前から再稼働を推進する立場を貫いている。ただ、原発への反対論は根強いだけに中西氏の発言が反発を招く可能性がある。中西氏は「安全について十分議論し尽くしている原発も多い。(立地、周辺)自治体が(再稼働に)イエスと言わない。これで動かせない」と強調。こうした状況の打開に向けて「(公開で)討論しないといけない」と語った。

 中西会長は記者の質問に答え次のように述べた。「安全性の議論を尽くした原発も多いが、自治体が同意しないので動かせない。次のステップにどうやって進めるのか。電力会社だけの責任では済まされない」と語った。 エネルギーのあり方について中西会長は「長期的にみた場合、再生可能エネルギーでまかなえるとは思っていない。現在、電力源の8割を化石燃料に頼っていることも問題だ」。「(新増設についても)私の世代はいいが、次の世代では原発がなくなってしまう。そのとき日本の電力事情がどうなるのか。大変危ない橋を渡っている」。日立が手がける英国の原発新設計画も中断する方向になっていることに対し「民間の出資が出てこないので、難しい状況になっている」と説明した。

 日立 英の原発建設 中断視野に検討へ 2000億円規模の損失も1月11日 16時56分
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190115/k10011778921000.html

 日立製作所はイギリスで進められている原子力発電所の建設計画について、事業費の負担をめぐるイギリス政府側などとの調整が難航していることから、計画への参加を中断することも視野に、来週、取締役会を開いて検討することにしています。日立はイギリス政府と共同でイギリス中部アングルシー島で原発を建設する計画を進めています。しかし安全対策などでコストが膨らむ見通しになる中、事業費の負担や採算を確保するための電力の買い取り価格をめぐってイギリス政府側などとの調整が難航していました。このため、関係者によりますと、日立は来週、取締役会を開き、計画への参加について「中断」することも視野に検討することにしています。日立は計画への参加のため、平成24年にイギリスの電力関連会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」を買収して用地の買収なども済ませ、中断を決めた場合、2000億円規模の損失を計上する見通しです。日本国内で新たな原発の建設が事実上ストップする中、この計画は日本企業の原発事業の新たな収益確保や技術の継承の面からも注目されてきました。
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190111/k10011775041000.html  

 2021.6.1日、中西宏明・経団連前会長が リンパ腫の治療に専念するため定時総会で任期を1年残して
退任した。中西氏は昭和45年に日立製作所に入社し、北米やヨーロッパの代表などを務めたあと、日本の製造業としては当時、過去最大の7800億円を超える巨額の赤字に陥った日立の経営再建に尽力し、2010(平成22)年から社長、2014(平成26)年から会長を歴任。ことし5月まで会長を務め事業の「選択と集中」を進めて家電などの不採算部門を縮小し、安定した収益が見込める社会インフラ事業を中核とする会社に、日立をつくり変え業績のV字回復を果たした。 経団連では14(平成26)年から副会長を務め、18(平成30)年5月、榊原定征氏の後を受けて経団連第14代会長に就任した。これまで経団連が策定していた就職活動のルールを廃止したり、新卒一括採用や終身雇用などの「日本型雇用システム」の見直しを呼びかけたりした。 また、政府の経済財政諮問会議や気候変動対策の推進のための有識者会議のメンバーなども歴任しエネルギー政策やデジタル社会の実現に向けた提言を積極的に発信した。さらに経団連の副会長に女性で初めてIT大手ディー・エヌ・エーの南場智子会長を起用するなど、経済界で女性登用を進めるための環境づくりにも力を尽くした。

 2019年にリンパ腫を公表して、闘病しながら会長を務めた。今年4月に再々発の疑いが分かり退任した。日立の会長も退任した。25年に大阪で開かれる日本国際博覧会の協会会長のほか、政府の経済財政諮問会議の民間議員なども務めた。中西氏は「一日も早く復帰できるように治療に専念する」とのコメントを出した。中西氏はコメントで「入院期間や復帰時期は治療経過を見ながら判断する」と説明。秋以降の復帰を目指すとしている。中西氏は5月初旬から体調不良が続き、東京都内の病院に検査入院した。5月30日の経団連の定時総会も欠席した。
 2021.6.27日、「悪性リンパ腫」で療養中の 中西宏明・経団連前会長(日立製作所の社長や会長を歴任し)が東京都内の病院で死去(享年75歳)。

 九州電力の渡辺和弘社長が共同通信のインタビューで、川内原発1号機について最長20年期限を延長することを示唆した。川内2号機についても同様の考えをしている。その理由として、「二酸化炭素(CO2)をいかに減らすかが大事で、60年使った方が合計のCO2排出を減らすことができる」、「巨額の費用を投じてテロ対策の『特定重大事故等対処施設』(特重施設)を建設しており、運転期間を長期化すれば投資効果が高まる」ことを挙げている。CO2排出削減は全くの建前で、CO2排出量が多い石炭火力の松浦発電所2号機をフル活用する方針を明らかにしている。





(私論.私見)