原発に不可欠の揚水発電所考

 (最新見直し2014.11.03日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで「原発に不可欠の揚水発電所考」をしておく。

 2014.11.03日 れんだいこ拝


【原発に不可欠の揚水発電所考】
 「★阿修羅♪ > 原発・フッ素40 」の魑魅魍魎男氏の014 年 11 月 03 日付投稿「とんでもなく効率の悪い揚水発電所が原発には不可欠」を転載しておく。
 以前、原発には長距離・超高圧送電必要で、その非効率性、危険性を指摘したが、今回は、もう一つ原発に不可欠で無駄の塊である揚水発電所を取り上げよう。揚水発電は、簡単に言えば、山の上と下に貯水池を造り、電力が余る夜間に下から上の貯水池に水をくみ上げ、需要の高い昼にその水を落として発電するもので、蓄電池のような役割を果たす。原発は出力調整ができないので、夜間、とくに深夜は電力が大量に余って困ってしまう。仕方がないので、揚水発電所に揚水させて無理やり電力を消費させるわけだ。 しかし効率は極めて悪い。原発の熱効率は約30%、山中にある揚水発電所への送電で約5%のロス、揚水発電の効率は50%ぐらい、トータルの効率はたったの15%程度だ。原発で発生させた熱エネルギーの大半を捨てていることになる。火力や水力発電は出力調整ができるので揚水発電は不要であり、原発を稼動するからこそ、効率の非常に悪い揚水発電所が必要になるのだ。揚水発電所は原発に不可欠な「付属施設」であり、本来ならその建設費や保守費用も原発の発電コストに加算されるべきものである。これを考えても、他の発電方式に比べ、原発が最もコストが高いことは明らかである。それでも総括(総カツアゲ)原価方式で、コストはすべて電力料金に上乗せできるから、電力会社は涼しい顔である。揚水発電所の建設にいくらかかろうがおかまいなしだ。こんな無駄の塊である揚水発電所が全国に何と40以上ある。

 「日本の揚水発電所一覧」 (ウィキペディア)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8F%9A%E6%B0%B4%E7%99%BA%E9%9B%BB#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AE.E6.8
F.9A.E6.B0.B4.E7.99.BA.E9.9B.BB.E6.89.80.E4.B8.80.E8.A6.A7

 揚水発電所を建設するには、山を切り開き谷を水没させなければならず、自然破壊も無視できない。普通の水力発電の自然破壊を笑えたものではない。原発の抱える環境問題は、放射能汚染や温排水だけではないのだ。経産省の発表によると、揚水発電の利用率は現在たったの3%だという。何千億円もかけて建設した発電所がほとんど遊んでいるのである。全原発が停止しているのだから低迷するのは当然だ。

 「揚水発電利用率わずか3% 経産省『再生エネ蓄電に活用を』」 (東京新聞 2014/11/1)
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014110101001649.html

 (引用ここから)
 標高が高い場所に水をくみ上げることで余った電気を実質的にためることができる「揚水発電所」の設備利用率は昨年度、全国で3%にとどまり、太陽光 発電などの再生可能エネルギーが余ったときに蓄電する受け皿としてはほとんど活用されていないことが、経済産業省の集計で1日、分かった。九州電力など電力5社は再生エネの供給が増え過ぎて需給バランスが崩れる恐れがあるなどとして、新規受け入れを中断している。経産省は揚水発電を最大限活用すれば、再生エネの受け入れ可能量が増えるとみており、5社に試算の提出を求める(引用ここまで)

 再生エネ蓄電に活用をと言っているが、無理・無駄がある。そもそも太陽光発電は夜間に発電しないから、原発のように電力過剰にはならない。また、これからは家庭やビル向けの蓄電設備が普及するだろう。余った電力で水を温め給湯に使うこともできる。何も、はるばる山奥の、しかも効率の悪い揚水発電所に電力を送って蓄電する必要は全くない。送電ロスだけでも往復で2倍になるのだ。原発を廃止すれば、その付属施設の揚水発電所は無用の長物になる。揚水をしない普通の水力発電所として利用できるものは残し、残りは廃止・解体して自然環境の復元を進めるべきだろう。

 (関連リンク)

 「電力を捨てる『発電所』 揚水式発電 ~~「ベストミックス」というけれど~~ 」 
(よくわかる原子力 原子力教育を考える会)
 http://www.nuketext.org/mondaiten_yousui.html

 「原発に超高圧送電は不可欠 -- 送電線から発生する電磁波(低周波磁界)の危険性」(拙稿 2014/9/4)
 http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/199.html

コメント
01. 2014年11月03日 08:17:43 : FudoDKSbtA
原発や揚水発電所をつくっていったい日本という国は何十兆円の無駄をしてきたのだろうかね?アメリカにも数十兆円の貢物をして、ツケは国民が、低所得の国民が、支払わせれてきたわけだ。それでも、自民党に投票するのだから
自業自得なのかな?
02. 茶色のうさぎ 2014年11月03日 10:47:40 : qtmOTsgWNIsK2 : XXpGZLxyog

ほんとうに、あほらしい、構造だと思います。日本は、アメリカの、2倍以上、3,4倍の電気料金をはらってるんだよね。!その、差額、が原発産業や、原発の、交付金、など、となって流通していると思います。役人の給料や御用学者までも・・・地方の自治体も交付金がないと生活できない状況でしょ、よって原発は永遠に必要だって。!佐藤栄佐久元知事の、原発は麻薬だー止められない、いずれは破滅しちゃう。!の発言が浮かびます。!原発のために、無理・無駄が多すぎると思います。

 「電力を捨てる「発電所」 揚水式発電〜〜「ベストミックス」というけれど〜〜 」を転載しておく。
 「ベストミックス」とは

 電力会社の発電方針は、いわゆる「ベストミックス」ということをうたっています。前出のグラフ1やグラフ3のように、刻々と変わる電力使用量に応じて、地熱・流入式水力・原子力・石炭火力・LNG火力・石油火力・揚水式水力などの発電方法を組み合わせるといういうものです。このうち、地熱・流入式水力や原子力はベース電力とされ、常時定格出力で運転されています。昼と夜とで大きく変わる電力消費に対応するため、その他の発電方法が利用されています。これを負荷追従運転といいますが、なかでも各地に建設されている揚水式発電所は、わずか数分で発電量を上下させられることから、負荷追従運転にもっとも適した発電というように最近は宣伝されています。 しかし、原発に偏重した現在の体制は、このベストミックスのしくみにもゆがみを生じさせています。TOPへ

 揚水式発電所は原発の付属施設

 そもそも、揚水式発電所はどうしてつくられるようになったのでしょうか。全国に42か所(2000年9月現在)、1,472.4万kw分の揚水式発電所が建設されています。そもそも揚水式発電所は、必ず原子力発電所と対になって建設されているもので、揚水式発電所の建設費用は、原発建設の必要経費の一部といってもいい性格のものです。実際、揚水式発電所がなければ、余剰の夜間電力を"捨てる"場所がなく、原発の運転に支障を来すからです。 最近は、揚水式発電所が原発に必ず併設されていることを、電力会社は一般向けの説明では認めたがりません。もし、原発に必要不可欠のものとなれば、原発の建設コストに揚水式の発電所の建設費用を含めて当然ということになってしまい、原発推進の根拠である経済的優位性をおびやかす、不利な材料になるからです。しかし、昔は堂々と原発に不可欠のものであることを説明していました。

 参照:大釜クラブHP中部電力奥美濃水力発電所建設についてのパンフレット1979年
 http://www.geocities.jp/ogamaclub/shosai/genpatu.html HPは2006.7.閉鎖されています。TOPへ

 電気の捨て場・・・・揚水式発電所の出番

 どんなときに余剰電力が生まれるかは、「電気のつくり過ぎと原発」を参照してください。電力会社の言ういわゆる「ベストミックス」による発電方式でも、現在原発の比重が大きくなりすぎて、電力が余ってきてしまいます。 余剰電力を使い尽くす最後の切り札として、登場するのが揚水式発電所です。 揚水式発電所というのは、次のような仕組みです。このリンクページを見てください。関西電力が兵庫県神埼郡に建設した大河内発電所のホームページです。原理は、下図のように山の上と下に二つのダムを造り、昼は上のダムから下のダムに水を落として、その力で発電をします。夜は逆に、原発などの余剰電力を、昼間発電機として用いた水車に送り込んでポンプとして用い、下のダムの水を上のダムに汲み上げて貯水し、昼間の発電に備えます。 上部ダムの水が下のダムから汲み上げた水だけであれば「純揚水式」、上部ダムにその上流から河川が流れ込んでいれば「混合揚水式」と分類されます。 揚水式発電所の発電能力はきわめて大きく、全国の水力発電所の能力のランキングを作成すると、上位23位までは揚水式発電(混合揚水式含む)が占めています。あの有名な黒部第四ダムを使用する黒部第四発電所は33.5万kwで29位、無名に近い岐阜県本巣市(旧根尾村)の奥美濃発電所(2位)でも黒部第四の4倍以上150万kwの出力を持っています。ちなみに世界最大の揚水式発電所は東京電力神流川発電所で282万kWの出力があります。
  関西電力大河内発電所HP http://www.kepco.co.jp/pr/okawachi/damdamoh.htm
  神流川発電所HP http://www.tepco.co.jp/gunma/kanna-gawa/11_0-j.html

 
 揚水式発電所がどうしてこれほど出力が大きいかというと、落とす水量が桁違いだからです。奥美濃発電所がフル稼働のときは234�/秒の水を落としますが、それを下池(上大須ダム)で受けるからよいものの、そのまま下流へ流せば大洪水になります。例えば7月から9月までの期間、月曜から金曜までの1日について運転パターンを見ますと、揚水時毎秒約190トンの水を揚げ、発電時毎秒約234トンの水を落としています。ダムの水位は一日のうちに約30メートル上下します。黒部第四ダムの総貯水量は14884.3万�ですが、川浦ダムの総貯水量はその12%弱、1720万�で有効貯水量は900万�です。発電・揚水でダム湖の水の52.3%を上げ下げするのです。ですから、揚水式発電所の発電時間は最大で8〜10時間です。後は、電気を使って水を揚げなければ、発電できません。まさにマッチポンプ式発電所です。 

参照:大釜倶楽部HP http://www.geocities.jp/ogamaclub/index.html より引用 HPは2006.7.閉鎖されています。

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 水式発電所の使命は、電気を消費すること

 発電能力が大きいということは、それだけの電力が必要だからというわけではなさそうです。夏の昼間の電力消費ピーク時にできるだけ大きな電力を瞬間的に供給する必要はたしかにありますが、そうした発電能力としてよりは、その発電機をポンプとして用いたときの能力が大きいことが揚水式発電所には必要条件なのです。つまり、原発の余剰電力を余すところ無く使い切るためにできるだけ一度に大量の電力を消費する必要があります。ですから、"発電能力"も大きくなるのです。 揚水式発電の問題を考えるときには、そこに投入された電力と、発電電力の割合も問題になります。揚水式発電所は電力を使って電力をつくる、別名「"電力 "発電所」ともいわれます。あるいは、非常に効率の悪い「蓄電池」ということもできます。おおむね、エネルギー効率は、揚水につかった電力に対して70%といわれています。元々の原子力発電のエネルギー効率が約35%といいますから、これらの数字から計算すると、揚水発電のエネルギー効率は35%?70%=24.5%ということになります。しかし、電力会社にとって、原発を維持するためには、効率をあげることや、エネルギーを節約することは二の次で、ともかくも余剰電力を使い切ることが大切なのです。 また、揚水式発電所の建設コストや、電源別の発電容量コストなど、統計上は、水力発電に分類されています。揚水式発電所独自のデータは公表されていません。中部電力が2001年に水力発電と揚水式発電とをわけたデータを公表したそうですが、翌年からまた公表されなくなったそうです。TOPへ

 建設費用の具体例

 岐阜県藤橋村に建設予定であった国内最大級の徳山ダム・杉原ダムの建設費用で計算すると、ダム建設総体とは別に発電所建設費用のみで費用総額は約1,551.8億円。計画出力は42.4万kwですから、発電容量コストは1kwあたり約36.7万円となるはずです。
 (2000年7月11日衆議院議員石井紘基君提出徳山ダムによる発電に関する質問に対する答弁書
 http://www.osagashitai.com/kouzoukaikaku/kouki/situmon-touben/touben00-07-11.htm より作製)

 一方、資源エネルギー庁は、揚水発電としての妥当な開発費の上限は20万円/kw程度としているようです(2000年3 月10日の国会答弁より)。徳山ダムに設置される発電所の建設費用があまりにも高いことを指摘されましたが、政府の答弁は「徳山発電所は混合揚水式であり・・・・・徳山発電所の電源開発単価と、純揚水式発電所の電源開発単価を単純に比較することは適当ではないと考えている。また、徳山発電所及び杉原発電所の両発電所は、中電による平成二十年度(��)以降の電力の供給に必要なものであり、両発電所を建設する意義は十分あるものと考えている。」(内閣総理大臣森喜朗 内閣衆質一四八第七号2000年七月十一日)というものです。 ちなみにこのダム計画は2004年4月、大幅な計画変更が承認され、下につくられるはずであった杉原ダムは建設中止になり、従って揚水式発電は消滅、発電出力も大幅に計画縮小され計画出力は15.3万kwになりました。発電コストはいくらになるのか不明です。 要するに、将来の電力供給のために意義を認めればいくら高くても良いということなのですが、普及の必要性が同じように叫ばれている風力などの新エネルギーにこれだけのコストをかけることが出来れば、新たなエネルギー源として十分対抗できるのではないでしょうか。

 前述の国会答弁で政府が資料に使った資料によると、電源別の発電コストはつぎのようです。

自流式一般水力 75.7万 住宅用太陽光   95万
LNG火力   20.3万 公共施設用太陽光 110万
石油火力    28.4万 自家用風力     30万
石炭火力    30.3万 事業用風力     22万
原子力     29.1万 天然ガスコジェネ  30万
1999年総合エネルギー調査会
原子力部門
「原子力の経済性について」
2000年総合エネルギー調査会
新エネルギー部門
「新エネルギーの潜在性と経済性」

 これらの数字から見ると、資源エネルギー庁のいう「揚水発電としての妥当な開発費の上限は20万円/kw程度」というのは、かなり安いということが言えます。徳山ダムの場合があまりにも特殊なのかもしれませんが、揚水式発電を原発本体の建設費にプラスして考えた場合、コストを押し上げる要因になることは間違いないでしょう。
http://www.monjiro.org/tokusyu/yosui/top.html全国揚水発電所地図 中村敦夫議員のHP
(現在HPには、資料は載っていません。)TOPへ


 「★阿修羅♪ > 原発・フッ素40 」の魑魅魍魎男氏の2014 年 9 月 04 日付投稿「原発に超高圧送電は不可欠 -- 送電線から発生する電磁波(低周波磁界)の危険性」を転載しておく。
 前稿では、原発に不可欠な長距離・超高電圧送電について書いたが、今回は、送電線から発生する電磁波の危険性について論じたい。

 [1] 送電線から発生する電磁波の危険性

 送電線から発生する電磁波で問題になるのは、50-60ヘルツ(Hz)の低周波交流磁界である。携帯電話や電磁調理器の電磁波は周波数が高く、身体に対する影響も異なるので、一緒に議論すべきではない。また原発とは直接関係がないので、ここでは取り上げない。磁界には方向・大きさが変わらない静磁界と、時間とともに方向と大きさが変化を繰り返す交流磁界がある。地球は巨大な磁石であり、われわれは約400ミリガウス(mG)の静磁界の中で暮らしている。どのくらい効果があるのか知らないが、ピップエレキバンや磁気ネックレスも静磁界の効果を利用している。人体は静磁界に関してはある程度の耐性はあるものの、交流磁界は微弱でも影響が非常に大きいことが近年の研究でわかってきた。

 1992年 スウェーデン・カロリンスカ研究所が53万件を25年間調査し、子供に白血病、脳腫瘍、リンパ腫が発生していると報告した(送電線付近で2mG以上の場所で全ガンが1.1倍、白血病が2.7倍)。また各国研究機関が、微弱な低周波磁界でも人体への影響があると結論する研究を多数報告している。

 「電磁波の害 各国の調査報告」 (ホントは損するオール電化住宅 2010/4/3)
 http://www2.ocn.ne.jp/~mutenka/kenkou/dennjiha.html

 [2] 各国の規制状況

 こういった研究報告を踏まえ、環境先進国では低周波交流磁界のレベルが厳しく規制され始めている。

 「各国の電磁波対策」 (babycom ecology)
 http://www.babycom.gr.jp/eco/denjiha/7.html

 例えば、スウェーデンでは2-3mGを目安に小学校、幼稚園、住宅密集地近辺の鉄塔の撤去や移転を行っている。米国では州ごとに規制があり、4mGの独自規制をするところも増えている。これは米国ニュージャージー州の小学校が、高圧送電線の電磁波から生徒を守るため、校庭の移動を含めた工事を行なうという記事だ。
 「Sussex County elementary school construction would move high-voltage power lines」(by Michael Rispoli, NJ.com 2010/3/7)
 http://www.nj.com/news/index.ssf/2010/03/fredon_school_expected_to_unde.html

 電力会社も訴訟が起きたら負けると考えており、先回りして対策を打っている。欧米では、送電線の下は公園、空き地、農地などになっており、居住は禁止されている国が多い。電磁波の影響を防ぐほか、送電鉄塔の倒壊や送電線の断線落下による事故を避けるためでもある。これはカナダのランドスケープ・デザインの例である。送電線の電磁波の影響を考慮して、都市計画がなされている。
 「Development near overhead lines?」 (by Gary Holisko)
 http://www.irwaonline.org/eweb/upload/0708d.pdf

 [3] 日本の現状と健康被害

 日本は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインに基づき、2000mG(200uT・マイクロテスラ)の規制値を導入している。ICNIRPは、WHOの協力機関の1つで、1992年に国際放射線防護学会(IRPA)から独立した専門組織である。はっきり言えば電力・原子力業界の御用機関である。またこれは電気設備から生じる低周波磁界の規制値であって、日本には長期的な曝露に対する規制値はない。

 「電気設備から生じる電磁界に係る経済産業省の取り組みについて」 (経産省)
 http://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/detail/setsubi_denjikai.html

 「なるほど電磁波!」(東京電力)
 http://www.tepco.co.jp/ps-engineering/denjikai/index-j.html

 「長期的な電磁波規制値がない日本」 (earth reading lab)
 http://www.earth-reading.com/jintaihenoeikyou.html

 「電磁波で小児白血病が2倍増 確認の研究継続させない文部科学省」 (週刊金曜日 抜粋 2003/2/7)
 http://www.jca.apc.org/tcsse/g-siryo/ogino446k.html

 日本政府は、ろくに疫学調査も行わず、海外の厳しい規制について、症例が少ない、統計的精度が低いなど難癖をつけ、規制強化をしようとしない。各国が規制を厳しくしているのに比べ、2000ミリガウスはとんでもなく大甘な規制値である。安全かと言えば、明らかに安全ではない。白血病続出で有名な大阪府門真市の状況を見ればわかる。

 「電磁波&鉄塔の街・門真」 (My News Japan 2006/10/27)
 http://www.mynewsjapan.com/reports/469

 「脳の奥まで忍び込む電磁波」(山崎智嘉氏のページ)
 http://www.bea.hi-ho.ne.jp/t-yam/01EMF.html#B-1-01

 門真市は高圧線が非常に多く、白血病死が大阪府全体の何と126倍、癌も多発している。それでも政府は現行規制値で健康に影響はないと言い張る。日本では送電線の下に家があるのは当たり前、保育園や小学校まである。健康を損なう危険性があると海外で判断されているのにもかかわらず、対策には莫大なお金がかかるので、安全ですと言って何もしない。住民の健康は全く考慮されていない。放射能汚染の問題と全く同じである。電力会社に頼めば測定に来てくれるが、「心配はありません」と答えは始めから決まっている。規制値自体がとんでもなく甘いので当たり前だ。残念ながら、これが日本の現状である。

 [4] 高圧送電線に対する反対運動

 高圧送電線に対する反対運動は日本ではほとんど話題に上がらない。反対運動があちこちで盛んになっては困るので、マスコミが報道規制しているのだろう。しかし、調べると住民が粘り強く電力会社に抗議して、高圧送電を撤回させた例はいくつもある。

 「高圧線・変電所反対運動」 (ガウスネットワーク)
 http://www.gsn.jp/undo.htm

 「中部電力高圧線反対運動」 (長野県東御市議会議員・若林みきお氏ホームページ)
 http://www.m-wakabayashi.jp/index.php?%E4%B8%AD%E9%83%A8%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E9%AB%98%E5%9C%
A7%E9%80%81%E9%9B%BB%E7%B7%9A%E4%BD%8F%E6%B0%91%E9%81%8B%E5%8B%95%E3%81%A8%E3%81%AF

 「'97高圧線問題全国ネットワーク全国大会in棚倉」 (県電磁波ネットニュース 1997/8/15)
 http://www.ht-net21.ne.jp/~kannoyu/datugen/dennji/denjiha.html

 お隣の韓国では、新古里原発のための76万ボルト高圧送電線の建設に対する反対運動が激化、焼身自殺者まで出ている。

 「韓国 送電塔反対住民が焼身自殺」 (レイバーネット・蔚山労働ニュース編集局 2012/1/18)
 http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/knews/00_2012/1326932430623Staff

 前稿で述べたとおり、柏崎刈羽原発から100万ボルト送電を計画しようとしていたが、住民の反対で、現在は50万ボルトで送電している。目を光らせていないと、いつどこで危険な高圧送電線の建設や送電が始まるかわからない。電力会社としては、送電ロスを減らすために、できるだけ送電電圧を上げたい。そのチャンスを虎視眈々と狙っているのだ。

 [5] 原発との関連性

 原発はへき地に建設しなければならず、長大な送電線が必要となる。また送電ロスを少しでも減らすために、電圧を50万ボルト以上に上げて送電している。原発と長距離・超高電圧送電は、まさに一心同体、切っても切れない関係なのだ。原発以外の発電方式なら、より消費地に近いところに建設でき、距離も短くて済み、送電ロスも少ない。需要地の近くで発電するに越したことはない。地産地消である。原発は効率が悪く無駄の多い発電方式だが、送電の観点からも無駄だらけだ。

 [6] 健康被害を防ぐには

 放射能防護三原則は、遮蔽する、曝露を短時間にする、離れるの3つだが、低周波磁界は、周波数が低いため、コンクリートも透過し金属板などで覆っても遮蔽はほとんど効果がない。電磁波の強さは、距離の二乗に反比例する。2倍離れれば1/4、3倍なら1/9となるので、できるだけ電線から離れること。またそばにいる時間を減らすことである。幸いなことに放射性物質と違って内部被曝はないし、ホットスポットが移動することもない。とにかく距離を取ることが大切である。送電線や変電施設からはできるだけ離れて暮らすべきだ。送電線の下に居住するなど論外である。とくに子どもやこれから子どもを産む若い人は注意すべきだ。日本は狭い国だが、送電線の走る敷地は、倉庫や資材置き場、駐車場などいくらでも使い道はある。これから人口が急減し空き家も多くなるのだから、送電線下の住民は引っ越してもらい、居住禁止にすべきだ。国民の健康を第一に考えないようでは、とても先進国とは言えない。もう一つ、家庭内でも電源線や家電機器からの電磁波は注意したほうがいい。壁際のベッドなどは、少し移動させるだけで、大幅に磁界強度を低下させることが可能だ。また電流が流れなければ磁界も発生しないので、節電を心がけることも大切。簡易測定器で屋内外の交流磁界を測定した結果を健康板に投稿したので、自分で測定してみたい方は参考にしていただきたい。
 http://www.asyura2.com/13/health16/msg/538.html

 [7] 最後に

 送電線の電磁波も原発の放射能汚染の問題と非常によく似ている。政府や電力会社は、科学的根拠のない大甘の規制値を振りかざして、安全だ、心配ないと言うだけで、何も対策をしない。危険性がわかっていても、莫大な費用がかかるので、絶対に対策は取らない。マスコミも決して報道しない。たとえ白血病や癌に倒れても、被害者が送電線からの電磁波が原因であることを証明することは極めて難しい。政府は、電力会社や大企業、天下り先の利益最優先で、国民の健康を守ってはくれない。だから放射能同様、きちんと対策を立てて危険を回避し、自分と家族の身はしっかり自分で守ることが大切なのだ。

 (関連リンク)

「原発に不可欠な長距離・超高圧送電は問題だらけ 建設費用は何と1キロ当たり10億円!! 」
(拙稿 2014/9/4)
http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/198.html

「ガウス・ネットワーク」
http://www.gsn.jp/index.htm

「電磁波の健康影響を考えるシンポジウム 荻野晃也さんのレジュメ)
http://denziha.net/080413/4_04.html

「超低周波電磁波の危険性と対策」 (環境と体にやさしい生き方 2011/6/3)
http://blog.goo.ne.jp/growth55/e/29ffce75036e7deae4bda769d37d2458

「原発がある限り、なくならない高レベル電磁波の健康被害」 (25%削減実現しよう会)
http://www.h4.dion.ne.jp/~ootani44/torikumi/denjiha-0912.htm





(私論.私見)