http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-952.html
私(東海アマ)もトリチウム汚染水の海洋投棄について、たくさんの批判ブログを書いてきたが、今日、西尾さんが、ゲンダイに語った内容は、トリチウム問題の集大成であり、これまでとはレベルが違う。これは、被曝問題に関心を持つ全員が、深く学ばなければならない内容である。
(東海アマブログの記事の引用はスレ本文と同一なので割愛)
私が、ブログに書いてきたトリチウム問題と、上の引用は、大きく一致しているが、今回の西尾さんの指摘の方が、発症機序において、より詳細である。
トリチウム (2016年01月06日)
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-106.html
土岐市・多治見市における重水素核融合実験のトリチウムと中性子 (2016年02月17日)
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-56.html
もしかしたら、トリチウムが本当に人類を滅亡させるかもしれない。(2019年04月24日)
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-722.html
実は、福島第一原発トリチウム汚染水の問題は、決してトリチウムだけではない。ストロンチウム90も深刻な影響を内包している。
https://www.asahi.com/articles/ASL9X6HQ3L9XULBJ014.html
海へ放流するという福島汚染水、関連資料もでたらめ
http://japan.hani.co.kr/arti/international/31906.html
福島 汚染水の海洋投棄許すな 沿岸漁民・漁業に壊滅的打撃 経産省公聴会で怒りが爆発 (2018年12月10日)
http://www.zenshin.org/zh/f-kiji/2018/12/f29970301.html
汚染水問題、「そろそろ敷地内での貯蔵が限界に達している」との詭弁に欺されているメディアが多い(例えばテレ朝の羽鳥眞一)が、実は、そうした「収容量限界」は、何の根拠もない責任回避のためのウソである。
東電側が、これ以上、タンク増設や管理に金を使いたくないから全部海に捨ててしまいたいという悪質な負荷軽減の意図しか存在しない。
なぜなら、西尾さんが指摘しているように、フクイチ構内には、現状の汚染水タンク群の敷地の数倍の、高度放射能汚染(平米数千万ベクレル級)によって永久に使用不能の空地が存在していて、まだ現状の3倍以上の汚染水をタンク貯蔵できるからであり、また、小出裕章氏が提唱しているように、フクイチ沖に、数万トンクラスの余剰石油タンカーを並べれば、莫大な量の汚染水を貯蔵可能だからである。
それに、トリチウムの半減期は、12.3年であり、100年も貯蔵すれば、事実上無害になるため、そのときは大手を振って海洋投棄可能になる。
プルサーマル核燃料の強制冷却保管期間が500年であることを思えば、100年など何ほどのことはない。フクイチ事故後、再稼働した原発のすべてがプルサーマル運転を行っているのであり、超長期管理の見通しのないまま、放射性廃棄物が増産され続けていることの方が、よほど問題なのだ。
もっとも、これは汚染水に含まれる有害放射能が、トリチウムだけという前提だが、実際には、上の朝日新聞リンクによれば、汚染水のなかには、基準の2万倍、リットルあたり60万ベクレルというストロンチウム90が含まれている。
ストロンチウム90の放射能毒性は、セシウム137の300倍に相当するので、実際上、この汚染水はリットルあたり数千万ベクレルの凄まじい放射能汚染水である。
このため、セシウム137やストロンチウム90の無害化期間を考えると、タンクは300年間の保管が必要になり、何度も作り替えが必要になることを意味している。
しかし、だからといって海洋投棄すれば、人類の未来を奪う恐ろしい毒物による海洋汚染を起こし、漁業各国から数百兆円の損害賠償を求められることになるだろう。
トリチウムの放射能被曝問題は、ベータ線エネルギーが、18.6KeVと極めて小さく、ガイガーカウンターの雲母窓さえ突破できず、もちろん皮膚も透過できないほど弱いので、当初、誰もが、こんな弱いエネルギーで被害が出るはずがないと思い込んだ。
だが、それは、内部被曝において、大きな間違いであることが徐々に分かってきた。
またトリチウム自体のエネルギーは小さくとも、微生物に吸収されると、有機化されたトリチウムに変化し、トリチウムガスの1万倍もの毒性に変化することも明らかにされた。
https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_2269.html
トリチウムは、水素の一形態なので、環境中では、たちまち酸素と結合して水になり、しかも生物に吸収されてDNAを構成しながら、半減期12年で、ヘリウムに変化してDNAを破壊するのである。
また、エネルギーが弱いほど細胞破壊効果が高いという現象は、ペトカウ効果と呼ばれ、まさにトリチウムの生物作用が代表している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%88%E3%82%AB%E3%82%A6%E5%8A%B9%E6%9E%9C
こうした莫大な放射能汚染水を、経済的思惑のみで、超安易に海洋投棄するという東電と環境省、経産省、日本政府の軽薄な思惑は、彼らがこの世の命を失った後に生き残っている日本人に、巨大な負荷を残す世紀の愚劣政策である。これに携わった自民党政権の関係者、電力関係者、学会関係者は、いずれ、想像を絶するほどの報復に遭わねばならなくなる。彼らが死んでゆくころ、この国は、トリチウムによる滅亡の暗雲に包まれるのである。
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