原子力の発生史及び政策史、ロスチャイルド家のウラン支配考

 更新日/2019(平成31→5.1栄和改元).9.30日

【原発はどのように開発された?  軍事と政治の影響】

 106. 2011年4月19日 20:58:03: sTqKrYH4CI

 原発はどのように開発された?
 軍事と政治の影響

 1942年12月2日、シカゴ大学(アメリカ)のテニス・コートの上に、人類最初の原子炉が、イタリア出身の物理学者エンリコ・フェルミの指揮のもとで築造されました。原子核分裂の連鎖反応は、こうして人間の意志による制御下におかれたかに見えましたが、その後の核エネルギーの利用の道程は、軍事と政治の野望が色濃く影を落とす「いばらの道」にほかなりませんでした。原発開発がたどった波乱の足取りを振り返ってみましょう。

 人類初の原子炉の臨界実験には、のちにデュポン化学会社の社長となるグリーンウォルトも立ち会っていました。この頃、原爆製造計画の指揮者グローヴス将軍は、デュポンが核物質プルトニウムの生産計画に参加するように求めていました。開発にともなうリスクを懸念していたデュポンでしたが、原子炉の成功を機に、原爆製造のためのプルトニウム生産への全面的関与を決断、核エネルギーの軍事利用の面での政府と企業の挙国一致体制を築いてきました。

 大戦終結翌年の1946年、アメリカは原子力委員会を発足させ、その巨大な権限のもとで官民一体の原爆開発を推進しました。モルガン系財閥と親密だった初代原子力委員長のリリエンソールは、プルトニウム生産設備を備えたハンフォード研究所をデュポンからゼネラル・エレクトリック(GE)社に移管しました。国策として強力に推進される原爆産業にたずさわる企業は、巨額の手数料、当該施設で使用する機器類の優先的納品、関連特許類の独占的使用の恩恵に浴したばかりか、原子力利用の中枢に位置することによって、その利用の道を完全に支配することができました。今日、GEと並んで日本の軽水型原発市場を二分しているウェスチング・ハウス社も、原子力潜水艦開発の面で独占的契約をとりつけ、開発投資にともなうリスクを国家財政に負いながら、原子力技術を蓄積していきました。

 1940年代の末まで、アメリカは原子力の平和利用に消極的でした。企業にとっては、原子力利用は、国家的庇護を受けて進められている核軍縮産業を寡占している方が、海のものとも山のものとも見通しのつかない「原子力平和利用」に手を出して自前のリスクを負うよりもずっと得策だったのです。

 ところが、1953年にイギリスがコールダーホール型原発の建設計画を発表し、翌1954年にソ連が電気出力5,000キロワットのオブニンスク原発を成功させるに及んで、アメリカは原子力政策の転換を迫られました。原子力法を改定したアメリカは、軍事一辺倒の方針を緩和し、一部を平和利用に振り向ける政策転換を行いました。日本にも軍事用だった濃縮ウランを貸与し、国際的な原子力市場分割戦に先鞭をつけました。

 こうした状況のもとで、ウェスチング・ハウス社は原子力軍艦搭載用に開発した加圧水型軽水炉を急きょ陸揚げし、電気出力6万キロワットのシッピングポート原発を建設、1957年に臨界を達成しました。一方、GEは、アルゴンヌ国立研究所が設計した沸騰水型軽水炉の完成をめざし、1959年、電気出力20万キロワットのドレスデン1号炉を稼働させました。軍事利用の土壌にまかれた「平和利用」のタネは、アメリカの国際的な原子力戦略の中で、安全性への配慮を二の次にしてあわただしく速成栽培され、双葉を広げました。そして、いまだ未熟なはずの原発は、1963年のオイスタークリーク原発では「火力より安い原子力」という政治価格で売り込まれ、「実証性」と「経済性」を大宣伝していったのです。こうした経過は、安全性軽視の開発の姿を浮き彫りにしています。

 「エンリコ・フェルミ」
 初めて原子炉をつくった科学者。ウランに中性子をあてて、自然界に存在しない超ウラン元素をつくることを試み、核分裂反応発見のきっかけをつくった。53歳で放射線障害のために死亡。


 「★阿修羅♪ > 原発・フッ素52」の魑魅魍魎男氏の2019 年 9 月 28 日付投稿「ウラン利権を
支配するロスチャイルド家 原子力推進のため、アル・ゴアの次はグレタ・トゥーンベリを利用して煽動
」。
 国連演説が大きな議論を引き起こしているグレタ・トゥーンベリだが、彼女が乗ってきたヨットは、以前は「エドモント・ド・ロスチャイルド」号と命名されており、ロスチャイルド家との関係が取り沙汰されている。今回は核兵器・原子力とロスチャイルド家の歴史を簡単に復習しよう。

 ロスチャイルドというと金貸し、金融業というイメージが強いが、実はリオ・ティント・ジンクやBHPビリトンなど世界有数のウラン鉱山の過半数の利権を握るウラン・メジャーの支配者でもある。そして核兵器・原子力産業を巧みに操って莫大な利益を上げてきた。キュリー夫人らが放射性物質を発見後、金儲けの嗅覚の鋭い彼らは原子力の可能性にいち早く気づき、世界の主要ウラン鉱山の利権を早々と手中に収めた。ウラン鉱山を手に入れた以上、ウランを使ってもらわなければ儲からない。原爆を開発するマンハッタン計画を彼らが強力に支援したのは当然のなりゆきである。

 表に名前は出ないが、マンハッタン計画を裏で支えていたのがロスチャイルド家第三代当主のヴィクター・ロスチャイルド、そして彼と親交の深いユダヤ人大富豪バーナード・バルークであった。原爆開発の中心的役割を果たした物理学者ロバート・オッペンハイマーもロスチャイルド一族である。マンハッタン計画には莫大な費用がかかったが、当時の財務長官はヘンリー・モーゲンソー・ジュニア、彼もロスチャイルドの一員である。広島・長崎への投下で原爆の威力が実証され、時代は東西冷戦、核兵器開発競争へと突入。ロスチャイルドは核兵器用ウラン生産・供給で莫大な利益を手にした。彼らは、原爆でどれだけの人が亡くなったか、恐ろしい被害を被ったかなど考えたことはない。金儲けしか眼中にないのだ。

 1947年にAEC(原子力委員会)が発足し、マンハッタン計画を継承。1953年、ルイス.L.シュトラウスがAEC委員長に就任する。彼はロスチャイルドの米国代理店であるクーン・ローブ商会の共同経営者であった。原子力発電の実用化に目途がつくと、シュトラウスの働きかけにより、1953年、アイゼンハワー大統領は国連で有名な「核の平和利用」演説を行なう。原子力時代の幕開けである。1957年には、バーナード・バルークらの働きかけで国際原子力機関IAEAが発足する。初代議長ベルトラン・ゴールドシュミットは、ヴィクター・ロスチャイルドの再従妹であるナオミ・ロスチャイルドと結婚している。

 このように、ロスチャイルド家は、原子力業界の重要なポストには必ず彼らの親族や信頼できるパートナーを就任させ、邪魔ものを排除しつつ強力に原子力を推進してきた。核兵器にくらべ原子力発電のウラン消費量は桁違いである。原子力発電の普及で、またまた、しこたまロスチャイルドは金を儲けたのである。しかし金の卵を産み続けるはずの原子力業界も、1979年にスリーマイル島事故、1986年にチェルノブイリ事故が起きると安全神話が崩壊、暗雲が立ち込め始める。これはいかんと、1988年、エドモン・ド・ロスチャイルドが組織したのがIPCC(気候変動に関する政府間パネル)である。CO2増加による地球温暖化危機を煽りに煽り、CO2排出のない(実は大量に排出しているが)原子力を推進すべしと盛大にプロパガンダを打った。

 ここに強力な助っ人が登場する。「不都合な真実」のアルバート・ゴアである。彼の父、アル・ゴア・シニアは、熱烈な原子力推進派で、原子力合同委員会の委員を務めた人物であり、彼は子どもの頃から父親の地球温暖化論を吹き込まれた。アル・ゴアの活動資金は、ジェイコブ・ロスチャイルドの親友、マーク・リッチが提供していたと言われている。リッチは国際的な鉱物、武器、麻薬商人で、ジョージ・ソロスとも近かった。アル・ゴアの娘カレナは、ロスチャイルド・アメリカ代理人シフ家のアンドリュー・N・シフと結婚している。アル・ゴアは、ロスチャイルド、原子力業界の代理人と考えてまちがいはない。地球温暖化を唱えたアル・ゴアとIPCCは2007年にノーベル平和賞を受賞。まんまとCO2による地球温暖化が進んでいると世界をだますことに成功した。ちなみに、同じ2007年に、 「地球温暖化 サバイバル ハンドブック 気候変動を防ぐための77の方法」という温暖化煽り本が出版された。著者はロスチャイルド家の御曹司デヴィッド・マイヤー・デ・ロスチャイルドである。表向きは環境保護活動をしているが、しっかりと「家業」のバックアップをしているのだ。

 残念ながら、彼らがぶち上げた原子力ルネッサンスも長く続かなかった。2011年、福島第一原発の事故で、原子力業界は致命的なダメージを受けた。さあ困った。ウラン燃料が全く売れなくなってしまった。そこで、原子力業界が起死回生を賭けて登場させたのが、16歳のグレタ・トゥーンベリだったというわけである。これはグレタのツイートであるが、新旧二人の温暖化アジテーターが仲良くツーショットで収まっている。この写真がすべてを物語っていると言ってよい。

https://twitter.com/gretathunberg/status/1079447661273583618
(Greta Thunberg)
Thank you @algore for being a true pioneer. Very few people have done more.
It was an honour to meet you. #climatecrisis #climatebreakdown
10:42 - 2018年12月30日

 Thank you for being a true pioneer. Very few people have done more. It was an honour to meet you.

による英語からの自動翻訳

 しかし、もはや彼らの温暖化詐欺にだまされる人は多くはないだろう。歴史を学ぶことは大切である。ロスチャイルドが今まで何をしてきたかを知っていれば、グレタ・トゥーンベリの正体も、背後にいる連中もすぐに見破ることができる。何も知らずグレタの演説に感激したなどという"お花畑"さんは、ロスチャイルドのような悪賢い巨悪に永久にだまされ、被害を被り続けることになるのである。
コメント
6. 2019年9月28日 14:14:52 : qW5770aSac : ZHBpTDdEcXlON1U=[1351] 報告
スポンサーからの圧力がないので、本当のことを書いてしまうTOCANA。

【重要】「環境少女」グレタ・トゥンベリはロスチャイルド家の操り人形だ! イルミナティである4つの疑惑…陰謀まみれだった!(TOCANA 2019/9/26)
https://tocana.jp/2019/09/post_115802_entry.html

8. 2019年9月28日 17:25:51 : pF1YgBc1Kk : U2UzVEk4UmVodE0=[1] 報告
 グレタは、岸侵略戦争時のナイラ証言のナイラ-アル-サバーハのCO2バージョンです。無名の一少女であるグレタが、劇場型の経緯で普通にはあり得ない国連や国際会議の場で「涙の抗議」を出来たか?それは、無名の一クェート市民の15歳の少女が、米下院の人権議員団の公聴会で「涙のナイラ証言」を何故出来たか?というのと同じシナリオ以外無い。国連顔出しはもちろんヨットで乗りつけるパフォーマンスなど子供の力では出来ない。

 ナイラの公聴会では、冒頭に同議員団団長のトム・ラントス(民主党)、ジョン・ポーター(共和党)の両下院議員が「ナイラの身元はクェートの家族が危険になるので明かせない」と発言したが、実はこの二人は米政府にイラク侵攻を働きかけてきたクェート人団体である「自由クウェートのための市民(Citizensfor a Free Kuwait=CFK)」と契約していた広告会社ヒル・アンド・ノールトンと深く繋がっていた。この公聴会もヒル・アンド・ノールトンの副社長が、この両議員とCFKと相談して実現させたものだった。またすでに公聴会当時CFKは、ナイラが米駐在大使の娘でクェートには居ないことも知っていた。さらにナイラはヒル・アンド・ノールトンから公聴会用の台本を渡されていて、その台本には「イラク軍兵士が銃を持って病院内に押し入り、15名の新生児が保育器に入っている部屋に乗り込むのを目にしました。」と書かれてあった。その他様々な事実が明るみに出た。これらのの事実は後にNYなど米マスコミ等によって暴露されたもので、ナイラ証言がクェート人組織と米国内組織によって画策された、米国にイラク侵攻させるためにお膳立てされたものであったことが明るみに出た。

9. 2019年9月28日 18:01:17 : pF1YgBc1Kk : U2UzVEk4UmVodE0=[2] 報告
 ナイラ証言の時点でもそうだった。だから米国の愚民がナイラをマンセーしてイラク侵略の謀略にまんまと乗せられ、イラク侵略に突き進んだ。グレタ案件をいかがわしいものと断定するのは、グレタ案件の状況分析からしてナイラや海鳥少女の教訓に基づいた洞察力である。ナイラ証言の後押しによりイラク侵略した湾岸戦争のように、事が起こってしまってから、事実が判明してもすでに手遅れである。だから教訓から洞察力を身に付け未然にことを防止・警鐘するのは大事なのだ。日本人は洞察力が非常に欠けて結果や事実が出るまで気がつかない民族性なので、太平洋戦争の大敗北や原発大爆発や政治犯罪を繰り返している。
23. 2019年9月29日 21:40:21 : iBrShxp9lI : NmJ1N08yZ29NbG8=[9] 報告
 ナイーラ(湾岸少女)→マララ(タリバン少女)→グレタ(環境少女)。イルミ伝統芸の『娘義太夫』ですね
27. 2019年9月30日 07:15:21 : 7tYS1zaiJm : YnF1VnR3QThWQ1k=[1] 報告
 グレタ嬢はフェイスブックに記載しました、どうやら彼女、「私は原発(原子力)反対」と表明しておりまして、原発推進派を念頭に、IPCCのいう原発の長所に皮肉を入れつつ、全体像が大切だから小うるさい議論は置いてゆくよ、と原発擁護派による批判を振り払ったもようです。また、リンクの張られた350.orgは、反化石燃料、反原発の活動で知られ、ダイベスト(預金引き揚げ)運動を展開しています。

Greta Thunberg - On Friday March 15th 2019
https://m.facebook.com/gretathunbergsweden/photos/a.733630957004727/
793436521024170/?theater&hc_location=ufi

Personally I am against nuclear power,

but according to the IPCC, it can be a small part of a very big new carbon free energy solution, especially in countries and areas that lack the possibility of a full scale renewable energy supply - even though its extremely dangerous, expensive and time consuming.

But let’s leave that debate until we start looking at the full picture.

 レッツ、ダイベスト! 350 Japan
 地球環境に配慮した、責任のある銀行業務を応援するために化石燃料や原発にお金を流す銀行から預金を引き揚げ、地球にやさしい銀行に移す
 https://world.350.org/ja/lets-divest/

 つぎに、地球温暖化の原因となっている化石燃料ビジネスや、地域にとって安全でない原子力にお金を流す銀行からお金を引き揚げ「ダイベスト」、乗り換え先の”地球にやさしい銀行(クールバンク)”を選びましょう。地球温暖化を加速させる石炭、石油やガスを含む「化石燃料」やリスクの高い「原発」を支援してしまっている銀行ランキングと、化石燃料や原発のように地球環境を破壊するビジネスに支援していない「クールバンク」の一覧をご確認いただけます。

28. 2019年9月30日 08:10:13 : qW5770aSac : ZHBpTDdEcXlON1U=[1375] 報告
>>27
 反原発なら、facebookでつぶやくのではなく、みんなの前で堂々と主張すべき。
原子力の御用ライターをヒーローと尊敬し、一緒にプロモーションビデオまで製作していますが?

 「グレタ・トゥーンベリが尊敬し、一緒にビデオを製作した英国のライターはバリバリの原子力推進派」
 http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/143.html


 (関連情報)

「赤い楯 ロスチャイルドの謎」 (広瀬隆・著 集英社)

「黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア」 (鬼塚英昭・著 成甲書房)

「Let them sail yachts: Why Greta Thunberg and the environmental elite hate you」
(RT 2019/8/17)
https://www.rt.com/news/465501-greta-thunberg-hates-you/

「エネルギー市場はどうなっている?(3)?エネルギー産業をとりまく金貸しの支配構造
【原子力資源(ウラン)編】」 (金貸しは、国家を相手に金を貸す 2011/9/24)
http://www.kanekashi.com/blog/2011/09/1703.html

「ヴィクター・ロスチャイルドと原子力利権(hexagonより転載)ハンブロー、
オッペンハイマーはロスチャイルド一族」 (阿修羅・ジャック・どんどん 2011/6/26)
http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/422.html

「アル・ゴア(自身)の不都合な真実」 (nueq lab 2011/7/21)
https://nueq.exblog.jp/15980130/

「地球温暖化の詐欺 ~本当に不都合な真実~」 (神と悪魔の狭間で... 2008/7/9)
http://cybervisionz.jugem.jp/?eid=89

 「★阿修羅♪ > 原発・フッ素13」のジャック・どんどん 氏の2011 年 6 月 26 日付投稿「ヴィクター・ロスチャイルドと原子力利権(hexagonより転載)ハンブロー、オッペンハイマーはロスチャイルド一族」。
 旧ベルギー領コンゴのウラン利権とヴィクターロスチャイルドについて hexagonより転載
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 「マンハッタン計画」と「冷戦」の舞台裏については、まだまだいろいろな情報がある。例えば、ユダヤ人大富豪ロスチャイルドの研究で有名な広瀬隆氏は、次のような事実を明らかにしている。

 「原爆の製造には、原料のウランが必要だった。ロスアラモス研究所では原爆製造のために、アフリカのコンゴ(現ザイール)からウランを調達していた。コンゴは当時最大のウランの産地であり、この鉱山利権を握っていたのがロスチャイルド財閥であった。そのためウラン原料を調達する監督官として国際的な役割を果たしたのがチャールズ・ハンブローであり、彼は戦時中にスパイ組織OSS(CIAの前身組織)を設立した大物でもあった。のちに『ハンブローズ銀行』の会長となり、イングランド銀行と南アフリカの大鉱山利権を支配した男である」。

 「第二次世界大戦はユダヤ人にとってホロコーストの悪夢の時代であった。そのユダヤ人であるヴィクター・ロスチャイルド男爵、チャールズ・ハンブロー、ロバート・オッペンハイマーは、〈系図〉をみてお分かりのように、血のつながりを持つ一族だったのである。イギリスのロスチャイルド・ファミリーは金融王ネイサン・ロスチャイルドに源を発する一族だが、ちょうどその5世代ファミリーに、彼らが同じ血族として記録されているのである。オッペンハイマーは突然にニューメキシコ州の砂漠に現れた科学者ではなかった。そしてここに、世界史の大きな謎がある。1989年にベルリンの壁が崩壊するまで続いた米ソの東西対立が、事実危険な対立であったか、それとも半ば両者が示し合わせた人為的な対立だったかという謎である」。

 上は広瀬隆氏が作成した「系図」。ユダヤ人であるヴィクター・ロスチャイルド男爵、チャールズ・ハンブロー、ロバート・オッペンハイマーは、血のつながりを持つ一族だった。オッペンハイマーは突然にニューメキシコ州の砂漠に現れた科学者ではなかったのだ。

 ●さらに広瀬隆氏は、次のように語る。

 「ヴィクター・ロスチャイルド男爵の再従妹にナオミ・ロスチャイルドがいるが、その夫はベルトラン・ゴールドシュミットというフランス人だった。後に国際原子力機関IAEAの議長となるのだが、この男は『マンハッタン計画』の指導的立場にいた。その『マンハッタン計画』に物理学者として参加していたユダヤ人、クラウス・フックスは、原爆に関する極秘資料をせっせと旧ソ連政府に流し、旧ソ連の原爆第1号が製造される。(フックスはスパイ容疑で逮捕され、1950年に懲役14年の判決を受けたが、1959年に釈放された)。

 このクラウス・フックスを操っていたのがイギリス内部に深く根差した『ケンブリッジ・サークル』という組織だった。共にケンブリッジ大学出身のイギリス諜報機関MI5、MI6の最高幹部4人が、この組織を通じてソ連に核ミサイルに関する極秘情報を流していたのだった。そしてその中にMI5のソ連担当官アンソニー・ブラントという人物がいた。ブラントは女王陛下の美術鑑定家としても名高くナイトの称号を与えられていたが、実はソ連の二重スパイとして女王陛下を裏切っていたのだった。そしてこのブラントはアーサー・ブラントという父を持ち、その血縁者エディス・ボンソワを通じてハンブロー・ファミリーと結ばれている」。

 「先にオッペンハイマーの一族として示した〈系図〉のヴィクター・ロスチャイルド男爵は、1990年にこの世を去るまで、このソ連の原爆スパイとして有名なイギリスの『ケンブリッジ・サークル』の最大の黒幕とみなされてきたのである」。

 「このように東西を密かに流通する大きなパイプが走っていたのだ。しかも、パイプの東側ではシベリアの原爆開発が進められ、西側では彼らが全世界のウラン鉱山を支配して、今日まで人類史上最大のカルテルを形成してきた。南アフリカから生まれた利権は、想像できないほど天文学的なものだったのだ」。

 第二次世界大戦中のロスチャイルド直系当主ヴィクター・ロスチャイルド男爵

 彼はソ連の原爆スパイとして有名なイギリスの「ケンブリッジ・サークル」の最大の黒幕だった

 ●さらに広瀬隆氏はこう語る。

 「核実験は、2つの目的を持っていた。1つは、高度で破壊力のある兵器を作るための軍事的開発である。しかしもう1つは、核爆弾を1発爆発させるごとに大量の札束を吹き飛ばす利権であった。東西の緊張が高まれば高まるほど、核兵器の開発は容易になったのである」。

 「そして次に彼らに必要となったのは、原子力の平和利用へ移っていくなかでの“放射能の安全論”であった。ここで数々の生体実験を行なってきた科学者たちが所有しているデータに目がつけられたのだ。『マンハッタン計画』の命令系統には、大きく分けて2つの部門があった。第1が広島・長崎への原爆投下を実行した『原爆開発班』である。世界有数の科学者が集められ、核分裂を実用化した著名なグループだ。しかしそこに第2の部門として『医学班』が存在していたのである。放射能の危険性を研究した最高責任者がスタッフォード・ウォーレンであり、彼自身が生体実験を認可した当人であった。 〈後略〉」。

●上の広瀬隆氏の話の中に出てくる「ケンブリッジ・サークル」とは、イギリスを震撼させた「ソ連の二重スパイ組織」のことで、ケンブリッジ出身の4人のダブル・スパイ、キム・フィルビー、アンソニー・ブラント、ガイ・バージェス、ドナルド・マクレーンがメンバーだったことで知られている。名門パブリックスクールからケンブリッジに進学したエリート中のエリートで、彼らはその才能とバックグラウンドを生かしてイギリス情報部、外務省、BBC、王室とイギリスの支配階級の中枢に深く潜入し、KGBに情報を送り続けていたのである。なぜ将来を約束されたエリートたちが共産主義に傾倒し国を裏切るようになったのか、今でも大きな関心を集めている。ソ連の二重スパイだった「ケンブリッジ・サークル」のメンバーたち。左から、キム・フィルビー、アンソニー・ブラント、ガイ・バージェス、ドナルド・マクレーン。特にキム・フィルビーは、冷戦時代にスパイ界の「キング」と呼ばれていた。

 1979年11月、サッチャー首相は、公的にアンソニー・ブラントを「反逆者」と発言し、ナイトの称号を剥奪した。 

 ●スパイの世界に詳しい高橋五郎氏は、「ケンブリッジ・サークル」のメンバーだったキム・フィルビーについて次のように述べている。

 「冷戦時代にスパイ界の『キング』と呼ばれたキム・フィルビーは、学生時代の1933年から熱烈なレーニン主義信奉者で筋金入りのソビエト・ロシアのスパイ。CIAは、フィルビーの正体を1960年代初頭には薄々感づいていたといわれるが、フィルビーは1963年頃にモスクワに逃げてしまった。逃げたというよりも、CIAが逃がしたというほうが、ベラスコのいう『良心的な歴史観』に沿っているかもしれない。フィルビーがモスクワに逃げて、西側は大打撃を受けた。フィルビーは戦前・戦後を通してイギリス情報網の組織強化に情熱を燃やし、アメリカ戦略情報局(OSS)をCIAに改組強化するうえで力を貸し、両機関のソ連対策にまで知恵を授けてきたとんでもない人物だったからだ」。

 「ところで、フィルビーの正体をCIAが見破ったことで、皮肉にも西側戦勝国の戦史や政治史の信憑性が疑われることになる。歴史学者はパニックに陥った。それまで戦勝国が公表してきた第二次世界大戦史と、それに沿って再生産された秘密諜報活動史、軍事作戦史をはじめとして、それらに準拠したスパイ小説、戦争指導者たちの得意げな、あるいは控え目な回顧録、映画、新聞、雑誌記事、テレビ番組など、とくに1960年代前半までに公開された『史実』は書き換えを余儀なくされた。しかし一度知った『歴史』を世間の人びとは面倒がって書き直さない。それをよいことに戦勝国は、スクープされない限りは、いまだに歴史の修正に無関心を装っている」。

 ●東京大学出身で、「アジア・アフリカ研究所」の名誉所長である岡倉古志郎氏は、「原子力利権」の実態について、著書『死の商人』(岩波書店)の中で、次のように述べている。

 「1947年にアメリカで『原子力委員会(AEC)』という国家機関が創設され、『マンハッタン計画』が受け継がれた。引き継ぎの際、明らかになったことは、過去7年間に原爆生産に投下された経費が22億ドルの巨額に達していたということである。その後、冷戦が展開されるに及んで、原子力予算は、まず年額10億ドル台になり、ついで20億ドルを超えた。『1つの新しい産業が突如出現した。それは、初めてベールを脱いだその時からすでに巨体であったが、やがて体全体が成長し、単一の産業としては現代最大の産業になっている』と、1948年末、当時のAECの委員W・W・ウェイマックは原子力産業の巨大なスケールについて述べている。原子力産業は、『死の商人』にとっては、もっともすばらしい活動分野であった。何しろ、その規模がどえらく大きい。年額20億ドルもの巨費が建設や運営のためにばらまかれる。その設備はといえば、『USスティール』 『GM』 『フォード社』 『クライスラー社』の4つの巨大会社を合わせたよりも大きく、数十万の技術者、労働者を擁している。

 この土地、建物、機械などの固定設備はむろん、AEC、つまり国家がまかなうが、その建設、運営は『デュポン社』だとか、『ユニオン・カーバイド社』(ロックフェラー財閥系)や、『GE』(モルガン財閥系)のような巨大企業にまかせられる。建設、運営をひきうける会社は自社製品を優先的に売りこみ、すえつける特権があり、また、運営の代償として『生産費プラス手数料』の原則でAECに請求して支払いをうけるが、この『手数料』は純然たる利潤だとAEC担当官さえ認めている。このほか、運営に当たっていれば、科学技術上の機密が自然入手できるが、これらの機密は、将来原子力産業が民間に解放される場合には、ごっそりいただくことができる。『死の商人』にとって、こんなボロもうけの分野がかつてあったであろうか。ジェイムズ・アレンが『原爆崇拝のかげで景気のいい一つの商売がおこなわれている。それは、国家の権威をまとい、えせ愛国主義の霊気に包まれているが、いうなれば“ボロもうけの商売”である。しかも、この事業の目的たるや、大量殺人でしかない』と慨歎しているのも当然である」。

 <原爆開発と原子力開発の組織の変遷>

1947年1月1日に「原子力委員会(AEC)」が発足し、「マンハッタン計画」を継承。
1977年10月1日に「エネルギー省(DOE)」が発足し、「AEC」など諸機関を継承。 

 ■■第6章:冷戦で肥大化していった「軍産複合体(MIC)」

●陸・海・空・海兵隊・予備を含めて350万人以上の人間を擁し、あらゆる近代兵器を持ったアメリカ軍部は、そのメカニズムと力において他に類を見ない組織である。しかもその軍は、2万以上の企業と組んで、巨大な「軍産複合体(ミリタリー・インダストリアル・コンプレックス)」を形成している。

●軍産複合体の根幹を成しているのが「ウォー・エコノミー(戦争経済)」である。そもそも軍産複合体は第二次世界大戦と、それに勝つために必要であった複雑な兵器とともに起こったものであった。「軍事省」や「戦時生産局」は、航空機・大砲・戦車などを作り出すためには産業に頼らざるをえなかった。電子工学や原子力が兵器となるとともに、頭脳力を供給するために大学が選ばれた。大学は、戦争に勝ち、民主主義を救うための必要な協力者であった。

●そしてこの「軍」と「産業」の癒着構造(軍産複合体制)を生み出す大きなきっかけとなったのは、軍・産・官・学の連携によって進められた「マンハッタン計画」である。冒頭でも触れたように、「マンハッタン計画」では、5万人にのぼる科学者・技術者を使い、総計20億ドル(7300億円)の資金が投入された。(ちなみに、1940年の日本の一般会計は60億円、1945年で220億円)。

 ニューメキシコ州の山奥に新設された秘密軍事研究所「ロスアラモス研究所」で、科学者たちは「原子爆弾」を完成させるべく日夜研究に没頭したのである。

 「ロスアラモス研究所」

 この研究所は、1943年、原爆の開発を目的としてニューメキシコ州の山奥に新設された秘密の国立研究所で、初代所長はユダヤ人ロバート・オッペンハイマーが務めた。1945年春には、理論物理部、実験原子核物理部、化学及び冶金部、兵器部、爆薬部、爆弾物理部、それに高級研究部があった。 

●そして第二次世界大戦が終結すると、今度はソ連を相手にした兵器近代化競争に打ち勝つため、アメリカ政府は膨大な補助金を大学の研究室に注ぎ込み、優秀な頭脳を結集して新しい武器の開発を求めてきた。そこで得た研究成果は、「ダウケミカル社」「デュポン社」「ロッキード社」「ダグラス社」などに下ろされ、これら軍需産業が大量に生産。大学の研究室と産業と政府ががっちり手を結び、冷戦という獲物を手にして巨大な怪物へと成長した。

●この「軍産複合体」の中核に位置するのが、ペンタゴンとCIAである。1947年に「国家安全法」に基づいて、それまで独立機関であったアメリカ4軍を一元的にコントロールするために設けられたのが「国防総省(ペンタゴン)」で、更に同じ「国家安全法」に基づいて作られたのが「中央情報局(CIA)」であった。このペンタゴンとCIAの誕生により、軍産複合体は一つのガッチリした“中央集権的組織”となって、アメリカに根を下ろしたと言えよう。  





(私論.私見)