チェルノブイリ原発事故考

 (最新見直し2011.03.12日)

Re:れんだいこのカンテラ時評その169 れんだいこ 2006/05/05
 【日本は一刻も早く原子力行政から撤退せよ。これはネオシオニストの罠である】

 グーグル検索で出てくる「フリー百科事典ウィキペディアのチェルノブイリ原子力発電所」、「チェルノブイリ原発事故」その他を参照する。

 1986.4.26日、当時ソ連ウクライナ近郊のチェルノブイリ原子力発電所の4号炉(黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉、RBMK-1000型)が爆発し、原子力発電史上最悪の事故が発生した。

 事故から4ヶ月後の1986.8月、ソ連政府は、IAEA(国際原子力機関)に事故報告を提出したが、おざなりな被害報告とその後の対応が記されているのみで、事故原因については「運転員による数々の規則違反の類まれなる組み合わせ」という何の教訓にもならない説明でお茶を濁している。被害実態は今も明らかにされていない。チェルノブイリ事故に関する情報は機密扱いとされ今日に至っている。

 チェルノブイリ原子力発電所は、1971年に着工され、1978.5月に1号炉が営業運転を開始した。1986.4.26日1時23分(モスクワ時間)の4号炉が爆発。その後も1号炉~3号炉の運転は続けられたが、2000年に稼動が停止されている。1886年年、当時建設中だった5号炉と6号炉は中止された。

 爆発の状況は次のように伝えられている。当時、爆発した4号炉は休止中であった。原子炉が止まった際に備えた動作試験を行っていたところ、何らかの事態発生で原子炉は制御不能に陥った。その挙句、炉心が融解、爆発したとされる。

 爆発により、原子炉内の放射性物質が大気中に大量に(推定10t前後)放出された。当初、ソビエト連邦はこの事故を公表しなかったが、翌4.27日、スウェーデンでこの事故が原因の放射性物質が検出され、4.28日、ソビエトも事故の公表に踏み切った。日本でも、5.3日に雨水中から放射性物質が確認された。爆発後も火災は続き、消火活動が続いた。アメリカの軍事衛星からも、核の火に赤く燃える原子炉中心部の様子が観察されたという。ソビエト政府によれば、5.6日までで大規模な放射能漏れは終わったとされる。

 死者はソビエト政府の発表では運転員・消防士合わせて31名だが、事故の回収にあたった予備兵、軍人、トンネルの掘削を行った炭鉱労働者に多数の死者が確認され旧ソ連時代の内部資料で確認されている被害者だけで約1万3000人、その殆どが既に放射線障害で死亡しており、さらに周辺住民の多くが死亡したと考えられている。

 最終的には4万人に達するとロシア科学アカデミーは発表したが、当時西側諸国の思惑もあり否定されて今に至り、最終的な被害者は公表されていない。また、事故によりチェルノブイリ周辺は高濃度の放射能汚染により居住が不可能になり、約16万人が移住を余儀なくされた。爆発事故による放射能汚染は、ウクライナだけでなく、隣のベラルーシ、ロシアにも及んだ。

 以上は前置きである。事故原因とその教訓を引き出すのが本サイトの役目である。本当の事故原因は何だったのか。事故から20年後、直前に「直下型地震」が発生して爆発したとの指摘が為されつつある。 ロシア地球物理学研究所のストラホフ前所長によると、事故の約20秒前に小さな直下型の地震があり、 原子炉は耐震構造ではなかったために、原子炉で爆発が起きた、と云う。

 れんだいこが思うのに、地震誘発事故であろうがテロ事故であろうが、人類は果して原発を超御する能力を有しているのか、という根源的な問いをしなければならないのではなかろうか。特に、我が日本は地震が多い。今後の政治情勢に於いてはテロの可能性も有る。

 こうした事を考慮する時、日本の原発推進政策は根本より見直されなければならないのではなかろうか。自民党タカ派勢力による一貫した原発推進は、日本の国家及び民族の融解をもたらす自殺政策ではなかろうか。こういうところに注意を喚起したい。チェルノブイリ原発事故考は、このことを検討するために意義があると考える。この国の政府とマスコミは、北朝鮮のテポドンで大騒ぎする割には、原発問題には触れない。これは不正ではなかろうか。

 ちなみに、チェルノブイリ原発一帯は現在でも立ち入り禁止となっており、原子炉は石棺で封鎖されている、と云う。しかし、その手法は恒久的な閉じ込め策ではない。石棺自体が老朽化するからである。もし石棺が崩壊した場合、放射性ダストの雲が放出されるおそれがある、と云う。恒久的な閉じ込め策について多くの計画が議論されたが、これまでのところいずれも進んでいない、とも云う。

 事故時点で炉の中にあった燃料のおよそ95%が、今もシェルターの中に留まっている。その全放射能はおよそ18000万キュリーにのぼる。この放射性物質は、炉心の破片、塵、および溶岩のような「燃料含有物質(FCM)」から成る。FCMは破損した原子炉建屋を通って流れ、セラミック状に固まっている。推定によると、少なくとも4トンの放射性の塵がシェルター内に存在する。雨水や結露水などに年間4000立方m近い水がシェルター内に流れ込んでおり、原子炉建屋内や周辺の地下水へ放射性物質を拡散している。シェルター内の高い湿度により石棺のコンクリートや鋼材が腐食しつづけている、と云う。

 れんだいこが何を云おうとしているのか。人類は未だ原発事故後の対応能力を有していないのではないか、と指摘したいことにある。化石燃料に変る効率的な燃料として原子力利用が進んでいるが、最終廃棄物の処理方法、事故後の対応に能力が追いついていない現在、比較総合すれば原子燃料は最も割高な燃料ということになりはすまいか。それをなぜ推進しようとするのか解せない。そういうことを指摘したい。

 偶然ならまだしも、ある悪意を持ってこの政策が推進されていたならどうなるのか。ここを沈思黙考はたまた喧々諤々せねばならないのではなかろうか。地震国日本は最も早く原子力行政から撤退せねばならぬのに、世界中で一番執心しているとしたら痴愚というより滑稽というより余りにも怖いというより、これは民族が罠にはめられているのではないのか。

 日本での原子力行政は、正力ー中曽根ラインが取り組み、小ネズミがこれに熱心なのは何やら臭う話ではないか。よりによって、こういうラインが靖国神社を詣でることを得手とする。愛国者ぶりをカムフラージュしたいのであろうが、愛国者は自然と愛国愛民族するもので、わざわざ売り出しするのは臭いと云うべきではなかろうか。

 れんだいこは、靖国神社は最後にはレイプされ解体ピリオッドに誘導されるのではないかと予見する。ご丁寧なことに、ウヨサヨ合体でこれを後押しするような気がする。

 ほんとはこれが云いたかった。原発行政も典型的に然りであるが、昨今の政治で片手のポケットでは財政再建、もう一方の手では米英ユ同盟に対するお供えお供えというやり方然り。万事デタラメが罷り通り過ぎていよう。何とかせんとと思うのだけれど。

 2006.5.5日 れんだいこ拝

Dr. Olha V. Horishna 著
発行:チェルノブイリの子ども達への支援開発基金(2006年)
(Children of Chornobyl Relief and Development Fund)

 Horishna博士。ウクライナ国立軍事医学研究協会シニア・フェロー(科学)公共公衆衛生センター理事

 はじめに

 「チェルノブイリの子ども達への支援開発基金」(Children of Chornobyl Relief and Development )は、ウクライナ国立軍事医学研究協会の上級科学研究員(シニア・フェロー)であり、また、ウクライナのキエフにある公共公衆衛生センター(「Zhinocha Hromada」)理事でもあるOlha Horishna博士のご尽力により、チェルノブイリの原発事故の影響に関する最新の健康データの一部をこのような貴重な資料にしてまとめて下さったことに、感謝を申し上げる。また、チェルノブイリの長期的影響には取り合わず、重要に考えるなというきわめて大きな圧力を受けていたにもかかわらず、我々とともに研究を行って下さったベラルーシおよびウクライナの勇敢な科学者や医師の多くの皆様にもお礼を申し上げたい。本書で引用した科学者のなかでも、Yuri Bandezhevsky博士をはじめとする方々は、チェルノブイリ原発事故の影響については重要視するなという要求を拒否したために、ベラルーシの関係当局から公然と嫌がらせを受け、ついには拘置されることとなった。ここに挙げた科学者は、「事例証拠」をタブーとして扱うべきではなく、影響を受けた人々について綿密な調査を行うための出発点としての役割を果たすべきであると考えている方々である。

 ウクライナの小児科学、産科学および婦人科学会研究所所長であるウクライナの医療科学学会員、Elena Lukyanova博士とその同僚の方々に、チェルノブイリの放射線に曝露した妊婦や子供達の健康に注意を呼び掛けるような調査研究を行っていただき、深く感謝している。また、環境地球化学研究所の副理事長で、工学博士のGeorge Lysychenko氏にも貴重なご支援をいただき、感謝の意を表したい。

 本書は、この問題に関するチェルノブイリの健康影響または健康調査結果をすべて包括的にまとめたものではないことをはっきりと申し上げておきたい。あいにく、われわれはこのほか、健康への悪影響は今後さらに増大し、その悪影響がすべて予測できるものであるとは限らないと考えている。放射性セシウム137の半減期は30年であり、多くの癌の潜伏期間は20年以上続くことがある。照射を受けた両親から生まれた乳幼児の第一世代には、先天性異常は出現しないと考えられる。しかし、本書でまとめられているデータからは、チェルノブイリが依然として我々とともに存在し、人体にきわめて大きな異常をもたらすその範囲と潜在能力を侮ってはならないということを示す有力な証拠が得られている。

 放射線曝露によって起こる数多くの健康問題についてさらに視野を広げ、理解を深めるためには、さらなる研究を実施する必要があると確信している。しかし、本冊子は、コンピュータモデルや、自称「専門家」およびロビイストの漠然とした予測に基づいたものではなく、実際のチェルノブイリの生存者に関する大規模な独自の調査に基づいてまとめられたものであるとして、重要な役割を果たしている。Horishna博士は、分子レベルや染色体レベルにまで踏み込んで、放射線曝露が、汚染区域に居住し続けている人々の健康状態のほか、避難者、チェルノブイリの事故処理作業者、放射線の被災者から生まれた子供達の健康状態に及ぼす実際の影響に焦点を合わせて取り組んでこられた。

 多くの方々がこの刊行物の重要性を理解し、本書をまとめ挙げるのに多大な努力を捧げてくれた。われわれは、本プロジェクトに寛大なご支援をいただいたコロラド州、コロラドスプリングスのYaropolk Hladkyj准将のほか、20回目の原発事故の日を迎えるにあたりご支援下さった匿名の寄贈者の方にも厚く御礼を申し上げたい。チェルノブイリの子供達への支援開発基金の共同創設者兼会長であるZenon Matkiwsky博士の技術監督および有益な提案がなければ、本書を刊行することができなかったであろう。われわれはこのほかにも、翻訳者のViktor Horishny氏、Olena Welhasch-Nyzhnykevych氏、Viktoria Pavlotska氏およびYulia Vitvitska氏にも感謝の意を表したい。

 われわれ、チェルノブイリの子供達への支援開発基金としては、癌や白血病との闘いに徹底的に取り組むことによって、いかにして新生児集中治療室を作り、効果的な外科手術により出生異常の治療を行うのか、いかにして妊婦健診を実施し、死産や妊婦合併症を減らせるようにするのか、ケアが必要な子供達にできる限りの最良のケアを提供することができるよう、いかにして医師や看護師を訓練して行くのかについて、知っている唯一の方法で、最大限に努力してチェルノブイリの影響に対処するつもりである。医療インフラを強化し、治療水準を向上させることによって、ウクライナやベラルーシの人々に断言できることがある。それは、彼らの子供達やその後の世代が、チェルノブイリが残していったものや、直面する他のいかなる健康危機をも乗り越えるのに必要な資源を持てるようになるということである。

 Alexander B. Kuzma,チェルノブイリの子供達への支援開発基金、常任理事
 チェルノブイリの子供達への支援開発基金
 272 Old Short Hills Road,
 New Jersey, USA 07078
 電話:973.376.5140 FAX:973.376.4988
 info@childrenofchornobyl.org


 http://childrenofchornobyl.org 

 (p.59)
 業績(注:CCRF=チェルノブイリの子供達への支援開発基金)

 1989年以降、CCRFは5500万米ドル以上を費やして、1300トンの空輸32回および海上輸送16回などの人道的支援を行ってきた。ウクライナのリヴィブ地域の特化した小児科医院(Liviv Regional Specialized Pediatric Clinic)で最高水準の血液診断研究所を設立した(1990年)。この研究所は1997年、東ヨーロッパでもっともすぐれた研究所であるとして、独自の国際査察チームにより、認定を受けている。ウクライナ(キエフの救急病院および外傷センター(Kyiv Emergency Hospital & Trauma Center))に初めて、米国製の磁気共鳴画像診断システムを導入した。1994年以降、1万1千例を超える患者がMRIによる診断検査を受け、何百もの悪性腫瘍が見つかり、摘出された。白血病および甲状腺癌を来している何百人もの小児に、癌薬物治療と、術後の薬物投与を行った。11カ所の新生児集中治療室に、人工呼吸器、搬送用保育器、パルス酸素飽和度計などの高度救命技術を導入、設置した。(ドニプロペトロウシク、ルーツィク、リヴィブ、オデッサ、キエフ、ポルタバ、リヴネ、イパノフランコフシク、チェルニーヒウおよびチェルニフツィ)。小児科、腫瘍学、外科学、臨床生化学および新生児集中治療室の分野における何百人ものウクライナ人医師に向けて、訓練会議、実務研修および上級セミんターを実施した。「新生児学の手引き(The Manual of Neonatology)」のウクライナ語版を初めて出版し、ウクライナ全域の新生児学専門家らに数千部のコピー版を配布した。チェルノブイリ災害の影響に関する議会公聴会および国連フォーラムで、専門家証人として証言を行った。CCRFの設立者らが、当基金の人道的功績が認められ、ウクライナの名誉勲章を授与された初めてのアメリカ国民となった。CCRFは1995年ニュージャージー州知事ボランティア賞(1995 New Jersey Governor's Volunteer Award)を授与された。John Deere, Monsanto, UMC, Protecter & Gamble, Philip Morris, NestleおよびMedtronicなどの多数の一流企業から、大規模な助成金交付や資金援助が提供された。


 原文 http://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/cherno10.pdf/$File/cherno10.pdf


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