人生論メッセージその8 | 「運命考」 |
(最新見直し2008.7.22日)
(れんだいこのショートメッセージ) |
ここで労働の意義について考察する。 |
人生、社会に対して予見通りに事が運ぶことは少ない。むしろ、科学が発達した今日においても「禍福は糾える縄の如し」(史記) であり、この傾向こそ不変であるように思われる。この言葉は、「福と禍はちょうどより合わせた縄のようなもので、表裏一体、変転きわまりなく、禍が福になったり逆に福が禍に変わったり――これが世の中だ」という意味である。『漢書』のなかにも、「禍は福の倚(よ)る所、福は禍の伏す所、憂喜門に聚(あつま)り、吉凶域を同じくす……夫(それ)禍と福と、何ぞ糾へる縄に異ならん」という文章がある。意味は同じ。この「禍は福の倚る所、福は禍の伏す所なり」は『老子』のなかにも出てくる。
この格言は、人生の富貴栄達に対する有為転変についてのみ諭したものではない。精神的な幸福論にも通じているものであることは論をまたない。幸福も不幸も永遠ではない、幸不幸は縄のように重なり合っているものだという意味の言葉としても使われる。 |
(私論.私見)