隅の7目右ハネツギ形

 更新日/2018(平成30).5.24日工事中のイラスト1



 (囲碁吉のショートメッセージ) 
 ここでは、「隅の7目右ハネツギ形」を確認しておく。
基本型(ハネ、下がりなし)&外ダメ空き関係それぞれ
左ハネ&外ダメ空き関係それぞれ
右ハネ&外ダメ空き関係それぞれ
両ハネ&外ダメ空き関係それぞれ
左下がり&外ダメ空き関係それぞれ
右下がり&外ダメ空き関係それぞれ
両下がり&外ダメ空き関係それぞれ

 2005.6.4日 2013.5.22日再編集 囲碁吉拝

【隅の7目右ハネツギ形の棋理】
 「隅の7目右ハネツギ形」は「白から打てば生き、黒から打てばハネツギがある方からのハネ、逆バネ、2の1置き、2の2置きで死」。実戦的には、「隅の7目左ハネツギ形は2の2ツケが煩い。完全生きは両下がりあるときのみ」と覚えればよい。

【隅の7目右ハネツギ形の№1、「ハネなし下がりなし基本型」&外ダメ空きなし】
問題図
 白先生き、黒先白死(4通り)。7目の場合、白から打てば生き黒から打てば死。白先生きの例
 この型の結論は次の通り。
白先  白先生き。その為にはc、ときにはa。白cと生きれば黒から何も利かず白地6目。白aはセキになるが、黒からイの押さえが利かないので外を重視する場合の手段。
黒先  黒から取りにいくなら、aからdの4通り。
白先正解初手1
 白1(2の1)置き。この形はここが急所である。aを境界として白地6目。
黒のお試し攻撃図1  
 黒1(1の2)置き。
その後図
 白2(2の2)、黒3ハネ、白4ぶつかり、黒5ハネ、白6渡り止め。2眼できており白生き。
白先不正解初手1
 白1(2の2)曲がり。
その後図  
 黒2置き、白3渡り止め、黒4(2の1)、白5下がり、黒6ハネまでセキ。このあと白aとしても黒bとダメをつめられて押しつぶしにはならない。外ダメが他に1つでも空いていれば押しつぶしが成立する。
問題図
 白先生き、黒先白死(4通り)。7目の場合、白から打てば生き黒から打てば死。黒先白死の例。
黒先正解初手1  
 黒1ハネ。これで白即死している。
その後図1
 白2(2の1)トビなら、黒3(1の2)置き。これでどうにもならない。
前図白2の変化図1
 黒1のハネに白2曲がりなら、黒3(3の1)置き。これでどうにもならない。
前図白2の変化図2
 黒1のハネに白2下がりなら、黒3ノビ、白4押え、黒5(2の1)置き、白6抜き。
その後図
 黒7打ち欠き、白8ノビ、黒9コスミで白は脱出できない。黒9はaでもよい。  
その後図3の黒3変化図
 白2下がりには黒3ツケでもよい。白4(2の1)、黒5下がり、白6渡り止め、黒7ノビ、これで3目中手。前図の白の脱出を考えなくてよいだけ本図の取り方がまさる。
黒先正解初手2
 黒1逆ハネ。左方への白の脱出がない場合、こちらからハネても白死。
その後図
 白2押え、黒3下がり(2の2)、白4ハネ、黒5下がり、白6抜き、黒7ハネ。
白2変化図
 白2(2の1)も考えられる。この場合には、黒3(1の2)、白4突き当り、黒5ノビで白死。白4で5は黒4。
黒先正解初手3
 黒1(2の2)ツケ。白のaハネが利かない時は、黒1のツケでも白死。左方への備えはb、またはcでもよい。
その後図
 白2ハネ、黒3下がり、白4下がり、黒5ハネ渡りまで。
失敗図
 左方の備えがなければ、白4ハネで白脱出する。
黒先正解初手4
 黒1(2の1)置き。
その後図1  
 白2(3の1)押え、黒3ノビ、白4ハネ、黒5ハネで白死。(左方への脱出に注意)
その後図2
 前図白2(3の1)押えを白2(2の2)突き当りも考えられる。この場合には、黒3から7で隅の曲がり四目となって白死。
前図の失敗図
 左方への黒の備えがなく、白◇などがある場合は、前図黒7のあと白8と脱出される。

【隅の7目右ハネツギ形の№2、「右ハネあり」&外ダメ空きなし】
問題図
 白先生き、黒先白死(ハネがaにある場合も同じ)。
白先生き初手1
 白aで生き。
黒からの殺し方  
 白にハネのある時は黒aの急所、またはbと白のハネのないほうをハネて殺す。
黒の失敗例1
 黒1ハネの方への放り込み。これでは殺せない。
その後図
 白2(2の1)、黒3(1の2)、白4(2の2)まで。黒が黒aとつなぐと3目取られる仕掛けになっているので白生き。
黒の失敗例2
 黒1(2の2)ツケ。
その後図
 白2(2の1)から6ツギでセキ。 黒3(1の2)でaは白3でコウ。

【隅の7目右ハネツギ形の№3、「両ハネあり」&外ダメ空きなし】
問題図
 白先生き、黒先コウ(万年コウ)。      
黒の正解初手
 黒1(2の1)置き。
その後図
 白2ツギ、黒3押えと外から当てる手が妙手で、黒7まで万年コウ。
その後図
 (白2、4は手抜き)
 黒が取りにいくと、黒1から5で本コウとなる。2手ヨセコウとも言える。但し、この図ではコウは白の取り番。
その後図白2の変化図
 白2突き当り。この手もある。黒3に白4が好手で、白6に黒7と放りこんでから9とダメをつめてコウ。これは手数の長いコウになる。
前図のその後図
(白2、4手抜き)
 前図から黒がこの白を取るためには黒1から順に手を入れていって、5と当たりにして、白6と黒4子を取って、以下次図。
前図のその後図
 抜き跡に黒1と置き、白2と放りこんでようやく本コウの2手ヨセコウになる。黒として もなかなかやっていけない万年コウに近い気の長いコウである。但し、セキにすることはできない。
その後図黒3の変化図
 黒3で2の1の急所を占めるのは、白4からセキになる。
その後図白4の変化図
 白4でつなぐのは、黒5と打ち欠かれて黒7まで、曲り四目で白死になる。これは白の失敗である。
黒の不正解初手
 黒1置き。黒1とここへ置くのが一番むずかしい。白は2から手順をつくして    生きることができる。
その後図
 黒5と打ち欠いた時、白6と放りこみ。
その後図
 (白10は2子取る)
 前図から黒7の取りに白8と当て、黒9と取っても白10と2子を取り返し、以下次図。
その後図
 前図から黒1とまた取り返して白2の当てで両コウになり白生き。
その後図の白2変化図
 黒1に白2では、黒3で本コウとなり、白失敗。

【隅の7目右ハネツギ形の№4、「両ハネあり」&外ダメ空き一つあり】
問題図
 白先生き、黒先セキ。 
黒の正解初手
 黒1(2の1)置き。
その後図
 黒1には白2とつなげば、黒3から黒7まで、この後、白8とすれば黒aとダメ   をつめてセキ。但し、黒の後手。黒7でbと当てるのは、外ダメが空いているので白8から押しつぶしで白生き。白2、黒3と外から当てる手が妙手で、黒7まで万年コウとなる。
その後図の白2変化図
 黒1に白2、4とするのは白8まで黒の先手ゼキになる。なお、白が8を手抜けば黒8と放  りこんでのヨセコウが残る。
その後図の黒3変化図
 黒1白2に、黒3から5としてセキにする手段もある。黒の後手ゼキです。
前図のその後図
 (白2、4手抜き)
 前図から黒がこの白を取るためには黒1から順に手を入れていって、5と当たりにして、白6と黒4子を取って、以下次図。
前図のその後図
 抜き跡に黒1と置き、白2と放りこんでようやく本コウの2手ヨセコウになる。黒として もなかなかやっていけない万年コウに近い気の長いコウである。但し、セキにすることはできない。
その後図黒3の変化図
 黒3で2の1の急所を占めるのは、白4からセキになる。
その後図白4の変化図
 白4でつなぐのは、黒5と打ち欠かれて黒7まで、曲り四目で白死になる。これは白の失敗である。
黒の不正解初手
 黒1置き。黒1とここへ置くのが一番むずかしい。白は2から手順をつくして    生きることができる。
その後図
 黒5と打ち欠いた時、白6と放りこみ。
その後図
(白10は2子取る)
 前図から黒7の取りに白8と当て、黒9と取っても白10と2子を取り返し、以下次図。
その後図
 前図から黒1とまた取り返して白2の当てで両コウになり白生き。
その後図の白2変化図
 黒1に白2では、黒3で本コウとなり、白失敗。

【隅の7目右ハネツギ形の№5、「両ハネあり」&外ダメ空き二つ以上あり】
問題図
 黒先でも白生き。 
参考図1
 黒1から3には白4として生きている。黒5には白6で、外ダメがつまれば白a黒bの両コウ。
参考図2
 黒1白2に黒3から5としても、白6の後黒が外ダメをつめても白a、bで押しつぶしの生き。
参考図3
 黒1に白2、4、黒5、白6の後黒が外ダメをつめても白a、bで押しつぶしの生きとなる。

【隅の7目右ハネツギ形の№6、「左下がりあり」&外ダメ空きなし】
問題図
 白先生き、黒先コウ(白aのハネが利く時は万年コウ)
黒先正解初手1
 黒1(2の2)ツケ。
その後図
 白2から黒5まで、万年コウ。
黒先正解初手2  
 黒1(2の1)置き。
その後図
 白2以下、前図と同様の形で万年コウ。
黒先不正解初手1
 黒1ハネ。黒の外側が不備な場合、黒1とハネるのは不正解で白無条件生きになる。
その後図
 白2と急所に受けて、黒5の時白6と取る。黒が脱出を防いで黒aと手入れすれば、白 bで生きる。
参考図  
 黒◆などの形で白aのハネが利かない場合、黒1のハネには白2と曲がり、黒3に白4でコウ。但し、白にとっては余裕のあるコウ。
参考図の白2変化図
 (白の失敗図) 前図で白2の押さえを打つとダメづまりのため白死。白2で4としても黒5で同様の結果となり白死。
参考図の白4変化図
 前図の白4で当てるのは、黒5でダメづまりのためaとさえぎれず、やはりコウになる。
黒先不正解初手2
 黒1(1の2)置き。
その後図
 白2、黒3から5でコウ。但し、黒からはヨセコウ。黒3で5とハネるのは、白3と曲  がり、黒aとしてセキになる。

【隅の7目右ハネツギ形の№7、「左下がりあり」&外ダメ空き一つ】
問題図
 白先生き、黒先セキ。
黒先正解初手1
 黒1(2の1)置き。
その後図
 白2以下黒5となればセキ。白2で4として、黒5、白2、黒3としてもセキ。
黒先不正解初手  
 黒1ハネ。
その後図
 (黒の失敗図)白2、以下ダメが空いているので白6まで白生きになる。
参考図
 白◇のハネがあっても、黒1の置きから黒5までの手順は変わらずセキ。

【隅の7目右ハネツギ形の№8、「左下がりあり」&外ダメ二つ以上】
問題図
 黒先でも白生き。 
参考図初手1
 黒1(2の1)置き。
その後図  
 白2黒3でセキかと思われるが、白は4と放りこむ。以下次図。  
その後図  
 前図のあと、白6に黒が7とダメをつめても白8に押しつぶして白生き。ダメ2つの効果である。
前図白2変化図

【隅の7目右ハネツギ形の№9、「右下がりあり」&外ダメ一つ】
問題図
 白先生き、黒先セキ 
黒先正解初手1
 黒1(1の2)置き。
その後図  
 白2から順に黒5までのセキ。外ダメのない場合は黒1を3に置いてもセキになる。
黒先不正解初手1
 (黒の失敗図)黒1と置くのは、白2とこすまれて無条件生き。
前図白2変化図
 黒1に白2は黒3から白6まで、両コウとなって白生き。但し、黒からはコウ材が無限にあることになる。外ダメのない場合、黒3を4に置けばセキ。

【隅の7目右ハネツギ形の№9、「右下がりあり」&外ダメ二つ以上】
問題図
 黒先でも白生き
参考図1
 黒1、白2から順に黒5までのセキかと思われるが、白6と当てる手がある。黒7とダメをつめてもまだ外ダメが空いているので白8と押しつぶして白生き。
参考図2
(白10は4に4子取る)
 黒1の置きに白2とさえぎる。黒3に対して、白は1の2にハネて両コウにする手段もあるが、白4(1の1置き)として、以下黒9の時、白10と4子を取り、以下次図。
その後図
 前図のあと、黒1としてもコウにならず、白2から4と押しつぶして白生き。

【隅の7目右ハネツギ形の№9、「両下がりあり」&外ダメ一つ以下】
問題図
 白先生き、黒先セキ
黒先正解初手1
 黒1(2の2)のツケ
その後図
 白2黒3に白4としてセキ。 
前図の白2変化図
 黒1のツケに、白2としても黒3に白4でセキ。
前図の黒3変化図
 黒1、白2に黒3とコスんでコウをねらっても白4でセキ。但し、外ダメが1つある場合は白4 で当てて生き。

【隅の7目右ハネツギ形の№10、「両下がりあり」&外ダメ二つ以上】
問題図
 黒先でも白生き 
参考図1
 黒1(2の2)のツケに、白2黒3に白4としてセキ。
その後図
 黒が外ダメをつめても白は2と2子を当てる余裕があり白生き。
参考図2  
 黒1のツケに、白2としても黒3に白4でセキ。
参考図3
 黒1、白2に黒3とコスんでコウをねらっても白4でセキ。但し、外ダメが1つある場合は白4 で当てて生き。




(私論.私見)