隅の一合マス基本形

 更新日/2022(平成31、5.1栄和改元/栄和4).4.23日

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
 ここで、「隅の詰め碁例題/一合マスの筋」を確認しておく。どう理解し整理するのが良いのか手探りの状態である。「一合枡」、「囲碁:一合マスのあれこれ」、「ぱいなっぷるⅡの囲碁ノート」、「基本死活辞典」、「★弁天喜楽会囲碁★」その他を参照する。まだ十分に咀嚼できていない。

 一合マスとはうまく名づけたものである。昔は、この変化がわかると、初段はあるといわれた。今では、アマ三、四段クラスの人でも、本当に知っている人は少ないのではないかという。外ダメのぐあい、ハネの有無などで、少しずつ手順は違うけれど、基礎的なものだけでものみこんでおけば、実戦でウロたえずにすむ。

 2014.10.28日 囲碁吉拝


【一合マス基本形(ハネなし、下がりなし、外ダメなし一合マス)】
一合マス基本形
 本図が隅の一合マスの基本形で、ハネなし、下がりなし、外ダメなしである。

【一合マス側の生き方】
生きの正解初手
 一合マス側の先手であればa(二の2)に手入れして完全な生き。

【外側の攻め方】
殺しの正解初手
 外側の先手であればaでコウになる。いずれにせよ「二の2」のところが争点になる。
 黒からは二の2の他にa、b、cの攻めがある。

【外側の攻め方元図№1/二の2置き】
正解初手1
 №1/二の2置き。(正解初手)

【一合マス側の対応策元図№2/一の2下ツケ】
その後1
 一の2下ツケ。この手が手筋の返し技である。

【外側の攻め方元図№3/ツケの反対方向へのノビ】
その後
 ツケの反対方向へのノビ。

【一合マス側の対応策元図№4/渡り止め下がり】
その後
 渡り止め下がり。

【外側の攻め方元図№5/№4の反対側ハネ】
その後
 4の反対側ハネ。(決定打)

【一合マス側の対応策元図№6/押え】
その後
 押え。

【外側の攻め方元図№7/ツギ】
その後
 ツギ。

【一合マス側の対応策元図№8/ツギ】
その後
 ツギ。

【外側の攻め方元図№9/空き三角サガリ】
その後
 空き三角サガリ。この手が手筋である。

【一合マス側の対応策元図№10/ホウリコミ】
その後
 ホウリコミ。

【外側の攻め方元図№11/1子取り】
その後
 1子取りで「黒の取り番コウ」となる。白に 外ダメが空いていたり、ハネのある時は万年コウとなる。これが正式の手順である。

【一合マスはコウと知れ】
 【1図:一合マスの形】棋譜(248頁の1図)※スペースの関係上、便宜的に6路盤で表示する
棋譜再生
・この黒の形が「一合マス」
・白は1と置いて攻めてくるが、結果はコウになるのが正解である。
※ただし、同じコウでも、黒の受け方、白の攻め方で得失が生じるから、注意しなくてはならない。

 【2図:双方とも正しい手順】棋譜(248頁の2図)
棋譜再生
・黒2とツケ、以下10までが、双方とも正しい手順。
※黒がコウに勝てば三子を打ちぬいて活き、白が勝てばコウをツイで、五目ナカデにして黒を屠る。
⇒この手順を、しっかり頭に入れること

 【3図:変化図~白が損】棋譜(249頁の3図)
棋譜再生
・黒にとっては、2のツケが大切な手。
・ここで白3のハネなら黒4とゆるめ、白5、黒6のコウとなる。
※この形は、コウに負けたときの形が、白は前図より損になるので、黒の歓迎するところ。
※白5で6では黒5で、セキにしかできない。

 【4図:黒はダメづまりで死】棋譜(249頁の4図)
棋譜再生
・黒2の受けは俗手。
・白3、5と平易に運ばれ、黒はダメづまりで死んでしまう。

 【5図:白のハメ手の一種】棋譜(249頁の5図)
棋譜再生
・白1と置くのは、ハメ手の一種。
・コウでなくタダ取りにしようというのだが、そうはいかない。
・黒イ(18, 三)などと受けると、白ロ(17, 二)とツケられてハマる。

 【6図:黒の手筋】棋譜(249頁の6図)
棋譜再生
・黒は2とサガリ、白3のツケに4と置くのが手筋。
・白5は絶対、そこで6、8と二子を取らせ、だまって黒10とアテるのが巧妙。
※白はタダ取りのつもりがタダ活きされることになる。
※なお、黒4で5の左は白4で黒死、白5で6は黒5でセキ。

(坂田栄男『囲碁名言集』有紀書房、1988年[1992年版]、248頁~249頁)

【元図№1変化その1、ハネ】
初手変化 画像
 №1/ハネ。
№2 画像
 №2/二の1。このハズシが手筋。
№3 画像№3
 №3/逆バネ。
№4 画像
 №4/ヒキ。
その後図 画像
 №5/置き。以下、№6、№7、№8、№9、№10までコウ。

【元図№1変化図その1】
元図黒1変化1
 練習問題(16)一合マスの基本型に対し◆とツケました。白先でどうなりますか? (解答は226、227頁)
№1
 №1/腹ツケ。

【上図№2】
№2
 №2/二の2ハサミツケ。

【上図№3以下図】
№3
 №3/ハネ。
№4
 №4/サガリ。
№5
 №5/アタリ。
№6
 №6/サガリノビ
№7
 №7/サガリアタリ。
№8
 №8/ダメヅメアタリ。
その後図
 №9/二子ヌキ。№10/アタリ。№11/ワタリ。№12/1子ヌキアタリのコウ。本譜では黒に有利なコウになる。
本譜№3変化
 №3/ワタリ。
№4
 №4/アタリ。
№5
 №5/ハネ。コウ受け。
№6
 №6/1子ヌキコウ。
本譜№4変化
 №4/5のサガリ。
№5
 №5ハネ。
№6
 №6/押さえ。
№7
 №7/ツギ。
№8
 №8トリ。以下、白4、黒に、ほ、と打って脱出する手段もある。但し、この形は下辺に白石があるか黒石があるかで大変違い、もし下辺に白石があって脱出できない場合は、黒は6までとコウにすればいい。

【元図黒1変化図その2】
元図黒1変化2
 練習問題(17) 一合マスの基本型に対し◆と置きました。白先でどうなりますか? (解答は228、229頁)

【元図黒1変化図その3】
元図№1変化2
 №1/二の1置き。

【本譜その後図】
№2
 №2/ワタリトメサガリ。
№3
 №3/三の2ツケ。
№4
 №4/二の1置き。
№5
 №5/ワタリネライサガリ。
№6
 №6/デ
№7
 №7/押さえ。
№8
 №8/アタリ。
№9
 №9/2子ヌキ。
№10
 №10/アタリ。本譜では黒の無条件生き。

【元図№2変化図1】
元図2変化1
 2/下(二の1)ツケ。(失敗図)

【本譜その後図】
 №3/ハネ。本図の変化図もある。これも白の取り番のコウになる。
 №4/ブツカリ。
 №5/放り込み。
 №5/放り込み1子ヌキでコウ。

【前譜№3変化】
№3
 №3/ノビ。
№4
 №4/サガリ。
№5
 №5/ハネ。
№6
 №6/ブツカリ。
№7
 №7/サガリ。
№8
 №8/放り込み。
№9
 №9/放り込み。

【元図№2変化図2】
元図2変化1
 2/二の3マガリブツカリ。(白の失敗図)

【本譜その後図】
 3/左ノビ
 4/左ハネ。
 5/押さえ。
 6/ツギ。
 7/サガリ。四目中手で白死。最初に白2と曲がるのは悪手ということになる。
本図4の変化
 4/サガリ。(白の失敗図)
 5サガリ。
 6/二の1置き。
 7/ワタリトメサガリ。以下、白8、黒9とダメツメするも、攻め合いは白負けになる。

【元図№3変化その1、ツケ側へのノビ】
3変化1
 3/ツケ側へのノビ。「ツケ石の遮(さえぎ)り方向へのノビ」でぶつかる。
 4/ヒキ。
 5/左ハネ。
 6/ヒキぶつかり。
 7/ワタリ。
 8/放り込み。
 9/コウ。黒は負けたときの損が大きいので、元図の3/ツケの反対方向渡り狙いのツキアタリより劣る。

【元図№3変化その2、アタリ】
3変化2
 3/アタリ。(失敗図)
 4アタリ返し。
 5/一子ヌキ。
 6/ワタリトメサガリ。
 7/ワタリネライ三の1。
 8/ワタリトメサガリ。
 9/グズミ。ここまでの結果は黒がコウに勝ってもすぐ解消できないヨセコウのようなコウになっている。

【元図№3変化その3、左ハネ】
3変化3
 3/左ハネ。(黒の失敗図)

【その後図】
 4/押え。
 5/ノビアタリ。
 6/1子ヌキ。
 7/アタリ。
 8/ブツカリダメツメ。これでコウ。
 但し、黒7で8として、白a黒7なら白死。
本図5変化
 5/下がり
 6/ワタリ。
 7/キリ。
№8
 8/ヌキ。
 9/サガリ。五目中手で相手が死。

【前図№4変化その2、ノビマガリ】
4変化2
 4/ノビマガリ。この手が最善でコウになる。

【その後図】
 5/ノビ。
 6/放り込み。これでコウになる。

【元図№3変化その4、右ハネ】
3変化4
 3/右ハネ。(黒の失敗図)

【上図の右ハネその後】
 4/マガリブツカリ。
 5/ノビ。
 №6/ハネ。
 7/押さえ。
 №8ツギ。セキになり黒失敗。

【元図№4変化図】
元図4変化
 4/三の1へハネ。(失敗図)

【本譜その後図】
 5/押さえ。
 6/ツギ。
 7/ノビ。五目中手で白死。     

【一合マス手抜きに対する「上バネ」】
問題図
 一合マスの基本型に対し◆とハネたところ、白先如何/白先コウ解答は224、225頁)
№1
 №1/二の1置き。こうハズスのが妙手。
№2
 №2/ハネ。
その後図
 №3/内マガリ。№4/ハネ。№5/キリ。№6/ノビ。№7/ヌキ。№8ノビ。№9/放り込みでコウ。  
前図№2の変化図
 №2/ハネ。  
その後図
 №3/キリ。№4/ノビ。№5/ヌキ。№6/ハネ。№7/内マガリ。№8/ノビ。№9/放り込みでコウ。  




(私論.私見)