無理筋の三三入りの場合、どう殺すか

 更新日/2021(平成31、5.1栄和改元/栄和3).2.14日 .

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
 ここで、「無理筋の三三入りの場合、どう殺すか」を見て置く。

 2016.9.5日 囲碁吉拝


【三々入り】
問題図 9_ex7.png
 白/三々入り。
 黒はどう対応すべきか。手段は幾通リもある。

【三々入り対策その1】
 「igoxの囲碁ブログ 囲碁の基本をマスターしよう!」の「三々(さんさん)恐怖症と対策 その1」参照。
正解初手1
9_ex6.png
黒1/サガリオサエ。
右上方面の黒模様に白が三々に入り、が△と押えた場面である。今後どうなるか。

その後図 9_ex3.png
白2/ハネ。黒3/オサエ。白4/カケツギ。
9_ex3.png
黒5/アタリ。白6/コウにはじく。
よく見る手順である。この手順は周りの黒が厚くない時である
黒1と繋ぐと 9_ex15.png
コウに負けると地が破れそうだから黒1と繋ぐと以下のような手順で白が生きる。黒は白を小さく活かして先手をとったのでと満足している。しかしこの出入りは20目である。黒の外勢が薄い場合の打ち方である。

黒5の変化 9_ex13.png
周りの黒が厚い時は、白のカケツギに黒△と眼を奪うのが良い。
その後1 9_ex5.png
白1の出に対しては黒2とひく。
決して黒Bと押えてはいけない。黒Bには白A、黒2で白に簡単に生きられてしまう。
白6の変化 9_ex9.png
白にも粘る手が用意されている。白1と黒2を交換した後、覗いたところを黙って△につなぐ。
間違い手 9_ex10.png
ここで、黒はAに打てば白は死ぬ。が、ほとんどの方はあててしまう。
その後図 9_ex14.png
黒7/アタリ。白8/コウ受け。結局コウになった。手順中、黒は抜き返すことができるので黒に有利なコウであるが、コウになれば白満足である。結論的に、黒の外側が厚い場合、白三々に対して黒オサエでも、正確に打てば、白に生きはない。ただし、色々と間違いやすいので上手にチャンスを与えてしまう。

9_ex16.png
ちなみに白△コスミに対しては、黒Aの一手で生きはない。

【三々入り対策その2】
 「三々(さんさん)恐怖症と対策 その2 」参照。
正解初手2 11_ex1.png
 黒1/一間トビオサエ。
 周りの黒が厚い場合は、一間トビオサエも有効である。黒は裂かれ形になっても構いませんよ、本気で取りますよと言っている手である。

その後図 11_ex2.png
 白2/出。これに黒3/オサエると、きれいに白を仕留めることが難しい。
11_ex2.png
 白4/。黒5/ツギ。白/6。
11_ex10.png
 黒7/ハネ。白8/オサエ。黒9/一の2オキ。白10/。黒11/。
 死活は、シンプルに黒1のハネからで白は死んでいる。黒7、黒9は覚えておきたい手順で、黒11が形の急所。しかしこの手順は白に粘りのある形である。
白10の変化 11_ex3.png
 白10の変化として図のところにに打つと、ナカデで死。しかし味が悪すぎる。
11_ex4.png
 たとえば、以下の手順。白は切って、黒が仮に繋いだら、AとBが見合いである。
黒2の変化 11_ex5.png
 黒は白の出に対して、抑える手は返って味が悪くなる。なので、白1出に対しては、黒△と引くのがコツである。白がAとはねても黒はBと打って良い。
11_ex7.png
 以下仮にこうなる。変化が多くしのぎ筋があるかもしれないが、白の生きは厳しい。

 手順中、周りの黒が厚い場合、白9に対して相手にしなくても良い。白11とあてられても繋いで何もない。こういう場合の要領としては、黒石がつながるように、生きるように手厚く打つ。黒は厚いので、相手の眼は俗手っぽく強引に奪っても構わない。白5はミスで白はヨセで少し得する手段が残った。

【三々入り対策その3】
 「三々(さんさん)恐怖症と対策 その3 」参照。
初手3 12_ex1.png
 黒1/逆サガリオサエ。
 ケイマをした方から受ける手。この手は手厚いのが特徴である。
その後図1 12_ex2.png
 白2/出。
その後図2 12_ex2.png
 黒3/カド。
 周りの黒が厚くない場合はハネ出しがあって打ちづらいが、この場合は大丈夫。
白2変化1 12_ex3.png
 白2/コスミ。
 黒の厚いところなので、白はこう打つ。
12_ex5.png
 黒3/ツケ。白4/ハネ。
12_ex5.png
 黒5/二の2置き。
12_ex7.png
 白1/ツギ。中で2眼はできない。
 ハネ出して外へ進出してもうまく行きそうにない。Aの短点があって、手順中黒12でAに切ってスミをとっても良さそうである。
 白6の変化図 12_ex6.png
 白6/ノビ。
 つがずに出て行く手も中で生きる手はなさそう。
12_ex6.png
 黒7/キリ。以下、白の2眼できない。
黒5の変化図 12_ex8.png
 白2/ハネ。黒3/オサエ。白4/カケツギ。
 この後どうなるか?黒△が見事に傷を守っているので、生きる味も何もなさそうである。
白2変化図 12_ex14.png
 白2/ケイマ。
 白はケイマスベリるで粘る。△の方に効きがあれば、うるさくなりそうである。手順中、黒6、8は眼を奪う手で、保留しておくと白に余裕ができる。こういう場合は直ぐに効かすのが良い。
12_ex14.png
  

【三々入り対策その4】
 「三々(さんさん)恐怖症と対策 その3 」、「三々(さんさん)恐怖症と対策 その4(完) 」。 参照。
初手4 12_ex10.png
 黒1/ケイマトビオサエ。
 「敵の急所は我が急所」で黒△に打つ手が好手になる。この手は、上辺の左側が薄い場合は特にオススメである。

その後図1 12_ex11.png
 白2/ケイマ。以下、白が中で生きようとしても以下のような手順でうまく行かない。黒3。白4。黒5。白6。黒7。白8。黒9。白10。黒11。白12。黒13。白14。黒15。白16。黒17まで。黒5、10がピッタリである。
12_ex20.png

【三々入り対策その他】
問題図 12_ex15.png
 以下のような場面で白三々に対して、黒△は有効な手です。白は今すぐに動く手はない。




(私論.私見)