シチョウ当り手筋1

 更新日/2024(平成31.5.1栄和改元/栄和6).2.17日

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
 ここで、「シチョウ当り手筋」を確認しておく。

 2005.6.4日 2013.5.22日再編集 囲碁吉拝


【シチョウ当り手筋1】
 シチョウ除けに打つ手をシチョウアタリと云う。シチョウアタリの手は一手とは限らない。その利き筋ゾーンを見極め、あるいは確認、これに習熟しておかねばならない。これにより着手に幅が生まれる。
問題図
 上の図のように白の逃げる先の△などに石がある場合、これをシチョウアタリという。
その後図
 図のように黒が追いかけていけば白はシチョウアタリの石に連絡してしまい、黒はこれ以上アタリをかけられなくなって脱出される。そうなると黒はaなどに両アタリの断点ばかりが残り、大いに形勢を損じる。この場合「黒はシチョウが悪い」、「白がシチョウよし」という表現もされる。 従って追われる側も追う側も、シチョウが発生しそうな場合はシチョウアタリがどうなっているのかをしっかり見極める必要がある。シチョウアタリのようにシチョウを邪魔する石がなく、碁盤の端に追いつめられるだけなら追われる方の負けである。

【シチョウアタリ成立手筋1】
課題原図
125図
 シチョウアタリ成立如何。

正解初手
126図
 1/アタリ(正解初手)。

【シチョウ当り手筋1】
課題原図
 黒先白2子シチョウ取り。

正解初手
 1/当り(正解初手)。
その後図
 こちら側シチョウ当り控えによる成立シチョウ。

【シチョウアタリ不成立手筋1】
課題原図 127図
 シチョウアタリ成立如何。

【シチョウアタリ不成立手筋1】
不正解初手 128図
 1/アタリ(不正解初手)。

【シチョウ当り不成立手筋1】
課題原図
 黒先白1子シチョウ取り不能。

シチョウ不能図
 相手側シチョウ当り控えによる不能シチョウ。

【シチョウ当り】
 
問題図

 

 シチョウアタリの有無は定石選択にも大きな影響を与える。例えば小目一間高ガカリ定石の一形で、 右上隅に白石があってシチョウが白有利ならば、白1にマガる手が成立する。黒2とツイでも白3とハネ、黒4の抱えには逃げ出すことができる。従って黒は2でaにノビるなど、別の手段を講じなければならない。
 もし白がシチョウ不利なら、白1と打って黒2と2子取りを許す他なく、上図に比べてやや不利な形に甘んじなければならない。

【特殊なシチョウの例】
 アタリの連続で石を取ることをシチョウと呼ぶので、必ずしも階段状になっていない場合がある。
問題図
正解初手
 下図aに黒が打つことによって白2子が取れる。
その後図

  ※白6ツグ

 シボリやマクリを駆使して石を取ることは、グルグルマワシとも呼ぶ。

【攻め合い手筋/シチョウ&打って返し】
課題原図 手筋3
黒先如何。最後まで読み切って白を取ってください。
ヒント
黒1ツギ。
実戦ではシチョウが読みきれず黒1ツギと打ってしまう人が多いでしょう。これは間違いです。

正解初手
黒1/当り(正解初手)。
このシチョウ当りが正解である。但し最後まで読み切れる力が必要である。
その後図1
 白2。
その後図2
黒3。こちらから当てるのがコツ。以下、白4、黒5、白6まで。ツギの手が問題である。
決定打
 黒7下から当り。
その後図
「攻め合い手筋/シチョウ&打って返し」。
失敗図
黒7上から当り。
この手は間違い。以下白8、黒9、白10の時、黒Aと当りを打てなくなっている。

【珍瓏シチョウの例】
 珍瓏(ちんろう)とは、指定された局面からシチョウの手筋を用いて指定された石を取る詰碁の問題である。「シチョウで追う」事以外に作成における制約がないため、初形や最終図で文字や形を描いた作品も発表されている。 棋士の中山典之六段が多くの問題を発表しており、特に最終形がハートの形になる問題がよく知られている。

【攻め合い手筋/ぐるぐるまわしシチョウ】
 ぐるぐるまわしとは,シボリなどの手筋を使い,相手が逃げても逃げても,最後は取れる形です。複数の石が取れるときはどれが種石かを見分けるのも大切です。
課題原図
 黒先

正解初手
 1/放り込み(正解初手)。
その後図

【シチョウ石はポンヌキ!】
 「シチョウの石はすぐにポンヌキ!」。
課題原図
 黒1白△をシチョウに取った後の白2に対する黒の次の一手如何。

疑問手
 黒3は疑問手。
その後図
 白1から黒12まで。
 白13キリ。
その後図
シチョウを逃出し
推奨図
シチョウアタリにいくら気をつけていても戦いが始まってしまうと忘れてしまう。もしシチョウアタリに気づいたとしても戦いの真っ最中だと手を抜くに抜けなくなってしまう。「シチョウの石はシチョウアタリを打たれなくてもすぐにポンヌキが良い」。シチョウはいつかは必ずポンヌキをしなければならない。だから相手がシチョウアタリを打って来なくても暇な時にポンヌキしておくのが一番である。

【両シチョウを解く手筋】
 古碁経に出てくる鎮神頭の図。すさまじいネジリ合いの末、白44でイ、ロのシチョウを見合いにしたと思った瞬間、黒45の鬼手が出る。この一手で「両シチョウのワナを解く」。







(私論.私見)