大ゲイマガケ定石

 更新日/2018(平成30).9.11日

目外し&内ゲイマカカリ&大ゲイマガケ
 目外しへの小目のカカリに大ゲイマにカケ返すと大斜定石と呼ばれる形の初手になる。大斜定石は難解な変化で知られ「大斜百変」、「大斜千変」と云われる。
 応じ手として、A(ナラビ)、B(コスミツケ)、C(大斜石への下ツケ)、D( 目外し石へのトビツケ)、E( 手抜き)がある。
図1
A(ナラビ) B(コスミツケ) C(大斜石への下ツケ) D( 目外し石へのトビツケ)

大ゲイマガケ定石A(ナラビ)系

A(ナラビ)選択の道
 A(ナラビ)が大斜に対して最も簡明な手である。

(上図後の指し手)コスミ
 コスミで石を繋ぐのが賢明。

(上図後の指し手)1間トビ&星下開き
 1間トビで外へ出て行く感じである。相手も星下開きで満足する。

【大ゲイマガケ定石A(ナラビ)系の指了図】
 黒3から白6の進行は黒が若干利かしている。白の次の形はaのナラビである。

大ゲイマガケ定石B(コスミツケ)&ハネ系

B(コスミツケ)&ハネ選択の道
 B(コスミツケ)も大斜に対して簡明な手である。やや俗筋の感が否めない。応じ手として、A(下ハネ)、B(割り込み)がある。
A(下ハネ) B(割り込み)

A(下ハネ)選択の道
 A(下ハネ)は上辺を取りに行く手である。黒の背中が厚くなるのは仕方ない。

(上図後の指し手)ハイ&2線押し&ハイ押し&2線押し&ハイ押し
 白は三つハッてトバなくてはならない。白10でハワずにトブと、黒a~eと二段にハネて決められてつらい。

(上図後の指し手)1間トビ&星下横開き

【大ゲイマガケ定石B(コスミツケ)&ハネ&上辺ハネ系の指了図】
 13とヒラいては黒厚くて十分。

B(割り込み)&当たり&ツギ選択の道
 割り込みは隅の地にカラい手である。応じ手として、A(上辺のツギ)、B(中央のツギ)、C(下辺のツギ)がある。
A(上辺のツギ) B(中央のツギ) C(下辺のツギ)

A(上辺のツギ)選択の道
 A(上辺のツギ)。

(上図後の指し手)右辺キリ
 A(上辺のツギ)には右辺キリで応ずるのが良い。

(上図後の指し手)当たり&下がり
 1子を捨て石にする当たり&下がりの交換となる。

(上図後の指し手)ツギ&1子抱え曲り
 黒は黙ってカタツギするのが手筋。白も1子を抱え取りする。

【大ゲイマガケ定石B(コスミツケ)&割り込み系の1子捨ての指了図】
 簡明な分かれで、黒は先手を得ているので満足できる。

B(中央のツギ)選択の道
 B(中央のツギ)。

(上図後の指し手)右辺キリ
 B(中央のツギ)にも右辺キリで応ずるのが良い。

(上図後の指し手)下がり&押し
 黒は1子を直ぐには捨てず、下がりで2子にして捨てるのが手筋。黒11の下がりに白12の押しを省くと、黒aのトビ込みで白が窮する。

(上図後の指し手)小ケイマガケ&2子のハサミツケ
 小ケイマガケが、二子を捨石にシメツケ、中央に厚みを築く手筋。

(上図後の指し手)ぶつかり&ツギ当たり

【大ゲイマガケ定石B(コスミツケ)&割り込み系の2子にして捨ての指了図】

C(下辺のツギ)選択の道
 C(下辺のツギ)。黒9と右辺をツグのは地にカラい変化。

(上図後の指し手)中央キリ&ツギ
 C(下辺のツギ)には中央キリで応ずるのが良い。

(上図後の指し手)上辺当たり&ノビ&押し&ノビ&押し
 上辺当たりに抜かせる訳には行かないので逃げて3子にする。

(上図後の指し手)カド飛び込み&押え&ヒキ押し
 7とカドにトビ込むのが手筋。

【大ゲイマガケ定石B(コスミツケ)&割り込み系の隅重視の指了図】
 aのアテは保留し、場合によってはbの切りを見る。

 「碁席秀策情報ブログ」の「新手法8回目。大斜の新手


大ゲイマガケ定石C(大斜石への下ツケ)

C(大斜石への下ツケ)選択の道
 C(大斜石への下ツケ)が大斜に対して最も良く打たれる手で比較的簡明なワカレになる。応じ手として、A(ヒキ戻り)、B(外ハネ)がある。
A(ヒキ戻り) B(外ハネ)

A(ヒキ戻り)選択の道
 A(ヒキ戻り)。穏やかな手である。

(上図後の指し手)ツギ&ノビ
 A(ヒキ戻り)。穏やかな手である。

(上図後の指し手)1間トビ&星下開き
 A(ヒキ戻り)。穏やかな手である。

【大ゲイマガケ定石C(大斜石への下ツケ)ヒキ戻り系の指了図】
 白は上辺,黒は外勢を得たことになる。小ゲイマガケの定石に比べて、白に一本多くハワせている分、黒は利かしと見て満足できる。

B(外ハネ)選択の道
 B(外ハネ)。黒5とオサエるのは上辺を重視する意味である。応じ手として、A(ふくらみ)、B(キリ)がある。
A(ふくらみ) B(キリ)

A(ふくらみ)選択の道
 A(ふくらみ)。

(上図後の指し手)下から当たり&ツギ&ツギ

(上図後の指し手)小ケイマかけ&1間トビ&3間開き

【大ゲイマガケ定石C(大斜石への下ツケ)ふくらみ系の指了図】
 黒が上辺、白が隅を得、中央に顔を出そうとしていることになる。

B(キリ)選択の道
 B(キリ)。白4~6のツケ切りはシチョウ有利での常用のサバキ。

(上図後の指し手)割り込み当たり&逃げ下がり&ツギ&わたり
 黒も7~9とアテツイで戦える。

(上図後の指し手)ヒキ&タチ&1間トビ&上小ケイマ守り
 ヒキ&タチ&1間トビはともに形。

【大ゲイマガケ定石C(大斜石への下ツケ)キリ系の指了図】
 これからの戦いである。

大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)選択の道ツケ)

D( 目外し石へのトビツケ)選択の道
 D( 目外し石へのトビツケ)が大斜に対して最もエキサイティングな手である。応じ手として、A(出)、B()がある。
A(出) B()

A(出)&押え当たり&ツギ選択の道
 応じ手として、A(中央ツギ)、B(上ツギ)がある。

 A(中央ツギ)選択の道

(上図後の指し手)キリ&当たり&ノビ

(上図後の指し手)シチョウ当たり&1間トビ&抜き&曲り

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)&中央ツギ系の指了図】
 部分的には隅の地が多く不満はない。黒13のトビ出しは必要な一手で、省くと白a~cと二段にオサエられて良くない。

 B(上ツギ)選択の道
 B(上ツギ)の手もある。応じ方として、A(キリ)、B(ツケ石の逃げ出し)がある。
A(キリ) B(ツケ石の逃げ出し)

 A(キリ)選択の道
 A(キリ)の手もある。

(上図後の指し手)当たり&当たり返し&抜き

(上図後の指し手)当て&当たり返し&コウトリ

(上図後の指し手)隅押し下がり&コウツギ&ツギ&3間開き

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)上ツギ系指了図】
 部分的には隅の地が多く不満はない。黒13のトビ出しは必要な一手で、省くと白a~cと二段にオサエられて良くない。

 B(ツケ石の逃げ出し)選択の道
 B(ツケ石の逃げ出し)の手もある。「大斜・難解型」と云われる。

 (上図後の指し手)黒の三三下がりノビ&白の上辺ノビ押し
 黒13のツギは最も自然な手。白14も本手であり正着。その後ろ、黒15~19と流れるような手順。白18は上辺の実利重視の手で、局面によっては中央を補強して打つ。また黒19では、もう一路大きくトブこともある。応じ手として A(ツギ)、B(上辺へのノビ)、C()がある。
A(ツギ) B(上辺へのノビ)

 (上図後の指し手)黒ツギ&白1間トビ
 黒ツギ&白1間トビ。応じ手として、A(右辺への小ケイマトビ)、B(右辺への1間トビ)、C(2子の鼻付け)、D(カケ)、E(2間カケ)がある。
A(右辺への小ケイマトビ) B(右辺への1間トビ) C(2子の鼻付け) D(カケ) E(2間カケ)

A(右辺への小ケイマトビ)&中の1間トビ選択の道

 (上図後の指し手)黒の上辺1間トビ&上小ケイマ受け&中の大ゲイマトビ
 黒13のツギは最も自然な手。白14も本手であり正着。その後ろ、黒15~19と流れるような手順。白18は上辺の実利重視の手で、局面によっては中央を補強して打つ。また黒19では、もう一路大きくトブこともある。

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)の上ツギ系のツケ石の逃げ出し&右辺への小ケイマトビの指了図】
 

B(右辺への1間トビ)&沿い押し選択の道

 (上図後の指し手)ノビ&沿い押し

 (上図後の指し手)ハネ&ハネ返し&ノビ&カケツギ

 (上図後の指し手)中の黒の1間トビ逃げ出し&上小ケイマ受け

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)の上ツギ系のツケ石の逃げ出し&右辺への1間トビの指了図】
 黒15のトビ出しは右辺の実利を頑張った手。白は16~22と平凡かつ手厚く決めて悪くない。黒は23と中央を逃げざるを得ず、白が厚くなっている分、戦いに不利なほか、右辺には白a~cの狙いも残っている。

C(2子の鼻付け)&出選択の道
 C(2子の鼻付け)&出の手がある。応じ方としてA(沿い下がり)、B(上から押え)がある。
A(沿い下がり) B(上から押え)

 A(沿い下がり)選択の道

 (上図後の指し手)戻りノビ&出止めハネ

 (上図後の指し手)中の出押し&中の上辺へ1間トビ

 (上図後の指し手)中の1間トビ&右辺カケツギ&上辺の上小ケイマ開き

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)の上ツギ系のツケ石の逃げ出し&2子の鼻付け&沿い下がりの指了図】
 黒15の鼻ヅケはハメ手のようだが成立する。白は16と一旦は出るも、黒17のオサエには18と戻るのが肝要で、白19に出るのは黒18とオサエられてツブレる。黒19とワタって、あとは無難な進行。なお黒23を省くと,白aのハネがbの切りを見て痛烈。

 B(上から押え)選択の道

 (上図後の指し手)曲り出&ハネ

 (上図後の指し手)下ハネ返し&ツギ

 (上図後の指し手)キリ&当て

 (上図後の指し手)ノビ&1目当て&ツギ&抜き

 (上図後の指し手)上小ケイマの顔出し

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)の上ツギ系のツケ石の逃げ出し&2子の鼻付け&上から押えの指了図】
 白16の出に黒が上からオサエれば、白は18とマガる一手。続いて黒は白のダメ詰まりを咎めて、19の二段バネが厳しい。以下,白は22のハネ一本で先手を取り、28とトビ出して、これからの戦い。

 1、C(カケ)選択の道

 2、(上図後の指し手)出&小ケイマ被せ
 応じ手として、A(右辺下ハネ)、B(上辺ハネ)がある。

 3、A(右辺下ハネ)&押え&ツギ選択の道

 4、(上図後の指し手)二二守り&下がり&目持ち

 5、(上図後の指し手)小ケイマの下ツケ&ノビ&ハイ&ノビ&ハイ&ノビ

 6、(上図後の指し手)出&押え&キリ

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)の上ツギ系のツケ石の逃げ出し&カケ&の指了図】
 黒15のカケに白16とオサエ込み,さらに黒17とかぶせるのは,好戦的な打ち方。白は戦って打つなら,18~24と三子を動く。28まで三つハイ,30~32のデギリから戦いを継続。右辺の白はaが利くので心配はなく,急所を切った白のやれる戦いだろう。

 B(上辺ハネ)選択の道

 2、(上図後の指し手)右辺下ハネ&隅ハネ入り

 3、(上図後の指し手)二段ハネ当たり&ツギ&ツギ戻り

 4、(上図後の指し手)中のツギ

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)の上ツギ系のツケ石の逃げ出し&カケ&の指了図】
 白は戦いに自信がなければ,三子は捨てて打つ。18のハネが黒のダメ詰まりをついた急所で,黒は19と取りきるくらいに,白20~24を先手で利かして,隅を得る。白18に黒が隅をオサエると,白23,黒21,白22,黒20,白aと進み,白bからの脱出を見られて黒良くない。 ツギ-カケに三子捨て

 1、E(2間カケ)選択の道


 (上図の黒15の変化図)

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

1-7. ツギ-二間ガケ

 黒15と二間にカケるのもあり,白16,黒17は必然として,白三子を動き出すなら,ハネツギから24のワリコミが手筋。以下必然の進行で,中央に断点の残る黒が若干不利。また白18の動き出しでは,前図のようにaから捨てて打っても良い。

 1、B(上辺へのノビ)選択の道
 応じ手として、A()、B()、C()、D(、E()がある。
A() B() C() D() E()

 2、(上図後の指し手)当たり&ツギ

 3、(上図後の指し手)上辺押しノビ&ノビ&上辺押しノビ

 4、(上図後の指し手)右辺下がり&上辺曲り下がり&隅ハネ&押え&ツギ

 5、(上図後の指し手)右辺ハネ&押え&ツギ&カケツギ

 6、(上図後の指し手)隅ノビ下がり&上辺ハネ&押え&カケツギ

 7、(上図後の指し手)中の2間トビ

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

2-1. 上辺ノビ-ハイにノビ

13と上辺をノビるのも有力。
白は14とアテて愚形にしてハイ,
黒がノビれば,もう一本ハッて隅をオサエる。
双方隅を生きた後に,黒33のトビが中央の要点。
互角のワカレでこれからの戦い。

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

2-2. 上辺ノビ-ハイにオサエ

16のハイに黒17と中央をオサエれば,
白は18とオサエるのが普通。
19~21の二段バネが厳しい狙いだが,
白は22~24と先手でハネツイで,上辺を反発。
31は白のダメ詰まりを咎め,
四子はすぐには動きづらい。
この後,黒も早めにaと補えば無難である。

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

2-3. 上辺ノビ-ケイマ(参考図)

13のノビに白がケイマにすべるのは,
上辺を低く受けて右辺を頑張ろうという手だが,
シチョウ有利が絶対条件となる。
つまり,黒19のコスミツケに白はノビて,
21~23とハネ出したときに,
24~28までのシチョウが成立しなければ,
白のツブレとなるのである。

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

2-3. 上辺ノビ-ケイマ

シチョウが白有利なら,黒は15とハイ,
白を呼び込んで整形を図る。
16~18のオシ上げには,19のナラビが形。
21とツケコシを利かすのも機敏で,
以下,手順は長いが互いに形を整えて互角の戦い。

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

3-1. 右辺ノビ-ケイマに急所の守り

13と右辺をノビるのは,
愚形にアテられるのを嫌う意味がある。
白はノビる一手で,それを待って黒15とノビる。
16とケイマに受けるのは,
前図と同じくシチョウ有利のとき。
黒は厚く17と整形し,これからの戦い。

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

3-2. 右辺ノビ-ケイマにナラビ

17のナラビも形であり,
白は封鎖されないようにコスむくらい。
そこで右辺をスベって隅の安定を図り,
20のマガリを待って,調子で黒21と整形する。
なお上辺は,黒aには,常に白bと受ける。

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

3-3. 右辺ノビ-ケイマに右辺オシ

17から右辺をオシつけ,
さらに上辺も23からオサエ込むのは,
単純明快な手法である。
中央が重要な碁形なら,
こう平易に打って,黒が悪いはずがない。




3-4. 右辺ノビ-ハイ

白シチョウ不利なら黒15には白16とハウしかなく,
黒は17~19と二本オシて,21~23の二段バネ。
白は24で,aのコウ材作りの切りから,
2629と二段にハネてコウにする手はあるものの,
コウに自信がなければ30まで屈服するよりなく,
黒は31の要点を占めて優勢。
結局,白シチョウ不利なら,10と打ちにくいのである。

( 手抜き)選択の道
 大斜に対して,手を抜けないわけではない。次の手として、。
A() B()

【大ゲイマガケ定石の手抜き指了図】
 黒5のオサエには、白6~8から黒に傷を作って10のケイマが手筋。その後も手順を尽くして、白20のハネまでで生きてはいるが、黒はこれだけ厚くなれば,不満のあるはずがない。







(私論.私見)

新手法8回目。大斜の新手

2012-05-12 01:43:25 | 新手法
こんばんわ お久しぶりの新手法回です。




1図 基本定石

目ハズシからスタートです。黒3の「大斜」に白4のコスミツケから割り込みは
簡明な手とされてきました。黒17まで実利と厚みのワカレで基本定石となっています。


2図

1図の白12は仕方がないです。途中で白2とノビると黒3と打たれて白がダメです。




3図 

白2の時に黒3と飛ぶ手は白4と突き当たられて無理手という結論になっていました。




4図

3図の続きです。
隅の黒が生きていないので黒15と後手を引くのでは辛いです。
白16とヒラかれて黒が甘そうです。





5図 ☆新手法☆

今回の「新手法」は黒5のサガリです。
この手が白を簡明から難解に引きずり込む手強手です。

この後の変化は長いので次回に持ち越しとなります。 

またよろしくお願いします。

大ゲイマガケ定石B(コスミツケ)&ハネ

B(コスミツケ)&ハネ選択の道
 B(コスミツケ)も大斜に対して簡明な手である。やや俗筋の感が否めない。応じ手として、A(下ハネ)、B(割り込み)がある。
A(下ハネ) B(割り込み)

A(下ハネ)選択の道
 A(下ハネ)は上辺を取りに行く手である。黒の背中が厚くなるのは仕方ない。

(上図後の指し手)ハイ&2線押し&ハイ押し&2線押し&ハイ押し
 白は三つハッてトバなくてはならない。白10でハワずにトブと、黒a~eと二段にハネて決められてつらい。

(上図後の指し手)1間トビ&星下横開き

【大ゲイマガケ定石B(コスミツケ)&ハネ&上辺ハネ系の指了図】
 13とヒラいては黒厚くて十分。

B(割り込み)&当たり&ツギ選択の道
 割り込みは隅の地にカラい手である。応じ手として、A(上辺のツギ)、B(中央のツギ)、C(下辺のツギ)がある。
A(上辺のツギ) B(中央のツギ) C(下辺のツギ)

A(上辺のツギ)選択の道
 A(上辺のツギ)。

(上図後の指し手)右辺キリ
 A(上辺のツギ)には右辺キリで応ずるのが良い。

(上図後の指し手)当たり&下がり
 1子を捨て石にする当たり&下がりの交換となる。

(上図後の指し手)ツギ&1子抱え曲り
 黒は黙ってカタツギするのが手筋。白も1子を抱え取りする。

【大ゲイマガケ定石B(コスミツケ)&割り込み系の1子捨ての指了図】
 簡明な分かれで、黒は先手を得ているので満足できる。

B(中央のツギ)選択の道
 B(中央のツギ)。

(上図後の指し手)右辺キリ
 B(中央のツギ)にも右辺キリで応ずるのが良い。

(上図後の指し手)下がり&押し
 黒は1子を直ぐには捨てず、下がりで2子にして捨てるのが手筋。黒11の下がりに白12の押しを省くと、黒aのトビ込みで白が窮する。

(上図後の指し手)小ケイマガケ&2子のハサミツケ
 小ケイマガケが、二子を捨石にシメツケ、中央に厚みを築く手筋。

(上図後の指し手)ぶつかり&ツギ当たり

【大ゲイマガケ定石B(コスミツケ)&割り込み系の2子にして捨ての指了図】

C(下辺のツギ)選択の道
 C(下辺のツギ)。黒9と右辺をツグのは地にカラい変化。

(上図後の指し手)中央キリ&ツギ
 C(下辺のツギ)には中央キリで応ずるのが良い。

(上図後の指し手)上辺当たり&ノビ&押し&ノビ&押し
 上辺当たりに抜かせる訳には行かないので逃げて3子にする。

(上図後の指し手)カド飛び込み&押え&ヒキ押し
 7とカドにトビ込むのが手筋。

【大ゲイマガケ定石B(コスミツケ)&割り込み系の隅重視の指了図】
 aのアテは保留し、場合によってはbの切りを見る。

大ゲイマガケ定石C(大斜石への下ツケ)

C(大斜石への下ツケ)選択の道
 C(大斜石への下ツケ)が大斜に対して最も良く打たれる手で比較的簡明なワカレになる。応じ手として、A(ヒキ戻り)、B(外ハネ)がある。
A(ヒキ戻り) B(外ハネ)

A(ヒキ戻り)選択の道
 A(ヒキ戻り)。穏やかな手である。

(上図後の指し手)ツギ&ノビ
 A(ヒキ戻り)。穏やかな手である。

(上図後の指し手)1間トビ&星下開き
 A(ヒキ戻り)。穏やかな手である。

【大ゲイマガケ定石C(大斜石への下ツケ)ヒキ戻り系の指了図】
 白は上辺,黒は外勢を得たことになる。小ゲイマガケの定石に比べて、白に一本多くハワせている分、黒は利かしと見て満足できる。

B(外ハネ)選択の道
 B(外ハネ)。黒5とオサエるのは上辺を重視する意味である。応じ手として、A(ふくらみ)、B(キリ)がある。
A(ふくらみ) B(キリ)

A(ふくらみ)選択の道
 A(ふくらみ)。

(上図後の指し手)下から当たり&ツギ&ツギ

(上図後の指し手)小ケイマかけ&1間トビ&3間開き

【大ゲイマガケ定石C(大斜石への下ツケ)ふくらみ系の指了図】
 黒が上辺、白が隅を得、中央に顔を出そうとしていることになる。

B(キリ)選択の道
 B(キリ)。白4~6のツケ切りはシチョウ有利での常用のサバキ。

(上図後の指し手)割り込み当たり&逃げ下がり&ツギ&わたり
 黒も7~9とアテツイで戦える。

(上図後の指し手)ヒキ&タチ&1間トビ&上小ケイマ守り
 ヒキ&タチ&1間トビはともに形。

【大ゲイマガケ定石C(大斜石への下ツケ)キリ系の指了図】
 これからの戦いである。

大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)選択の道ツケ)

D( 目外し石へのトビツケ)選択の道
 D( 目外し石へのトビツケ)が大斜に対して最もエキサイティングな手である。応じ手として、A(出)、B()がある。
A(出) B()

A(出)&押え当たり&ツギ選択の道
 応じ手として、A(中央ツギ)、B(上ツギ)がある。

 A(中央ツギ)選択の道

(上図後の指し手)キリ&当たり&ノビ

(上図後の指し手)シチョウ当たり&1間トビ&抜き&曲り

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)&中央ツギ系の指了図】
 部分的には隅の地が多く不満はない。黒13のトビ出しは必要な一手で、省くと白a~cと二段にオサエられて良くない。

 B(上ツギ)選択の道
 B(上ツギ)の手もある。応じ方として、A(キリ)、B(ツケ石の逃げ出し)がある。
A(キリ) B(ツケ石の逃げ出し)

 A(キリ)選択の道
 A(キリ)の手もある。

(上図後の指し手)当たり&当たり返し&抜き

(上図後の指し手)当て&当たり返し&コウトリ

(上図後の指し手)隅押し下がり&コウツギ&ツギ&3間開き

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)上ツギ系指了図】
 部分的には隅の地が多く不満はない。黒13のトビ出しは必要な一手で、省くと白a~cと二段にオサエられて良くない。

 B(ツケ石の逃げ出し)選択の道
 B(ツケ石の逃げ出し)の手もある。「大斜・難解型」と云われる。

 (上図後の指し手)黒の三三下がりノビ&白の上辺ノビ押し
 黒13のツギは最も自然な手。白14も本手であり正着。その後ろ、黒15~19と流れるような手順。白18は上辺の実利重視の手で、局面によっては中央を補強して打つ。また黒19では、もう一路大きくトブこともある。応じ手として A(ツギ)、B(上辺へのノビ)、C()がある。
A(ツギ) B(上辺へのノビ)

 (上図後の指し手)黒ツギ&白1間トビ
 黒ツギ&白1間トビ。応じ手として、A(右辺への小ケイマトビ)、B(右辺への1間トビ)、C(2子の鼻付け)、D(カケ)、E(2間カケ)がある。
A(右辺への小ケイマトビ) B(右辺への1間トビ) C(2子の鼻付け) D(カケ) E(2間カケ)

A(右辺への小ケイマトビ)&中の1間トビ選択の道

 (上図後の指し手)黒の上辺1間トビ&上小ケイマ受け&中の大ゲイマトビ
 黒13のツギは最も自然な手。白14も本手であり正着。その後ろ、黒15~19と流れるような手順。白18は上辺の実利重視の手で、局面によっては中央を補強して打つ。また黒19では、もう一路大きくトブこともある。

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)の上ツギ系のツケ石の逃げ出し&右辺への小ケイマトビの指了図】
 

B(右辺への1間トビ)&沿い押し選択の道

 (上図後の指し手)ノビ&沿い押し

 (上図後の指し手)ハネ&ハネ返し&ノビ&カケツギ

 (上図後の指し手)中の黒の1間トビ逃げ出し&上小ケイマ受け

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)の上ツギ系のツケ石の逃げ出し&右辺への1間トビの指了図】
 黒15のトビ出しは右辺の実利を頑張った手。白は16~22と平凡かつ手厚く決めて悪くない。黒は23と中央を逃げざるを得ず、白が厚くなっている分、戦いに不利なほか、右辺には白a~cの狙いも残っている。

C(2子の鼻付け)&出選択の道
 C(2子の鼻付け)&出の手がある。応じ方としてA(沿い下がり)、B(上から押え)がある。
A(沿い下がり) B(上から押え)

 A(沿い下がり)選択の道

 (上図後の指し手)戻りノビ&出止めハネ

 (上図後の指し手)中の出押し&中の上辺へ1間トビ

 (上図後の指し手)中の1間トビ&右辺カケツギ&上辺の上小ケイマ開き

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)の上ツギ系のツケ石の逃げ出し&2子の鼻付け&沿い下がりの指了図】
 黒15の鼻ヅケはハメ手のようだが成立する。白は16と一旦は出るも、黒17のオサエには18と戻るのが肝要で、白19に出るのは黒18とオサエられてツブレる。黒19とワタって、あとは無難な進行。なお黒23を省くと,白aのハネがbの切りを見て痛烈。

 B(上から押え)選択の道

 (上図後の指し手)曲り出&ハネ

 (上図後の指し手)下ハネ返し&ツギ

 (上図後の指し手)キリ&当て

 (上図後の指し手)ノビ&1目当て&ツギ&抜き

 (上図後の指し手)上小ケイマの顔出し

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)の上ツギ系のツケ石の逃げ出し&2子の鼻付け&上から押えの指了図】
 白16の出に黒が上からオサエれば、白は18とマガる一手。続いて黒は白のダメ詰まりを咎めて、19の二段バネが厳しい。以下,白は22のハネ一本で先手を取り、28とトビ出して、これからの戦い。

 1、C(カケ)選択の道

 2、(上図後の指し手)出&小ケイマ被せ
 応じ手として、A(右辺下ハネ)、B(上辺ハネ)がある。

 3、A(右辺下ハネ)&押え&ツギ選択の道

 4、(上図後の指し手)二二守り&下がり&目持ち

 5、(上図後の指し手)小ケイマの下ツケ&ノビ&ハイ&ノビ&ハイ&ノビ

 6、(上図後の指し手)出&押え&キリ

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)の上ツギ系のツケ石の逃げ出し&カケ&の指了図】
 黒15のカケに白16とオサエ込み,さらに黒17とかぶせるのは,好戦的な打ち方。白は戦って打つなら,18~24と三子を動く。28まで三つハイ,30~32のデギリから戦いを継続。右辺の白はaが利くので心配はなく,急所を切った白のやれる戦いだろう。

 B(上辺ハネ)選択の道

 2、(上図後の指し手)右辺下ハネ&隅ハネ入り

 3、(上図後の指し手)二段ハネ当たり&ツギ&ツギ戻り

 4、(上図後の指し手)中のツギ

【大ゲイマガケ定石D( 目外し石へのトビツケ)の上ツギ系のツケ石の逃げ出し&カケ&の指了図】
 白は戦いに自信がなければ,三子は捨てて打つ。18のハネが黒のダメ詰まりをついた急所で,黒は19と取りきるくらいに,白20~24を先手で利かして,隅を得る。白18に黒が隅をオサエると,白23,黒21,白22,黒20,白aと進み,白bからの脱出を見られて黒良くない。 ツギ-カケに三子捨て

 1、E(2間カケ)選択の道


 (上図の黒15の変化図)

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

1-7. ツギ-二間ガケ

 黒15と二間にカケるのもあり,白16,黒17は必然として,白三子を動き出すなら,ハネツギから24のワリコミが手筋。以下必然の進行で,中央に断点の残る黒が若干不利。また白18の動き出しでは,前図のようにaから捨てて打っても良い。

 1、B(上辺へのノビ)選択の道
 応じ手として、A()、B()、C()、D(、E()がある。
A() B() C() D() E()

 2、(上図後の指し手)当たり&ツギ

 3、(上図後の指し手)上辺押しノビ&ノビ&上辺押しノビ

 4、(上図後の指し手)右辺下がり&上辺曲り下がり&隅ハネ&押え&ツギ

 5、(上図後の指し手)右辺ハネ&押え&ツギ&カケツギ

 6、(上図後の指し手)隅ノビ下がり&上辺ハネ&押え&カケツギ

 7、(上図後の指し手)中の2間トビ

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

 2-1. 上辺ノビ-ハイにノビ

 黒13と上辺をノビるのも有力。白は14とアテて愚形にしてハイ,黒がノビれば,もう一本ハッて隅をオサエる。双方隅を生きた後に,黒33のトビが中央の要点。互角のワカレでこれからの戦い。

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

 2-2. 上辺ノビ-ハイにオサエ

 白16のハイに黒17と中央をオサエれば,白は18とオサエるのが普通。黒19~21の二段バネが厳しい狙いだが,白は22~24と先手でハネツイで,上辺を反発。黒31は白のダメ詰まりを咎め,四子はすぐには動きづらい。この後,黒も早めにaと補えば無難である。

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

 2-3. 上辺ノビ-ケイマ(参考図)

 黒13のノビに白がケイマにすべるのは,上辺を低く受けて右辺を頑張ろうという手だが,シチョウ有利が絶対条件となる。つまり,黒19のコスミツケに白はノビて,黒21~23とハネ出したときに,白24~28までのシチョウが成立しなければ,白のツブレとなるのである。

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

 2-3. 上辺ノビ-ケイマ

 シチョウが白有利なら,黒は15とハイ,白を呼び込んで整形を図る。白16~18のオシ上げには,19のナラビが形。黒21とツケコシを利かすのも機敏で,以下,手順は長いが互いに形を整えて互角の戦い。

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

 3-1. 右辺ノビ-ケイマに急所の守り

 黒13と右辺をノビるのは,愚形にアテられるのを嫌う意味がある。白はノビる一手で,それを待って黒15とノビる。白16とケイマに受けるのは,前図と同じくシチョウ有利のとき。黒は厚く17と整形し,これからの戦い。

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

 3-2. 右辺ノビ-ケイマにナラビ

 黒17のナラビも形であり,白は封鎖されないようにコスむくらい。そこで右辺をスベって隅の安定を図り,白20のマガリを待って,調子で黒21と整形する。なお上辺は,黒aには,常に白bと受ける。

【大ゲイマガケ定石E(2間カケ)の**の指了図】

 3-3. 右辺ノビ-ケイマに右辺オシ

 黒17から右辺をオシつけ,さらに上辺も23からオサエ込むのは,単純明快な手法である。中央が重要な碁形なら,こう平易に打って,黒が悪いはずがない。

【大ゲイマガケ定石**の指了図】

 3-4. 右辺ノビ-ハイ

 白シチョウ不利なら黒15には白16とハウしかなく,黒は17~19と二本オシて,21~23の二段バネ。白は24で,aのコウ材作りの切りから,2629と二段にハネてコウにする手はあるものの,コウに自信がなければ30まで屈服するよりなく,黒は31の要点を占めて優勢。結局,白シチョウ不利なら,10と打ちにくいのである。


( 手抜き)選択の道
 大斜に対して,手を抜けないわけではない。次の手として、。
A() B()

【大ゲイマガケ定石の手抜き系の指了図】
 黒5のオサエには、白6~8から黒に傷を作って10のケイマが手筋。その後も手順を尽くして、白20のハネまでで生きてはいるが、黒はこれだけ厚くなれば,不満のあるはずがない。







(私論.私見)