三三&ケイマガケ定石

ケイマガケ

小目のカカリに黒3とカケるのは,中央を重視する高目にとって最も自然な手法である。とはいえ,手厚い決め方のほかにも,難解な戦いとなる変化を含んでいる。


1-1. ツケ−ハネからツギ

ケイマガケには,白4と右辺にツケるのが一般的。
格言どおり黒5とハネ,
6のヒキには黒7あるいはaとツグ。
これで隅は生きており,双方一段落。
この後,黒からはbの利かし,
あるいはcのトビ込み狙いなどが大きく,
白からはcのスベリが計算外の大きさである。

1-2. ツケ−ハネからサガリ(一)

7でツガずにサガるのは,地にカラい打ち方。
白は8のスベリが大きく,黒も9と備えれば厚い。
黒は後手を引くのでは不満と見て,
9では右辺にヒラいて,
白からの切りを迎え撃つ手法もある。

1-3. ツケ−ハネからサガリ(二)

8でスベらずに切れば,黒9のトビが形。
10のノビには,黒11のアテコミを利かし,
13とトンでこれからの戦い。
部分的には黒のやれる戦いで,
白は挑発に乗った感がある。

1-4. ツケ−ブツカリから切り

5~7とブツカって切るのは,
白に変化の余地を与えない決め方である。
8のアテには,黒9と二子にして捨て,
1113の両方を利かすのが常用の筋。
18は無駄のない利かしで,一段落。

1-5. ツケ−ブツカリからオサエ

7では切らずにオサエるのも有力。
8とツゲば普通で,
aのサガリは地にカラい打ち方だが,
右辺をハネられて不利になる。
共に穏やかな進行で,互角のワカレ。

1-6. ツケ−ハネ出しに戦い

ツケに黒5とハネ出すのは,最も厳しい手段。
17までは当然として,
18のトビ出しを決めて,20のコスミが手筋。
黒は21~25と隅を生きなければならず,
それから上辺に手を戻す。
白も上辺を生きた後に右辺にヒラいて一段落。

1-7. ツケ−ハネ出しに簡明策

前図は途中いくつもの複雑な分岐があり,
それを避ける意味でも,簡明な打ち方がある。
8のハネ一本から10と引くのがそれで,
シチョウと白11のツギを見合いにする。
黒は隅を切り取るくらいに,
14とカカえ,実利と厚みの互角のワカレ。

2-1. トビツケ−オサエ(一)

4のトビツケは,黒5のオサエに切る狙いで,
7,白8のあと,
aと引かれるシチョウは白有利が条件。
シチョウ不利な黒は9とツグくらいで,
12と黒を固めず隅を生きれば,
双方,中央に進出して戦いとなる。

2-2. トビツケ−オサエ(二)

12とアテ込むのは,
黒の形を崩しながら生きる手だが,
黒は13と愚形にツイでおけば,
右辺はかえって固まる調子がつく。
21まで,主に上辺が焦点となる戦いだろう。

2-3. トビツケ−ノビ

黒は切られて戦うのを嫌うなら,
トビツケには5とノビておけば穏やか。
白は右辺でもツケ引いた後,
10とハって大きく生きる。
一方,黒の構えも勇壮であり,互角のワカレ。

3. 手抜き

白が手を抜けば,黒は5と攻めるのが普通。
白は手を抜いたからには,直接動き出すのは重く,
6と外して捨てるのが軽い。
8と右辺にヒラいて,足早である。
この後,白a,黒bの交換の損得は,
cの価値との兼ね合いで判断する。




(私論.私見)