柯潔(かけつ)九段(中国)とAlphaGoの対決考 |
更新日/2017(平成29).5.25日
(囲碁吉のショートメッセージ) |
ここで、「柯潔(かけつ)九段(中国)とAlphaGoの対決」を確認しておく。その他参照。 2017(平成29).5.25日 囲碁吉拝 |
|
|
米グーグル傘下の英グーグル・ディープマインド社が開発した囲碁の人工知能(AI)「アルファ碁」と、中国のトッププロ棋士、柯潔9段との対戦が23日から中国・浙江省烏鎮で始まる。対戦は27日までで3局行われる。「アルファ碁」は昨年3月、世界でトップクラスの強豪、韓国の李世●九段に4勝1敗と圧勝。頭脳ゲームで人間に追いつくことが最も難しいとされてきた囲碁でも、コンピューターの力がトップ棋士と肩を並べたことを証明した。(●は石の下に乙)囲碁棋士では世界最強と称される柯九段と、進化を続ける囲碁AIとの対局に、世界から注目が集まっている。
|
「進化を遂げた囲碁AI「AlphaGo」の勝利に、人工知能の未来を見た:『WIRED』US版リポート」その他参照。 2017.5.23日、グーグル、中国囲碁協会、浙江省体育局が共催する「囲碁の未来サミット」の目玉イベントとして、米グーグル傘下の人工知能(AI)開発ベンチャー「ディープマインド」(DeepMind、英国)の囲碁AI「アルファ碁」と、囲碁世界レーティング1位の「世界最強」とされる中国人棋士、柯潔(かけつ)9段(19歳)による3番勝負「The Future of Go Summit」の初戦が中国浙江省(せっこうしょう)烏鎮で行われた。 AlphaGoは2016.5月に世界トップ棋士の李世ドル9段との5番勝負で4勝1敗し、2016年末から17年にかけてインターネットの囲碁サイトオンラインに「Master」、「Magister」という名で登場、60連勝するなど驚異の強さを見せている。この間、囲碁の数々の定石を変えている。 柯潔九段は浙江省出身の19歳。11歳でプロ棋士となって以降、世界戦を3度制しており、レーティングでも堂々の第1位に君臨している。AlphaGo対李世ドル戦が決した後、「AlphaGoは李世ドルに勝っても、僕には勝てない」と中国のSNS「微博」でコメントしていた。一方、オンライン囲碁ソフト上では2017.1月に「潜伏」の名で「Master」(AlphaGo)と非公式に戦い負けている。 初戦。対局は同社の研究員が柯九段と対面し、碁盤のそばに置かれたパソコンに示されたアルファ碁の手を盤上に打つ形式で行われた。握って柯潔九段が先手の黒を選んだ。の序盤、AlphaGoがMasterとして戦った際によくつかっていた「三々入り」と呼ばれる手を繰り出した。解説者の棋士、マイケル・レドモンドはこう評した。「Masterと対局して以降、彼は変わりました。Masterのような手をたくさん使うようになっています」。DeepMindのデミス・ハサビスCEOはTwitterで「柯潔が早々に三々に着手したのは興味深い。AlphaGoの好きな手を知っているようだ。AlphaGoがどう対応するか興味をそそる」とコメントした。日本の囲碁AI「DeepZenGo」に昨年勝ち越した趙治勲名誉名人は、ニコニコ生放送での盤面解説に登場し、AlphaGoに対して「僕には考えられない良い手を打つかと思えば、想像を絶する悪い手も打っている。自分の形勢が良いと見ると、DeepZenGoもこういう悪い手を打つことがあった」と指摘。 序盤は互角とみられたが、中盤にアルファ碁のリードがはっきりし、対局は6時間以上かかると予想されていたが、ゲーム開始からたった3時間半で盤上を制し、そのまま押し切って白番のAlphaGoが271手までで半目差(1/4子)で勝利した。4時間15分。 解説者たちも柯が挽回するチャンスをほとんど見出せなかった。 「なにが興味深いかって、AlphaGoがとにかく進化し続けている点です」と解説を担当していた棋士の李夏辰(イ・ハジン)が話す。「もちろん、これまでも非常にいい出来でしたけれども」。 柯九段は対局後の会見で、「人間だと思い付かないような手もあり、本当に強かった。対局が進むにつれ負けると感じた」、「AlphaGoは完全に違う打ち手になっていた」、「まるで囲碁棋士の神様だ」と話し、アルファ碁の強さを認める発言をした。。アルファ碁は昨年3月の韓国の李世ドル9段との5番勝負圧勝に続いて、今回、李九段より実力が上とされる柯九段を下したことで、改めてAIの強さを印象づけけた。 アルファ碁が三番勝負の初戦を制した。25日の第2局も勝てば、アルファ碁の勝ち越しが決まる。第2局の結果にかかわらず27日に第3局を行う。トップ棋士5人のチームがアルファ碁と対戦する「チーム碁」なども予定されている。 |
5.25日、柯潔九段とAlphaGo三番勝負の第2局が行われた。結果は155手までで黒番のAlphaGoが中押し勝ちをおさめた。 2局目を終えた柯潔九段のコメント。 (一部)チャンスがあったのではないかと思うが緊張してしまいました。次も、私なりにいい試合を見せていきたい。(ハサビス氏から接戦だったという指摘を受け)こんなにほめていただき感動しました。もう少し時間をつかっていればよかったと今さらながら思います。対戦相手に感謝します。アルファ碁とはあと一局。全力を尽くしたい。 |
5.27日、3番勝負第3局。209手までで黒番のAlphaGoが中押し勝ちをおさめた。柯潔九段が序盤からポイントを稼ぐ戦術をとったが、誤算があったようで劣勢に陥った。終盤、勝負手を繰り出したものの完敗。対局後、次のように語った。「アルファ碁は完璧過ぎた。苦しくてたまらなかった」、「人間では想像もつかない手を打ってきた。強かった」。 |
アルファ碁が3連勝して幕を閉じた。英国ディープマインドのデミス・ハサビス最高経営責任者は、「人間と対局するのはこれが最後になる」と語り、アルファ碁の事実上の引退宣言をした。 |
「進化を遂げた囲碁AI「AlphaGo」の勝利に、人工知能の未来を見た:『WIRED』US版リポート」。
|
(私論.私見)