囲碁言葉考 |
更新日/2021(平成31、5.1栄和改元/栄和3).5.25日
(囲碁吉のショートメッセージ) |
ここで、「囲碁言葉考」をものしておく。 2016.11.5日 囲碁吉 |
【囲碁吉の囲碁言葉考】 |
囲碁用語の面白いというか興味深いことにつき書きつけておく。それは世間の受け取りようの反対の意味になる。そこが面白い。即ち、対局相手に対し、「人が悪い奴やなぁ」、「云うことをきかんやっちゃ」、「手におえん」、「始末が悪い」とこぼすと、碁を知らない人は言葉の意味を表面的に受け取り、対局相手に対する印象を悪くするであろう。ところが、囲碁では真意はさにあらず。これは褒め言葉に通じている。即ち、「人が悪い奴やなぁ」、「云うことをきかんやっちゃ」、「手におえん」、「始末が悪い」は、相手の棋力を好意的に評価していることを意味しており、上から目線的には「見どころがある奴」と云うご託宣になっている。故に逆に、「お人が良い奴や」、「いい子やな」と述べると、相手の棋力を低く評価していることになる。場合によっては、「碁に向かん」とのご託宣になる。これが囲碁世界の慣わしである。世間のそれとはちと違うことが分かれば良い。 「筋が悪い」にも一言しておく。これは、高段者の方から下段者に対してしょっちゅう投げつけられる言葉であるが、囲碁吉はほぼ使わない。なぜなら低段者の頃からよく言われ続けてきたからである。言った側が何を基準にして「筋が悪い」と云っていたのか定かではないのだが、要するに本に書いている通りに打ってこないとか、オーバーランニング的に打つとか、石の形が悪いとか、決め過ぎとか、と云う意味であろう。しかしながら、囲碁に於いては何事も固定観念が悪いので、アマの分際程度では「筋が悪い」の謂いは控え目にするのが良かろうと思う。それが証拠に、囲碁吉に「筋が悪い」と云い続けてきた過半の者が既に囲碁吉より低段者でしかない。囲碁吉たるや還暦を迎えた頃よりめきめきと腕が上がり、既に県下の新聞棋戦ベストエイトに2回なっている。これから先、さらに上を狙おうとしている。これは何も、「筋が悪い」と云われたことが口惜しくて精進したのではない。そんなことと関係なく精進した結果、「筋が悪い」と云った連中よりも気づいた時には強くなっていたに過ぎない。そういう訳で、囲碁吉はこの言葉を使わない。 「口しゃみせん」にも一言しておく。これについては、「囲碁吉の天下六段の道、所作戒め編」の「口しゃみせん」の項に記す。 2016.11.5日 囲碁吉拝 |
(私論.私見)