囲碁手筋用語篇8(ヤラワ行)

 更新日/2020(平成31、5.1栄和改元/栄和2).11.8日

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
 ここで、囲碁用語篇ヤラワ行を確認する。

 2015.01.17日再編集


 や行や

 八百長(やおちょう)(囲碁用語が語源)
  明治時代に八百屋の長兵衛さんという人がいて、皆から「八百長」と呼ばれていた。彼には伊勢ノ海五太夫という囲碁仲間がおり、本当は長兵衛さんの方が強かったのだが、八百屋の品物を買ってほしいので、ときどきわざと負けて機嫌をとっていた。ところがあるとき、本因坊秀元という強い碁打ちと互角の勝負をしたことで、長兵衛さんが本当は強いということが皆にばれてしまった……という故事に由来する。これより、強い人がご機嫌取りのために気づかれないようにうまく負けることを「八百長」というようになった。
 八百長(やおちょう)

 「八百長」とは、「真剣に勝負を争うように見せかけ、実は前もって約束しておいた通りに勝負の結末をつけること」です。ただし、この「八百長」は囲碁のゲーム本来から出た言葉ではありません。この「八百長」は、明治時代の八百屋の店主「長兵衛(ちょうべえ)」に由来します。長兵衛は通称「八百長」と言い、相撲の年寄「伊勢海五太夫」の碁仲間でした。碁の実力は長兵衛が勝っていましたが、商売上の打算から、わざと負けたりして勝敗をうまく調整し、伊勢海五太夫のご機嫌を取っていました。この話から、勝敗を調整してわざと負けることを相撲界では「八百長」と言うようになったのです。やがて、事前に示し合わせて勝負することを広く指すようになり、相撲以外の勝負でも、この言葉は使われるようになりました。


 焼けくそ

 やたらに打ち欠くな 

 屋根重ね屋上屋を重ねる

 や行ゆ

 ゆずってならない模様の争点

 油断大敵
 油断大敵、火がボウボウ

 ユルミシチョウ()(yurumishicho)(loose ladder)
 相手の石を追いかけて捕まえる手筋のひとつ。シチョウの場合には、取られようとしている石をアタリの連続で盤端まで追いつめるのに対し、ユルミシチョウは一つダメがあいた状態で追いかける。このため追いかける側に、両アタリなどの断点が生じない形でなければならない。「ダメアキシチョウ」と呼ぶこともある。
 小目一間高ガカリ定石の一形。黒1に切られたとき、白が3の点に抱えるのではシチョウアタリがあってうまくいかない。白2にカケれば、符号順に追いかけて切ってきた石を捕獲できる。たとえば白6で7の方から追いかけると、断点が生じて捕まえられなくなる。

 緩み褌(ゆるみふんどし)(ユルフン)

 や行よ

 様子をきくのは高級手段

 欲かき童子
 欲ボケ童子
 欲股が裂ける

 四隅を取られてその碁に勝てず
 (If you have lost four corners, resign)
 (If you lose all four corners, resign)
 四隅取られて碁を打つな
 四筋から三筋へのヒラキは中三間

 ヨセのサガリは使用注意
 ヨセは味より大きさで
 ヨセは上手を真似ろ
 寄せは両先手、片先手、後手の順

 ヨセコウ(寄せ劫)(yosekou)(an approach-move ko)
 コウの場合で、一方は相手の石をすぐに取れるのに、他方は相手のコウ立てに手を抜き、ダメを詰めていかざるを得ず、本コウにするのに2手以上かかるコウのこと。
 次の図では黒はコウの解消に2手かかり、こういったヨセコウを黒の「一手ヨセコウ」と呼ぶ。どちらからも1手で解消できるコウは「本コウ」と呼ぶ。

 弱石は割いて攻めよ
 (When your opponent has two weak groups, attack them both at once)
(Attack two weak groups simultaneously)
 弱い石にツケるべからず
 弱った魚は目で分かる

 四線は勝線、二線は敗線
 四線はハエ
(The 3rd line is for territory, the 4th for influence)

 四目中手()()()

 四目にして石の下

 ら行ら

 ラッパツギ(らっぱつぎ) ()()
 二カ所に対して同時にカケツギになるような打ち方
 ラッパのツギも時による 
 ラッバツギはほどほどに

 ら行り

 理詰めより重詰め

 両アタリ()(ryoatari)(double atari) 
 2つの別々の石が同時にアタリになっている状態、もしくはそのいう状態にする手のこと。一度にアタリを2箇所つくるような手のこと。ひとつ逃げてももうひとつは取られる。

 両ガカリ()(ryougakari)(double approach move)
 序盤で相手の隅付近の第一手に対して、両側からかかって打つこと。
 両ガカリ、強いほうにツケよ
 両ガケくって碁に負ける
 ひとつの辺で黒2、4、黒6、8とカケられるのが両ガケ。こんな低位な石が重複しては碁は負けてしまう。 これを避けるには、白1の手で6とするか、どうしてもカカりたい場合は2などの高いカカリをするのが良い。
両ガケの例

 両ガラミ()(ryogarami)()
 序盤で相手の隅付近の第一手に対して、両側からかかって打つこと。

 両キリのまえにキカセ

 両ケイマ逃すべからず

 両コウ3年のわずらい(両コウ三年柿八年)

 両先手逃すべからず(譲るべからず) 

 両取りを見る三本ノビ
 両ノゾキはダメヅマリに注意
 両バネ利いて一手のび(両バネ一手ノビ)(二線に3つ這った石は両バネで4手になる)
 両翼
 隅の星や小目、シマリから二辺に展開した形のことを言う。

 ら行る

 ワタリ8目、大ザル9目
 類型は隅が勝る  

 ら行れ

 連絡はタケフで

 ら行ろ

 六死八生(活)、四死六生(活)が死活の基本(六死八生七肩下り)
 六死八活
 六死八生とは辺の第二線の石は六本這っただけでは死に、八本這っていれば生きているということ。四死六生とは隅の第二線の石は四本這っただけでは死に、六本這っていれば生きているということ。辺の第3線は四死六生。隅の第3線は5本で活き。板六は活き。隅の板六はダメ次第。クシ形は活。隅のクシ形はダメ次第。してみればこう覚えるべきかもしれない。「辺の六死八生、隅の四死六生、死活の基本」。
 二線に並んだ石の死活は、6個以下なら「死」、8個以上なら「生き」になるという意味の言葉。次の図のように7個ならどちらの手番かによって決まる。碁盤の端2線目に六個並んだ石は死ぬが八個並んだ石は生きる。八個並んでいれば、攻められてもまっすぐ4目残せるからである。7つの場合は自分の手番であれば生き、相手の手番なら死ぬ。なお、碁盤の隅なら四死六生になる。
 死に形           生き形
 ┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐ ┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐
 ├┼○●●●●●●○┼┼┤ ├┼○●●●●●●●●○┤
 ├┼┼○○○○○○┼┼┼┤ ├┼┼○○○○○○○○┼┤
 ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤

 わ行わ

 分からない時は手を抜け

 ワタリ()(watari)(connect、bridge under)
 分断されている石を、辺の低いところの一から三線に打って繋げる潜り手のことを言う。これを動詞で「ワタ(渡)る」と表現する。中央に打って連絡する手はワタリとは呼ばない。ワタリは自分の石の安全を確保する重要な手段であるが、時にただ連絡するだけで地がつかず、働きのないワタり方を「貧乏ワタリ」などと称することがある。
 図のように盤端から連絡する手をワタリと云う。  黒1もワタリで▲の石と連絡する。
 黒1またはaにコスむのが手筋で、左右の黒が連絡する。bのケイマではaまたは1にツケられてワタれないことに注意。  黒1のアテコミが手筋で、白2のキリなら黒3にサガって全体が連絡できる。
 黒1のケイマが味のよい連絡の手筋。白aならbにハネてワタっている。黒1でcに打つと、白aに切られて手が生じる。  小目一間高ガカリ定石。黒1のツケから黒3にツギ、ここに石が来たことで黒5のワタリが成立する。続いて白がaにハネ出してきても、bのキリでこの石を取れる。

 白1と第二線で連絡しています。これを「ワタリ」と云う。
 黒2と出てきたとき、白3と第一線で連絡するのもワタリである。
 白1とマガると、黒2とオサエられて、白3には黒4と打たれ白は連絡することができない。
 ワタリ8目、大ザル9目
 ワタる世間に悪手なし

 割り打ち()(wariuchi)(a splitting move)
 相手の勢力圏で大きな模様ができるのを阻止する為に主に三線に打つ手で、両側に二間ビラキができる余裕のある地点へ打つ手のことを言う。
 割り打ちにお供するな

 割り込み()(warikomi)(wedge、wedge into one-point jump)
 一間空けた相手の2つの石の間に打つ手のこと。 相手の石の間に打つような手。石をもって(イッケンを)間てる。
 白D4が割り込み。

 割りツギ()
 割り込んで、相手にアタリにされ、ツナぐ割り込みとツギの二手セットの手のことを言う。

 悪あがき




(私論.私見)