囲碁手筋用語篇6(ハ行)

 更新日/2020(平成31、5.1栄和改元/栄和2).11.8日

 (囲碁吉のショートメッセージ) 
 ここで、囲碁用語篇ハ行を確認する。

 2015.01.17日再編集


 は行は

 ハイ(這い)(hai)(crawl)、ハウ(這う)(ha)()
 相手の石の下側の二線、三線をのびる手のこと。「二線ハウべからず」。
 「ハイ」というのは赤ちゃんのハイハイを思い出せばわかりやすい。黒1と打つのがハイ。白2のノビに黒3と打てば、これもハイ。

 バカ四(ばかよん)()()
 愚形の一種。

 バカ八(ばかはち)()()
 ダメヅマリになると手入れが必要な形。8目の空点を囲んでいるが、ダメヅマリになると手入れが必要な形。8目もの空点を囲んでいるのに、ダメヅマリになって手を抜くと相手から先手でセキにされて地がなくなることから付けられた蔑称で、正式には隅の八目または隅の板八というべき形。
 黒がバカ八と呼ばれる形。黒がダメヅマリのため、黒はaかbに手を入れて7目の地とする。この手入れより他に大きい所があれば黒は手を抜くが、白から手段が生じて地がなくなる。  白1が筋で黒2以下黒6までの手順でセキになり、黒地がなくなる。黒2で5か6でもセキになる。

 バカは死ななきゃ直らない(囲碁諺)
 囲碁用語諺。「バカは死ななきゃ直らない」とか「遠方より朋来る楽しからずや」は実は囲碁から来ているのではなかろうか。それが一般化して通用しているのではなかろうか。だって元々の囲碁で考えた方がもピッタリなんだな。「バカは死ななきゃ直らない」は石が死んだときの愚痴なんだな。「遠方より朋来る楽しからずや」は碁がたきの気持ちをうまく表現しているんだな。

 ハザマ()(hazama)()
 ハザマは囲碁において、すでにある石から横に二路、縦に二路離れた位置関係のことを指す。下図黒1と▲がハザマの位置関係である。黒1を「ハザマトビ」、白2のようにその間隙を衝く手を「ハザマを衝く」と表現する。ただしハザマトビとハザマをつく手を両方とも単に「ハザマ」と表記してあることも多い。
 ハザマトビはすぐにも連絡を絶たれる手が残る手法であり、ハザマを衝かれた時の対策がなければ使えない。いわば「誘いの隙」を見せて戦う高等戦術といえる。  例えば小目定石で、上図白1とハザマトビする手がある。もし黒が2とすぐにハザマを衝いてくれば、
 白1から突き抜いて、強い厚みを得られる。隅はaなどの隙が残り、完全な黒地ではない。ハザマを突く。

 ハザマ
 縦横に離れて向かいあった形を云う。
 ハザマの急所
 ハザマをついてサバかれる

 ハザマトビ()(hazamatobi)(hole jump)
 ハザマトビ

 ハサミ()(hasami)()
 石を接触せずに両側から挟んで攻める形の手を云う。一間バサミ、二間バサミ、三間バサミ
がある。
 「ハサミのある方にツケるな、ハサミのない方にツケよ」

 ハサミツケ()(hasamitsuke)(clamp)
 相手の石を挟むようにツケる手のことを云う。サバキの手筋、ヨセの手筋などとして頻出する。

 斜(はすか)いにノゾクは急所なり

 走りたい方の反対を這え(三々の石のカタを衝かれた場合の打ち方)

 働きあるキリ一本
 働き過ぎ良くない能く見る宜し
 ※升田幸三氏の名言に掛けている。

 発狂だ山(さん)
 ※八甲田山に引っ掛けている。

 ハナヅケ(鼻ヅケ)()()
 2子の先端にツケる手を「鼻ヅケ」と呼ぶ。

 花見コウ()()(one sided ko)
 どちらか一方にとっては負けてもほとんど被害のないコウのこと。次の図は黒の「花見コウ」。「花見」をしながらでも争えるという意味でこう呼ばれるが、半コウのようなどちらにとっても価値の小さいコウのことは「花見コウ」とは言わない。

 花六()(hanaroku)()

 ハネ()(hane)(bend) 
 相手の石の進んでいく方向をさえぎるように斜めに打つ手のことを云う。例:下の黒C4 囲碁格言「ツケにはハネよ」 - ツケられたらハネを打つべし 。

 白△から1と打って、黒の頭をおさえつける手を「ハネ」と云う。これに対して黒が2と打つのも、やはり黒▲の石とナナメにつながっているので「ハネ」と云う。
 下ハネ・ツギ。ハネにオサエからツギが自然な手順。ハネコミ、ハネカエシ、ハネゴロシ、ハネツギ(マゲの形)
 ハネ一本が生死のカギ (ハネ一本で生きる)  
 ハネ殺し(死はハネにあり)
 ハネツギ6目(二線のハネツギ)
 ハネもフトコロのうち(活きるにはハネ1本もおおいに役立つ)
 ハネを忘るな三手抜き

 ハネアゲ()()() 
 下から上へ翹げる。例えば、線から線への拡大。

 ハネカエシ()()()

 ハネコミ()()()
 

 ハネゴロシ()(hanekoroshi)(Death in the hane)
 「ハネ殺し、死はハネにあり」。

 ハネダシ()()(hane inside) 
 ハネの後にツグ二点セットの形のことを云う。

 ハネツギ(マゲの形)()()
 
 ハネツギ六目(二線のハネツギ)

 ハマ()(hama)(captured stone、prisoner)
 ハマ、アゲハマは囲碁の用語のひとつ。囲碁では対戦中に盤上の相手の石の幾つかを取り上げることがあり、日本ルールに於いてはその取り上げた石をハマもしくはアゲハマと呼ぶ。後で数がわかるように手元に置いておかなければならず、通常碁笥の蓋を裏返して、ハマを乗せておく。終局後、盤上の死んだ石もハマに加えられ、ハマと盤上の地の広さの合計が、白黒の対局者の総得点となる。整地では分かりやすいように、自分が取ったハマで相手の地を埋める(つまりハマが多いほど、相手の地が減る)。このようにハマを取っておくのは、日本ルールの中に於いてのことである。中国ルールでは、取った石を、取った直後に相手の碁笥へ返却する。これは中国ルールでの計算の仕方が日本とは違い、領地内の空点のみを数えるのではなく、空点及び自分の石の数を数える為である。例えば200手で終局したとして、黒が10個の白石をアゲハマとして取った場合には、黒100個、白90個の石が盤上にあるはずである。この場合、ハマの10個を数えるのが日本流であり、盤上の90個を数えるのが中国流と言うことになる。

 ハメ手(嵌め手)(hamete) (trick move、joseki trap)
 トリック戦法のこと。一見スキのある手で相手を誘い、石の自然な流れの先に罠が仕掛けられているような手段を云う。逆に相手に正しく対応されるとハメ手を仕掛けた方が大損害を受けることになることが多い。
 高目定石におけるハメ手の一例。黒1にカケ、白2とコスミ出した時には通常aなどにコスむのが定石だが、ここで3と引っかけるのがハメ手。  スキだらけなので白1,3と出て5と切ると、6に突っ込まれてツゲず、下の3子が切れて大損害を受けることになる。白5ではaの方に切るのが正しい対応で、黒がbにツイだらcにノビ切って黒1子を取り込むことができる。取り込んだ形は、断点が多く白有利とされる。

 早逃げは三文の得

 腹ヅケ

 番碁
 何局かセツトで勝敗を決める方式のことを言う。三番勝負、五番勝負、七番勝負などがある。

 盤石

 は行ひ

 ひかれものの小唄

 ヒキ(引き)(hiki)(draw back)
 弱い石を自分の勢力の強い方へのびて繋げる手のこと。
 ヒキは自分の方へ石を引っぱるという気分です。黒1とツケ、白2とオサエたところですが、ここで黒3と打つのがヒキ。黒▲の方へ引くという感じです。

 左団扇(うちわ)

 一石は一つの役目を果たせば良い。二鳥はないよ(小山靖男、関西棋院九段)
 一石碁に負けなし
 1隅、2辺、3中央

 人の傷は見えるが自分の傷に気づかない(囲碁諺)
 攻めっけの強い人に見られる現象である。

 人の振り見て我が振り直せ(囲碁諺)
 「振り」は、外面に現れた態度や動作のこと。他人の行動を見て、良いところは見習い悪いとこ
ろは改めよということ。
Every man's neighbour is his looking-glass.(隣人は鏡である)
Learn wisdom by faults of others.(他人の愚かさから英知を学び取れ)
The fault of another is a good teacher.(他人の失敗はよい教師である)

 ヒラキ(開き)(hiraki)(extension)
 隅や辺にある自分の三線又は四線の石から碁盤の外側方向に一間から四間ほど平行に跳ぶ手のこと。辺の方向にとんで、補強しながら地を得るような手。2間トビがよく使われる。2間ビラキ。
 ヒラキは、石を辺に展開させること。白△の石から辺に向かって展開する白1をヒラキと云う。このヒラキ方は二間に開いているので二間ビラキと云う。

 ヒラキヅメ()()()
 ヒラいて同時にツメる手を云う。

 広い碁盤も使いよう

 広い方から押さえよ
 星から両辺にヒラいている時に三々に入られたら、広くヒラいている方からオサエた方が大きな模様形
成が期待できる。下図の場合、白1の三々入りに対しては黒2とオサエれば、下辺に大きな模様が見込
める。

 広い方からカカれ(広い方からカカるのが布石の鉄則)

 ピンチにツケコシ

 ピンツギ()()()

 は行ふ

 封鎖はポン抜き30目相当

 封鎖させるべからず(封鎖許すべからず)

 フクレ、フクラミ
 相手の石に接触しながら、山形の頂点になるところにカケツギに打つ形のこと。急所になることが多い。
 フクラミの手よし

 布石(ふせき)(囲碁用語が語源)
 「布石(ふせき)を打つ」も囲碁由来用語です。「将来に備えてあらかじめ手はずを整えておくこと」です。囲碁では「対局の序盤での要所要所への石の配置」のことを「布石」と言います。これからどのように打ち進めて行くかの土台作りが、「将来のための準備」という意味に転じたものです。

 ブツカリ()()()
 自分の石から一間に離れた相手の石の方へのびて突き当たる手。
 相手の石にぶつかっていく手をブツカリと云う。黒1とツケてきたところに白2と黒▲の石にぶつかっていくのがブツカリ。

 フトコロ
 生きるためのスペース。

 フリカワリ(振り替わり)(furikawari)(trade、exchange)
 お互いがそれぞれ、石を取り合ったり地を荒らしあったりして、大きく盤面の様子が変わること。完全に一方が得した分れは「フリカワリ」とは言わないが、多少どちらかに有利な内容の時もある。石を取り合った結果、黒地だったところが白地になり、白地だったところが黒地になること。「このフリカワリは白がいい」 。

 振り替わりを恐れるな

 憤兵は勝て(た)ず(囲碁諺)

 は行へ

 下手の一目惜しみ
 ヘタの考え休むに似たり
 下手のカゲツギ上手のカタツギ
 下手(ヘタ、ヘボ)の長追い
 下手の横好き何とやら
 下手の両ヅケ

 へぼコスミ
 ヘボ碁にダメなし

 ヘンチョーカトリセンコー

 ペチヤパイ

 は行ほ

 ボウシ(帽子)(boushi)(cap, capping move)
 相手の石から中央に向かって一間の位置に打って、中央進出を阻止するような手。相手の辺の1子の2路上に打つ手のこと。打った石の隣に石があるような場合は「ボウシ」とは言わない。
 ボウシにケイマ、ケイマにコスミ
 (If your stone is capped, play the knight's move)
 ボウシされたらケイマに受ける。多くの場合、それが正しい“形”である。

 棒ツギ(ぼうつぎ)()(pole connection)   
 縦または横に石を連続させてつなぐこと。もっとも強い連絡である。
 棒ほど願って針ほど叶う

 ホウリコミ(放り込み)()() 
 ダメをつめるときや眼を奪うなどの目的を持って、打った石自体が次の一手で相手に取られてしまう場所に打つ手のこと。いったん相手の地の中に打って攻撃する技。2眼を作らせないようにするなどの目的で打たれる。

 星打ちは勢力重視戦法
 星と三々、次の手急がず
 星に三々ウチコミあり

 欲しい石の逆を切れ

 本手()(honte)(the correct move、sound play)
 少しゆっくりしているように見えるが、味の良い手厚い好手のこと。急所を突いた本筋の手で、一見足が遅いようであとあとまで一手の価値を失わない働きのある手のことである。「厚い手」と呼ばれるニュアンスに近い。他方、急所を外れたその場の間に合わせの手をウソ手とも言う。こうした薄い手には後々まで禍根が残る。じっくりした厚い本手を好む棋士は追い込み型で、本格派の棋士とも言われる。藤沢秀行、大竹英雄らがその代表格である。ただし、厚がり過ぎて布石に遅れる場合もあり、それを避けて要点を足早に先取して逃げ切りをはかるタイプの棋士もいる。
 星の定石の本手の実例。黒1と、後手でも一手入れておくのが本手。放置するとaのオサエコミ、bのトビなど白△を動き出す手が残る。
 小目定石の一例。かつてはここで黒1とアテ、白2とツガせて先手を取っていた。しかしこの形はシチョウ関係次第でaのキリが残り、隅に対する味も消している。  そこで最近では、後手でも黒1とサガる手が打たれるようになった。この形では、aのキリはシチョウに関係なく取れる(ユルミシチョウの項目参照)。またbから左辺方面への白の進出を止めて封鎖する手や、cのツケから隅を大きくヨセる手などが残る。現在では、よほど他に急ぐ場所がない限り、黒1のサガリが本手と見なされている。

 盆と正月が一緒にやつて来る

 ポンヌキ(ポン抜き)(ponnuki)()
 相手の一子石を最小の手数の4子で取ること。
 ポンヌキ30目(ポン抜キ30目、封鎖30目、亀の甲60目)
 (Pon-nuki is worth thirty points) 





(私論.私見)