◆バース党声明: 宗派至上主義の狂信は占領軍の第5列( Baath Party Statement:
Sectarian Fanatics are Fifth-Column of the Occupation)
バース党は24日、『宗派主義の狂信は占領軍の第5列』と題する声明において、スンニおよびシーア両派の宗派主義的な狂信を非難し、米国とイスラエル、イランによって仕掛けられた宗派主義という「地雷原にイラクを引きずりこもう」と企むタクフィリ分子(自分たちに賛同しない者は誰であれ不信心であり攻撃目標とみなす)である断じた。
バース党は常にアラブとはイスラムを精神的基盤とする者の集合体であるというドクトリンを掲げてきた−−と声明は指摘した。イスラムは1つの伝統文化であり、単なる宗教ではないゆえに、どの宗教を信仰しているかにかかわらず、上述のことは全アラブ人にとって真理である。
バース党の世俗主義は西欧流儀の世俗主義とは違って、西欧の世俗主義のように宗教をモスクと教会の中に封じ込めようとするのではなく、スンニ派とシーア派、キリスト教の宗派、サバエアン、その他すべての宗教活動を奨励し資金を出してきた。
このようにバース党の世俗主義は、宗教もしくはイスラムの精神、あるいはいかなる宗教の宗派、グループにも敵対するものではない。反対に、バース党は宗教組織が政治に関与することを禁止し、あれこれのグループが他を支配・抑圧して国内で不和と抗争に導くことを禁止した。
声明は次のように述べた−−今日、イラクにおける宗派主義の暴力が高まるのに対して、優先されるべき2つの任務がある。「その第1はアラブ主義の精神としてイスラムをしっかりつかむことであり、2番目はイスラム主義のグループが植民地主義とシオニズムおよびアラブとイランの反動勢力に奉仕するため宗派間抗争を引き起こすのを阻止することである」。
「今日、われわれの目の前で進行していることを観察するなら、イラク占領者が関与してないとか宗派の狂信者のせいでないというのが幻想であると、なんのタメライもなく完全に理解できるし、彼らは狂信的な偏見に満ちた中傷をまき散らし、スンニ派の名前でシーア派を攻撃しシーア派の名前でスンニ派を攻撃することによって、今や占領軍の手先になりきっているのである」。
声明はこう指摘した−−「イスラム教徒、キリスト教徒、サバエアン、スンニ派とシーアは、アラブ人、クルド人、トルクメン人など全イラク国民を受け入れる愛国的レジスタンスと愛国勢力の存在とは無縁に、破壊的な宗派抗争が現れて宗派至上主義の政策の結果としてイラク分割に行きつくのであろう」。
「わが党は宣言する。宗派的な狂信という武器をバース党のように占領軍と戦っている愛国勢力に対して使う者は、それが誰であれ、たとえ占領に反対して戦う役割を課せられてきた者であったとしても、占領軍の道具であり手先である以外の何者でもない」。声明は、そのような勢力は意識的に占領を助けているのではないかもしれないが、しかし彼らは「たとえ占領軍との疑わしい結びつきを持ってないにしても、無意識のうちに植民地主義者、シオニスト、占領軍の代理人が画策する計画の虜(とりこ)となっているのだから、客観的にその役割を演じていることになる」と指摘した。
「スンニとシーア両派の狂信的な宗派主義グループによってイラクにもたらされた不運と大災難は、イラクを分裂の危機に陥れた。アラブ民族主義と一般的な愛国意識が現在刷新を遂げつつあり、宗派主義潮流の克服を開始した理由はこれである。 大勢のものが宗派至上主義を唱える者たちを疑い深く見つめ、占領軍に奉仕するものとして公然と彼らを批判するようになった。それゆえに、われわれはイラク国民の苦(にが)い経験から教訓を学ばなければならず、特にこれらのグループの行動が宗派抗争を広げたり、彼らがみずからの無知や想像力に欠けた心理状態あるいは実際に占領軍に奉仕したいという欲望にしたがおうとするときには、われわれは黙って見過ごしてはならないという教訓を学ばなければならない」。
「アラブ主義は身体であり、その精神はイスラムであるという原則を掲げるという意志決定とイラク国民の統合−−それは自然の道理であり、米国、「イスラエル」、イランが仕掛け狂信的な宗派至上主義者どもがわれらを引きずり込もうとしている地雷原から脱出する唯一の道である」。
原理主義グループが過去にイギリスとイランの連盟からどのようにして生じたかは衆知のことだと声明は指摘した。そして今日、かつてと同じように、これらのグループの犠牲にされたのは、まず愛国者とバース党員だったと指摘した。
彼らは宗教を擁護すると主張するものの、さまざまな宗派主義グループが72時間のうちに180以上のモスクを破壊し、さらには多数の宗教指導者を殺害した。彼らはイスラムを擁護すると主張するものの、イラクにおいて占領者のプロジェクトを実現するために占領軍と手を組み、占領軍に対してではなくイラク人に対する兵力を育成しているのは他ならぬ彼らである。
しかし声明は次のように結論した−−「レジスタンス戦士=ムジャヒディンと彼らの背後にいるイラク国民の銃口は、敵である占領軍と、みずから占領軍に奉仕する立場で武器をとる者たちに対してのみ向けられており、実際にこの者たちがレジスタンスの最優先の攻撃目標である」。
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