高知県東洋町の放射能廃棄物最終処分場拒否闘争の意義考 |
(最新見直し2007.7.22日)
【東洋町騒動】 |
国の原子力行政は、放射能廃棄物最終処分場受け入れ先に苦慮しており、地方自治体に交付金を支給するという方法で誘致している。当初6年間の文献・概要調査の段階で年約2億1千万円を支給し、最終的に総額50億円相当額が公布されると云う。 2007.1.25日、過疎と財源不足に悩む高知県東洋町の町長派が、全国の自治体で初めて処分場候補地選定の文献調査に応募した。町長は、記者会見の場で、「国のエネルギー政策に貢献できる可能性と、交付金を活用し町の浮揚を図る絶好の機会と考える」、「交付金で町の再生を」とぶち上げた。しかし、寝耳に水の町議会が反発し、反対派住民が余りに代価が大きすぎるとして反対し、反対署名を始めた。「あなたに残された道は、処分場誘致構想を白紙撤回し、すみやかに町長職を辞職することのみだ。これ以上の居座りは町政を混乱させるだけだ」と記した文書を町長に差し出した。橋本大二郎県知事は、「住民の合意が得られていない」と批判した。 経緯は分からないが、町長選挙が行われることになった。反対派住民の反対理由は「放射性廃棄物処理問題考」に記す。 2007.4月、高知県東洋町で、放射能廃棄物の最終処分場受け入れを巡って、推進派と反対派による町長選が行われることになった。4選を目指し受け入れを表明する田島町長と反対派の沢山氏の一騎打ちとなり、反対派の沢山氏が当選した。新町長は応募を撤回し、原子力発電環境整備機構の調査はとりやめになった。 5.20日、高知県東洋町の町議会は、廃棄物を含む放射性核物質の持ち込みなどを拒否する条例案を全会一致で可決した。条例案は、沢山町長が提出。目的を「次世代を担う子どもたちに美しい自然と安心して暮らせる生活環境を保護する」とし、放射性廃棄物などの核物質を町内に持ち込むことや、原子力発電所など放射性物質を扱う施設の建設やそのための調査を禁止。核物質を持ち込ませないように努めることを町民の義務とした。 議会終了後、記者会見した沢山町長は、「核廃棄物に関する東洋町の争いはこれで終結する。各県にも(条例制定の)動きが広がるように期待したい」と述べた。こうして、高知県東洋町騒動は、放射能高レベル廃棄物の最終処分場となることを拒否することで決着した。 2007.7.22日 れんだいこ拝 |
(私論.私見)