「『オッカムの剃刀』その言葉と意味」 (NAVERまとめ 2015/9/13)
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オッカムの剃刀の法則(Occam’s Razor)は、中世イギリスの神学者ウィリアム・オッカムが提唱したことから名付けられた法則です。分かりやすく言えば「物事をシンプルに捉えよう」という哲学上の思考方法のことで、ある事象を説明するのにaとbという二つの事柄で足りるのに、さらにcという事柄を導入した説明をするのは無駄であるとする。説明に最低限必要でない余計な存在がある、そうしたものは不必要なものなのだから切り落とすべきであるという考え方だ。「物事をシンプルに捉えよう」ということです。オッカムは、当時スコラ学という理論に登場する様々な要素を次々に切り捨てていきました。このことから、「オッカムの剃刀」は不必要なものを切り落とすという思考方法となりました。
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類似表現
「同様のデータを説明する仮説が二つある場合、より単純な方の仮説を選択せよ」。カール・セーガン NASAにおける惑星探査の指導者の言葉です。
「自然物に関しては、事実でかつ充分な原因だけを認めるべきだ。同じ自然的影響については、できるかぎり、同じ原因を用いて説明すべきなのだ」 アイザック・ニュートン(以下略) |
これだけでは何のことだかよくわかないかも知れない。わかりやすい例を挙げよう。部屋の窓ガラスが割れ、破片が散乱している。テーブルの上にあった花瓶が床に落ちている。床は水浸しで野球のボールが転がっている。何が起きたのだろうか。野球のボールが窓に飛び込み、ガラスを割り、花瓶を落とし、水がこぼれて床をぬらした、そう考えるのが自然だろう。空き巣が侵入しようとして窓ガラスを割った、花瓶は地震で落ちた、窓から雨が吹き込んで床を濡らした、ボールは飼い犬がどこからかくわえてきた、という説明もできるが、その可能性は低いだろう。ボールが飛び込んだと仮定すれば、すべての事象を容易に簡単に説明できる。それがより真実に近いだろうということだ。とくに自然現象を説明する上では、このようにより単純かつ明解な仮定が求められ、のちにそれが正しかったと証明される場合が多い。 |
放射能被ばくについても、この「オッカムの剃刀」はよく当てはまる。最近、いくつもの不調に悩む人が増えているが、それぞれ適当に理由を考えて自分を納得させるのが普通だろう。たとえば、こんな具合にだ。
めまいがする → メニエール病かな。
急に気を失った → 過労、睡眠不足だろう。
抜け毛がひどい → ストレスかなぁ。
湿疹ができた → 何かのアレルギーかも。
ラーメン食べて下痢をした → 食中毒に違いない。
口の中に血豆ができた → ストレスで胃が荒れているみたい。
視力が急に落ちた→ モニタ画面の見すぎ、スマホの使いすぎかも。
のどから血が出た → インフルエンザでひどい咳をしたから、喉が破れたのかな。
シワ、シミが増えた → 紫外線の影響だ。
だるい、やる気がしない → 最近うつ病気味だから。
しつこい腰痛 → トシだな。
歯が突然折れた → 虫歯だろう。 |
病院に行っても原因不明で、適当な薬を処方されるがさっぱり治らない。症状は重くなる一方、よくても一進一退だ。原因不明なのだから無理もない。しかし放射能汚染による被ばくを仮定すれば、これらの症状すべてを明解に説明できるのだ。これらの症状は、広島・長崎の原爆投下やチェルノブイリ事故ですでに見られたことであり、新しい仮説でも何でもない。そして、被ばくを減らすべく移住したり、食品に気をつけた人の体調がみるみる回復しているのも、また事実である。もう少しマクロ的に見てみよう。 |
福島原発事故以後、次のような体調不良や事故、異変が多発している。
鼻血、耳血、下痢、嘔吐、食中毒、吐血・喀血、甲状腺などのがん、白血病、心筋梗塞、脳卒中、大動脈破裂などによる突然死、 易骨折、 腰痛、関節痛、筋肉痛、虫歯、歯欠け、口内炎、口の中の血豆、尿・便失禁、急激な老化、劣化、しわ、しみ、薄毛、若白髪、
湿疹、あざ、白斑、視力低下、白目の出血、白内障、緑内障、網膜剥離、 眠り病、路上横臥、 失神、けいれん、白目をむく、めまい、だるい、疲れやすい、やる気が起きない、記憶力、注意力低下、性格激変、粗暴化、幼稚化-
子どもの運動能力低下、肥満化、低身長、芸能人や運動選手の故障、ケガ、病気、訃報- スタジオ関係者(声優、演奏家)の体調不良、訃報、 ラーメン店員・客の体調不良、休業・廃業-
駅ホーム、階段での転落事故、急病、重大な交通事故、動植物の巨大・奇形化、色素異常、大量死、枯死。 |
これらは一見全く関係のない独立した異変のように見える。そして、それぞれについて、政府やマスコミはもっともらしい理由をこじつけて説明しようとする。たとえばバスの事故が多発しているのは、運転者の高齢化、規制緩和による過労が原因、云々。しかし事実と矛盾し、うまく説明できないことも多い。高齢者だけでなく中年の運転手も事故を起こしているし、規制緩和は15年以上前の話である。私用運転中の事故は過労のせいにはできない。福島県の甲状腺がん多発にいたっては、政府は放射能の影響を否定するだけで、別の原因を説明することすらできないでいる。これら一つ一つの異変の原因を、矛盾なく説明するのは極めて困難だ。ところが放射能汚染による被ばくであると仮定すれば、すべてを単純明解に説明できるのだ。そしてそれが、無理やりこじつけた矛盾だらけの原因よりも、はるかに真実に近いことは言うまでもない。放射能被ばく被害は、「オッカムの剃刀」がよく当てはまる典型例と言えるだろう。自分の歯が突然折れたことと、交通事故や奇形植物の多発が関係あるとは、にわかには信じられないかも知れない。何でも放射能と結びつけるなと怒る人もいる。しかし、それは被ばくについて無知だからである。広島・長崎やチェルノブイリでは、これらの異変はすべて起きており、科学的にも明解に理由が説明されているのだ。 |
残念ながら、今後、政府・東電が被ばく被害を全面的に認めることは決してないだろう。放射能の影響を認めたら最後、莫大な賠償を要求され、国家財政が破綻してしまうからだ。だから、日本人は顔の彫りが浅いから白内障になりやすいといった噴飯ものの説明をしたり、適当な病気やストレスせいにしたり、あるいは新しい病気をでっち上げたりしてゴマカシ続けるだろう。そのゴマカシを無条件に信じる人たちは、体調がどんどん悪化して、気づいたら墓の中ということになるだろう。われわれは、今、科学的、論理的にものごとを考えることができるかどうか試されている。政府やマスコミの言うことを妄信せず、自分で冷静にものごとを考え、判断・行動する人間だけが生き残るのだ。 |