前提1 |
2人のギャングが逮捕され、刑務所に拘留されている。犯人を仮に甲、乙とする。 |
前提2 |
2人は互いに話をしたり、 メッセージを交換したりすることが絶対にできない状態で独房に入れられている。
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前提3 |
警察は、2人を重罪で有罪にするだけの十分な証拠は持っていない。
その為、警察は同時に、二人の囚人に次のような取引をもちかける。
1 |
相手に不利となる証言をすれば釈放する。ただしその相手は5年の禁固刑に処せられる。 |
2 |
両方が相手に不利となる証言をした場合は、2人とも3年の刑となる。 |
3 |
両方が相手に不利となる証言をしなかった場合は、証拠不十分で二人とも1年の刑となる。 |
4 |
甲乙2人の囚人は、2つの選択肢をとることができる。 |
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前提4 |
甲乙2人の囚人は、2つの選択肢をとることができる。考える時間をほんの少しだけ与えられるが、自分が最終的な結論を下すまでは、相手がどう決めたかを知ることは決してできない。ともに、相手も
同じ取引を持ちかけられていることをしらされている。 |
前提5 |
互いに相手の行動を知らないままに自分の行動を選択しなくてはならない。 |
推論1 |
相手に不利な証言をするという行動を「裏切り」(Defection)、黙秘するという行動を「協調(内応)」(Cooperation)とすると、甲乙は
の行動による刑罰の関係は 次の表の様になる。
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甲 |
乙 |
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C |
D |
C |
甲乙双方1年 |
甲は釈放、乙は禁固5年 |
D |
甲は禁固5年、乙は釈放 |
甲乙双方3年 |
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推論2 |
このことにより、甲乙は次のように考える。自分が釈放されるためには、自分が裏切り(D)、相手が協調(C)するのが良い。しかし、相手も同じ事を考えるので、双方が裏切った場合は、禁固3年になる。ならば、二人とも協調して禁固1年のほうが良い。しかし、相手がどう出てくるか分からない。自分が協調し、相手が裏切れば、自分にとって最悪のケースになる。 |