悪玉性悪論法/論理学

 更新日/2022(平成31.5.1栄和改元/栄和4)年.5.2日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 先に「良質論法論理学」で正当な論法を学んだが、世の論法には逆に悪質なものもある。と云うか、こちらの方が多い。これを確認する。

 2006.11.2日再編集 れんだいこ拝


【現代ソフィスト達の性悪論法について】
 元々人の認識は千差万別である。但し何らかの共通認識、合意ができない訳ではない。それは人に個性があろうとも類としての共同性を持つ関係に相似している。個は類に対してコミュニケートしていくという本能性を持ち、人類は言語を通じて他の生物では為しえない類まれなる能力を獲得してきている。しかし、実際にやってみれば分かることだが、如何に議論が高度な技であるかを知らされる。積み木崩しにも似て徒労を覚える面もあるが、それでも議論し続けていかなければならない厄介さを抱えている。しかし、文明の優劣とはこの能力の差でもある。故に練磨されねばならない。前置きはこれぐらいにして本題に入る。

 主義者が実践に照らしてその理論の研鑚をせぬようになって久しいと思っていたら、代わりにはびこらせたのが詭弁術であり、これで堂々飯を食っている手合いが多い。その厚顔ぶりが羨ましい。主義を趣味にした観があり、下手な主義より穏和で良かろうという辺りで市民権を得ているようである。しかし、この場合一つ問題がある。昔も今もソフィスト達は自らをソフィストとは呼ばない。現代の認識の発展段階、その創造的適用云々の口上で他の誰よりも真理の体現者であると吹聴し、概ね古説を焼き直してさも新しく語る。脳軟化者がこれに騙される。

 れんだいこはこれまで、騙されるのも騙されないのもその者の勝手だろうからと放置してきたが、それではいけないということに気づかされた。現代のソフィスト達は、その「正」の役割であるソフィアという面を何ら啓発せず、公式論的詭弁的な観点を経文のように唱えさせることで、まったくのっぺらぼうな頭脳作りを促進させている。そういう犯罪性に対して正確に対処しないと、これまで主義者が培ってきた功績の一切を流産させてしまう、それはあまりにも損失が大きすぎるということに気づかされた。そこで、現代のソフィスト達の話法を検証して後世の者に役立たせしめんとして以下概述する。個々に例証を挙げれば良く分かるが他面煩雑になるので、箇条書きでメッセージする。 

 2006.11.2日再編集、2010.9.19日再編集 れんだいこ拝

【性悪論法の種類】
 「性悪論法」は次のような論法から構成されている。これを知っておくにしくはない。これを確認する。実際には渾然一体となっており、純然とは分けられないが無理矢理仕分けしてみる。これらを総称して「特殊性悪論法論理学」と云うことができよう。正調論法論理学の変種であり、「特殊悪論法」とみなすことができる。

 「誤謬論の内容」は、次のように記している。
 概要「矛盾する前提からは、どんな結論でも引き出すことができる。あるいは又自分勝手に誤まれる前提を作って、その前提の上に論を積み上げていく詭弁論法がある。誤謬論〈虚偽論〉ともいう。誤った推論の誤りの性格を分類しつつ論じるもので、アリストテレス『詭弁論駁論』が西欧に知られるようになった12世紀後半以降、西欧の論理学体系のなかで位置を占めるようになり、さらに内容の拡充が行われて近代に至った」。

 悪論法の事例は至るところに見受けられる。1・シオンの議定書、2・ホロコースト、3、南京大虐殺事件、4・宮顕のリンチ致死事件、5・極東国際軍事裁判、6・ロッキード事件、最近ではコロナウイルス騒動等々での実際のやりとりを検証すればオンパレードである。興味のある者は学ぶべし。特に、日共党中央の宮顕-不破ラインの論法は性悪論法満載である。ネオシオニズム・テキストも然りである。これを盲信すると頭がやられる。現にやられているものが多い。そういう意味で精通しておく必要がある。
 性悪論法の構図
 無視黙視論法 不言及術
象の居る家
 真相隠蔽の為の逆説論法  
真偽逆説論法
白黒逆説論法
 歪曲論法
歪曲二段論法
歪曲三段論法
媒概念不周延三段論法
 堂々巡り論法
パラドックス話法
ディレンマ(両刀論法)
メビウスの輪
鶏と卵どちらが先か論
二元論(二分法)
循環論
 詭弁論法
詭弁術
強弁居直り術
押し問答
 魔女狩り論法
魔女狩り論法
 玉虫論法
玉虫論法
両論併説論法
 パニック論法
性悪567論法
底なし沼混乱中毒論法
正体不明煽りまくり論法
 煙巻き論法
らっきょう論法
長文饒舌辟易術
針小棒大過小・過大術
 焦点ぼかし論法
周辺饒舌肝心事不触論法
本音建前差し替え術
ごはん論法
 すり替え論法
結論すり替え論法
話題すり替え論法
話題すり替え居直り論法
 ドッジボール論法
相互責任転嫁論法
 問答無用論法
却下論法
罵詈雑言論法
 脅し論法
脅迫論法
威圧論法
恫喝論法
権威利用術
司直駆け込み論法
告訴論法
同情論法
 刷りこみ洗脳論法
マインドコントロール
刷りこみ洗脳論法
トリック術
バカの一つ覚え論法
レッテル烙印論法
 説教論法
説教強盗論法
愚弄説教論法
 逆恨み論法
逆恨み論法
 誘導論法
誘導論法
虚実混じり誘導論法
 小細工論法
話題すり替え相殺帳消し中和話法
転嫁帳消し術
やらせ論法
喧嘩両成敗論法
どっちもどっち堂々巡り論法
多数派論証論
巻き添え論
蚤のサーカス調教論法
加工論法
早とちり型論法
為にする批判論法
風評被害論法
 その他の悪質論法

 2006.11.2日再編集、2010.9.19日再編集 れんだいこ拝

 無視黙視論法(不言及術)

【無視黙視論法】
 性悪論法の第一は無視黙視論法である。これが性悪論法の筆頭になる。これは、字義の通り無視黙視することで、相手の論理論法の注目、波及を抑えようとする話法である。報道的には「報道管制」を敷くことになる。
(私論.私見)

【象の居る家論法】
 無視黙視論法の補論として「象の居る家論法」がある。これを確認しておく。英語圏表現で、「部屋の中にいる象」(the elephant in the room 、エレファント イン ザ ルーム)という言葉がある。これは、部屋の中に象がいれば気づかないわけはないのに、敢えて見て見ぬふりをして話題にしない論法をいう。肯定的用途では「空気を読めよ」、批判的用途では「重要問題と認識していながらスルーする不見識」、中立的用途では「触れちゃいけない話題(タブー)に対する忖度(そんたく)」用語となる。

 逆説論法

【真偽逆説論法】
 性悪論法の第二は真偽逆説話法である。これは、字義の通り真を偽に偽を真に、あるいは善を悪に悪を善にと云うように逆に説き判断を撹乱混乱させる話法である。「偽装インフォメーション」とも云われる。

 例を挙げるのに枚挙に暇ない。留意すべきは政治的判断であり、案外と逆説が通説として通用している。その最たる例は田中角栄論、中曽根康弘論であろう。通説は、田中角栄を悪玉、中曽根康弘を名宰相に説いているが真逆であろう。宮本顕治の査問致死事件での「死んだ小畑はスパイ。事件はスパイ摘発途上の不幸な事件」論もこれに当てはまる。真相は査問側の宮顕派がスパイであり、殺された小畑の方が最後の労働者派最高幹部だっとするのが正解である。こういう風に逆に説かれる通説がまことしやかに流布されている。こういう例は五万とあろう。
(私論.私見)

【白黒逆説論法】
 性悪論法の第三は白黒逆説話法である。これは、真偽逆説話法に近い話法であり、白いものを黒く云い黒いものを白く云う話法を云う。あるいは、白いものを極力黒く語り、黒いものを極力白く語る話法を云う。こういう例も五万とあろう。

 歪曲論法

【歪曲二段論法】
 前言を受け、巧妙に揚げ足を取る論法。「前件否定の虚偽論法」と「後件肯定の虚偽論法」がある。「前件否定の虚偽論法」とは、「体が悪くないなら、働け」前言に対し、「俺は体が悪いので、働かなくて良いのだ」と結論する論法を云う。「後件肯定の虚偽論法」とは、「無知は恐怖を生む」前言に対し、「つまり、恐がりな奴は無知なんだ」と結論する論法を云う。
(私論.私見)
 範疇が違うものを等置して、前言の趣旨を損ねる結論に導いている悪質論法と云うことになる。

【歪曲三段論法】
 変形させた前提からの三段論法で都合の良い結論を生む論法を云う。この例は非常に多い。
(私論.私見)
 これを繰り返し繰り返し宣伝するのがデマゴギストの特徴であり、権力主義者の常套手段である。その方法と手段、デマゴギーの組み立て方と活用のさせ方を凝視しなければならない。前提を叩きやすい様に歪曲して議論を進めるのは卑怯姑息な手法であるが、この事例が世に溢れている。

【媒概念不周延三段論法】
 概念不周延な前言を媒介させ、これに同調するなり否定するなりして牽強付会な結論に導く論法を云う。例えば、「人は元々善人である。私は人間である。よって私は善人である」。

 堂々巡り論法

【パラドックス話法】
 パラドックス話法の代表例として「嘘つきのパラドックス」がある。これは、クレタ島出身のエピメニデスという哲学者が「クレタ人は嘘つきだ」と言ったことを廻る議論である。これによると、クレタ人が嘘付きだというのなら、クレタ人であるエピメニデスも嘘つきということになり、だとするとエピメニデスの云う「クレタ人は嘘つきだ」という言葉自体も嘘なのだろうか。だとするとクレタ人は嘘つきではないということになる。エピメニデスの言をどう理解すべきか。こうして、「クレタ人は嘘つきだ」を廻って果てしない思案が続いていくことになる。最後には、訳の分からない世界に陥ってしまう。これをパラドックス話法と云う。

 この問題がかなり議論されてきた。現代論理学はこれを如何に解決するのか。次のように説明されている。
 「記号的にいえば、¬(∀x P(x)) ⇔ ∃x ¬P(x) であるわけです。否定演算を行うことによって、all 限定子と some 限定子が入れ替わるという、 『ドモルガンの法則』が効いて来ます。そのドモルガンの法則が  not (常に嘘を付く) = 時には本当のことを言う  not (全てのクレタ人) = あるクレタ人が not と2つの次元で作用しているので、どこにも矛盾は生じていません」。
(私論.私見)
 れんだいこはこれを如何に解決するか。論理的には難しくても実践的には何ら難しくない。故に、現代論理学的な記号で解く必要もない。記号で解いたところが、「どこにも矛盾は生じていません」などという結論になるのであればゴマカシでしかない。人は記号に弱いので誑かされているだけのことである。

 れんだいこに云わせれば、元々「クレタ人は嘘つきだ」という命題に問題がある。正しくは、「クレタ人は嘘つきの傾向が有る。ないしは嘘つきの人が多い」と限定的にのべるところを一般化している故に無理な命題となっている。その無理な命題に、「クレタ島出身のエピメニデスの言」が加わり、この言がどこまで信用できるのかが問われている。これは論理学上の次元の違うものを同じ次元で掛け合わすところに無理と混乱が生じている。「クレタ島出身のエピメニデス」はこの際何の関係もない。「クレタ人は嘘つきの傾向が有る。ないしは嘘つきの人が多い」の真否が問われているだけのことである。それをわざわざ混乱させるように「クレタ島出身のエピメニデスの言である『クレタ人は嘘つきだ』の真否」問題に仕向けている。単にそれだけのことである。

 つまり、要点議論に向わせない為に、別の話をくっつけて議論を反らせる悪質論法ということになる。こういう事例が多いので習熟する必要があるということになる。

【ディレンマ(両刀論法)】
 相手を板ばさみにして進退窮まらしめる論法。二つないしはそれ以上の選択肢が用意され、どちらを採るべきか悩ましい、どちらを採っても望ましくない事例で迫られることが多い。

【メビウスの輪】
 「メディウスの輪とはどういうことを意味するのですか?」の問いに対する回答が「メビウスの輪とはどういうことを意味するのか? それは表側がいつのまにか裏側になっているという不思議さを示すものです。 同時に表側というものは裏側の正反対ではなく、裏側に連続しているということを示しています。 そしてこのことは、私たちの常識とは違っています。 メビウスの輪は、私たちの常識は常識ではないということも暗示しているのです」。
 ”メビウスの帯”(メビウスの輪)の名前は1790年生まれのドイツの数学者アウグスト・フェルディナント・メビウスの名に由来するそうです。 詳しくは こちら↓になります。なお 画像が”メビウスの輪”です。
  メビウスの帯 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%93%E3%82%A6%E3%82%B9%E...

  メビウスの帯(メビウスのおび、Möbius strip, Möbius band)、またはメビウスの輪(メビウスのわ、Möbius loop)は、帯状の長方形の片方の端を180°ひねり、他方の端に貼り合わせた形状の図形(曲面)である。メービウスの帯ともいう。 数学的には向き付け不可能性という特徴を持ち、その形状が化学や工学などに応用されているほか、芸術や文学において題材として取り上げられることもある。 文学におけるメビウスの帯 文学作品においてメビウスの帯はしばしば無限の繰り返しを比喩的に表すものとして用いられる(ただし、数学史家のジョン・フォーベルはメビウスの帯の比喩的表現は不適切な文脈でもしばしば用いられていると指摘している)。前述のようにメビウスの帯は1周して戻ってくると向きが逆転しているという性質を有していることから、ループ構造を持つプロット(ループもの)や登場人物がなんらかの経験を経て考えをあらためて過去(あるいは元いた場所)に戻る際の比喩としてメビウスの帯が使われることもある。

【鶏と卵どちらが先か論】
 云うまでもなく、鶏と卵のどちらが先に生まれたのかという論法であり、堂々巡りに陥る。

【二元論(二分法)】
 多様な観点を要するところを無理矢理に簡明に二分二元論化させ、対比させていく論法。これを幾ら押し進めてもどちらも傷持ち論法であるため正解にはならない。

【循環論】
 前提が結論の根拠となり、結論が前提の根拠になるという形式でどうどう廻りで何も解決させない論法。AのバリエーションにすぎないBがAの論拠に使われる論法と云える。落語で、「八の家ァ、どこだね?」、「熊五郎の家の筋向いだよ」、「じゃ熊五郎の家は?」、「八の家の向かいだよ」の遣り取りがこれに相当する。

 例題で検証する。
A命題  日本語を使うのは日本人。
B命題  日本人が使うのは日本語。
(私論.私見)
 この二つの命題を等しいとした時に起こる問題が循環論である。本来、B命題はたとえば次のように云わねばならない。「日本人の母国語が日本語」、「使うといっても母語としての使用である」。A命題の拡張や限定を含むものが次に来るべきところを同義反復させるので循環することになる。

 詭弁論法

【詭弁術】
 詭弁術とは、説得で相手を丸め込む論法で、命題の証明の際に、sophismと云われる独特の論理論法を使って実際には誤りである結論に導く推論術を云う。本来グレーゾーンの不分明なものを白ないし黒に結論するのを特徴とする。あるいは逆に黒白で決着付けられるものをグレーゾーンに導く論法でもある。詭弁術は意図的に使われるものであり、誤謬(ごびゅう)とは区別される。

 釈尊は、次のように述べて戒めている。
 「まことで無いものを、まことで有ると見なし、まことで有るものを、まことで無いと見なす人々は、過った思いに捉われて、遂に真実(まこと)に達しない」(ダンマパダ11)

 詭弁(きべん)、誤謬(ごびゅう)、強弁(きょうべん)は縁戚関係にあるが、詭弁(きべん)とは「前提が結論を正しく支えていない(論理構造が誤った)主張や反論を“わざと”すること」、誤謬(ごびゅう)とは「論理構造の誤った弁論を“無意識的”に行うこと」、強弁(きょうべん)とは「道理が通らない主張を無理に言い張ること」と識別できる。(「第三章 詭弁・強弁・誤謬とは?」参照)

 「第三章 詭弁・強弁・誤謬とは?」を転載する。

詭弁―道理に合わないことを、正しいと思わせるように仕向けた弁論―

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目次
詭弁・強弁・誤謬とは?
強弁【根拠を述べない】
詭弁・誤謬【これまでは○○であったから、○○すべきだ (伝統論証)】
詭弁・誤謬【自然界では○○だから、○○すべきだ (自然主義的誤謬)】
詭弁・誤謬【道徳的なのは○○だから、事実も○○である (道徳主義的誤謬)】
詭弁・誤謬【ネガティブな言葉の印象に頼る (感情が充填された語)】
詭弁・誤謬【印象で判断する (印象論)】
詭弁・誤謬【常識的に考えれば明らかである (知性への脅し)】
強弁【罪を引き算する (相殺法)】
詭弁・誤謬【人格を批判する (対人論証・人格批判)】
詭弁・誤謬【連想ゲーム (連座の誤謬)】
詭弁・誤謬【○○と偉い先生が言っていた (権威論証)】
詭弁・誤謬【○○の支持者の方が多いから、○○が正しい (多数論証)】
詭弁・誤謬【○○でないという証拠がないから○○である (悪魔の証明)】
詭弁・誤謬【じゃあ○○になってもいいんですか? (反語)】
詭弁・誤謬【暗示にかけようとする質問 (多重尋問の誤謬)】
詭弁・誤謬【生きたくても生きられない人もいるのに (誤った二分法)】
詭弁・誤謬【少数の事例から一般論を導く (早まった一般化)】
詭弁・誤謬【都合の良い事例のみを挙げる (観測結果の選り好み】
詭弁・誤謬【全体が○○だから、ある部分も○○ (分割の誤謬)】
詭弁・誤謬【○○の後に××が起きたから○○が原因 (前後即因果の誤謬)】
詭弁・誤謬【○○と××が同時に起きたから○○が原因 (擬似相関)】
詭弁・誤謬【○○と××は同じ理屈だ (誤った類推)】
詭弁・誤謬【一度○○を許せば、たちまち××になるであろう (ドミノ理論)】
強弁【価値観の押し付け】
詭弁・誤謬【必要ないから規制しろ】
強弁【難解語・抽象語で煙に巻く】
強弁【トボケ通す】
詭弁・誤謬【あなたの主張は詭弁だから間違ってる (論点先取)】
強弁【議論を回避する質問 <わからない>編】
強弁【議論を回避する質問 <オウム返し>編】
強弁【議論を回避する質問 <発言に割り込む>編】


【強弁居直り術】
 押しの一手で居直る論法。但し、この技法は、発言そのものは通用させられるが、発言の前後(その場だけでなく日数を置いて見た場合)に自ずと辻褄が合わなくなる恐れあり。小児病的あるいは無神経的話法にならざるを得ない所以である。

【押し問答】
 双方が同じことを強引に繰り返すので、議論が先に進まない論法。

 魔女狩り論法

【魔女狩り論法】
 一方が他方を、「敵か味方か。正統か異端か」の感情論で論証抜きに強権的に断罪していく論法。

 玉虫論法

【玉虫色混乱術】
 論証過程で、たくさんの要因をデッチ挙げることにより真因をぼかしたり、真因確定の日数稼ぎをする論法。あるいは、あちこちで異なる結論を述べ、どちらが真意なのか分からなくさせる論法。どちらにでも乗り換えできるようにあちこちで異なる結論を述べる論法である。

【両論併説論法】
 日共の不破が最も得意とする論法で、論文を読み手を疲れさせるべく必要以上にわざわざ長大化させ、そうした仕掛けの中で見解の反する甲論と乙論を併説して説き分ける論法を云う。これによると、後日の検証で或るときには甲論、或るときには乙論を持ち出すことにより、常に正論化させ正義ぶることになる。非常に嫌らしい癖のある論法である。

 パニック論法

【性悪567論法】
 2020年2月頃、世界的にコロナウイルス病が発生し蔓延した。その際の逃げ場をなくさせる混乱論法に注目し、これを性悪567論法と命名する。

 性悪567論法は、罹患した者と罹患していない者の界壁をなくす性悪論法を駆使している。具体的には、罹患していない者(無症状者)を従来は健康者、罹患している者(症状者)を罹患者としていたが、性悪567論法によると、罹患していない者(無症状者)を今後罹患する可能性がある予備罹患者と位置づけることにより全員が罹患者界域の範疇に入れられることになる。

 次に法定伝染病の場合、罹患者は隔離されるが、性悪567論法では重症者が隔離され、比較的軽度の者は自宅待機を要請される。自宅待機は家族に感染させると思われるが、罹患者が病院に通うことで院内感染を助長させることの方を問題視してそうなる。しかしこうなると、病気の者は家に閉じこもることを要請される訳だから、健康者しか病院に行けなくなる。本末転倒だろう。検査もそうである。当局は、治療薬の開発よりも検査漬けに傾注し始める。しかもPCR検査はあまり役だたないのに義務づけられ、それも何度も必要にされる。他にも抗体検査、抗原検査がある。いずれの検査も病院や機械によって判定が異なり、且つ同一人が検査を受けるたびに判定が異なるという代物である。検査の結果、陰性、陽性の判定を受けるが、陰性は陽性予備軍だから非陽性が確定されるまで何度も検査を受けねばならない。陽性は治療を受けるが、従来であれば抗体ができ、一度感染した者は二度目の感染をしないとされているが、コロナウイルスでは再感染があると云う。要するに逃げ場のない混乱方向へ誘導される。これを性悪567論法と命名しておく。

【底なし沼混乱中毒論法】
 コロナウイルス病では性悪論法が多用されている。それによると、総員が罹患者かその予備軍に仕立てられ、罹患者よりも予備軍の方がより危険ということで罹患者に対するよりも予備軍に膨大な予算がつぎ込まれる。治療薬よりも検査に金をかけ、その検査も一度ではだめで何回も受ける必要があり、陰性陽性判定もそのつど異なる。検査は一つの方法ではダメでいろんな検査を受ける必要がある云々。これを底なし沼混乱中毒性悪論法と命名したいと思う。
 先にドッジボール論法を確認したが新たにパニック論法を発見した。その粉薬は全員を網の中に入れる予備軍論法にある。健康者は病人予備軍、市民は犯罪予備軍と位置付けられることで同様の制限を被ることになる。場合によっては、病人予備軍とか犯罪予備軍の方がより危険とされ、より取り締まりを要する対象になるのでキリなし対応にはまる。最後にはへとへとパニックが必定故にパニック論法と名づける。うウーンこのところよく閃くなぁ。

【正体不明煽りまくり論法】
 「正体不明煽りまくり論法」とは、正体を明らかにしないまま、そのことによって不安を増幅させ、その上で恐怖を煽りまくり植え付ける論法を云う。

 煙巻き論法

【らっきょう論法】
 「らっきょう論法」とは、議論の一つが片付くと次の議論が与えられ、これが永遠に続き、いつまでたっても中身の議論に辿り着けない論法を云う。例えば、この議論をする為には、まずこの本を読めと云い、それを読めば次にこれを読めと云う「あれ読めこれ読め」が典型である。議論の時間稼ぎ手法とも言える。

【長文饒舌辟易術】
 これは、あることを説明するのに要領よく簡潔に述べればよいのに、文章を過度に長文化させることによって読み手を疲れさせ、あるいは読解を散漫にさせることにより煙播きしてイエスマンづくりを狙うということと、この道中に様々な角度から時に強くあるいは弱く主張し、時に否定し時に肯定し、時に闘うことを呼びかけ時に妥協することを云い、結局読み手がお気に入りのところを得手勝手に読み取ることを許容し、全体としては認識の共有ができぬまま「党中央の云うことにその通り」とする論法のことを云う。

 この文章の長文化は、あれこれの関連著作を読み終えて発言すべし論とも通底している。門外漢・素人衆を過度に沈黙させる一見善良ぽい内実傲慢な論法と云える。いわゆる知識紳士がこれを弄ぶ。「知は力なり」であるからしてこの物言いに根拠がない訳ではない。問題は、それほどの知識を既に習得しているなら門外漢・素人衆に分かりやすく要点指導していく技量を備えておくべきだろうというところにある。それを為し得ぬ者がもっともらしく知識を振りかざす傾向にあるのではないのか。事実、指定された文章、書籍を読み終えてみても議論に終止符が打たれるような簡明な議題はほとんどない。結局当初の議論に戻り、門外漢・素人衆を含めて議論してみても何ら差し支えないというのが実際のところである。

【長文玉虫駄弁術】
 これは、あることを説明するのに文章を過度に長文化させ、互いに内容と異なる見解を整合なく散りばめることによって玉虫色にして煙巻きする悪質論法である。往々にして「何となく分かったような気にさせられる」のが狙いであり、論者の論旨の意図の悪質性を見抜くことが肝要となる。この種の術は案外多用されているので警戒せねばならない。この術を見抜くには、論旨が積立式に論証的に述べられているかどうかを嗅ぎ取れば良い。論証的でない長大論文は為にする長大に過ぎず、論者の頭脳ないしは狙いを疑えば良い。

【針小棒大過小・過大術】
 「針小棒大論」とも云う。これは、針ほどのことを棒ほど云い、逆に棒ほどのことを針ほどに云う論法のことを云う。時にはマクロから見て針も棒もさほど違わないといい、時にはミクロから見て針と棒の差を格別際立たせる。問題が奈辺にあるのかというと、相手により状況に応じてご都合主義的に説き分け煙巻きにするところにある。

 これは特殊と一般の関係にも当てはまる。特殊例を一般化させ、一般例には特殊例を持ち出して一般化の根拠を弱くさせる。つまり、ああいえばこう云う式に煙まきにして諸事判断機能を停止させる。
(私論.私見)
 これを防ぐ手立ては、議論の前提にしているところの内容を明確にさせることである。その内容に照らして針と棒との違いを明らかにするという姿勢で是々非々しつつ議論を進めていくことが肝要である。その上で、各論者にはその都度、それぞれの自説に対して責任を負わしめるべきであり、ある契機で白黒が判明した場合には過去の言説を検証して自己批判させるべきである。この作法がないことにより、雲を掴むようなヌエ論理をはびこらせることになる。

 焦点ぼかし論法

【周辺饒舌肝心事不触論法】
 いつまでたっても論の中身に立ち入らず周辺ばかりを論う話法。婉曲焦点ずらし論法、馬耳東風型論法、もてあそび型論法、あてこすり論法等がある。

【本音と建前差し替え術】
 本音を建前にし、建前を本音にして逆に述べる話法。聞く方が消耗する。

【ごはん論法】

 「ご飯(ごはん)論法」とは、法政大学の上西充子教授が発信して広まった「言い逃れ」の一種。「朝ごはんを食べましたか?」という質問に「パンは食べたけどお米のごはんは食べていない」ので「食べていない」と答えるような手法を云う。突っ込まれると、「嘘をついているわけではない」と強弁する。質問に答えているように装っているが、実は答えていない。おまけに、やり取りが噛み合っていない。このことに質問者がすぐには気づけない悪質論法である。

 質問に真正面から答えず質問側の意図をあえて曲解し、論点をすり替え、あるいは論点をずらして回答をはぐらかす、相手を煙に巻いて時間を稼ぎ、時間がなくなれば議論を打ち切りなどして逃げる逃げる論法である。


 すり替え論法

【結論すり替え論法】
 これは、前段で正確且つ説得的に論旨展開することで信頼させ、その論旨と接合しない結論を後段に持ってくることで結論を受け入れさせようとする巧妙な論法である。この論法は案外多用されている。起承転結の論旨の接合関係を解析することで不具合を見て取る必要があり、かなりの能力が要求されることになる。

 2007.1.29日 れんだいこ拝

【話題すり替え論法】
 そのままズバリ。ある不都合な話題から関心を逸(そ)らす為に他の話題を拵え、こちらの方を喧々諤々することにより本来の話題への関心をなくす話法。これは、本来議論検討せねばならぬ事案があるのに、意図的に他の事案を話題にさせることで、目をそらさせる巧妙な論法である。この論法も案外多用されている。これを見抜くのにもかなりの能力が要求されることになる。

 2007.1.29日 れんだいこ拝

【話題すり替え居直り論法】
 これは、話題すり替え論法に居直りが加わった論法である。この恰好例として「2010年の売文売弁御用評論家の官房機密費着服事件」がある。この問題を採り上げた、「たかじんのそこまで言って委員会」で、ジャーナリストとして売り出し中の上杉隆・氏が、疑惑の人・三宅久之に「あんたは官房機密費を貰いましたか」と質問したところ、三宅は次のように答えている。「あのね、記者とかね我々評論家のように自由業として混同してもらったら困るんですよ。記者はビタ一文だって貰ってはいけませんよ。会社から給料もらってるんだから。 評論家っていうのは、色んな不特定な事で稼いでいるわけですよ。 講演もしますよ。講演して謝礼貰って悪いですか」。

 問われているのが、「官房機密費を貰いましたか」であるのに、答えが「講演して謝礼貰って悪いですか」。当人は、これをケロッとして云う。これを「話題すり替え居直り論法」と云う。

 2010.05.17日 れんだいこ拝

 ドッジボール論法

【相互責任転嫁論法】
 饒舌はするが、責任を取る段階になると相手に丸投げし、投げられた方が同様に投げ返し、責任の所在が不明のまま饒舌が続く論法を云う。

 2022.01.28日 れんだいこ拝

 問答無用論法

【却下論法】
 これは、議論に値しないとして頭から却下して否定する論法を云う。議論を好まず専ら罵倒する悪質論法である。

 2010.09.19日 れんだいこ拝

【罵詈雑言論法】
 これは、議論の内容に関してではなく、議論の相手のプライバシーやゴシップを持ち出し貶め、或いは品性・人格批判を専らとし、或いは罵詈造言でもって議論の内容そのものを問答無用にさせる論法を云う。

 2010.09.19日 れんだいこ拝

 脅し論法

【脅迫論法】
 「脅迫論法」。

【威圧論法】
 「威圧論法」。

【恫喝論法】
 「恫喝論法」。

【権威利用術】
 「権威利用術」。これは、学識者や皇室の発言を披瀝し、その権威により同調をせかし、その威力でひれ伏せさせ、素人は黙れ式にドウカツする論法を云う。

【司直駆け込み論法】
 これは、司直駆け込み、告訴するぞと脅すことで、議論の相手方を沈黙させようとする論法である。

 2010.09.19日 れんだいこ拝

【告訴論法】
 これは、司直駆け込み、告訴するぞと脅すことで、議論の相手方を沈黙させようとする論法である。

 2010.09.19日 れんだいこ拝

【同情論法】
 「同情論法」。

 2010.09.19日 れんだいこ拝

【同情論法】 
 「刷りこみ」によりマインドコントロール、洗脳せんとする論法。商法では悪徳商法と云うので悪徳言論と云うべきか。

【マインドコントロール】
 「マインドコントロール」。これは、。

【刷りこみ洗脳論法】
 「刷りこみ洗脳論法」。これは、。

【トリック術】
 「トリック術」とは、ニュースなど客観情報を伝える下りで意図的故意に主観的な考えや見立てを挿入し、主観的な考えや見立てまで客観情報化させる報道の仕方を云う。最近のマスコミメディアがこれを使う。各社とも一斉に同様見解をプロパガンダするので「一定の見解」が醸成され、これが世論として「正義」が押し付けられる。

【バカの一つ覚え論法】
 「バカの一つ覚え論法」。これは、同じ論拠の同じ見方の主観的見解を一点こだわり的に幾万回繰り返すことで、あたかもそれが常識、通説、真実であるかのように思わせる話法を云う。これも、最近のマスコミメディアがよく使う手である。

【レッテル烙印論法】
 「レッテル烙印論法」。これは、論の是非の前に烙印を押すことで論者に対する信用を毀損させ、論者の主張を論以前に落し込める論法を云う。

 調教論法
 話法ではないが、調教によって意識を取り込み、その者の論旨を操作する方法がある。

【説教強盗論法】
 説教強盗論法とは、強盗が、侵入した先で被害者に「戸締まりがいいかげんだ」、「泥棒よけに犬を飼いなさい」などと説教する論理論法を云う。元祖は大正末から昭和初めに東京で強盗をはたらいた妻木松吉で、「説教強盗」の命名は、この強盗犯に対して朝日新聞記者が命名したもの。この論法自体は悪質かどうかは分からない。悪質なのは愚弄説教論法である。愚弄説教論法とは、死者ないしは被害者に対し、その死ないしは傷害に対し愚弄罵倒する論法を云う。「死者に鞭打ち論法」とも云う。

【愚弄説教論法】

 逆恨み論法

 【逆恨み論法】 
 本来は恩を感じて感謝せねばならないところ、何がしかの欠陥や瑕疵を持ち出し、責任を問い詰める論法を云う。

 誘導論法

 【誘導論法】  
 あらかじめ敷いた結論に導くよう都合の良い情報、推理を流し誘導する論法を云う。

 【虚実混じり誘導論法】  
 あらかじめ敷いた結論に導くよう虚実混じりの情報、推理を流し誘導する論法を云う。

帳消し話法

【話題すり替え相殺帳消し中和話法】
 性悪論法の一つに話題すり替え相殺帳消し話法がある。これは、意図的故意に他のことを持ち出して喧伝することにより、案件の真相を隠蔽する話法である。例えば、「広島への原爆投下を批判された時は、真っ向から反論せずに、日本の悪行に平行して言及して批判を中和せよ」。これは1948.3.3日に発行されたCIE文書に書かれている。

【転嫁帳消し術】
 性悪論法の一つに転嫁帳消し術話法がある。これは、意図的故意に真相の逆を喧伝することにより真相を隠蔽する話法である。例えば、福島原発事故の諸影響を隠蔽する為に真相情報をデマと喧伝したり、真相と真逆の虚偽情報を喧伝する話法、論法を云う。

 小細工論法

【やらせ論法】
 批判され易い幼稚な批判を先行させ、それを叩くことでより優位に立とうとする論法である。これもかなり多用されている。

【喧嘩両成敗論法】
 問題の決着をつけるべきところ、これを曖昧にし、幕引き的に当事者の双方を裁くことで一件落着させる論法。「喧嘩両成敗」が正しい場合と、片方が明らかに悪いのに「喧嘩両成敗」されてしまう場合がある。往々にして逆に処理されるケースが多い。

【どっちもどっち堂々巡り論法論法】
 世には、「どっちもどっち」の場合と、「どっちかが悪い」場合の二通りある。往々にして、「どっちかが悪い」場合に「どっちもどっち」と云い、「どっちもどっち」の場合に「どっちかが悪い」としてしまう傾向がある。

【多数派論証論法】
 「多数派論証論」とは、前言で多数派の見解を披瀝し、同調をせかす論法を云う。

【巻き添え論法】
 その他、「巻き添え論」がある。これは、Aは蓋然性が高いところBはそうでないのにAとBを同じ結論に導く論法を云う。この論法も案外多用されている。

【蚤のサーカス調教論

 「蚤のサーカス理論」による洗脳的躾によって従順にさせる方法もある。「蚤のサーカス理論」とは、蚤に芸をさせるのに、蚤を小さな球の中に閉じ込め調教する方法である。蚤は最初は跳躍するがたちまち球の壁面で体を打付け、何度も繰り返すうちに次第に無駄なことだと判り遂には跳躍しなくなる。この訓練を終えてから蚤を球から取り出して調教する。この調教を「蚤のサーカス」と云う。この理論を人間に適用すれば、抵抗する者を何度も痛い目に合わせ、云う事を聞けば利益があることを教えることになる。これを見て、痛い目に遭わないものも真似をするようになる。政治に例えれば、「政界の常識」なるものを叩き込み、その常識に従わない者は異端者として排除し、従う者を出世登用させる方法になる。


 加工論法
 上記の論法以外に、「低質値情報報道、良質値情報無報道論法」なるものが考えられる。これを仮に簡単に「加工論法」と命名しておく。日々生起する万余の情報の中から、わざわざ価値が低いものを選び出し洪水の如く報道し、逆に報道せねばならないものを意図的故意に報道しない論法を云う。例えば、重要な選挙戦に於いて、その選挙期間中を意図的故意に無報道化させ、「望み通りの結果を引き出し」、選挙が終わると一斉に大報道化させ大騒ぎするのがこれに値するであろう。

 2014.2.12日 れんだいこ拝

 早とちり型論法
  そのままズバリ。

 2014.2.12日 れんだいこ拝

 為にする批判論法
  そのままズバリ。

 2014.2.12日 れんだいこ拝

 風評被害論法
 事実であっても、その事実を伝えることによる損失発生を考慮し、事実を隠蔽するのが筋とする論法。これが定向進化し始めると際限がなくなり、結局は権力者にのみ有利な役割を果たすことになる。

【最強の変則論争術(一)】
(だれも勝てない最強の論争術があった 投稿者:我乱堂  投稿日: 5月27日)
 次のような投稿が為されていたので転載する。
 ある論点を突かれたら、すぐ転進して、別の話題を持ち出すこと。アジの話をしているのかと思うといつの間にかクジラの話になり、それがタコの話になってしまう。相手はレレレのオジサン状態になるのは必定。
 当人として、何が問題になり何が論点なのか、気にしないというかわからん状態で議論すること。そもそも論点などない状態で議論すると相手は混乱状態に陥る。これぞ、究極の強みとなる。
 時々、人がぶっ飛びそうな、丸山真男の古層はてめえの腹のなかにたまった宿便だ、というようなウルトラな知ったかぶりをまぜることも効果的。相手は目を白黒させて鳩に豆鉄砲となる。
 愛用の辞書には、一般論しか載せないこと。とくに陳腐であればあるほど、一般的であればあるほど効果的。それをただ念仏のように繰り返すこと。例えば、学校に行かない者や障害者が本をかいてはいけないと言うのか、を事実や状況からきりはなして繰り返すこと、お前は差別者だなどという言い切りも交える。この一般論は、事実とか検証とかの外界の空気にふれさせてはならない。瞬間にぼろぼろと崩れてしまうから注意が必要。

 以上が、良心の痛みを感じないでできるようになったら、あの人に認定証をもらいに行くこと。


【最強の変則論争術(二)】
(「犬ははたして哺乳類か」という議論 Bokujin@管理人 [URL]  2003/05/04)
 「以下、2ちゃんねる で見つけたやつです(「詭弁の特徴のガイドライン」)。あまりにも面白かったので全文引用」として転載されたものを、れんだいこがアレンジした。以下のような論法が現実に罷り通っているので、実践論理学に精通しておく必要があろう。
 「犬ははたして哺乳類か」という設題で議論をしている場合。あなたが「犬は哺乳類としての条件を満たしている」と言ったのに対して否定論者が…
仮定論法  事実に対して仮定を持ち出す。
 「犬は子供を産むが、もし卵を生む犬がいたらどうだろうか?」。
特殊反例論法  ごくまれな反例をとりあげる。
 「だが、尻尾が2本ある犬が生まれることもある」。
保証論法  自分に有利な将来結論を予想する。
 「何年か後、犬に羽が生えないという保証は誰にもできない」。
主観論法  主観で決めつける。
 「犬自身が哺乳類であることを望むわけがない」。
世評、権威論法  資料を示さず自論が支持されていると思わせる。
 「世界では、犬は哺乳類ではないという見方が一般的だ」。
突飛話し論法  一見関係ありそうで関係ない話を始める。
 「ところで、カモノハシは卵を産むのを知っているか?」。
陰謀説論法  陰謀であると力説する。
 「それは、犬を哺乳類と認めると都合の良いアメリカが画策した陰謀だ」。
罵詈雑言論法  知能障害を起こす。
 「何、犬ごときにマジになってやんの、バーカバーカ」。
人格批判論法  自分の見解を述べずに人格批判をする。
 「犬が哺乳類なんて言う奴は、社会に出てない証拠。現実をみてみろよ」。
10 混迷モード論法  ありえない解決策を図る。
 「犬が卵を産めるようになれば良いってことでしょ」。
11 レッテル貼り論法  レッテル貼りをする。
 「犬が哺乳類だなんて過去の概念にしがみつく右翼はイタイね」。
12 蒸し返し論法  決着した話を経緯を無視して蒸し返す。
 「ところで、犬がどうやったら哺乳類の条件をみたすんだ?」。
13 決着済み論法  決着済み宣言をする。
 「犬が哺乳類だという論はすでに何年も前に論破されてる事なのだが」。
14 上から目線論法  細かい部分のミスを指摘し相手を無知と認識させる。
 「犬って言っても大型犬から小型犬までいる。もっと勉強しろよ」。
15 新珍説論法  新しい概念が全て正しいのだとミスリードする。
 「犬が哺乳類ではないと認めない限り生物学に進歩はない」。
16 証明不可能論法  証明不可能を理由に結論を捻じ曲げる。
 「全ての犬が哺乳類としての条件を満たしているか検査するのは不可能だ(だから、哺乳類ではない)」
17 玉虫色論法  前段肯定、後段否定の玉虫色化。
 「確かに犬は哺乳類と言えるかもしれない、しかしだからといって、哺乳類としての条件を全て持っているというのは早計に過ぎないか」
18  話そらすな論法  自分で話をずらしておいて、「話をずらすな」と相手を批難する。
 「現在問題なのは犬の広義の非哺乳類性であり、哺乳類であるかどうかは問題ではない。話をそらすな」
19 素人は黙っとれ論法
 権威主義におちいって話を聞かなくなる。 
 「生物学の権威じゃないおまえには犬について議論する資格がない。生物学者に意見を聞きたい」

【「政治宣伝のための7つの法則」】
 「政治宣伝のための8つの法則」
 第二次大戦中、米国の宣伝分析研究所が情報操作の研究を行った結果編み出した、政治宣伝のための8つの法則
 ラベリング中傷  攻撃対象に対しマイナスのレッテルを貼る(ラベリング)ことで憎悪や恐怖の感情に訴える。
 メディアやネットによって繰り返し流されるステレオタイプ情報により、情報受信者は徐々に対象に憎悪を深めていく。
フレーズ正義による正当化  例えば「民主主義」、「民主集中制」など文句のつけようのない、つけずらく信奉し易いご神体文句を持ち出して自分たちの行為を正当化したり共感を煽り立てる。
権威利用  権威や威光を用いて自分たちの意見や目的や方法を正当化する、あるいは正しく見せかける。
証言利用  権威ある人物の証言を使って自分たちの意見や目的や方法が正しいことを後援させる。
同族意識醸成一体感化  情報発信者が受信者と同じ立場、境遇であることを強調し、安心や共感や親近感、一体感を引き出す。
カードスタッキング  都合のいい事柄を強調し、都合が悪い事柄を矮小化したり隠蔽したりする。
バンドワゴン  大きな楽隊が目を惹くように、その事柄が、世の中の趨勢であるかのように宣伝する。情報受信者は、それに従わないことにより取り残される情緒的不安を覚え、結局はその「楽隊」に同調していくことになる。




(私論.私見)