論理学発展の歴史
 論理学の発展の歴史は次の通りである。ソフィストの弁論術から生まれた論理学が古代ギリシャ哲学を鍛え、そうした伝統の中からアリストテレスが形式論理学を完成させている。このとき以来、論理学は明晰で論理的な思考に基づいて成立する学問となった。「三段論法を基礎においた西洋論理学」はここより発する。以降、キリスト教教義との交流を経て近代合理主義の原理と結合し、現代に至っている。

 追記すれば、西欧にはソフィスト的弁論術と並んでデークラーマーティオ(declamatio)と云われるディベート術というのもあったようである。かのローマの時代青年たちは修辞弁論術(レトリック)を鍛え、大広場での政治弁論と査問所での法廷弁論に役立たせた。説得、論駁、箴言・警句の効果的引用等々の弁論術の稽古にいそしんだ。

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世紀の記号論理学。「ラッセルのパラドックス」や「ゲーデルの不完全性定理」は、数学基礎論を推し進め、人間の論理的思考力の可能性と限界を示した業績である。




(私論.私見)