括弧の使い分け考 |
更新日/2006.9.1日
【括弧の使い分け考】 | ||||||||
先に「句読点(、)考、終わり点(。)、コンマ(,)考」で、句読点(、)の代わりに「,」(コンマ)、終わり点(。)の代わりに「.」(ピリオド)を用いる傾向を批判したが、括弧の使い方にも同様のナンセンスがはびこっている。これを確認しておく。特に学術論文系で流行っているのがお笑いであるが、その魂胆たるや、論の中身のお粗末さを隠す煙幕のような役割をさせているのだろうと思われる。括弧の乱用は学術文らしさの偽装であり、この連中は長大饒舌文を得意とする他にこういうところでも馬脚を表わしている。 括弧には次のような種類がある。「」、『』、“”、()、【】、<>等々。これらの使い分けについて、れんだいこは次のように理解している。
問題は、引用文を明示する時の「」と『』の使い分けである。「」と『』のどちらを先に使うのかで乱れが見られている。つまり、引用文の中に発言文とか更に引用文を挿入する場合に於いて、第一次括弧をどちらにするのかという問題であるが、れんだいこの見るところまちまちである。そこで、次のように提言したい。第一次括弧を「」、第二次括弧を『』にすべし。その理由は、そうした方が読みやすいからである。理屈で考えて見ても、そもそも「」で始まり、更に「」が必要となった場合には『』で区別するというのが素直ではなかろうか。あくまで常態は「」であろう。 時に、第三次括弧をせねばならないことがある。これをどう解決すべきか。れんだいこは、第三次括弧を使わねばならないような引用の仕方は極力避けるべきと思う。やむを得ない時に“”を第三次括弧として使う。これについては確固たる見解を持たないが、そのように処理している。 次に、「括弧に纏わる終わり点(。)問題」がある。括弧で引用した文の末尾に終わり点(。)を付すべきか否かという問題である。これもまちまちである。しかし、これも日本文の乱れに繋がるから、次のように提言したい。括弧内の引用文の終わり点は付す必要がない。その理由は、括弧そのものが引用文を識別させている訳だから更に識別を付す必要はない。その理由は、そうした方が読みやすいからであるということに尽きる。 但し、引用文明示という趣旨では終わり点(。)を付した方がよりはっきりする。問題は、文体の美しさとの兼ね合いになっている。はっきりさせた方が良いのか美しさをとるのかということになる。れんだいこは、美しさに拘り、付す必要はないと考える。たかが以上のことであるが、それなりに解決しておかねばならぬと考え提起した。 ()は、出典元明示、補足説明文、読み仮名の際に使われる。つまり、三通りの使い方がある。【】は、見出し文囲いとして使われる。「見出し文囲い」には【】以外にも考えられるが、れんだいこは、【】をそのように使っている。<>は、注意文の際に使われる。れんだいこは、滅多に使わない。 2005.3.27日、2006.9.1日再編集 れんだいこ拝 |
(私論.私見)