句読点(、)考、終わり点(。)、コンマ(,)考

 更新日/2019(平成31).3.18日

【段落替え、終わり点、句読点について】

 文章作成上、句読点の打ち方に神経を使う。これを習おうと思っても適切なガイドが見当たらない。そこで、れんだいこが「句読点考、終わり点考」サイトを設け考察する。ネットで検索で出くわした「読点(、)はどこに打つか?句読点の使い方2」日本語の句読点は何を使う?句読点の打ち方、「くぎり符号の正しい使い方」その他を参照する。

 一般に文法では、複数文章の仕切り(仮に、これを「ケジメ」と云う)を段落替え(行替えとも云う)で行う。段落替え前段階での複数文章間の仕切りを、終わり点「。」(まる)を使って行う。終わり点「。」は一文の終わりに打たれるもので、これによって一文が完結する。完結前段階での一文間の仕切りは、句読点(くとうてん)「、」(てん)を使って行う。故に、終わり点「。」と句読点「、」を「区切り符号」とも云う。

 句読点「、」の使い方は、使用規則がはっきりしていない。故に、国文法上の混乱が発生している。句読点「、」使用の基準について次のように述べられている。

 「、」つまり「テン」の打ち方は非常に重要だ。しかし、それは他の記号以上に「ルールなき世界」でもある。「こうでなければならない」とは誰もいえない。しかし、「こうした方がいいかな」ということは(曖昧だが)いえるかもしれない。そして、この読点の打ち方を見れば、その人が人に見せる文章を書ける人なのか、あまり上手でないのかが大体わかるものである。下手すると「テンで話にならない」場合もあるのだから怖い話だ。

 つまり、句読点の打ち方はある程度自由で、これといった決まりはないらしいということになる。句読点は、「書き手が、文が読みやすくなるように考えて打つもの」という公理があるぐらいで、書き手の文章能力に依存している。即ち、「自由・自主・自律」基準で打って良し、打たずに良しに任されているのが句読点ということになる。

  句読点が、日本語文法に何時ごろ定着したのか分からない。縦書きの筆書き時代に、自然発生的に生まれたものと想像される。終わり点「。」は、西洋文字文法ではこれに相当するものが「.」(ピリオド)であり、同様の趣旨で用いられている。それに比して、西欧のアルファベット文にも、漢語、モンゴル語、朝鮮語にも句読点を打つ習慣がない。つまり、句読点に該当するものがない。句読点が文章読解上読みやすくする効能を持っていることを思えば、国文法が獲得した日本語の秀逸さを証する良質作法であることを踏まえ、この発明はもっと尊重されるべきであろう。

 しかしながら近時、公用文縦書きに、「、」の代わりに「,」(コンマ)、「。」の代わりに「.」(ピリオド)を用いる傾向がある。しかも省庁によって基準がマチマチとなっている。そのように指導され始めた根拠が分からないが、いずれにせよ邪道であろう。新聞,マスコミ等が基本的に「、」、「。」を採用しているが、この方が正解だろう。

【れんだいこの実践句読点法】
 以下、れんだいこなりの句読点の打ち方考を書き付ける。次のように云えるのではなかろうか。その眼目は、「自由・自主・自律」基準に任されているものの、文章の交通を円滑にする為にどう工夫するのか、ひいては良文条件をどうやって満たすのか、というところにある。
 句読点は呼吸点と心得よ。
 句読点は、文章の書き手、受け手の読み書き呼吸に関係している。つまり、「句読点とは呼吸点である」と云える。これはれんだいこの指摘する秀逸な観点である。従って、短い文には句読点を打つ必要がない。一息で読み取ることができるからである。例えば、「これは鉛筆です」とか「動物園にパンダがいます」という短い文には句読点を打たない。
 句読点は、長文仕切りの円滑材である。
 逆に云うと、長文に句読点が発生するということになる。これは、どこに呼吸点を打つかの問題と考えたらよい。この呼吸点は、息の継ぎ目の場合と文意の継ぎ目の二通りからなる。息の継ぎ目が文意の継ぎ目になるように書くのも工夫である。
 短い継ぎ目の句読点としての接続詞の後の句読点
 息の継ぎ目には、短い継ぎ目と長い継ぎ目がある。短い継ぎ目は、「接続詞の後」が該当する。「しかし」、「だから」、「つまり」、「さて」、「以上のように」、「それを基本として」などが事例である。「接続詞の後」に句読点を打ち、短く息を切り繋ぐのが分かりやすい。但し、句読点を打つ打たないは自由である。
 短い継ぎ目の句読点としての接続助詞の後の句読点
 同様の原理で、「助詞の後」に使われる場合がある。「使われる場合がある」とは当然、「使われない場合もある」ということを意味する。実際にどのように使い分けするかは書き手の采配による。具体的には、「のに」、「ので」、「たら」、「から」などの「接続助詞の後」には使われることが多い。「は」、「も」、「こそ」、「さえ」などの後にも使われることが多い。「が」、「を」、「に」、「で」などの場合、「その助詞の前に名詞句(節)がある時」は、打ったほうが読みやすくなる為使われることが多い。「に」、「で」が、場所や時間を表す場合も、読点を打ったほうが読みやすくなることが多い為使われる。それに対して、助詞「と」、「や」、「の」など名詞と名詞をつないでいる場合には使われないことが多い。

 「と」の場合の具体例を挙げてみる。前後のどっちに句読点を打つべきか、という問題がある。
 あなたは私の指先見つめ、悲しいかいと、聞いたのよ。
 あなたは私の指先見つめ、悲しいかい、と聞いたのよ。
 あなたは私の指先見つめ、「悲しいかい」と聞いたのよ。

 この3用法はいずれも使われており、どの使い方が良くてあるいは間違いというのではない。この辺りがややこしい。れんだいこは、Aは使わず、B又はCに従う。

 連続動詞や形容詞を区切るための句読点
 いくつかの動詞や形容詞の連用形が続くときは、句読点を打つことが多い。具体例を挙げてみる。但し、「て」、「で」で続くときは読点を入れなくてもよい。
 しゃがみかたまり背を向ける。走り出し逃げ込んだ。
 しゃがみ、かたまり、背を向ける。走り出し、逃げ込んだ。
 しゃがんでかたまって背を向ける。走り出して逃げ込んだ。
 しゃがんでかたまり、背を向ける。走り出して、逃げ込んだ。

 この4用法はいずれも使われており、どの使い方が良くてあるいは間違いというのではない。この辺りがややこしい。
 文意の継ぎ目の句読点
 文意の継ぎ目の句読点というのもある。文意の継ぎ目とは、文意が一括りできる範囲の継ぎ目という意味であり、次の文意との境目を句読点で識別する。これは、書き手の論理的な思考能力に関係している。どこからどこまでがひとまとまりであるかの識別は、書き手が判断しながら為すことであるが、句読点の打ち方の間違いは文章を読みにくくする。必要なところに句読点を打っていない場合も同様である。
 直前の文意を際立たせる為の句読点
 直前の文意を際立たせるために、敢えて句読点が使われる場合もある。これは趣向の問題である。
 直前の文章が引用であることを知らせるための句読点
 引用文を「」明示せず、地文に書き込み、それが引用文であることを識別する為に句読点が使われる場合もある。「、と云われている」などの文章を接続させて判示する。この使い方も趣向の問題である。
 直前の文章の文意に対して、続いて何らかの判断を為すための句読点
 それまでの文意に対して、続いて、何らかの判断基準を為すために敢えて句読点を使う場合もある。
10  日付け句読点
 日付けの後は原則として句読点で仕切ったほうが分かりやすい。というのは、曜日の「日」と例えば「日本」の「日」が重なる場合にややこしくなるからである。事例として次のように記す。「2006.9.1日、日本」。
11  読み間違い防止句読点
 日付け句読点同様の、読みにくい箇所の読み間違いを防ぐ為の句読点使いもある。そのうち格好例を書きつけることにする。
12  短語文意強調句読点
 「直前の文意を際立たせる為の句読点」に包摂されるが、短語であっても文意が単独に成り立っている場合に、後の文意と仕切ることにより文意を強調する為の句読点である。
13  「」と「」の間の句読点
 「」文を連続させる場合、「」間の仕切りに句読点を打つ必要があるのかないのか、という問題がある。通常用法は句読点を打たない。然しながら、元々句読点は読みやすくする意味を持って使用されているのだから、れんだいこは、「」間の仕切りには句読点を打つべきだと思う。
14  「・」(中黒点・ マルコンマ)との使われ方との相異と類似
 句読点用例をもう一つ記しておく。句読点とよく似たものに「・」(中黒点・マルコンマ)がある。「・」は、文意上連続しているが、前後のそれぞれを識別する際に使われる。この「・」を句読点「、」で代替することもある。良し悪しは分からないが、「・」を使いたくない場合、「、」で代替しても大過ない場合の便法で使用されるように思われる。
15
 
 2005.3.24日 れんだいこ拝

【れんだいこの「・」(中黒点・ マルコンマ)の使用法】
 れんだいこは、中黒点(・)( マルコンマ)を次のように使う。その1は、同じ範疇のものを並列で書き付ける場合の仕切りに使う。例えば、「政治・経済・文化」というように。あるいは、「東京・名古屋・大阪」というように。その2は、これはれんだいこ文法特有であるが、下の名前が一文字の人名に氏をつける場合に於いて、一文字の人名であることを明確にするために場合に中黒点(・)を使う。例えば、「太田龍・氏」と記すように。あるいは、人名の末尾が氏である場合に氏が重ならないように、中黒点(・)を使う。例えば、「足利尊氏・氏」と記すように。
 
2006.9.10日 れんだいこ拝

【れんだいこの「/」(スラッシュ)の使用法】
 れんだいこは、中黒点(・)( マルコンマ)の代用として「/」(スラッシュ)を使い始めた。これは、中黒点(・)( マルコンマ)が似合う場合にはそれを、「/」(スラッシュ)がより似合う場合にはそれを、と云う具合に区別している。例えば、中黒点(・)( マルコンマ)は「政治・経済・文化」、「東京・名古屋・大阪」というように使うのが良い。「/」(スラッシュ)は「**株式会社代表取締役/****」等の場合に使う。例えば、名前が役所**で市役所に勤めている方の名刺の場合、「**市役所/役所**」のように使う。
 
2016.01.11日 れんだいこ拝





(私論.私見)