れんだいこ処女作「検証学生運動 戦後史の中の学生反乱」感想記

 (最新見直し2010.05.29日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 今日ふと、れんだいこ処女作「検証学生運動 戦後史の中の学生反乱」の感想記をサイトアップしておこうと思った。そこで本サイトを設ける。

 2009.10.21日 れんだいこ拝


【周さんのコメント】
 2009..4.13日付けの「周の掲示板の」の管理人周さんからのレスです。
 「周の掲示板にれんだいこさんからの書込み」へのコメント

 この本がここに画像をあげたものです。私は昨日アマゾンで注文しました。明日あたり着くんじゃないかな?
 それで、以下読みますと、以下のように書いてあります。

 あの日不思議なことに次のような思い出があります。れんだいこは高校三年生でしたがたまたま遅刻し、教員室へ遅刻届を提出しに行ったところ、授業開始ブザーが鳴っていたにも拘らず数名の教師が釘付けでテレビを食い入るように見ておりました。物分かりが良いというか、れんだいこを見て、「おおっ**君、君もどうぞ」と誘ってくれ、暫くの間一緒に見続けた記憶があります。それほど先生方にも関心の強かった事件であったと云うことと、今日では信じられない情味のある教師たちが居たと云うエピソードと共に蘇って参ります。

 れんだいこさんは、私より2歳年下なのですね。私はちょうど大学2年で、このときのテレビの画面の安田講堂のほうにいたわけです。

 私がいましたのが、ここにれんだいこさんの本の画像を載せましたが、ちょうど赤の矢印の先のあたりにいつもいました。この画像は69年1月18日ですね。19日は、もう放水ばかりで、こんな景色にはならなかったのではないかな。あとヘリコプターは、18日にはけっこうやってきて、催涙液をふんだんに撒きました。あの液は怖かったですね。

 ただ18日には、そのヘリコプター目がけて盛んにパチンコを打ちましたから、もう19日には来なくなりましたね。たぶん、ヘリコプターには、けっこう当たったのではなかな。

 しかし、思えば、この東大安田講堂のことは、いつまでも記憶されますね。私は、この安田講堂での逮捕起訴勾留のあと、保釈になって、また69年末にも別な件で逮捕起訴勾留されたのですが、そこでもこの安田講堂のことはいつも話題になりました。いえ、その後就職しても、何にしても話になりましてたね。私が自分の思想を語ると、また不思儀なものを目にするような話になったものでした。

 またれんだいこさんの、この本を読みましたら、私の思いを書いてみます。


  2009..4.14日付けの「周の掲示板の」の管理人周さんからのレスです。

 私の「周の掲示板にれんだいこさんからの書込み」に、そのれんだいこさんから、次のコメントをいただきました。

1. Posted by れんだいこ    2009年04月13日 19:44
 周さん、早速のレス有難う。そういえば、周さんがあの時中に居たというブログを読んだことがあるような。軽い気持ちで言ってはいけないのだろうけど、いい体験ですね。れんだいこが当時の渦にいたら、同じように志願したのではないでせうか。その後レッテルが付いて周り大変であったとしても。

 それはともかく、皆様方の批評を肥やしに続編のエネルギーにしたいと思います。文章をスッキリさせる為に推敲中です。ぜひ忌憚のないご意見聞かせてください。

 ありがとうございます。そうですね。私があのとき東大闘争の安田講堂にいたということは、もう私の生涯において、いわば仕方のない必然だったようなことですが、もうあれから40年が過ぎているのですね。(と書いているうちに、このれんだいこさんの本がアマゾンから届きました)。

 でも今ではこうして、本に限らずいろいろなものをインターネットで注文し、届けてもらうようになりましたね。もう私は随分前から、パソコン関連もそうですが、今では、日常の食品等々もそうなりましたね。もうこれのほうが確実で面倒がないのです。


【戸田さんのコメント】
 2009.4.18日付けの戸田元門真市会議員の戸田さんからのレスです。
 注目!れんだいこ氏の「検証 学生運動−戦後史の中の学生反乱」が発刊された
 戸田の敬愛する「れんだいこ」さんが凄い本を発刊したので、れんさんの宣伝文書を紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――――
 ここに謹んでれんだいこ初著作をお知らせさせていただきます。れんだいこはこたび「検証 学生運動−戦後史の中の学生反乱」(社会批評社、2009.2.25日初版)を発刊致しました。
 社会批評社の小西さんの推薦の辞と思われますが、「紹介」欄には次のように記されております。
    *********************
 「戦後社会を揺るがした学生運動は、なぜ崩壊したのか? その歴史と実態を概括する。東大闘争―全共闘運動から40年の現在、すべての青年学生に贈る本」。

 「著者プロフィール」で次のように紹介されております。

 1950年生まれ。1970(昭和45)年、早大法学部入学、1975(昭和50)年卒。1999(平成11)年頃、インターネット界に登場。現在「人生学院」(jinsei/)というWebサイトを「れんだいこ」のハンドルネームで運営し、政治・宗教・思想・歴史・経済問題を評論発信。ネット上にたすけあい党を結成し、情宣活動中。

 れんだいこは、版元ドットコムの著書紹介サイト
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-916117-81-%206.html)のブログに投稿し、次のように著者挨拶しております。

 「皆様はじめまして。本書はれんだいこの処女作です。何を初作としようかと思っておりましたが、学生運動論が手始めになりました。 れんだいこが30年来温めていた疑問を解いてみました。本書で学生運動の流れが分かると思います。これをどう見立てるかは各人の自由ですが、れんだいこなりのコメントを附しております。既成の観点とは大きく違っておりますが、この新視点こそが正解と自負しております。読後の議論をよろしくお願いします」。

 どうぞ忌憚なくお読み賜り、ご意見感想をお寄せくだされば本望です。文中に織り交ぜたれんだいこ観点に対する批判も含め、掲示板辺りで議論が沸騰すればなお本望です。口コミ、引用転載よろしくお願い申し上げます。

 版元の社会批評社の小西社長は次のようなコメントを添えてくれております。

 「今年は東大闘争40周年ということで、報道も活発になっているようです。この時期に合わせて、この学生運動史の検証が出されました。活発な議論を期待したいところです」。

 云われてみれば、今年は奇しくも東大闘争の最終決戦となった安田砦攻防戦40周年になりますね。れんだいこは特段意識しておりませんでしたが、記念すべき周年に発刊できることになりました。

 あの日不思議なことに次のような思い出があります。れんだいこは高校三年生でしたがたまたま遅刻し、教員室へ遅刻届を提出しに行ったところ、授業開始ブザーが鳴っていたにも拘らず数名の教師が釘付けでテレビを食い入るように見ておりました。物分かりが良いというか、れんだいこを見て、「おおっ**君、君もどうぞ」と誘ってくれ、暫くの間一緒に見続けた記憶があります。それほど先生方にも関心の強かった事件であったと云うことと、今日では信じられない情味のある教師たちが居たと云うエピソードと共に蘇って参ります。

 本書の特徴は、戦後学生運動史を総合俯瞰的に叙述したところに意味があります。総合俯瞰的にとは、右派からも左派からも、日共系からも反日共系からも読めるようにしたということです。加えて、適宜に著者見解を附しました。関係者には不興覚悟でかなり大胆に云いたいことを歯に衣着せず述べております。

 これまでの学生運動論は、日共系は日共系からの新左翼系は新左翼系の「俺のところが一番正しい論」からの自画自賛的なものになっていたきらいがありますが、本書は客観評価に努めました。これはかなり高度で難しい作業なのですが、為し得たと自負しております。そういう意味で異色にして待望の学生運動論になっております。この辺りをご堪能くだされば幸甚です。

 もう一つ、学生運動がこれまで信奉してきたマルクス主義の相対化をしてみました。特に、現代世界を牛耳る国際金融資本帝国主義及びそのイデオロギーとしてのネオシオニズム問題を採り上げました。そういう意味で従来にない視点からの考察になっております。もう一つ、穏和系に対する日共の宮顕、急進系に対する革マル派の黒寛を戦後左派運動の撲滅請負人として位置づけ、悪事を確認しております。これも従来にない視点からの考察になっております。

 れんだいこが敢えてこれらの諸問題を記したのは、通り一編なものを市井に提供してみても意味がないと云う思いと、左派運動がこれらの諸問題を確認し対処する能力を獲得しない限り積み木崩しになるとする分別があるからです。

 従来、これらの問題を明確に打ち出す学生運動論はありませんでした。それは無難ではありますが焦点をぼかしており、れんだいこの性に合わないと考え、敢えて書き込みました。この辺りをご堪能くだされば幸甚です。

 出版社から逸早く出来上がった著作が送られ、これを手にした時、感無量のものがありました。インターネット上で読むのとは叉違う味わいがありました。早速持ち帰り、その日と翌日にかけて風呂でもトイレでも寝床でも読み進めました。著者の自分が読んでみて結構面白いなと云う思いがしました。それと、やはりブックに
はブックの良さがありますね。持ち歩きに便利です。

 本書は、2.22日頃より書店に出回りました。販売開始より現在まで既に二ヶ月なろうとしております。それなりの反響を戴いております。四、五名の方からメールをいただいております。爆発的な売れ行きではないようですが、ネット上ではかなりのアクセスをいただいているようです。売れ行きもほぼ順調なようです。但し、残念ですが爆発的では有りません。

 内容が内容だけに商業新聞の書評欄で採り上げられることはあるまいと見立て、事実その通りになっておりますが、今後に於ける学生運動論の際に手引きとなるロングセラー本の地位を獲得し得たと思っております。これは著書宛メールで戴いた書評ですので、れんだいこの勝手な思い込みではありません。それぐらいの解析はしていると自負しております。若い方からは、戦後史の流れが良く分かりました、凄いという反響が寄せられております。

 本書は学生運動論として書き上げておりますが、同時に戦後政治史論にも使えるようになっております。現下の政治局面を評する際の観点基軸として、本書が役立つことも申し添えておきます。まだお読みでない方はぜひ手にしてみてください。れんだいこ観点に同意できなくても、叩き台として思案を深めるのに好著なものになっていると思います。

 一言申し添えておきます。書かなくても良いことではありますが、れんだいこの性分が邪魔して告発しておきます。本書は、左派圏界隈で即日話題になるべき良書ですが、これまでのところ皆目音無しです。これは何を物語っているのでせうか。れんだいこが自惚れで自薦し過ぎている場合が考えられます。もう一つは、それほどまでに日本左派運動がイジケている場合が考えられます。これに関しては、読者の判断に任せます。

 れんだいこは、本書を皮切りに続々公刊して行く予定です。角栄物語り、中山みき物語り等々のど元まで競りあがっているテーマが目白押しになっております。それらが全て人民大衆の利益になるよう願っております。

 れんだいこの生有る限り健筆を振るい、余生を日本の歴史にひいては世界の歴史に何がしかのお役に立ちたいと考えております。れんだいこ本が皆様方の書棚に納まり、置いておくだけで知となり友となって光芒を放つことを期待しております。今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

 只今より宣伝戦を開始いたします。口コミ、転載宜しくお願い申し上げます。当時の活動家、現在の学生の皆様、賛意なり批判なり議論を開始して下さい。まずは政治不況を糺さねばなりません。では。

 人生学院2
 (jinsei/
<http://438.teacup.com/shomon/bbs?M=JU&JUR=http%3A%2F%2Fwww.marino.ne.jp%2F
%7Erendaico%2Fjinsei%2F
>)

 学生運動論
 (hgakuseiundo/

<http://438.teacup.com/shomon/bbs?M=JU&JUR=http%3A%2F%2Fwww.marino.ne.jp%2F
%7Erendaico%2Fgakuseiundo%2F>)

 「検証 学生運動 戦後史のなかの学生反乱 」
 (http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-916117-81-6.html
<http://438.teacup.com/shomon/bbs?M=JU&JUR=http%3A%2F%2Fwww.hanmoto.com%2Fbd
%2Fisbn978-4-916117-81-6.html>)
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  れんさんの事は、何となく60年安保世代で共産党に入っていたが離党した人、という感じに思ってましたが、70年入学の「遅れてきた世代」だったとは驚きました。それもカクマル支配の早稲田で。

 れんさんの本は非常に注目してますし、今後の出版にも期待してます。また、ネットでの「著作権」問題についての見識は秀逸ですね。こちらもぜひ広まって欲しいものです。

 2009.4.18日付けの戸田元門真市会議員の戸田さんからのレスです。
 ◆4/20にこの本を入手し昨日読了しました。問題提起として画期的な本ですね!
 近所の書店で4/20(月)にこの本を入手し、昨日一気に読了しました。今時間がないので短くしかかけませんが、れんだいこ氏ならではの、余人には書けない分析と問題提起が溢れてますね。

 日帝敗戦の1945年から1980年手前頃までの30数年間の左翼運動を学生運動を切り口に、山ほどある論争や課題・問題をテキパキと腑分け展示し、考察すべき問題をそれぞれ手短に記述した本で、各テーマごとに個人で或いは集団で考察を深める、論議を重ねるのに最適なテキストだと思います。

 ひとつだけ挙げるなら、60年安保ブント全学連の唐牛健太郎と右翼田中清玄との関係(資金援助問題)について、日共からの攻撃にはこう切り返せばよかったのだ、というタンカが面白かった。
 
 れんさんHPである程度は読みましたが、「反日共」左翼も戦後の「徳球の共産党」の事や宮本顕治(ミヤケン)の怪しさについての知識・興味関心がなさすぎる事は、たしかにその通りだと思います。

 れんさんは今後著作を増やしていくとのことですが、ぜひミヤケン問題もその中に含んでもらいたいと期待してます。「左翼運動破壊者としての宮本顕治」を分析して取り上げた本は未だ無く、れんさんに書いてもらうしかありません。

  2009.4.23日、れんだいこは、次のようにレスさせていただいた。
 Re:戸田さんの的確な批評に敬服します。
 戸田さんちわぁ。読了有難う御座います。「論議を重ねるのに最適なテキストだと思います」との評、これを云っていただけたら著者として冥利に尽きます。

> ひとつだけ挙げるなら、60年安保ブント全学連の唐牛健太郎と右翼田中清玄との関係(資金援助問題)について、日共からの攻撃にはこう切り返せばよかったのだ、というタンカが面白かった。

 有難う御座います。こういう感想をブントの皆様から貰いたいふふふ。
 
> れんさんは今後著作を増やしていくとのことですが、ぜひミヤケン問題もその中に含んでもらいたいと期待してます。「左翼運動破壊者としての宮本顕治」を分析して取り上げた本は未だ無く、れんさんに書いてもらうしかありません。

 確かにそうです。できれば、宮顕在世中にやりたかったです。今となっては、必要なんだけど、少し色褪せます。れんだいこ本の肝は、ネオシオニズム問題、宮顕・黒寛問題を正面に据えているところにあります。誰かが言わなければならないのに今までにないので、れんだいこがはっきり書きました。長生きの作法からすると危険ですが、ええいままよという気持ちで書きました。

 それにしても、世間の左派を自認する側からのコメントが出ません。この現象こそがオカルトです。このオカルト時代を生きていかねばならないのが辛いです。屈せず腐らず生あるうち太鼓叩きながら進みたいと思います。

 2009.4.23日 れんだいこ拝

【海野さんのコメント】
 「今週の本棚」の海野隆・氏の2009/04/24日付け投稿 「『検証 学生運動(上巻) 戦後史のなかの学生反乱』を読んで」を転載します。

 『検証 学生運動(上巻) 戦後史のなかの学生反乱』を読んで

 海野隆2009/04/24

 昭和25年生まれの著者は、戦後学生運動の流れを概観し、「左派運動」低迷の原因と欠陥を乗り越える確信と展望を獲得したいとしています。昭和28年生まれで、左翼に「かぶれた」経験をもつ評者としては、本書の中の提言について同意・同感する点が多々あります。

 著者のれんだいこ氏はインターネット上に「人生学院」というサイトを立ち上げて、様々な社会的政治的な事象や歴史・宗教等について活発な発言をしています。著書自身のプロフィールによれば、過去(日本共産党系の)民主青年同盟に所属したことがあるが、その後、党派からは離れ、現在は自営業を営みながら当時の社会的政治的な背景や著者自身の思想的遍歴も含めて、戦後左翼運動の検証に乗り出しているというところでしょうか。本書は、上記の「人生学院」に「戦後学生運動考」としてアップされた論文を元にしています。

 昭和25年(1950年)生まれといいますから、団塊の世代の最後尾に位置しています。評者は昭和28年生まれですから、ほぼ同世代に生きてきたというべきです。しかし、この著書を読んで、この3年間の隔たりは意外に大きいのではないかとも感じました。当時の学生運動をめぐる状況も大きく流動していたということでしょう。

 評者も、もう充分オジさんになっていますから、自分の子供達に当時の話をしてもさっぱり理解してもらえず、世代間のギャップというか断絶を感じているところです。たまに、いくつかの大学構内を歩くこともありますが、建物も本当にきれいになって、政治的スローガンを書きなぐったタテ看板などお目にかかることもありません。したがって現在、学生運動という実態があるのか、有効な政治的影響を与える運動が行われているのか、実は分かりません。

 評者が高校に入学したのは昭和43年(1968年)で卒業したのが46年で、在学中は激しく学園紛争が闘われ、東京大学の入学試験が中止になりました。高校の学園祭には、後に赤軍派に所属し銃砲店襲撃を行ったヘルメット姿の過激派高校生一団が出現して驚いたものでした。国際的には、ベトナム紛争やプラハの春の時代でした。大いに揺れ動いた時代だった記憶があります。

 1年遅れて入学した大学は、まことに静かなものでサークル運動が華やかでした。確かに「一部学生」には、政治的な運動を志向する勢力も残っていました。しかし、多くの学生は学問と就職、日常の学生生活をエンジョイする気分に満ちていました。評者は、その「一部学生」に当たり、日本社会の現実を本当に良く理解し、それまでの思想や考え方を改める(マルクスの呪縛からの解放、思想的転向)には、それから平成元年(1989年)12月のベルリンの壁崩壊までの時間が必要でした。その時に至ってやっと普通の考え方ができるようになったのです。

 実は、本書の扱っている「学生運動」に、評者が大学に在籍した時代は含まれていません。著者によれば、それ以降は「これという新たな質が認められないから」であり、「次第に運動の低迷と四分五裂化を追って行くだけの非生産的な流れしか見当たらない」からだと述べています。

 本書は、戦後学生運動の流れを概観し、「左派運動」低迷の原因と欠陥を乗り越える確信と展望を獲得したいとしています。左翼に「かぶれた」経験をもつ評者としては、本書の中で提言される様々な指摘について、同意・同感する点が多々あります。特に、四分五裂する党派間の違いを説明する「ある種の気質の差」というのは、経験的に案外的を得ているのではないかと思われます。また、「日本左派運動は、本当のところ自己満足的な革命ごっこ劇場を単に欲している」というのも頷けます。

 しかし、本書の執筆動機と述べている政治状況が、「革命」を欲しているとは考えられず、また、本書の随所で見られるロスチャイルド派国際金融資本帝国主義の陰謀説・黒幕説は、評者は同意できませんが、それにしても唐突な印象です。もう少し、丁寧な説明と言及が必要だと思われます。それでも戦後学生運動全体を概観することができるので、左派思想を奉じる方々は学習しなければならない、ということなのでしょうか・・・。

【その他短いコメント】
 「アマゾン・コムのカスタマーレビューのコメント」を転載しておきます。

 ZYXさんのコメント
 著者はいろいろな史料をよんでいて、それなりに読ませる内容となっている。だが著者は木村愛二・西岡昌紀のホロコースト否定論や、偽書『シオンの賢者の議定書』の真作説などをとなえている。太田龍にも肯定的である。つまり、極右的傾向と左翼的傾向を同時に持った人物である。その点警戒が必要である。

 なな
(東京都杉並区)さんのコメント 
 奇しくも今年は、あの東大闘争から40周年目を迎える。新年の初めにはいくつかこの東大闘争の特集番組もあった。問題は、こういう特集番組の中でも、今現在、学生運動がどうなっているのか、ということについては、メディアはまったくふれないということだ。こういうなかでの本書の発行は、グッドタイミングかもしれない。学生運動とはまったく縁がなくなってしまった現役の学生たちに、ようやく考えるきっかけの本が出たからだ。時代は「大学はでたけれどもーー」という情況になっている。こういう時代の中で、再び学生運動が起きなかったとするならば、日本の青年たちは終わりになるだろう。しかし、こういう運動は必ず甦るものである。ところが、運動が再興したとき、再び間違った方向に行かないためには、この学生運動の検証が必要だろう。二度と誤りを繰り返さないために。

【れんだいこ本の気になる売れ行き】
 ネット検索で、「売れ筋 - 学生運動の本」に出くわした。これを転載しておく。2010.5.29日現在の
ことである。これによると、れんだいこ本が2位にランクされている。有り難いことである。こうなると下巻を
そろそろ脱稿せねばならんな。急ごうっと。
 売れ筋 - 学生運動の本
 Amazonアイテム別売れ筋ランキング-----政治本の売れ筋ランキング
 タイトル
ポスト学生運動史―法大黒ヘル編 1985~1994 中川 文人/外山 恒一(聞き手)
検証 学生運動―戦後史のなかの学生反乱〈上〉 れんだいこ
PT・OT学生のための運動学実習―生体力学から動作学まで
「白バラ」―反ナチ抵抗運動の学生たち (CenturyBooks―人と思想) 関楠生
学生社会運動史 (1947年) 菊川忠雄
日本学生社会運動史 (1955年) (青木文庫) 高桑末秀
現代日本の学生運動 (1966年) (青木新書) 広谷俊二
’60年安保と早大学生運動―政治が身近にあったころ闘い、燃えた
白バラ抵抗運動の記録―処刑される学生たち C.ペトリ
日本主義と東京大学―昭和期学生思想運動の系譜 (パルマケイア叢書) 井上義和
戦後学生運動史 山中明
「大学法」論争と学生運動 (1949年)
戦後学生運動〈第5巻〉1959-1961―資料 (1969年)
新人会の研究―日本学生運動の源流 ヘンリ・ディウィット・スミス
戦後学生運動〈第3巻〉1952-1955―資料 (1969年)
戦後日本学生運動史 (1960年) (学生問題研究所研究中間報告〈第6冊〉) 学生問題研究所
戦後学生運動〈第4巻〉1956-1958―資料 (1969年)
戦後学生運動〈第7巻〉1965-1967―資料 (1970年)
資料第四高等学校学生運動史 (1976年)
学生運動の論理―スチューデント・パワーと新しい大学の展望 (1969年) 新堀通也


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(私論.私見)