黒寛著書考

 更新日/2022(平成31.5.1栄和改元/栄和4)年.5.2日



黒田寛一読書ノート 読書のしかた
黒田寛一読書ノート 第一巻 読むことに生命を賭ける
黒田寛一読書ノート 第二巻 苛烈な読書者 1948年秋
黒田寛一読書ノート 第三巻 『資本論』へバクシンせよ
黒田寛一読書ノート 第四巻 戦後唯物論の総括的探究へ
黒田寛一読書ノート 第五巻 自己の前方への脱出
黒田寛一読書ノート 第六巻 再び『資本論』研究へ
黒田寛一読書ノート 第七巻 夢中で書く!
黒田寛一読書ノート 第八巻 涙しつつ読む
黒田寛一読書ノート 第九巻 闘うこと、それが僕の人生だ
黒田寛一読書ノート 第十巻 俗物からの決裂を
黒田寛一読書ノート 第十一巻 梅本『人間論』を読む。
黒田寛一読書ノート 第十三巻 教条主義よ滅べ!
黒田寛一読書ノート 第十四巻 現実を思弁せよ!
黒田寛一読書ノート 第十五巻 結!
 組織現実論の開拓
第一巻/実践と組織の弁証法(あかね図書、2008.6.30)
第二巻/第二巻 運動=組織論の開拓(あかね図書、2009.1.26)
第三巻/反戦闘争論の基本構造(あかね図書、2010.1.26)
第四巻/<のりこえ>の論理(あかね図書、2011.1.21)
第五巻/党組織建設論の確立(あかね図書、2012.12.17) 
 革マル派 五十年の軌跡
第一巻/日本反スターリン主義運動の創成2014/6/26
第二巻/革マル派の結成と新たな飛躍2015/2/20
第三巻/真のプロレタリア前衛党への道2015/9/25
第四巻/スターリン主義の超克と諸理論の探究2016/11/25
第五巻/革命的共産主義運動の歩み 〈年表〉と〈写真〉2017/6/26
 マルクス主義入門
第一巻 哲学入門2018/5/21
第二巻 史的唯物論入門2018/9/21
第三巻 経済学入門2019/1/21
第四巻 革命論入門2019/5/21
第五巻 反労働者的イデオロギー批判2019/9/21
 黒田寛一著作集 全40巻黒田寛一著作集刊行委員会
第一巻 物質の弁証法2020/9/18
 黒田寛一の処女出版『ヘーゲルとマルクス』を収める。本書は、病魔とたたかいマルクス主義をおのれの生きかつ死ぬことのできる思想として主体化することを決意した著者が、唯物
論の客観主義的偏向に抗して主体性論を追求した渾身の労作である。一九五二年五月
(著者二十四歳)に理論社から刊行された本書は、その後一九六八年に装いを新たにして
現代思潮社から再刊された。本書においては、マルクス・レーニンがいかにヘーゲル哲学を
唯物論的に転倒したかを考察し、マルクス実践的唯物論を創造的に発展させることがめざ
されている。
第二巻 社会の弁証法2021/1/26
 『社会観の探求』の増補新版(こぶし書房)を収める。初版(理論社)から現代思潮社版へ
と引き継がれてきた本書は、多くの労働者・学生の読者を獲得し三十万部以上が送り届け
られてきた。本書においては、若きマルクス・エンゲルスが確立した唯物史観を――人間不
在のスターリン式の史的唯物論を超克し――労働者階級がみずからを解放するための真
実の精神的武器としてよみがえらせることが追求されている。巻末の「唯物史観と現代」(
一九九三年執筆)では、マルクス思想こそが二十一世紀世界の思想的パラダイムであるこ
とが宣言されている。
第三巻 プロレタリア的人間の論理2021/5/25
第四巻 スターリン主義哲学との対決2021/9/25
第五巻 マルクス主義の形成の論理2022/1/26
第六巻 変革の哲学2022/6/30
第十四巻 革命的マルクス主義運動の発展2022/10/31
 共著
 吉本隆明埴谷雄高梅本克己)『民主主義の神話』(現代思潮社、1960年)
 吉本隆明対馬忠行)『呪縛からの解放』(こぶし書房、1976年)
 関連書籍

 大久保そりや長崎浩降旗節雄『黒田寛一をどうとらえるか』(芳賀書店、1971年)
 『指がひとつのかたまりとなって』(こぶし書房、1998年)
 高知聰『孤独な探求者の歩み-評伝 若き黒田寛一』(現代思潮新社、2001年)
 唐木照江他『黒田寛一のレーベンと為事』(あかね図書、2001年)
 小金井堤桜子編『現代を生きる黒田寛一』(こぶし書房、2004年)

著作名 著作者名
CL系の同志諸君! 山本勝彦
JRCLの形成と発展
JRCL・NCの戦略戦術 黒田寛一
JRCL・NC高校支部の同志諸君! 山本勝彦
KTとKKとの同一性と対立
「代々木」に背く盲目の教祖
「反帝・反スターリニズム」のスローガンについて 黒田寛一
「日共=前衛党」神話の崩壊と革共同の胎動
「流産したハンガリア革命」の教訓 黒田寛一
わが同盟と参議院選挙闘争 黒田寛一
わが思想の転回点 黒田 寛一
わが運動の黎明期における探究派の闘い
ケルン. 創刊号 怒りと苦しみを組織しよう
ケルン. 第2号 階級内の敵に目を向けよ 尾崎鉄雄
ケルン. 第4号 友への手紙 勝田敏
チューター集団の創設について 黒田寛一
トニー・クリフへの手紙 黒田寛一
プロレタリア党のための闘争 黒田寛一
マル青労同と黒田寛一
ミシェル・カルトリーへの手紙 黒田寛一
何をなすべきか? 黒田 寛一
全学連第十六回大会へのメッセージ 大沢正道 ほか, 対馬忠行, 福本和夫
分裂以後の組織戦術について
労働者大学開講にあたって 黒田寛一
労働者組織の創造のための現時点的立脚点 山本勝彦
労働者諸君に訴う
労大通信. No.2
労大通信. No.3
労大通信. No.4
参院選立候補政見放送
反スターリン主義運動の巨大な前進を切り拓け 植田琢磨
反トロツキスト調査委員の動向 黒田寛一
型破りなぐりこみ選挙
学生戦線を今こそ転換せよ!
弁証法研究会員諸君の奮起を!
日本における反スターリニズム運動 黒田寛一
日本における階級闘争 黒田寛一
日本の反スターリン主義的マルクス主義運動 黒田寛一
日本共産党第七回党大会の延期をめぐって
日本共産党第七回大会とわれわれの立場 山本勝彦
日本左翼反対派の再編成にたいしてわれわれは如何にたたかうべきか?
東大自弁研・科方研の同志諸君!
東欧動乱の意味するもの 黒田 寛一
現段階における反戦闘争とは何か? 黒田寛一
社学同高校部の若い同志諸君へ! 黒田寛一
福島同志へ
米・ソ核実験反対闘争と参議院選挙闘争
米・ソ核実験反対闘争の教訓 土門肇
追悼同志黒田寛一 政治組織局, 植田琢磨
関西派の同志諸君!
革命的共産主義者の当面の任務 黒田寛一
黒田さんへの手紙
黒田の革命家への「命がけの飛躍」

【「社会観の探求-マルクス主義哲学の基礎」】
 「社会観の探求-マルクス主義哲学の基礎」(理論社、1956年) (「将門Web」の「黒田寛一『社会観の探求』」より抜き書き)。
 生産と消費との本質的な媒介契機としての分配が、それにもかかわらず現実には自立化するという、この論理的な過程は、歴史的には社会的分業の出現に照応するのです。社会的分業の発生とともに、量的にも質的にも、不平等な労働および労働生産物の分配、つまり私有財産があたえられるのです。分業と私有財産とは同一のことを表現する言葉です。ただ同じことが前者においては活動との関係においてあらわされ、後者においては活動の結果としての生産物にかんしてあらわされているのです。いいかえれば、社会的分業と私有財産の真理は、生産と所有との分離、人間生活の社会的生産そのものの自己疎外にほかなりません。(「Ⅳ人間の疎外」)
 支配階級は、おのれの階級的な諸利害を社会全体の利害として妥当され、通用させるために、国家をうちたてるのです。これによって、幻想的な共同利害は、「一個の独立的な容態」をとり、「幻想的な共同性」としてあらわれます。すなわち国家は、「共同性の幻想的な形態」であって、支配階級の特殊利害としての「一般的」な利害を物質的にうらずけるものにほかなりません。まさしくこのゆえに、国家権力の機能は、支配階級の生存上および支配上の諸条件を維持し、支配される階級の特殊利害にたいし て幻想的な一般的な利害を貫徹するための暴力の発動となるのです。だから国家は、「社会の集中的で組織的な暴力」として、支配される階級をしぼりとる機関という役割をえんじるのです。国家は、根本的には支配階級の手中にある生産様式、支配的な社会的生産様式=搾取様式をまもりとうすための権力にほかなりません。(「Ⅳ人間の疎外」)

【「革命的マルクス主義とは何か」】
 「革命的マルクス主義とは何か」(こぶし書房、1969.5.25日、283P)

 目次
 Ⅰ スターリン主義崩壊の前夜
 Ⅱ 日本トロツキズム批判
 Ⅲ マルクス主義の現代的展開とは何か?
 Ⅳ 日本革命とわれわれの課題

附録 わが革命的共産主義運動の特質
 Ⅰ 革命運動における後進国の優位
 Ⅱ 平和擁護運動批判から反戦闘争の革命的推進へ
 Ⅲ 組織づくり路線における分裂と発展
 Ⅳ 革共同第三次分裂の革命的意義
 Ⅴ むすび

 あとがき
 「あとがき」は次の通り。
 すべての既成左翼の腐敗ばかりでなく、またわが革命的左翼の闘いの弱さによって現在的にかたちつくられているかかる現実にたいして、われわれは、一世紀半以上にわたるプロレタリア階級闘争の歴史を教訓化するかたちで、断乎とした原則的な闘いを、あらゆる場面でくりひろげなければならない。種々の形態をとって現にいま噴出している一切の急進主義にたいして、われわれは、公然と革命的マルクス主義の立場にたって対決し、その本質を理論的に暴露しそれを実践的にのりこえ、さらに組織的に解体していかなければならない。さまざまな「新しい」粉飾をこらして登場している一切の政治的および思想的潮流ないし傾向にたいして、たとえ「マルクス教条主義派」といった嘲笑があびせかけられようとも、わが革共同・革マル派は、真に根底的に世界そのものを転覆することをめざして闘うべきである――あたかもレーニンとボルシェヴィキ党が左翼主義小児病とたたかったのと同様に。まさにこうした闘いの拠点の論理を、本書は明白に提示してきたのであり、また今後もそうであろう。

 今回の活版化にさいして、わが反スターリニズム運動の独自性を問題史的に考察したものを、附録としておさめた。『逆流に抗して』、『組織論序説』、『日本の反スターリン主義運動』1および2などとは異なったそれ自体の性格と意義とをもっていると思うので、それをあえてつけ加えたわけである。そしてまた、現代思潮社刊『スターリン批判以後』〔現在は、こぶし書房刊〕におさめられている、諸論文を再検討する場合の地図としての役割をも、この《附録》は果すものともなっていると思う。

 1969.4.12日 黒田寛一




(私論.私見)