428913−4 | 「基本的人権」について |
第13条
第29条
日本共産党は、2000.11.24日付け赤旗に、「日本共産党第22回大会決議」の抜粋として「憲法を生かした民主日本の建設を」掲載している。これを見ておく。(4)憲法の、人権や民主主義に関する規定を、政治に生かすとりくみも重要である。
わが国の憲法では、人権について三十条にわたる規定がもりこまれている。そこには政治的権利とともに社会的権利が明記され、全体として世界でも先駆的な豊かな人権規定となっている。ところが自民党政治のもとで、この人権規定が生かされず、つぎの諸問題をはじめ、あらゆる分野で踏みにじられてきた。
――第一四条・二四・四四条では、社会的にも、家庭でも、政治参加の面でも、「男女の同権・平等」を詳細に規定しているが、男女賃金格差など労働条件一つとってもこれが生かされたとはいえない現状がある。政治参加も世界の水準にはるかに遅れている。
――第一九条では、「思想及び良心の自由」が保障されているが、政党助成法、「日の丸・君が代」の強制など、内心の自由を侵す政治が横行している。
――第二一条では、「通信の秘密」を保障しているが、それをまっこうから蹂躙する盗聴法が強行された。
――第二五条では、国が「社会保障の増進」の責任をはたすことを義務づけているが、社会保障への国の支出を抑制・削減する政治がつづけられている。
――第二七条では、「国民の勤労権」「労働条件を法律で決める」などをのべているが、残業時間一つとっても法律での規制がないなどの現実が放置されている。労働法制の全面改悪がすすめられていることも重大である。
――第二九条の「財産権の保障」は、もっとも古くからある人権規定だが、米軍用地特別措置法の改悪などは、これを蹂躙するものだった。
わが国の憲法の先駆的で豊かな人権規定を、暮らしに生かす政治こそ、いま強くもとめられているのである。
「環境権」「知る権利」「プライバシー権」など、“新しい人権”をどう位置づけるかが問題とされている。これらは、憲法の人権規定をふまえて、国民の運動によって発展的に生みだされてきた権利であり、第一三条の「幸福追求権」など現憲法の人権規定によって根拠づけられるものである。憲法は、“新しい人権”にも対応できる、懐の深い構造をもっている。これを改憲論の“入り口”として利用し、九条改憲を“出口”とする方向に、世論を誘導しようという議論には、まったく道理がない。
リストラ・人べらしにたいし、確立した判例であった「整理解雇の四要件」をくつがえす判決が相ついでいる。司法の反動化を許さず、陪審制など国民の司法参加、裁判官の選任方法や法律扶助制度の改善など、司法制度の民主的改革を実現することは、国民の人権を守るうえで重要である。
議会制民主主義をめぐって、政権党が、党利党略で、選挙制度を改悪する動きを、臆面(おくめん)もなくくりかえしていることは重大である。小選挙区制・比例代表並立制のもとで、民意を反映する比例代表の定数を削減するという暴挙が、政権与党の“数の暴力”によって強行された。参議院の比例代表の選挙制度を、「非拘束名簿式」に改変するという政権与党のくわだても、政党選択というこの制度の土台を根底から崩す、むきだしの党利党略の動きである。民主主義に逆行する選挙制度の改悪を許さず、小選挙区制撤廃を軸にした選挙制度の民主的改革をかちとることは、ひきつづき重要な課題である。
企業献金は、大企業の金の力で政治をゆがめ、憲法に保障された国民の参政権を侵害するものである。この間の一連の汚職事件を通しても、企業献金が政治腐敗の根源であることは、いよいよ明瞭である。政府与党は、二〇〇〇年一月から政党への企業献金を見直すとした政治資金規正法の規定すら無視して、企業献金をもらいながら、政党助成金も二重どりするという姿勢をつづけている。わが党は、企業献金禁止、政党助成金撤廃を身をもって実行している唯一の党として、この政治腐敗の根源を日本の政界から一掃するために、ひきつづき力をつくす。
(私論.私見)