小泉首相の外交能力考

 関連サイト、日朝政治史「拉致事件」考

Re:れんだいこのカンテラ時評その58 れんだいこ 2005/06/20
 【小泉首相の外交能力考】

 小泉首相の政治能力、外交能力が問われる正念場の舞台がやってきた。2005.6.20日、小泉首相は、訪韓し、ソウルで、盧武鉉(ノムヒョン)大統領と7回目の会談を行う。

どうしても避けて通れない問題として、小泉首相の靖国神社公的参拝に伴う歴史認識問題がある。韓国側は、「靖国問題を含む歴史認識問題が重要議題の一つになる。韓国政府と国民は、過去の謝罪に見合った実践を求めている」と事前通告してきているとのことである。

 つまり、こたびの首脳会談では、先の戦争の史的総括が鋭角的に問われており、小泉首相がどう遣り取りするのかに注目が集まっている。物別れ会談となるのか、小泉首相が一方的に聞き役に終始するのか、官僚シナリオの答弁棒読みでお茶を濁すのか。いずれにしても和やかな会談というのは考えられない。

 れんだいこの予想として、会談は、小泉首相の胆力負けで終わるであろう。なぜなら、彼には真剣な会談に耐え得る歴史哲学も識見もそもそも持ち合わせていないからである。よって胸襟相照らす仲になることは考えられない。

 れんだいこが思うに、これは日韓の頭脳戦である。このところ日本側はタカ派政権になって以来次第に能力が低下しつつある。タカ派政治は米英ユ同盟の腰巾着路線一辺倒であるからして自分で考える必要が無い。そういう訳で、その皺寄せとして脳軟化症が進みつつある。逆に、韓国側は、近現代史上最高のルネサンス社会を形成しつつあり、能力向上が著しい。

 妙なことだが(実際は妙でもないが、その論及は割愛する)、韓国は今や囲碁棋界世界一の座を席巻しつつある。日本は逆にプロ数は断然一位を誇るものの各種の世界棋争で韓国に負け中国に負け台湾に負け続けている。そういえば北朝鮮にも囲碁ブームが始まりそうな気配である。次世代の台頭ぶりから見るにこの傾向は今後ますます強まると見られている。

 れんだいこは、何が言いたいのか。それは、明治維新以来百有余年、日本が東アジアの雄国である時代が終り、経済的にも外交的にも遅れを取る時代が遣ってきた。こたびの日韓首脳会談はそれを証する会談になるであろうという予想をしておきたいということである。

 問題は、日本は再起するのか、永遠にこの土壷にはまり続けるのかにある。れんだいこの見るところ、今の政治が続けば国債処理同様に自力解決する能力を持たず治癒し難しではなかろうか。

 なぜかような日本になったのか。右翼は、大東亜戦争の敗戦後遺症を云う。れんだいこは、その説は採らない。むしろ、戦後憲法秩序は「新時代の青写真」として稀有な蓮華国家を指針せしめており、これはむしろ戦争ー敗戦で贖った代価として獲得したものではないかと見立てている。下手な左翼は、ポツダムヤルタ体制の落とし子としてこれを批判してきたが、れんだいこはそのような説を退ける。

 れんだいこ史観は、戦後憲法秩序の上に花開こうとしていた戦後政府与党自民党のハト派政治を高く称賛する。その失脚転回点となったロッキード事件を疑惑する。あれ以来、日本は最終的に独立国家の気概を失ってしまった。あれ以来、日本は米英ユ同盟の露骨な支配下に置かれ、政治経済文化外交が手玉に取られ始めた。それまでのハト派政治は何とか遣り繰りしてきていたが、米英ユ同盟が許さない時代に入ってしまった。

 小泉政権は、そういう時代の行き着いた結節点であり、臆面も無く米英ユ同盟の配下国家へと日本を仕上げせんとしている。これをマスコミが囃し、評論家諸氏が追従し続け、国会は大政翼賛会の湯船の中で宴会政治を謳歌している。醜悪極まれる図柄であるが、何せこれを批判する主体が出てこない。

 ちらほら台頭の望まれる党派はいるにはいるが、れんだいこ史観に立ち切れておらず、為に舌鋒が弱すぎる。地方議会選挙あたりで苦労するようでは先が思いやられる。それというのも、共同戦線式共闘会議が創出されないからであろう。

 こうなったら、組める同士で組んで二、三、四の潮流を生みだしたら良いではないか。でないと日が暮れる。れんだいこはそう思っている。れんだいこ党は僅かの手勢ではあるがその為に用意してある。党員諸君宜しければ意見聞かせてくれ、公開で構わない。

 2005.6.20日 れんだいこ拝






(私論.私見)