イラク派兵諸国考

 (最新見直し2008.12.15日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 危機の時に本質が立ち表れる。そう云う意味で、以下に記すイラクへの派兵諸国こそ米英イスラエルの強参与国であるということになる。興味深いことは、東欧諸国の派兵振りである。例の自由化が如何なるものであったのかが分かろうというものだ。


【参戦国】
国名 大統領及び首相、内閣 最大事派遣人員 軍事活動 人道支援 インフラ整備 活動地域
今後の政府方針
アメリカ ブッシュ共和党政権 15万 北部西部バクダッド
2011年末までに撤収する旨の米国イラク地位協定が2009.1月に発効する。
イギリス ブレア労働党政権 4万6000 南東部
2009年中に4100名の撤収を本格化させる見通し。
韓国 ノ・ムヒョン大統領 3600 南部ナシリア
 600名を2008年度中に撤収する予定。
イタリア べルルスコー二首相 3200 南部ナシリヤ
ポーランド ミレル首相 2500 中南部
オーストラリア 2000 首都近郊
グルジア 2000
 2008.8月、ロシアとの軍事衝突により召還し、ほぼ完全撤収
ウクライナ 1657 中部クート
スペイン アスナール首相・右派国民党政権 1300 中部ナジャフ
派兵堅持
オランダ 1100 南部
特殊部隊追加
ルーマニア 865 中部ヒッラ
ノルウェー 165 中部カルバラ
日本 小泉政権 600 サマワ
 2006.7月、陸自がサマワから撤収。空自が空輸活動を継続。
デンマーク 600 南部バスラ
ブルガリア 485 南部バスラ
タイ 447 中部カルバラ
当面は様子見
チェコ 400 南部バスラ
野戦病院撤収、軍警察派遣
エルサルバドル 380 中部ナジャフ
ホンジュラス 370 中部ナジャフ
ドミニカ 302 中部ディワニヤ
ハンガリー 300 中部ヒッラ
ヨルダン 300
支援継続
サウジアラビア 不明
支援継続
ニカラグア 230 中部ナジャフ
フィジー 223
モンゴル 180 中南部
シンガポール 180
アゼルバイジャン 151 全域
アラブ首長国連邦 150 南部バスラ
ノルウェー 150
ラトビア 125
リトアニア 121
アルバニア 120
スロバキア 110 中部ヒッラ
ラトビア 106 首都近郊
フィリピン 96 中南部
増派計画
アルバニア 75 北部
ニュージーランド 53 南東部
エストニア 55 南部シチリア
トンガ 55
フィリピン 51
アルメニア 46
モルドバ 43 首都近郊
マケドニア 40 首都近郊
ボスニア・ヘルツェゴビナ 36
カザフスタン 27 首都近郊



【非参戦主要国】
国名 大統領及び首相、内閣 国防相 非参戦の理由
フランス
ドイツ
ロシア
中国
インド


【スペイン首相がイラク派遣部隊の撤退を命令 [BBCNews、Spain PM orders Iraq troops home]】
 Spain's new prime minister Jose Luis Rodriguez Zapatero has given orders for Spanish troops in Iraq to be brought home in "as short a time as possible".
 スペインの新しい首相ホセ・リュイ・ロドリゲス・サパテロは、「可能な限り短い時間のうちに」イラクに駐留するスペイン軍を帰還させる命令を下した。
 スペインのサパテロ新首相は18日、イラク駐留スペイン軍をできるだけ早く撤退させるようマルティネス国防相に命じた。

 Spain has about 1,300 troops stationed in Iraq.
 スペインは1,300名の兵員をイラクに駐留させている。

 Spanish troops play an important role in Iraq, particularly in the Shia holy city of Najaf.
 スペイン軍はイラク、特にシーア派聖都ナジャフで重要な役割を果たしている。

 Spanish troops stationed Najaf come under rifle and mortar fire almost every day from militiamen loyal to the fiery anti-US cleric Moqtada Sadr.
 ナジャフに配備されているスペイン部隊は、強烈な反米聖職者ムクタダ・サドルに忠実な民兵組織から、ほとんど毎日ライフル銃と迫撃砲の攻撃を受けている。

 Mr Zapatero said he had ordered the defence minister to "do what is necessary for the Spanish troops stationed in Iraq return home in the shortest time possible".
 サパテロ氏は「可能な限り最短の時間内にイラクに配備されたスペイン軍が帰還するために必要なことを行う」よう国防大臣に命じたと述べた。

 He spoke just hours after the new Socialist government was sworn in.
 彼は新しい社会党政府が発足したほんの数時間後に、この発表を行った。

 Immediately after his election, Mr Zapatero had vowed to withdraw Spanish troops from Iraq unless they came under UN command by 30 June when their mandate expires.
 サパテロ氏は選挙の直後、もし彼らの権限が終了する6月30日までに国連の主導権の下に入らなければ、イラクからスペイン軍を撤退させることを公約していた。

 His conservative predecessor, Jose Maria Aznar, sent in troops in August 2003 in a move which led to huge popular protests across Spain.
 保守的な前任者ホセ・マリア・アスナールは、スペイン全土で大規模な民衆抗議デモが起こった風潮の中で2003年8月、軍隊をイラクに派遣した。

 "With the information we have, and which we have gathered over the past few weeks, it is not foreseeable that the United Nations will adopt a resolution" that satisfies Spain's terms, Mr Zapatero said.
 「私たちが持っている情報や、さらに過去数週間に集めた情報から判断して、スペインの政策が満たされるような国連決議が近いうちに採択されるとは予想できない」とサパテロ氏は述べた。

  Many believe the 11 March train bomb attacks were a result of the former government's support of the United States policy in Iraq, our correspondent adds.
 3月11日の列車爆破攻撃は、前政権がイラクに関する米国の政策を支援した結果起こったものだと多くの人々が信じている、と特派員は付け加えた。

 In November, Spain was stunned by the deaths of seven intelligence officers in Iraq, killed when their convoy came under attack outside Baghdad.
 昨年11月、スペインはイラクでの7人の情報局員の死に衝撃を受けた。バグダッド郊外で警護隊が攻撃を受けた事件である。

 The BBC's Dominic Hughes, in Baghdad, says that with the US saying it needs thousands of extra troops on the ground in Iraq, the withdrawal of the Spanish forces will clearly be felt.
 バグダッドで取材を続けているBBCのドミニック・ヒューズは、今のイラクにはさらに何千もの追加兵員が必要だと言っている米国にとって、スペイン軍の撤退は大きな打撃となるだろうと言った。

 Mr Zapatero has said the fight against terrorism at home and abroad will be his administration's top priority.
 サパテロ氏は、国内外でのテロとの戦いが彼の政権の最優先事項となるだろうと語った。

 And he has promised to double the number of Spanish soldiers in Afghanistan, where there is a UN mandate.
 また彼は国連の権限が有効であるアフガニスタンには、派遣するスペイン軍兵士の数を2倍にすると約束した。

 イラク戦争を支持したアスナール前政権(国民党)は戦後、派遣国のなかでは6番目の規模で軍を派遣。中部ディワニヤやナジャフを拠点に、中南米諸国部隊と共同で治安維持と人道支援活動にあたっている。だが、3月にマドリードで起きた列車同時爆破テロで、イラク戦争支持がテロを招いたとの批判が広がり、総選挙でサパテロ氏が書記長を務める社会労働党が勝利。18日に新内閣が発足したばかりだった。



【ホンジュラスも早期撤退 中米2国、追随の動き】
 【メキシコ市19日共同】スペインのサパテロ新首相がイラク派遣部隊の早期撤退を表明したことを受け、中米ホンジュラスのマドゥロ大統領は19日、スペイン軍傘下で活動するイラク駐留部隊約370人を「できるだけ早期に撤退させる」と表明した。ロイター通信が報じた。エルサルバドルやドミニカ共和国も追随の動きを見せている。
 スペイン軍撤退で指揮系統に支障が生じ、安全を維持できない恐れがあるため。対米配慮から駐留を継続してきた中米各国だが、撤退を求める国内世論の高まりに抗し切れなくなった。スペインに続くホンジュラスの撤退表明により、米国主導の「有志連合」は大きく揺らぎ始めた。
 マドゥロ大統領は「(撤退の)決定を実行するよう命じた」と言明。有力紙プレンサが3月に行った世論調査では、撤退すべきだとの意見が約9割を占めていた。




(私論.私見)